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(3041) 株式会社ビューティ花壇

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ブリッジレポート:(3041)ビューティ花壇 vol.10

(3041:東証マザーズ) ビューティ花壇 企業HP
三島 美佐夫 社長
三島 美佐夫 社長

【ブリッジレポート vol.10】2010年6月期第1四半期業績レポート
取材概要「経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、葬儀業の2009年7-8月の取扱件数は前年同期比0.8%減の50,594件、売上高は1.7%・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年12月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ビューティ花壇
代表取締役社長
三島 美佐夫
所在地
〒105-0003 東京都港区西新橋2-16-2
決算期
6月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2009年6月 3,724 61 65 -15
2008年6月 3,808 106 106 28
2007年6月 3,188 153 147 71
2006年6月 2,668 170 154 98
2005年6月 2,339 78 60 20
2004年6月 1,888 36 16 5
2003年6月 1,519 13 9 4
2002年6月 1,111 15 15 1
2001年6月 877 -5 -4 -3
株式情報(11/13現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
40,000円 24,654株 986百万円 - 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,189円 3.0% 3,964.35円 10.1倍 16,810.21円 2.4倍
※株価は11/13終値。
 
ビューティ花壇の2010年6月期第1四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
葬儀会社に対し、生花祭壇や供花等の企画・制作・設営サービスを提供する生花祭壇事業と、生花祭壇部門の仕入れ及び葬儀会社や小売店への販売を主体とする生花卸売事業が2本柱。
 
 
生花祭壇事業は、全国8カ所の営業拠点(7支社1営業所)を通じて葬儀会社からの発注に応じて祭壇を販売する。また、生花卸売事業は、全国10カ所の中央及び地方卸売市場の買参権(買取り参加者としての資格)を取得している他、全国15カ所の生産者とも連携する等で全国的なネットワークを構築、効率的な仕入を行っている。生花祭壇事業へ商品を提供すると同時に、外部顧客(生花店、葬儀社等)への販売も行っている。

1974年5月創業。97年1月に(有)ビューティ花壇として法人化され、2000年6月株式会社化。06年6月に東証マザーズに株式を上場した。
 
<事業系統図>
 
グループは同社の他、ブライダル装花等を手掛ける(株)クラウンガーデネックス、台湾で生花祭壇事業および生花の仕入れを手掛ける美麗花壇股有限公司(台湾)の連結子会社2社。
 
2010年6月期第1四半期業績
 
<連結業績>
 
当第1四半期間の同社グループの売上高は、生花卸売事業が前年同期比に対して増加となる一方、売上高の77.9%を占める主力の生花祭壇事業が軟調な推移となった結果、902,511千円(前年同期比2.3%増)となった。売上総利益は、182,400千円(同0.2%増)となった。

販売費及び一般管理費は、広告宣伝費を抑えたものの、人件費や顧問料の増加等があり、208,804千円(前年同期比2.1%増)となった。その結果、営業損失は26,404千円(前年同期は22,529千円の損失)となった。また、経常損失は受取地代家賃等により22,836千円(前年同期は21,333千円の損失)となり、四半期純損失は法人税等調整額や少数株主利益により34,566千円(前年同期は31,098千円の損失)となった。
 
<事業の種類別セグメントの業績>
 
(生花祭壇事業)
生花祭壇事業の売上高は、703,386千円(前年同期比2.5%減)となった。

台湾にある連結子会社・美麗花壇股有限公司の生花祭壇事業は、台湾式の生花祭壇と比較して単価の高い日本式の生花祭壇施行件数が前年同期は112件であったのに対して、当期は553件と大幅に増え、日本式の生花祭壇は全祭壇の施行件数の60.8%を占め、売上高では82.4%を占めるに至った。また、受注件数も前年同期の475件から20.0%増加し、570件となった。しかしながら、為替変動の影響により売上高は減少となった。

国内においては、厚生労働省の人口動態統計速報(平成21年8月分)によると、死亡人口は引き続き増加傾向にあるが、2009年7-8月の累計において176,929人と前年同期比で0.3%減少した。これは、2008年7月が前年同月比3.5%増と増加率が高かったため。

また、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、葬儀業の2009年7-8月の取扱件数は前年同期比0.8%減の50,594件、売上高は1.7%減の76,763百万円となっている。これは、葬式を行わず火葬のみを行う直葬が広まりつつあるからであると推察される。

