ブリッジレポート
(4317) 株式会社レイ

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ブリッジレポート:(4317)レイ vol.21

(4317:JASDAQ) レイ 企業HP
分部 日出男 社長
分部 日出男 社長

【ブリッジレポート vol.21】「ハードを持ったプロダクションとしてのブランド強化とOne Stop Solution」戦略について
2009年7月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社レイ
社長
分部 日出男
所在地
東京都港区六本木 6-15-21
決算期
2月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年2月 8,720 334 297 106
2008年2月 9,576 -628 -497 -635
2007年2月 9,861 31 -35 -28
2006年2月 9,533 782 773 416
2005年2月 8,237 386 380 226
2004年2月 7,649 434 429 207
2003年2月 6,761 142 126 34
2002年2月 8,184 800 763 429
2001年2月 7,030 634 599 266
2000年2月 6,169 309 262 73
株式情報(7/3現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
113円 13,049,289株 1,475百万円 6.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 3.83円 29.5倍 120.06円 0.9倍
※株価は7/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
レイグループの「ハードを持ったプロダクションとしてのブランド強化とOne Stop Solution」戦略について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要と市場動向
 
(1)会社概要
経営戦略の立案・遂行と各事業会社の管理業務の代行を中心とする(株)レイと、事業体である子会社6社でグループを構成。TVCM(テレビコマーシャル)やセールスプロモーション(SP)等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用し実制作を行うテクニカルソリューション事業を展開している。企画制作だけでなく、充実したポストプロダクション機能を備えている事が同社の特徴。
 
 
尚、7月1日に代表取締役の異動及び子会社の合併について発表があり、9月1日付けで、現在、代表取締役副社長を務める分部 至郎氏が代表取締役社長に就任すると共に子会社2社を解散する。
 
①代表取締役の異動
世代交代を円滑に進め経営権の承継を果たす事により企業の活性化を図ると共に企業価値の更なる向上を目指すべく、現在、代表取締役副社長を務める分部至郎氏が代表取締役社長に就任すると共に、現在、代表取締役社長を務める分部日出男氏が代表取締役会長に就任する。
 
②子会社の合併
業務の効率化、事業の採算性向上、更には合併によるシナジーによる強固な収益基盤を確立するべく、子会社の合併を進めグループを再編する。具体的には、(株)ティーシー・マックス及びマックレイ(株)を存続会社とする吸収合併方式により、(株)プレイズ、(株)プレントをそれぞれ解散する(いずれも同社の100%子会社)。
 
 
④経営方針  “ハードを持ったプロダクションとしてのブランド強化とOne Stop Solutionでの営業展開”
 
 
(2)市場動向
同社が展開しているセールスプロモーション、Web制作、映像機器、演出関連といったビジネスは、広告(市場規模6兆円)、イベント(同4兆円)、エンタテインメント(同2兆円)と言った広大なマーケットをフィールドとしている。
 
 
これまでの歩み
 
早稲田大学のサークルからスタートし、コンピュータによるレーザー光線のコントロール技術を活かしたレーザーディスプレイ事業で業容を拡大させた。98/2期(17期)頃からは、現在の広告ソリューション事業のルーツとなるイベント事業を立ち上げ、更に01/2期(20期)にはDVDコンテンツの取り扱いや映画の配給を行うコンテンツ事業をスタート、同事業は短期間で年商10億円超のビジネスに拡大した。ただ、コンテンツ事業は大きなリターンが期待できる半面、先行投資負担が重く投下資金の回収リスクが大きい事から、08/2期(27期)に抜本的見直しを行い撤退した。
 
 
新生レイグループの強みと今後の方針・施策
 
SPやイベントに加え、TVCM部門を持つ広告ソリューションは多様な顧客ニーズに合った総合的な提案が可能である。テクニカルソリューションは今回の再編を機に営業部門を強化し、先進のデジタル映像技術をアピールする事でグループ内からの受注だけでなく、グループ外からの需要の取り込みを図る。
 
 
(1)テクニカルソリューション事業の展望と方針
最新のデジタル機器とクリエイティブなテクニカルスタッフを強みとするテクニカルソリューション事業は、機器レンタル部門とポストプロダクション部門に分かれる。
 
