ブリッジレポート
(8097) 三愛石油株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(8097)三愛石油 vol.8

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(8097:東証1部) 三愛石油 企業HP
金田 凖 社長
金田 凖 社長

【ブリッジレポート vol.8】2012年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「5月の今期業績予想発表時に同社は「グループあげての経営の効率化」を掲げている。上期は営業減益となったものの、売上が増加する中で販管費・・・」続きは本文をご覧ください。
2011年12月20日掲載
企業基本情報
企業名
三愛石油株式会社
社長
金田 凖
所在地
東京都品川区東大井5-22-5 オブリ・ユニビル
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2011年3月 888,583 12,896 13,126 6,462
2010年3月 833,991 6,364 6,675 1,005
2009年3月 981,734 9,353 9,714 4,618
2008年3月 861,914 7,537 7,456 3,298
2007年3月 791,583 7,044 7,354 3,281
2006年3月 726,445 5,713 5,799 4,032
2005年3月 360,046 5,892 6,385 3,814
2004年3月 266,352 3,576 4,088 1,780
2003年3月 261,719 3,051 3,146 692
株式情報(12/2現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
319円 74,806,198株 23,863百万円 11.7% 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.00円 4.1% 33.42円 9.5倍 769.35円 0.4倍
※株価は12/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
三愛石油の2012年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
石油販売大手。主力の石油関連事業では、グループで約1,400のサービスステーション(以下、SS)に石油製品を供給しており、販売数量を安定的に伸ばしている。また、独自に開発した航空機への給油システム「ハイドラントシステム」により羽田空港の航空燃料供給を支えている他、LPガス(LPG)や天然ガスの販売も手掛ける。傘下に、キグナス石油(株)や國際油化(株)等の有力子会社を有し、子会社31社(うち連結子会社29社)及び関連会社4社(うち持分法適用会社1社)と共にグループを形成している。社名の“三愛”は、リコー三愛グループ(09年11月現在、63社・団体が加盟)各社の創業精神として受け継がれている「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」の「三愛精神」を基とする。
 
<事業内容>
事業は、石油製品の販売や化学品の製造・販売等の石油関連事業、LPGや天然ガスの販売を中心としたガス関連事業、及び航空燃料の給油業務や建設業等の航空関連事業他の3セグメントに分かれ、売上構成比は、それぞれ92.3、6.1%、1.6%(11/3期)。
 
石油関連事業
SS向けの石油販売や法人向けの産業エネルギー販売と共に、溶剤、工業薬品、防腐・防カビ剤、自動車用ケミカル商品等、様々な化学品の開発・製造・販売も手掛けている。
 
ガス関連事業
LPG、天然ガス、及び関連する機器の販売を行っている。LPG販売では直販子会社による家庭への供給と工業用の高圧ガス販売を手掛けており、天然ガス販売では佐賀県佐賀市で天然ガスを供給すると共に、電気と熱を生むコージェネレーションシステム等、省エネに必要な仕組み作りも提案している。
 
航空燃料事業他
航空燃料の保管及び航空機への給油を行う航空燃料取扱業と子会社三愛プラント工業(株)が手掛ける金属表面処理や建設工事等のその他に分かれる。また航空燃料取扱業では、羽田空港において、油槽船の接岸を含めた埠頭の管理や空港内の貯蔵タンク等の管理、及び地下パイプライン(全長約40km)を通して航空機に直接燃料を圧送するハイドラント式給油システムの運営・管理を行っている(実際の航空機への給油作業でも同空港の半数のシェアを有する)。また、神戸空港、佐賀空港、茨城空港他でも子会社で同様のサービスを提供しており、中部国際空港へは運営社員を派遣。
 
ハイドラントシステム(地下パイプラインで航空機まで航空燃料を圧送するシステム)
1955年、同社は羽田空港において日本初のハイドラントシステムによる航空機への給油業務を開始した。この給油施設は、国内主要空港(新千歳空港、成田空港、中部国際空港、伊丹空港、関西国際空港、福岡空港等)における給油施設のモデルとなっている。
また、96年10月には最新のコンピューターを駆使した給油システムが稼動し業務効率化が一段と進展。巨大な航空輸送機能をしっかりと支えている。
 
 
2012年3月期上期決算
 
 
前年同期比4.2%の増収ながら、同7.3%の経常減益
原油や天然ガス等の市況を背景にした販売価格の上昇で売上が増加したものの、利幅の縮小で営業利益が45.4億円と同12.4%減少。投資有価証券売却益の計上や金融費用の減少で営業外損益が改善したものの、投資有価証券評価損36.8億円や減損損失5.3億円など特別損失45.0億円を計上したため、2.0億円の四半期純損失となった。
 
