ブリッジレポート
(2462) ライク株式会社

プライム

ブリッジレポート:(2462)ジェイコムホールディングス vol.24

(2462:東証1部) ジェイコムホールディングス 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.24】2013年5月期第3四半期業績レポート
取材概要「13/5期は業績予想の下方修正を余儀なくされたものの、引き続き良好な事業環境が見込まれる中、収益性の改善が進んでいる事に加え、直雇用化の・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年4月16日掲載
企業基本情報
企業名
ジェイコムホールディングス株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年5月 17,518 914 1,044 603
2011年5月 15,905 901 955 489
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
2001年5月 1,369 73 70 34
株式情報(4/1現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
824円 9,174,000株 7,559百万円 13.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.6% 56.68円 14.5倍 526.75円 1.6倍
※株価は4/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ジェイコムホールディングスの2013年5月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
業界特化型の人材サービスを中心に展開する企業グループ。グループは、純粋持株会社である同社の他、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップの運営を手掛ける連結子会社ジェイコム(株)、持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)とその傘下で認可保育園等の運営を手掛ける(株)サクセスアカデミー、及びアパレル業界に特化しデザイナーやパタンナー等の専門職の人材紹介を手掛ける(株)アイ・エフ・シー等非連結子会社2社。
 
【事業セグメント】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定・職業紹介等の総合人材サービス事業と、携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれ、12/5期は前者が連結売上高の97%を占めた。また、総合人材サービス事業は、契約形態別に、派遣契約、業務委託契約(同社から見た場合、業務受託)、及び紹介予定・職業紹介契約に分かれ、セグメント内の売上構成比(12/5期、以下同じ)は、それぞれ63.1%、36.6%、0.3%。取引は携帯電話業界が最も多く、セグメント売上高の91.9%を占め、この他、育成中のアパレル業界向けが4.8%、通信業界向けが2.1%等。地域別の売上構成は、東日本地区が47.4%、西日本地区が40.1%、東海地区が12.5%。
 
【沿革】
ルーツは1993年9月に設立されたパッケージ旅行の企画を手掛ける(株)パワーズインターナショナル。96年4月に携帯電話ショップの運営を開始し、同年11月にはジェイコム(株)に商号を変更すると共に携帯電話業界に完全にシフト。98年10月にはショップ運営のノウハウを活かして携帯電話業界向け人材ビジネスに参入した。人材ビジネスが順調に拡大し、2005年12月に東証マザーズに上場。07年2月には東証1部市場へ指定替えとなりステータスも向上した。
携帯電話業界に特化した人材サービスで業績を急拡大させた同社だが、マザーズ上場から4年を経た09年12月には、業界・業種・職種を問わずシナジーのある事業へ展開するべく持株会社体制へ移行。商号もジェイコムホールディングス(株)に改めた。M&Aや戦略的な事業提携を積極的に推進していく考えで、同年同月に認可・認証保育園の開設や院内・企業内・学内での保育サービスの受託を手掛ける(株)サクセスアカデミー(現サクセスホールディングス(株))に資本参加(13年1月現在、持分法適用関連会社として議決権の17.7%を保有)。10年2月には東証1部上場の(株)TOWと資本・業務提携した他、11年9月には、住金物産(株)の100%子会社で、同社・同社グループ及び一般アパレル企業向けにデザイナーやパタンナー等の人材紹介を手掛けていた(株)アイ・エフ・シーの全株を取得。12年8月には、グループで認可保育園等の運営を手掛ける持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)が大証JASDAQに株式を上場した。
 
【強みと成長戦略】
主力事業である携帯電話業界向け人材サービスにおいては、携帯電話業界に特化し蓄積してきたノウハウ、コミットした販売台数の達成率を含めた豊富な営業実績、更には接客だけでなく在庫管理や人員配置など販売に関する全業務への対応力といった営業面でのアドバンテージに加え、安定した資本力(無借金経営)や東証一部上場企業ならではのコンプライアンスといった非営業面での強みを有し、国内で有数のブランド力を誇る。現在、この磐石な事業基盤を背景に第2、第3の柱の育成に取り組んでおり、アパレル業界向けサービスや保育業界向けサービスで成果を挙げつつある。
 
 
2013年5月期第3四半期決算
 
 
前年同期比10.3%の減収、同9.5%の経常減益
売上高は前期比10.3%減の116億57百万円。全国的な対応と業界知名度の向上等で大手クライアントとの取引が拡大したアパレル業界向けが大きく伸びたものの、主力の携帯電話業界向けの落ち込みをカバーできなかった。携帯電話業界向けの落ち込みは、前12/5期第3四半期(12-2月)に不採算の業務受託案件を派遣契約に切り替えた事及び一部の通信キャリアで販売員の直接雇用化があった事等が要因。セグメント別では、総合人材サービス事業が同11.1%減の112億15百万円、マルチメディアサービス事業が同17.1%増の4億42百万円。
利益面では、不採算となった業務受託案件の派遣契約への切り替え効果等で原価率が改善した(84.0%→83.2%)他、売上の減少に伴う営業変動費や人件費の減少で販管費も減少したものの、減収の影響をカバーできず営業利益が5億87百万円と同7.6%減少した。助成金収入の計上がなかった(26百万円→0)事等で営業外収益が減少したものの、サクセスホールディングス(株)の上場に伴い発生した持分変動利益38百万円を特別利益に計上した事や税効果会計の影響等で四半期純利益は4億34百万円と同5.4%増加した。
 
 
 
