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(8860) フジ住宅株式会社

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ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 vol.34

(8860:東証1部) フジ住宅 企業HP
宮脇 宣綱 社長
宮脇 宣綱 社長

【ブリッジレポート vol.34】2014年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「今四半期は、収益性の高い土地有効活用事業が端境期となったことから、ほぼ横ばいの利益成長に留まった。しかし、販売状況を示す契約高・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年9月3日掲載
企業基本情報
企業名
フジ住宅株式会社
社長
宮脇 宣綱
所在地
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号
決算期
3月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 66,047 3,809 3,761 2,268
2012年3月 71,594 4,928 4,903 2,767
2011年3月 59,796 3,648 3,680 2,027
2010年3月 48,614 2,137 2,118 1,237
2009年3月 45,300 2,584 2,388 1,361
2008年3月 48,793 2,723 2,413 2,097
2007年3月 52,221 4,233 4,090 911
2006年3月 41,333 3,229 3,196 1,312
2005年3月 43,954 3,208 2,799 1,661
2004年3月 34,387 2,034 1,891 684
2003年3月 32,905 1,198 1,028 545
2002年3月 33,419 899 692 297
2001年3月 31,433 2,928 2,681 1,503
2000年3月 34,268 1,596 1,117 -2,237
株式情報(8/16現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
618円 35,761,544株 22,101百万円 10.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
26.00円 4.2% 90.60円 6.8倍 611.56円 1.0倍
※株価は8/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フジ住宅の2014年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
地盤である大阪府下全域の他、阪神間・和歌山県北部地域で戸建分譲・中古住宅等の住宅・不動産事業を展開。主力の戸建分譲は、分譲ながら間取りや設備仕様等、建築基準法の範囲内で最大限に顧客の要望を取り入れる「自由設計方式」と50~150戸規模で街並みの統一性を重視した開発を行う「街づくり」に特徴がある。また、中古住宅の改装販売、金融機関とタイアップした土地有効活用事業や個人投資家向けの賃貸マンション販売事業、賃貸・管理事業、注文住宅事業も事業の柱である。
 
分譲住宅事業(13/3期売上構成比 37%)
戸建とマンションの分譲を手掛けており、「自由設計方式」と「街づくり」を特徴とする戸建では、用地仕入・許認可の取得から、宅地造成、設計、建築、販売までの一貫体制を構築。マンション分譲は地価上昇とその後の供給過剰・需要低下に伴う事業リスクの高まりを予見し05年春に事業を停止したが、リーマン・ショック後の地価の下落と分譲マンション市場の需給改善を踏まえて12年2月に再開。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンション販売を特徴とする。
 
住宅流通事業(同 33%)
「快造くん」のブランド名で展開している中古住宅の再生・販売及び新築建売住宅の販売に係る収益が計上されている。エリア毎に住まい探しの情報拠点となる「おうち館」や、仕入・販売の拠点となる「フジホームバンク」を設けており、中古住宅では地域密着営業により交差点単位での地域情報の収集・分析力をベースとした物件の鑑定力や仕入・販売価格の査定の速度と正確性、更にはリフォーム業者の育成やマニュアル化等、独自のノウハウを強みとする。一方、新築建売住宅では、泉州地区(泉佐野、熊取、貝塚、岸和田中心)で小規模分譲地を開発し手頃な価格の建売住宅を販売。当事業は分譲住宅事業でカバーできない低価格ゾーンをカバーしている。
 
土地有効活用事業(同 16%)
賃貸住宅等の建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸マンションの収益が計上されている。建築請負では、遊休地の有効活用を目的とした賃貸マンション・アパート等の建築提案を行なっており、市場調査・企画・設計・建築・竣工引渡後の運営管理までを一貫してサポート。コスト競争力のある木造アパート「フジパレス」シリーズに08年11月サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」が加わり、より独自性が強まった。飛び込みによる営業活動は行っておらず、金融機関や既契約者からの紹介、及びリピートを中心に案件を獲得。また、個人投資家向け一棟売賃貸マンションでは、1棟当たり1億円前後の賃貸アパートが中心。資金運用手段として根強い需要がある。
 
賃貸及び管理事業(同 13%)
100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が手掛けている。安定収益源となるばかりでなく、賃貸住宅の建築請負や個人投資家向け一棟売賃貸マンションの他、分譲マンションの販売等との相乗効果も高い事業。
 
注文住宅事業(同 1%)
市況の影響を受けにくい非不動産販売事業育成の一環として、注文住宅の建築請負事業とリフォーム工事の請負事業を手掛けている。注文住宅建築では早期の100棟体制構築を目指している。
 
中古住宅アセット事業の開始
2014年1月より試験的に実施していた中古住宅アセット事業を7月より本格的に開始する。
事業の概要は、賃貸入居中の中古分譲マンションを取得し、収益物件として賃貸料収入を得ることから賃貸及び管理事業セグメントの収益となり、入居者の退居後はリフォームを行い改装付中古マンションとして販売することにより、住宅流通セグメントにおける収益となる。当事業は、同社がこれまでの住宅事業で培ってきたノウハウを活用した事業展開が可能となるため、新たに人材や資金の投入を必要としない効率の良い事業である。
14年3月期は150戸の物件取得、営業利益50百万円を予想している。
 