このような状況のもと、当事業の国内売上高は、666,414千円(前年同期比2.3%減)となった。施行件数においては前年同期が3,709件に対し200件増加し、3,909件となった。生花祭壇事業は、収益の向上を目指して社葬・大型葬の獲得に取り組んでおり、従来の営業拠点に限定することなく全国で受注・営業活動を行っているが、当第1四半期においては24件と、前年同期の40件に比べ、減少した。

これらの理由により、営業利益は85,797千円(前年同期比22.3%減)となった。

(生花卸売事業)
生花卸売事業の売上高は、161,234千円(前年同期比19.4%増)となった。東京中央卸売市場「市場統計情報」(平成21年9月)によると、切り花の単価は前年同月比で7月は1.8%増、8月は1.9%増、9月は5.5%増とプラスで推移した。

一方で、同社の輸入比率(本数ベース)は、前年同期の18.2%に比べ10.4ポイント上昇し、当期は28.6%となり、輸入比率を高めることで原価上昇を抑制した。

また、輸入に係る荷造運賃、調達人員の安定化により、営業利益は19,898千円(前年同期は1,043千円の利益)となった。

(その他事業)
その他事業は、ブライダル事業及びプランツスケープ事業からなり、売上高は37,890千円(前年同期比46.1%増)となった。営業損失は9,157千円(前年同期は11,759千円の損失)となった。

連結子会社の株式会社クラウンガーデネックスにおいては、東京でのブライダル装花により、売上高、売上総利益共に増加、販売費及び一般管理費も増加となった。

また、オフィス・商業施設の植栽による空間演出を行うプランツスケープ事業は、植栽工事の大型受注により売上高が増加した。
 
<財政状態>
 
当第1四半期間末の総資産は、前年度末に比べ130,083千円減少し、1,185,573千円となった。
流動資産は、前年度末に比べ112,594千円減少し、598,735千円となった。これは主に、現金及び預金の減少等によるもの。
固定資産は、前年度末に比べ17,488千円減少し、586,838千円となった。

当第1四半期間末の負債は、前年度末に比べ90,604千円減少し、741,441千円となった。
流動負債は、前年度末に比べ49,496千円減少し、593,207千円となった。これは主に、短期借入金の減少等によるもの。
固定負債は、前年度末に比べ41,108千円減少し、148,233千円となった。これは、社債及び長期借入金の減少等によるもの。

当第1四半期間末の純資産は、前年度末に比べ39,478千円減少し、444,132千円となった。これは主に、剰余金の配当による利益剰余金の減少等によるもの。
 
<キャッシュ・フロー>
 
当第1四半期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末に比べ147,290千円減少し、81,493千円となった。
当第1四半期連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおり。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間において営業活動の結果使用した資金は645千円(前第1四半期間に比べ12,616千円減少)となった。これは主に、税金等調整前四半期純損失38,747千円を計上した一方で、非資金費用である減価償却費13,972千円の計上と賞与引当金の増加24,466千円によるもの。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間において投資活動の結果使用した資金は8,733千円(前第1四半期間に比べ6,252千円増加)となった。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出7,247千円によるもの。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期間において財務活動の結果使用した資金は138,289千円(前第1四半期間に比べ57,569千円増加)となった。これは主に、短期借入金の純減57,758千円、長期借入金の返済による支出18,920千円や社債の償還による支出50,000千円によるもの。
 
2010年6月期業績予想
 
<連結業績>
通期の業績予想は、前回の予想から修正していない。
 
 
当第1四半期連結会計期間において進捗が遅れているものの、堅調に推移していることから同社グループ全体ではほぼ計画通りに推移しており、業績予想に変更はない。
 
取材を終えて
経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、葬儀業の2009年7-8月の取扱件数は前年同期比0.8%減の50,594件、売上高は1.7%減の76,763百万円となっている。これは、葬式を行わず火葬のみを行う直葬が広まりつつあるからであると推察される。
このような状況の中、同社の生花祭壇事業の施行件数は前年同期が3,709件に対し200件増加し、3,909件(5.3%増)となっており、同社の営業面については一定の評価が出来る。
また、一般的に冠婚葬祭の中でも葬祭に関しては比較的景気の影響を受けにくい事業と言われており、2009年9月の株主総会で創業社長の復帰による影響も併せて、今後注視していきたい企業である。