(2)総合人材サービス事業の動向
契約形態別に総合人材サービス事業の動向を見てみると、スマートフォンの急速な普及による携帯電話業界での人材需要の高まりを背景に派遣案件自体は増加したものの、一部通信キャリアが直雇用化を進めた影響で派遣契約の売上が71億24百万円と同9.1%減少。不採算となった一部の業務受託案件を前期第3四半期に派遣契約に切り替えた影響で業務委託契約の売上も39億44百万円と同17.1%減少した。一方、直雇用化ニーズへの対応と携帯電話業界向け販売員の正社員需要の取り込みで、紹介予定・職業紹介の売上が前期の17百万円から1億45百万円に増加した。
業界別では、全国的な対応と業界知名度の向上により大手クライアントとの取引や中長期案件の受注が拡大したアパレル業界向けが同1.65倍に拡大し、売上構成比が前年同期の4.5%から8.3%に上昇した(携帯電話業界向けの減少は、既に説明した通り、不採算対策及び一部通信キャリアにおける直雇用化の影響による)。また、顧客別では、一部キャリアの直雇用化の影響で携帯キャリア6社向けが減少した他、不採算対策の影響で大手携帯電話販売代理店向けも減少。一方、携帯電話業界での販売員不足を背景にその他販売代理店・量販店向けが増加した他、アパレル業界向けを中心にその他も増加した。地域別では、不採算対策や一部通信キャリアの直雇用の影響で全地域において売上が減少した。
尚、ジェイコム個別ベースの取引社数は、前年同期末の356社から446社に90社増加した。
 
 
 
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比3億03百万円減の59億66百万円。科目別では、借方において、回収が進んだ売上債権や償還で信託受益権が減少する一方、現預金や投資有価証券(7億71百万円→9億83百万円)が増加。貸方では、スタッフの減少でスタッフの給与となる未払金や未払法人税・消費税等が減少する一方、純資産が増加した。有利子負債への依存は無く、自己資本比率は同7.6ポイント改善の81.0%。
 
 
2013年5月期業績予想
 
 
第3四半期決算を受けて修正した通期予想は前期比14.4%の減収、同18.7%の経常減益
同社グループの主要マーケットである携帯電話業界では、通信キャリア間の競争激化に加え、タブレット端末等の商品やサービスの複雑化により販売関連業務に従事する人員が慢性的に不足しており、人材需要は引き続き旺盛。ただ、同社グループは、利益確保を最優先に適正価格での受注活動を進めているため、一部キャリアにおける直雇用化等の影響を吸収できない見込み。また、売上の下振れに伴う限界利益の減少で、利益も期初予想を下回る見込み。
一方、配当は期初に発表したとおり、1株当たり15円の期末配当を実施する予定(上期末配当と合わせて年30円)。
 
 
 
13/5期の重点施策として、サービス品質の向上、第二・第三の柱となる新規事業の確立、グループ会社の管理体制強化、及び事業環境に迅速に対応できるコンプライアンス体制の維持、の4点を挙げている。
このうち、「第二・第三の柱となる新規事業の確立」については、アパレル分野及び保育分野で取り組みが進捗している。前者ではデザイナーやパタンナー等の人材紹介を手掛けている連結子会社(株)アイ・エフ・シーの売上が順調に拡大しており、後者ではグループで認可保育園等の運営を手掛ける持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)が12年8月に大証JASDAQ上場を果たしている。
 
アパレル分野
アパレル業界でデザイナーやパタンナー等の豊富な人材紹介実績を有する(株)アイ・エフ・シーと携帯電話業界向けを中心に営業力・採用力に優れるジェイコム(株)のシナジーを高めつつ新規事業の確立に取組んでいる。競合他社にない提案力・マッチング力、全国的な拠点展開による地方案件への対応力、更には人材採用・育成力が強みとなっており、13/5期は、大手アパレルからの大型受注や中長期雇用案件の受注が拡大している他、地方対応の実績が評価され首都圏や大阪といった主要都市部での受注にフィードバックされる等の好循環も生まれている。また、高級ブランド店との取引も始まった。
 
 
保育分野
サクセスホールディングス(株)は株式上場に伴う信用力向上により、ニーズの強い首都圏を中心に公的保育の認可取得が進んでおり、受託保育の受注も拡大している。ジェイコムグループとの全国規模での連携による保育士確保に取り組むと共に、配当の実施や株式分割、更には立会外分売の実施を通じた株主数の確保など資本政策にも取り組み、次なる上場ステージに向けた歩みを進めていく考え。
一方、保育士の紹介・派遣等を手掛けるジェイコム(株)は、全国的な拠点展開によって顧客開拓と保育士確保が進んでいる。また、サクセスホールディングス(株)から人材を招聘し保育関連ノウハウの蓄積に努める一方、同社の新規採用を代行する等、グループシナジーの追求にも取組んでいる。
 
 
 
今後の注目点
13/5期は業績予想の下方修正を余儀なくされたものの、引き続き良好な事業環境が見込まれる中、収益性の改善が進んでいる事に加え、直雇用化の影響といった一時的な要因も無くなるため来期は本来の実力に見合った業績が期待できよう。(株)インベストメントブリッジでは、売上高170億円~180億円、営業利益9億円~10億円程度が目安になると考えている。足元も好調なサクセスホールディングス(株)で、どれだけの上積みを図る事ができるか注目したい。
尚、販売員の直接雇用化は派遣の抵触日を迎えた一部の通信キャリアにおける事案である。労働者派遣法では、政令26業務以外の業務(いわゆる自由化業務)について派遣受入期間の制限を設けており、抵触日はこの期間の制限に抵触(違反)する事になる最初の日(派遣可能期間が終了した翌日)の事。抵触日以降は、派遣労働者を受け入れる事ができないため、業務を継続するためには派遣労働者の派遣先企業の直接雇用への切り替えや業務委託化等の措置を取る必要がある。尚、クーリング期間(派遣を受け入れない期間3カ月間+1日以上)後には、再び派遣を受け入れる事ができる。