ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

東証2部

ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.31

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(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.31】2013年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「同社は、中小企業を中心とする顧客に対して、IP統合を通じて業務の効率化と生産性の向上に貢献することで、共に事業拡大することを目指してい・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年2月19日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田錦町三丁目26番地 一ツ橋SIビル2F
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 13,470 323 302 177
2011年3月 13,560 391 391 155
2010年3月 13,956 347 327 194
2009年3月 15,042 391 388 133
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(12/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
25,000円 166,932株 4,173百万円 9.5% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,500.00円 6.0% 1,317.90円 19.0倍 10,977.48円 2.3倍
*株価は12/14終値。ROE、BPSは前期末実績
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(12/3期はフォーバルの連結売上高の35.7%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社1社。
 
【事業内容と企業グループ】
同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心に普通印刷・特注文具の製造・販売を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」、及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率50%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。12/3期の売上構成比は、それぞれ75.0%、17.2%、7.8%。また、利益(連結調整前)の構成比は、それぞれ43.3%、27.2%、29.5%。
 
 
【沿革】
中堅・中小企業をターゲットとして、「新しい あたりまえ(業務革新につながる新商品や新サービス)」を提供するフォーバルグループ。その回線リセーラー(電気通信事業者から回線を仕入れてエンドユーザーに再販する)「フォーバル・インターナショナル・テレコミュニケーションズ(株)」として95年4月に設立され、「fit(フィット)コール」のブランドで国際電話サービスを開始。96年に市外電話サービス、97年に市内電話サービスと取扱いを広げた。98年8月に現商号へ変更し、99年10月に「fit接続サービス」、2000年2月に「fitホスティングサービス」、同年9月にはインターネットサービスと音声サービスを組み合せた「iパックサービス」を開始する等、インターネット関連ビジネスを拡大。同年11月に東証マザーズに株式を上場した。02年2月にソフトバンクBB(株)と合弁会社を設立し、中小法人向けVoIP(インターネット上で音声データを送受信する技術)及びADSLサービスを開始。03年10月にはブロードバンドの軸足を光ファイバーに移し、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」サービスを開始。光ファイバーを利用したブロードバンドの普及を捉え利益を急拡大させた。
 
 
成長軌道への回帰に向けた取り組み
 
 
08/3期以降は、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」の販売が一巡する中、リーマンショック、その後の景気悪化、更には東日本大震災と、同社のターゲットである中堅・中小企業を取り巻く環境が厳しさを増した。足元、回線利用にかかる継続収入が下支えとなり一定の利益水準を維持しているものの、閉塞感は否めない状況にある。
 
この状況を打破し、成長軌道への回帰を図るべく開発したサービスがホワイトビジネスフォンパック(WBP)である。WBPは、固定回線サービス、携帯電話サービス、IP電話サービス、及びブロードバンド接続サービスを一つのパッケージとして商品化し、このサービスの利用に必要な携帯電話(IP電話機)及びゲートウェイ装置も合わせて提供する。固定回線サービスと携帯電話サービスを融合し(FMC)、オフィスの置型電話を整理する事で利便性を損なわずに通信費の削減を実現するサービスであり、必要な機器も同社グループが提供する。
 
WBPを構成する実際のサービス及び商品が、スマートフォンを利用したFMC(Fixed Mobile Convergence:固定電話と携帯電話の融合)サービス「2way Smart(ツーウェイスマート)」(11/3期販売開始)及び独自開発の携帯電話対応アプリ、光ファイバーによる超高速ブロードバンドサービスを介してクラスA(固定電話同等品質)という最高水準による高品質音声(電話)を実現した法人向けIP電話サービス「スマートひかり」(12/3期発売開始)、そして独自開発のゲートウェイ装置「SWIFT BOX」(13/3期発売開始)である。
 
(1)スマートフォンを利用したFMCサービス「2waySmart(ツーウェイスマート)」
「2waySmart」では、1台のスマートフォンが、社外では携帯電話として、社内では内線電話として利用できる。このため、社内のビジネスフォン(固定の電話機)が不要になり、また、回線を引き回す必要も無いため、オフィスをスマートにする事ができる。
 
(2)法人向けIP電話サービス「スマートひかり」
12/3期に販売を開始した「スマートひかり」は光ファイバーによる超高速ブロードバンドサービスを介してクラスA(固定電話同等品質)という最高水準による高品質音声(電話)を実現した法人向けIP電話サービス。全国一律のわかり易い料金プランとスマート(リーズナブル)な通話料金を特長とする。
 
