ブリッジレポート
(4317) 株式会社レイ

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ブリッジレポート:(4317)レイ vol.23

(4317:JASDAQ) レイ 企業HP
分部 日出男 会長
分部 日出男 会長

【ブリッジレポート vol.23】2011年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は営業利益以下の各利益段階で上期の利益予想を上回った。受注残も豊富なのだが、売上計上は第3四半期に集中しているとの事で、第2・・・」続きは本文をご覧ください。
2010年8月17日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社レイ
会長
分部 日出男
所在地
東京都港区六本木 6-15-21
決算期
2月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2010年2月 7,439 207 147 124
2009年2月 8,720 334 297 106
2008年2月 9,576 -628 -497 -635
2007年2月 9,861 31 -35 -28
2006年2月 9,533 782 773 416
2005年2月 8,237 386 380 226
2004年2月 7,649 434 429 207
2003年2月 6,761 142 126 34
2002年2月 8,184 800 763 429
2001年2月 7,030 634 599 266
2000年2月 6,169 309 262 73
株式情報(7/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
104円 0株 0百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2.00円 1.9% 10.21円 10.2倍 135.97円 0.8倍
※株価は7/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
レイの2011年2月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
経営戦略の立案・遂行と各事業会社の管理業務の代行を中心とする(株)レイと、事業体である子会社4社でグループを構成。TVCMやセールスプロモーション等の企画制作を行う広告ソリューション事業と保有する各種映像インフラを活用した実制作やデジタル映像機材のレンタルを行うテクニカルソリューション事業が二本柱。企画制作だけでなく、充実したポストプロダクション機能を備えている事が特徴。
 
<事業セグメント>
広告ソリューション事業
企業のSP(セールスプロモーション)、キャンペーン、イベント、展示会、ショールーム等の企画制作・運営、及びTVCMの企画制作を行う。(株)レイのCM事業部、主に電通を顧客とする(株)ウイーズ・ブレーン、及び主に博報堂を顧客としTVCM等の企画制作も手掛ける(株)ティーシー・マックス子会社の3社で事業を展開している。
 
 
テクニカルソリューション事業
デジタル映像編集スタジオを保有し撮影から加工までの一貫した制作体制が整備されており、DVD・BD・CG制作、及び各種催事に使用するデジタル映像機材のレンタルも手掛ける。広告ソリューション事業を実制作の面から支援する機能も担っている。
 
 
 
2011年2月期第1四半期決算
 
 
グループシナジーの追求で受注が拡大、コスト管理も機能し営業損益が黒字転換
広告ソリューション事業におけるSP・イベント部門とTVCM部門による合同プレゼンの推進や、テクニカルソリューション事業における映像機器レンタル部門とポストプロダクション部門での合同内覧会の開催等、クロスメディアソリューションへの対応強化が奏功し受注高が前年同期比46.2%増加。好調な受注を背景に両セグメントで売上高が増加した。利益面では、コスト管理の徹底や経費削減等により売上総利益率が改善する一方、販管費が減少。前年同期は51百万円の赤字だった営業損益が118百万円の黒字に転換した。
 
 
広告ソリューション事業
新規CM制作の減少等でTVCM部門が苦戦したものの、SP・イベント部門が堅調に推移した事で売上高がわずかに増加。コスト管理の徹底や経費削減等により前年同期は5百万円の赤字だった営業損益が26百万円の黒字に転換した。
 
テクニカルソリューション事業
中規模案件を安定的に受注できた映像機器レンタル部門の売上が増加した他、ポストプロダクション部門もCM編集を中心としたスタジオ編集業務及びDVD・ブルーレイディスク・CG制作業務が堅調に推移。増収効果に加え、デジタル化対応投資の償却費やリース料等のピークアウトもあり、営業利益が前年同期比2.6倍弱に拡大した。
 
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比113百万円増の4,904百万円。借方では、売上債権の回収が進み現預金が増加した他、堅調な受注を反映してたな卸資産も増加。一方、貸方では、仕入債務及び純資産が増加した。CFの面では、利益の増加と売上債権の回収が進んだ事で営業CFが増加。投資CFはわずかなマイナスに留まり、181百万円のフリーCFを確保した。配当の支払い等で財務CFがマイナスになったものの、現金及び現金同等物期末残高は前期末比148百万円増加した。
 
 
 
2011年2月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比4.2%の増収、同70.1%の経常増益予想
グループ再編による営業力強化の成果が期待できる事や受注が最悪期を脱しつつある事から売上の増加を見込んでおり、利益面では経費削減及びと生産性の改善が進むとしている。配当は1株当たり2円の期末配当を予定。
 
 
 
取材を終えて
第1四半期は営業利益以下の各利益段階で上期の利益予想を上回った。受注残も豊富なのだが、売上計上は第3四半期に集中しているとの事で、第2四半期は売上が落ち込み赤字となる見込みだ。前期は第1四半期が赤字で、第2四半期が黒字だったが、今期はその逆となる。このように同社は短期的に業績が大きく振れる傾向があり、外部からは見え難い。このため、投資家からより良い理解を得るためには、決算短信の「3.連結業績予想に関する定性的情報」において、しっかりと説明する必要があるだろう。決算短信は投資家とのコミュニケーションツールの一つであるが、現状は必ずしもそうなっていない。今後の工夫に期待したい。