 
 
 
2014年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比11.2%の増収、同0.7%の経常増益
売上高は前年同期比11.2%増の195.3億円。分譲マンションの引渡しにより分譲住宅セグメントが増加したものの、前期の受注水準の低さが影響した土地有効活用セグメントが減少した。
一方、販売状況を示す契約高は分譲住宅セグメントや土地有効活用セグメントがけん引し同34.3%増加。売上高の先行指標となる6月末契約残高は同38.6%増加した。
 
利益面では、分譲住宅セグメントの売上高増加が寄与したものの、収益性の高い土地有効活用セグメントの売上減少が影響し、売上総利益率が同0.9%悪化した。販売の増加にともない広告宣伝費、人件費などの費用が増加したものの、販管費の増加は前年同期比9.0%の増加と売上の伸び率を下回った。
 
 
第1四半期の実績は、通期予想に対し、概ね順調な進捗となった。
 
 
分譲住宅セグメントの売上高は前年同期比51.6%増の90.4億円、セグメント利益は同85.0%増の9.1億円。売上及び利益の増加は、当第1四半期に分譲マンションを116戸引渡したことが寄与。また、受注契約高は自由設計住宅の好調と分譲マンションの寄与で103.8億円と同35.2%増加。受注契約残高は306.0億円と同61.3%増加した。
 
住宅流通セグメント売上高は前年同期比0.3%増の62.8億円、セグメント利益は同13.1%減の1.8億円。売上が横ばいとなる中、受注経費が増加した。中古住宅の仕入れが回復傾向となる中、受注契約戸数が311戸(前年同期は260戸)と好調に推移し受注契約高は60.6億円と同13.6%増加。受注契約残高は29.9億円と同27.7%増加した。
 
土地有効活用セグメントの売上高は前年同期比46.0%減の17.0億円、セグメント利益は同64.6%減の2.2億円。売上及び利益の減少は、前年度の受注が低調であったことが影響。一方、「フジパレスシニア」(低賃料タイプサービス付き高齢者向け住宅。契約当たり単価は1.8億円程度が中心)や「個人投資家向け一棟売り賃貸マンション」が好調に推移し、受注契約高は同76.4%増の38.3億円、受注契約残高は同8.1%減の84.8億円。
 
上記の他、賃貸及び管理事業セグメントは、土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び管理物件の取扱い件数増加で売上高が23.2億円と前年同期比12.8%増加し、セグメント利益も1.1億円と同5.0%増加した。また、立ち上げ期にある注文住宅事業は、売上高が1.8億円と同59.7%増、セグメント利益が5百万円(前年同期は損失11百万円)となった。
 
 
 
 
2013年6月末の総資産は752.4億円と前期末比16.8億円減少した。たな卸資産の減少16.4億円が主なもの。たな卸資産の内訳と金額は、販売用不動産129.6億円(前期末128.7億円)、仕掛販売用不動産171.6億円(同155.7億円)、開発用不動産256.8億円(同290.0億)で開発用不動産の減少が大きい。有利子負債も24.5億円減少。これを受けて、自己資本比率は同1.3ポイント上昇し29.5%となった。
 
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比21.1%の増収、同40.9%の経常増益予想
14/3期予想の前期比21.1%の増収、同40.9%の経常増益に変更なし。前期の好調な受注を反映した分譲戸建の引渡し増加と分譲マンションの竣工・引渡しの本格化で分譲住宅セグメントの売上・利益が大きく伸びる。中古住宅は、15/3期以降の回復を見込んでいるが、足元今第1四半期から仕入れは回復傾向。配当も1株当たり年26円(上期末13円、期末13円)の予定に変更なし。
 
 
今後の注目点
今四半期は、収益性の高い土地有効活用事業が端境期となったことから、ほぼ横ばいの利益成長に留まった。しかし、販売状況を示す契約高は分譲住宅事業や土地有効活用事業がけん引し前年同期比34.3%増加した。今後の売上高の先行指標となる6月末の契約残高も同38.6%増加するなど好調状況が確認された。また、今期は回復しないと保守的に見ていた中古住宅の仕入れも回復傾向になるなど事業環境の好転が確認される。更に、今後消費税引き上げというリスクはあるものの、アベノミクスによるデフレ解消期待や日銀による異次元の金融緩和は、住宅市場にとって更なる追い風となろう。
こうした中、12年2月から再開した分譲マンション事業への期待は大きい。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンションに強みを持つことから、販売面での不安は小さい。一方で、用地取得競争の激化が懸念され、同社の中期計画においても2015年3月期の分譲マンション販売は販売戸数が減少する慎重な計画となっている。今後の同社の業績拡大にとって、良質な販売用地の取得が鍵を握ると思われることから、今後の分譲戸建・分譲マンション販売用地の取得状況や開発状況に注目したい。