(社)電気通信事業者協会の「テレコムデータブック2010(TCA編)」によると、固定電話からの発信(国内向け通話)の79%は2分以内。このデータを基に「スマートひかり」の通話料金(税別、以下同じ)は全国一律2分5.5円に設定されている(大手キャリアでは市内3分8.5円、県内市外3分20~40円等)。また、携帯電話向けは全キャリア一律で60秒16円(同20~40円)、国際電話は米本土で60秒2.5円(同60秒60円等)。また、従来であれば個別契約が必要だった、音声通話(基本3通話で追加可能)とプロバイダー一体型の光インターネット接続料(最大で下り100Mbps)が一本化(ワンビリング)されているため事務の負担も軽い。更には、万が一、光回線が障害を起こした場合でも、自動迂回着信機能を備えているため、事前に指定した番号に着信する。
 
(3)ゲートウェイ装置「SWIFT BOX」
12年4月23日に「SWIFT BOX(スイフトボックス)」の販売を開始した。「SWIFT BOX」はIP電話システム(IP-PBX、IP電話主装置)とオールインワン型ネットワークセキュリティシステム(UTM、総合型脅威管理システム)を融合したハイブリッドな通信&セキュリティ・ソリューション。
 
 
投資を抑えてセキュアかつ効率的なIP統合オフィス環境を実現
「SWIFT BOX」は、IPビジネスフォンとネットワークセキュリティという異なる分野の機能を世界で初めて一体化(同社調べ)する事で、IPネットワーク上で制御される端末のほとんどを1台でコントロールできるようにした。価格は従来の総合型脅威管理システムと同程度の価格に設定されているため、従来の総合型脅威管理システムへの投資と同額で、セキュアかつ効率的なIP統合オフィス環境を実現できる。
 
BYOD (Bring Your Own Device)対応による高い利便性
「SWIFT BOX」は、iPhone やAndroid といったスマートフォンやタブレット等の端末もコントロールできるため、社員が持っているスマートフォンをそのままオフィスの内線電話として使う事ができ(BYOD対応)、スマートフォンから会社の代表番号での発信や会社の代表番号にかかってきた電話をスマートフォンでとる事もできる。このため、オフィス内のビジネスフォンの内線電話が不要となりコスト削減が可能であり、また、配線コードが不要になるためオフィスのレイアウトも自由自在。
 
 
(4)既存の顧客資産の活用と光通信グループによる新規顧客の開拓で成長軌道へ回帰
「2way Smart」、「スマートひかり」、及び「SWIFT BOX」は、いずれも高い利便性を有する事に加え、コスト面での優位性も顕著なだけに今後の収益貢献が期待される。実際、従来の回線リセールや「FTフォン」で積み上げてきた顧客資産を活用する事で一定量の販売が見込める上、営業力に優れる光通信グループの営業が軌道に乗れば新規顧客の開拓にも弾みが付こう。
 
 
2013年3月期第2四半期決算
 
 
前年同期比11.0%の減収、同47.1%の経常増益
売上高は前年同期比11.0%減の58.9億円。コンサルティング事業が伸びたものの、販売部隊(直販部門)を適正規模に再編したIP&Mobileソリューション事業や前期末に一部の事業を売却したドキュメント・ソリューション事業の売上高が減少した。
営業利益は同42.7%増の1.6億円。上記の事業譲渡と業務のアウトソーシング等が寄与し、販売管理費が64百万円減少。違約金収入の計上(3.5百万円)を中心に営業外損益も改善した。本社移転費用の計上(14.1百万円)などで特別損益が悪化したものの、法人税率の低下等により当期純利益は77.6百万円と同48.3%増加した。
同社は、第2四半期の予想を開示していないが、会社計画に対して、売上高は若干弱含みであったものの利益は概ね計画通りに推移した模様。これを受け、期末予想は据え置かれた。
配当も、第2四半期末700円、期末800円(年間1,500円)の予定が据え置かれた。
 
 
売上総利益は、△16百万円減少も、売上総利益率は1.9%改善。個別ベースでは、IP統合に向けたオリジナル製品の販売の増加などにより一時収益が増加したものの、請求システム(ワンビリングサービス)のOEM供給が増加した以上に、従前のサービスにかかる課金収入の減少からストック収益が減少したため全体とし△6百万円減少した。また、子会社の売上総利益も事業譲渡の影響などで、△9百万円減少したものの、利益率の改善効果が大きく、子会社の売上総利益率は3%改善した。
 
