ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

東証2部

ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.34

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(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.34】2014年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「これまで、同社の成長回帰には、課金によるストック収益の底打ちとパートナー戦略の成功が鍵を握ると考えており、その動向に注目してきた・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年10月8日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田錦町三丁目26番地 一ツ橋SIビル2F
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 11,990 421 422 253
2012年3月 13,470 323 302 177
2011年3月 13,560 391 391 155
2010年3月 13,956 347 327 194
2009年3月 15,042 391 388 133
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(8/12現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
31,250円 166,932株 5,216百万円 13.8% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1,500.00円 4.8% 1,557.52円 20.1倍 11,014.28円 2.8倍
※株価は8月12日終値。また平成25年10月1日を効力発生日として、1株を100株に株式分割し、単元株式数を100株(売買単位100株)となっている(10月1日の株価終値315円)。また株式分割に伴い、平成26年3月期の1株当たり期末配当予想800円を8円に修正しており、配当予想の実質的な変更はない。
※株式情報は株式分割考慮前の数値。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(13/3期はフォーバルの連結売上高の31.4%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社1社。
 
【事業内容と企業グループ】
同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心に普通印刷・特注文具の製造・販売を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」、及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率50%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。
 
 
【沿革】
中堅・中小企業をターゲットとして、「新しい あたりまえ(業務革新につながる新商品や新サービス)」を提供するフォーバルグループ。その回線リセーラー(電気通信事業者から回線を仕入れてエンドユーザーに再販する)「フォーバル・インターナショナル・テレコミュニケーションズ(株)」として95年4月に設立され、「fit(フィット)コール」のブランドで国際電話サービスを開始。96年に市外電話サービス、97年に市内電話サービスと取扱いを広げた。98年8月に現商号へ変更し、99年10月に「fit接続サービス」、2000年2月に「fitホスティングサービス」、同年9月にはインターネットサービスと音声サービスを組み合せた「iパックサービス」を開始する等、インターネット関連ビジネスを拡大。同年11月に東証マザーズに株式を上場した。02年2月にソフトバンクBB(株)と合弁会社を設立し、中小法人向けVoIP(インターネット上で音声データを送受信する技術)及びADSLサービスを開始。03年10月にはブロードバンドの軸足を光ファイバーに移し、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」サービスを開始。光ファイバーを利用したブロードバンドの普及を捉え利益を急拡大させた。
 
 
今後の成長戦略
 
 
08/3期以降は、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」の販売が一巡する中、リーマンショック、その後の景気悪化、更には東日本大震災と、同社のターゲットである中堅・中小企業を取り巻く環境が厳しさを増した。足元、回線利用にかかる継続収入が下支えとなり一定の利益水準を維持しているものの、閉塞感は否めない状況にある。
 
この状況を打破し、成長軌道への回帰を図るべく開発したサービスがホワイトビジネスフォンパック(WBP)である。WBPは、固定回線サービス、携帯電話サービス、IP電話サービス、及びブロードバンド接続サービスを一つのパッケージとして商品化し、このサービスの利用に必要な携帯電話(IP電話機)及びゲートウェイ装置も合わせて提供する。固定回線サービスと携帯電話サービスを融合し(FMC)、オフィスの置型電話を整理する事で利便性を損なわずに通信費の削減を実現するサービスであり、必要な機器も同社グループが提供する。
 
WBPを構成する実際のサービス及び商品が、スマートフォンを利用したFMC(Fixed Mobile Convergence:固定電話と携帯電話の融合)サービス「2way Smart(ツーウェイスマート)」(11/3期販売開始)及び独自開発の携帯電話対応アプリ、光ファイバーによる超高速ブロードバンドサービスを介してクラスA(固定電話同等品質)という最高水準による高品質音声(電話)を実現した法人向けIP電話サービス「スマートひかり」(12/3期発売開始)、そして独自開発のゲートウェイ装置「SWIFT BOX」(13/3期発売開始)である。
 
(1)スマートフォンを利用したFMCサービス「2waySmart(ツーウェイスマート)」
「2waySmart」では、1台のスマートフォンが、社外では携帯電話として、社内では内線電話として利用できる。このため、社内のビジネスフォン(固定の電話機)が不要になり、また、回線を引き回す必要も無いため、オフィスをスマートにする事ができる。また、携帯電話なのに、固定電話発信ができるため、通話料の削減も可能となる。その他、1台のスマートフォンで、会社の代表電話と内線と携帯電話を使い分けて発信と受信することが可能。加えて、固定電話からスマートフォンへ、スマートフォンからスマートフォンへの電話転送も簡易にできる。
また、i Pad向けの「2waySmart」を投入。これにより、i Padが社内の電話にも使用できる。電話しながらWEBを閲覧することも、簡易CTIシステムとして使用することも可能となる。
 
