ブリッジレポート
(2714) プラマテルズ株式会社

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ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.2

(2714:JASDAQ) プラマテルズ 企業HP
井上 正博 社長
井上 正博 社長

【ブリッジレポート vol.2】2011年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「合成樹脂原料の基礎原料であるエチレンの4-6月期の生産量は、定期修理により稼働停止したプラントが増加したため1,576.6千トンと前年同期比・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月10日掲載
企業基本情報
企業名
プラマテルズ株式会社
社長
井上 正博
所在地
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年3月 47,145 663 621 388
2009年3月 52,550 893 809 489
2008年3月 56,861 1,089 943 704
2007年3月 52,022 1,219 1,115 652
2006年3月 50,673 1,054 1,005 569
2005年3月 46,804 790 746 403
2004年3月 43,720 659 566 309
2003年3月 42,614 685 642 240
株式情報(7/28現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
350円 8,548,416株 2,992百万円 7.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.00円 3.7% 49.13円 7.1倍 668.36円 0.5倍
※株価は7/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
プラマテルズの2011年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
合成樹脂関連商品の専門商社。原料メーカーから仕入れた樹脂原料をセットメーカーや成形メーカー及び樹脂の二次加工メーカーに販売しており、最終用途は自動車、電子・電機・OA機器、玩具、住宅建材等。総合商社双日(株)グループにおいて合成樹脂部門を担う双日プラネット(株)が株式の46.5%を保有し、双日プラネットグループにおける販売部門としての位置付けだが、双日プラネット(株)からの仕入は年々減少傾向にあり(仕入比率:09/3期13.9%→10/3期10.0%)、同社独自のビジネス展開をしている。
 
<沿革>
1951年3月、合成樹脂の販売を目的とした日本樹脂(有)として設立され、52年3月に株式会社に改組。61年3月にニチメン(株)の出資を受け、94年12月にはニチメン(株)が55.5%の支配株主となった。95年9月のニチメン樹脂販売(株)への商号変更を経て、2000年1月、プラマテルズ(株)に商号を変更。01年10月、JASDAQに株式を上場した。
積極的なM&Aや海外展開への取り組みも同社の特徴で、98年10月にニチメンプラスチック(株)と合併し、同年11月に(株)富士松を子会社化。00年1月には甲子産業(株)と合併し、03年1月には旭合成樹脂(株)の営業権を譲受。同年9月にフィルタレン(株)を設立して(株)化研より合成樹脂フィルターの営業権を取得し、同年10月より製造・販売を開始した。また海外展開では、02年4月に上海に駐在員事務所を開設し、03年1月に香港現地法人を設立。その後、フィリピン、シンガポールに展開し、06年2月にはベトナムに東洋インキ製造(株)と合弁でコンパウンド製造・販売会社を設立。09年1月に深、同年8月に大連へも展開し、現在、連結子会社8社、持分法適用会社1社とグループを形成。アジア進出を進める日系企業への供給体制の充実を図っている。
 
 
ベトナム子会社
(コンパウンド製造・販売会社)
目的とする性能や機能を得るために、プラスチックのベース樹脂に強化材や添加剤を配合した材料を製造する拠点。
(説明会資料より)
 
 
2011年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比42.4%の増収、同259.8%の経常増益
前年同期の水準が低かった事もあるが、汎用商材を中心に売上が大幅に増加した。利益面では、売上構成の変化で売上総利益率が前年同期の実績を下回った他、顧客の倒産に伴う貸倒引当金繰入額55百万円の計上や人件費の増加等で販管費も比較的大きな伸びを示したが増収効果で吸収、営業利益は約2.7倍に拡大した。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
第1四半期末の総資産は前期末比119百万円増の21,997百万円。利益の増加等で現預金が増加すると共に、受注の回復で仕入債務が増加した。CFの面では前年同四半期と比較して、税負担の増加で営業CFが減少すると共に、定期預金の払い戻しがなかった事で投資CFもマイナスとなったが、282百万円のフリーCFを確保。短期借入金による借り入れを減らしたため財務CFがマイナスとなったものの、現金及び現金同等物期末残高は前期末比152百万円増加した。
 
 
 
2011年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比18.8%の増収、同11.0%の経常増益予想
自動車・家電・OA機器向けに汎用商材の売上が増加する見込み。利益面では、汎用商材の売上構成比の上昇で売上総利益率が0.2ポイント低下する他、中国を中心にした積極的な海外展開と前期に実施した拠点拡充に伴い販管費が増加するものの、増収効果で吸収し営業利益は同10.0%増加する見込み。前提となる為替レートは1USドル=90円~95円。配当は1株当たり年13円を予定(上期末6円、期末7円)。
 
 
 
取材を終えて
合成樹脂原料の基礎原料であるエチレンの4-6月期の生産量は、定期修理により稼働停止したプラントが増加したため1,576.6千トンと前年同期比122千トン減少したものの、合成樹脂原料の需要自体は引き続き堅調であるとの事。同社においても、上期予想に対する進捗率は売上高が49.9%(前年同期は45.4%)、営業利益が51.5%(同27.9%)、経常利益が54.2%(同24.6%)と順調で、前年同期の進捗率を大きく上回っている。貸倒引当金の繰り入れなど想定外の費用が発生したものの営業利益率の改善が進んでおり、11/3期は総じて順調なスタートを切ったものと考える。井上正博氏(前・双日台湾会社社長)を代表取締役社長に迎え、菅原正弘会長、井上社長の下で進められていく今後の事業展開に注目したい。