 
①映像機器レンタル部門
映像レンタル業界は、イベント以外の小規模な会合や全国規模のネットワークを通じた会合等、需要の裾野が広がりつつあるものの、機材レンタル会社間の競争が激しくなっている。同社は、会場をネットワークで結ぶ技術を生かして、学会(医師会)等の会合需要の取り込みを図る他、映像編集部門との情報の交換、顧客の共有によりターゲットエリアを広げる考え。
 
②ポストプロダクション部門
放送局・広告代理店の苦戦を受けて全体的に厳しい事業環境が続いているものの、地デジへの完全移行を控え、ハイビジョン撮影の需要は増加傾向にある。また、映像のデジタル化が進み、ブルーレイディスク等の新しい映像ビジネスの拡大も期待できる。こうした中、同社はデジタル放送対応投資を他社に先駆けて終了しており、既に実績な豊富を有する等、デジタル映像分野で比較優位を有する。今後、充実した資産を活かし、新技術である高精細画像処理加工の高速化やインターネット等でのファイル変換等を強化していく考え。
 
(2)広告ソリューション事業の展望と方針
ハード・ソフトの両面でのノウハウを駆使した総合プランで他社との差別化を図っている。
 
 
広告代理店の統合や不況に伴い、制作会社の選別が進み大手制作会社へ集中する傾向が強まっており、広告代理店に選ばれる制作会社となるためには、コスト、対応力、リスクマネージメント等、多様な対応力が必要とされる。また、多メディア化の中、クロスメディアマーケティングの動きが加速している事も特徴。今後、こうしたニーズに対応できない制作会社の淘汰が更に進むものと思われる。
こうした中、同社は制作会社選別化の波に乗り、広告代理店との絆の強化を図ると共に、営業訓練により、アカウント・プロデューサーの資質の向上を図る。また、プロモーション会社(株)プレイズと合併したCM制作会社(株)TCマックス(CMからSPまでの「One Stop Production」が可能)を中心にクロスメディアマーケティングを推進する。
 
経営課題と2010年2月期業績
 
(1)グループの課題 「営業力」
クリエイティブ力・技術力・総合企画提案力は強いが、企業の成り立ちから組織的な営業力が弱いことがグループの課題であった。しかし、テクニカルソリューションからスタートした「プロセスマネージメント」と言う組織営業強化研修が定番化し、ここにきて課題であった営業力の強化が進みつつある。
 
(2)現在の営業戦力
テクニカルソリューションは45名の営業が研修により訓練され、ポストプロダクション事業で5営業チーム、映像機材レンタル事業で7営業チームの計12営業チームに編成されて、日々行動している。また、広告ソリューションは、アカウントとプロデューサーの2タイプの営業に分かれ、現在訓練の最中である。数年後にはこの部門も強化が進むものと思われる。
 
 
10/2期は前期比6.0%の減収、同49.5%の経常減益予想。景気悪化を受けて広告出稿の抑制が続くとして、当初から厳しい事業環境を想定していた。業務の効率化や経費節減に努めるものの、事業環境の悪化による減収の影響を吸収できず、営業利益は同40.1%減少する見込み。

ただ、ハード面での映像のデジタル化対応が一巡した事、及びコンテンツ事業からの撤退で負担の思いコンテンツ投資からも開放された。このため、ハード・ソフト両面で投資はピークアウトしており、これに伴い有利子負債の削減も進展。景気回復局面での飛躍に向けて、財務基盤の強化は進みつつある。
 
 
 
取材を終えて
08/2期はコンテンツ事業からの撤退で大きな損失計上を余儀なくされ、この撤退により約10億円の年商が無くなった。しかし、財務面での負担軽減効果は極めて大きく、経営リスクも低減された。そして、今回のグループ再編により広告ソリューション事業とテクニカルソリューション事業の基盤整備も一巡。企画制作だけでなく、充実したポストプロダクション機能を備える同社の強みを活かし、「ハードを持ったプロダクションとしてのブランド強化とOne Stop Solution」戦略を進める体制が整った。
これを機に80年代から今日まで同社の成長を先頭に立って引っ張ってきた分部日出男氏から、同社の創業者であり、また、日出男氏の実弟でもある分部至郎氏(同社のルーツは至郎氏が起こした早稲田大学のサークル)へ経営のバトンが渡される。足下、苦戦気味とは言え、JASDAQ上場は起業家であれば誰もが夢見るSuccess Storyである。分部日出男社長の功績を称えると共に、分部至郎新社長の経営手腕に期待したい。