 
石油関連事業
販売価格の上昇で売上高が41.4億円と前年同期比3.8%増加したものの、利幅の縮小でセグメント利益は29.4億円と同27.9%減少した。
 
石油製品販売業
石油業界においては、火力発電向けに重油の需要が増加したものの、ガソリンや軽油等が減少したため、燃料油全体の需要は前年を下回った。こうした中、同社は、「共走共汗」によるリテールサポートを継続し、特約店と共に収益向上に取り組む事により、地域で勝ち残るサービスステーション(SS)を目指すと共に、「タイヤスペシャル研修」や「接客サービスコンテスト」を開催する等、SSスタッフのスキルアップを図った。また、産業用については、新規需要家の獲得に努めると共に、「風力発電機用潤滑油セミナー」を開催する等、工業用潤滑油の拡販を図った。
 
化学品製造販売業
化学品販売業界においては、産業用の需要が減退する厳しい状況で推移した。こうした中、同社グループでは、洗車機用ワックス・撥水コートをはじめとする自動車関連商品、防腐・防黴剤、微生物簡易測定器具(サンアイバイオチェッカー)等の自社製品、石油系溶剤等の工業薬品及び粘接着剤(タッキファイヤー)の積極的な販売活動を展開し、営業基盤の拡大に努めた。また、同社研究所では、顧客ニーズに対応した環境負荷の少ない安全性に優れた商品の開発・改良に努めた。
 
ガス関連事業
販売数量の増加等で売上高が266.0億円と前年同期比12.6%増加しセグメント利益は7.9億円と同25.7%増加した。
 
LPガス販売業
LPガス業界においては、消費者の節約意識の高まりや省エネ機器の普及から、家庭・業務用の需要が前年を下回った。一方、同社グループにおいては、「Open-Up さぁ前に進もう ~ 着実に一歩、未来へ ~」をスローガンに掲げ、「点検サービス」や「報連相シート」等のサービスメニューの提供を継続すると共に、「住マイルキャンペーン」等の販売施策を実施。「新エネルギーチャレンジキャンペーン」として、太陽光発電システムや燃料電池の販売にも取り組んだ。また、保安面においては、「1日保安ドック」を継続すると共に、新たに「保安ドクター研修」を開催する等、保安の確保と信頼獲得に努めた。
 
天然ガス販売業
佐賀天然ガスパイプラインの運営と保安に万全を期すと共に、オンサイト、サテライトによるエネルギー供給の提案を行う等、積極的な営業活動と新規顧客の獲得に努めた。一方、佐賀県で都市ガス供給事業を手掛ける佐賀ガス(株)においては、都市ガスの安定供給と保安の確保に努めた。
 
航空関連事業他
売上高は前年同期比0.6%減の68.9億円、セグメント利益は同49.2%増の8.0億円。
 
航空燃料取扱業
羽田空港においては、昨年10月の新滑走路供用開始や国際定期便の就航等から、航空機への燃料搭載数量が前年を上回った。こうした中、同社グループは航空機給油施設の運営に万全を期すと共に、航空燃料の給油業務における安全確保に努めた。
 
その他
三愛プラント工業(株)が金属表面処理業と建設工事業を手掛けている。この上期は、半導体及び液晶業界向けの需要が堅調に推移した事で金属表面処理業の売上が増加したもの、建設工事業の売上が減少した。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
上期末の総資産は前期末比15.1億円増の1,934.5億円。売上の増加で、売上債権、たな卸資産、仕入債務等が増加する一方、有利子負債の削減を進めた事や法人税等の支払いで現預金が減少した。CFの面では、税金費用が大幅に増加したものの(11.7億円→46.0億円)、利益の増加や仕入債務の増加等による運転資金の減少で営業CFが大幅に増加。土地売却益がなくなった事等で投資CFが悪化したものの、55.9億円のフリーCFを確保した。有利子負債の削減を進めたため財務CFがマイナスとなったが、現金及び現金同等物の上期末残高は344.7億円と前期末比9.9億円増加した。
 
 
 
2012年3月期業績予想
 
 
前期比6.9%の増収、同23.8%の経常減益予想
上期決算において、投資有価証券評価損を特別損失に計上した事を踏まえ、当期純利益を下方修正した。また、販売数量の減少等を理由に個別業績の予想売上高を2,700億円から2,400億円に修正した(営業利益、経常利益は据え置き、当期純利益は投資有価証券評価損の計上を理由に下方修正)。1株当たり配当金は特別配当2円を落とし普通配当を1円増配する考えで、年13円を予定。
 
 
今後の注目点
5月の今期業績予想発表時に同社は「グループあげての経営の効率化」を掲げている。上期は営業減益となったものの、売上が増加する中で販管費が減少しており、計画通りグループの経営の効率化が進んでいるものと思われる。省エネ意識の高まりやマクロ景気の動向等、引き続き厳しい事業環境が予想されるものの、下期に一段の経営効率化を進める事ができれば、通期の業績に上振れ余地が出てくるのではないだろうか。