 
 
IP&Mobileソリューション事業  売上高45.7億円(前年同期比10.5%減)、セグメント利益74百万円(同0.5%増)
販売部隊(直販部門)を適正規模に再編した効果で、売上高は減少したものの、セグメント利益は増加に転じた。
 
ドキュメント・ソリューション事業  売上高7.9億円(前年同期比21.1%減)、セグメント利益54百万円(同974.6%増)
減収は一部の事業売却の影響。
 
コンサルティング事業  売上高5.2億円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益51百万円(同7.3%減)
プライバシーマーク・ISO承認取得コンサル、請求システム(ワンビリングサービス)のOEM供給、及び企業向け保険販売などが中心。法人向け損害保険代理店の拠点を積極的に増やしていることから、売上は順調であるものの、先行投資負担からセグメント利益は減少。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
 
第2四半期末総資産は、前期末比9.6億円減の50.9億円。総資産減少の主な要因は、フォーバルグループ全体の財務戦略もあり、余剰資金を有利子負債の削減に充てた事や事業譲渡が影響。CFの面では、1.8億円のフリーCFを確保したものの、有利子負債の削減や配当の支払いによるキャッシュ・アウトがこれを上回った。
 
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
前期比4.2%の減収、同22.4%の経常増益
第2四半期をふまえ、期末の業績予想と配当予想は据え置かれた。
売上高は前期比4.2%減の129億円。前期の第3四半期から第4四半期にかけて販売部隊(直販部門)を適正規模に再編したIP&Mobileソリューション事業や前期末に一部の事業を売却したドキュメント・ソリューション事業の影響が大きく、売上高は減少する見込み。一方、利益面では、上記の事業売却や適正規模への再編による損益改善効果で営業利益が3.9億円と同20.6%増加する見込み。
配当は1株当たり800円の期末配当(年間1,500円)を予定。
 
(2)13/3期の取り組み
IP&Mobileソリューション事業
ハイブリッドな通信&セキュリティ・ソリューションとしてゲートウェイ装置(SWIFT BOX)の販売を開始する他、「2waySmart」用モバイル端末向けのスマートアプリの開発・投入を強化する。
 
 
Wi-FiやBluetoothを利用してi-PadやiPhoneのファイルを他のi-PadやiPhoneへ転送できる「ぱっと転送」、ぱっと転送の基本機能に、利便性の強化、セキュリティ面の強化、データ連携の強化を行いよりビジネスで活用できる「ぱっと転送 PRO」、法人向けクラウドストレージサービス「Smartストレージ」、更には1台のスマートフォンを社外では携帯電話、社内では内線電話として利用するための「2way Smart」等を既にラインナップしており、今後も順次拡充していく考え。
 
ドキュメント・ソリューション事業
前期末に不採算事業を売却したため売上が減少するものの、前下期以降、事業環境が改善傾向にある事や不採算事業の売却効果も見込まれる。また、売上の面でも、新規顧客を開拓した効果が徐々に現れてくる見込み。
 
コンサルティング事業
今期は保険販売(主に損害保険)における全国的なディーラー網の拡充に取り組むと共に、引き続き請求システムのOEM販売に注力する。
 
 
今後の注目点
同社は、中小企業を中心とする顧客に対して、IP統合を通じて業務の効率化と生産性の向上に貢献することで、共に事業拡大することを目指している。同社が成長路線に回帰するためには、新規顧客の開拓が不可欠である。顧客数が増加すれば、従来型のストック収益(課金)が増加するだけではなく、各種のIP統合に向けたオリジナル製品の販売やスマートフォン向けアプリの販売などが増加する。更に、製品とアプリの販売増加は、サポート料やコンサルティング料の増加にもつながる好循環となる。12/3期までに「2way Smart」、「スマートひかり」及び「SWIFT BOX」といった中期的な成長に向けたサービスや商品のラインナップの拡充と整備が進み、競争力は着実に高まっている。今後の課題である、新規顧客数の増加のためには、販売代理店の拡大が鍵を握ると言えよう。現在同社では、直販部隊を適正規模に縮小する中、有力代理店の開拓を強化している。今後、営業力に優れる光通信グループの営業が軌道に乗るタイミングや他の有力代理店の開拓動向に注目が集まる。