 
(2)法人向けIP電話サービス「スマートひかり」
12/3期に販売を開始した「スマートひかり」は光ファイバーによる超高速ブロードバンドサービスを介してクラスA(固定電話同等品質)という最高水準による高品質音声(電話)を実現した法人向けIP電話サービス。全国一律のわかり易い料金プランとスマート(リーズナブル)な通話料金を特長とする。

(社)電気通信事業者協会の「テレコムデータブック2012(TCA編)」によると、固定電話からの発信(国内向け通話)の79%は2分以内。このデータを基に「スマートひかり」の通話料金(税別、以下同じ)は全国一律2分5.5円に設定されている(大手キャリアでは市内3分8.5円、県内市外3分20~40円等)。また、携帯電話向けは全キャリア一律で60秒16円(同20~40円)、国際電話は米本土で60秒2.5円(同60秒60円等)。また、従来であれば個別契約が必要だった、音声通話(基本3通話で追加可能)とプロバイダー一体型の光インターネット接続料(最大で下り100Mbps)が一本化(ワンビリング)されているため事務の負担も軽い。更には、万が一、光回線が障害を起こした場合でも、自動迂回着信機能を備えているため、事前に指定した番号に着信する。
その他、スマートひかり加入者同士の通話は申込や登録を行わなくとも無料となる。或いは、今使用している電話番号(03~06~から始まる固定電話番号)を乗せ替えてそのまま使えるためNTTの基本料金が不要になるなどのメリットもある。
 
(3)ゲートウェイ装置「SWIFT BOX」
12年4月23日に「SWIFT BOX(スイフトボックス)」の販売を開始した。「SWIFT BOX」はIP電話システム(IP-PBX、IP電話主装置)とオールインワン型ネットワークセキュリティシステム(UTM、総合型脅威管理システム)を融合したハイブリッドな通信&セキュリティ・ソリューション。
 
 
投資を抑えてセキュアかつ効率的なIP統合オフィス環境を実現
「SWIFT BOX」は、IPビジネスフォンとネットワークセキュリティという異なる分野の機能を世界で初めて一体化(同社調べ)する事で、IPネットワーク上で制御される端末のほとんどを1台でコントロールできるようにした。価格は従来の総合型脅威管理システムと同程度の価格に設定されているため、従来の総合型脅威管理システムへの投資と同額で、セキュアかつ効率的なIP統合オフィス環境を実現できる。
「SWIFT BOX」の導入により、統合脅威管理(UTM)がオフィスのネットワークセキュリティを守り、IP電話システム(IP-PBX)がオフィスの通信環境の効率化と低コスト化を実現する。
 
 
 
(4)販売パートナーの注力分野で収益機会を創出する
「2way Smart」、「スマートひかり」、及び「SWIFT BOX」は、いずれも高い利便性を有する事に加え、コスト面での優位性も顕著なだけに今後の収益貢献が期待される。それぞれの事業分野で強みを持つ大規模の販売パートナーとタイアップを行う。スマートデバイスとブロードバンドによる「新しいあたりまえ」をコンセプトに、大規模のパートナー群の注力分野で収益機会を創出することを通じて事業の拡大を目指す。今後ドキュメントとスマートデバイスなどの新規販売分野の早期の立ち上げが期待される。
 
 
 
2014年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比3.2%の増収、同89.1%の経常増益
売上高は前年期比3.2%増の30.5億円。従来型の課金収益の減少傾向が続きIP&Mobileソリューション事業が減収となったものの、季節的な要因などによりドキュメント・ソリューション事業が回復したことや法人向け損害保険代理店の拠点を積極的に増やしているコンサルティング事業が増加したことなどが寄与した。
営業利益は同89.6%増の1.1億円。ドキュメント・ソリューション事業やコンサルティング事業を行う連結子会社の売上増加が寄与した。販売管理費の伸び率を売上高の伸び率以下にコントロールできたことも寄与し、売上高営業利益率は、前年同期末の2.0%から今四半期末の3.8%へ大幅に上昇した。特別損失に減損損失20百万円を計上したものの、法人税負担の減少などにより四半期純利益は同290.0%の増加となった。
 
 
 
連結の売上総利益は67百万円増加し、売上総利益率も1.6%改善。個別ベースの売上総利益は、従前のサービスにかかる課金収入が減少したものの、新たなサービスにかかるその他のストック収益が増加したことから、全体として6百万円増加した。また、子会社の売上総利益は、ドキュメント・ソリューション事業やコンサルティング事業を行う子会社中心に、60百万円増加した。
 
 
 
IP&Mobileソリューション事業  売上高21.4億円(前年同期比7.7%減)、セグメント利益5百万円(同74.6%減)
VoIPサービス、モバイルサービス等の情報通信サービス等を提供。従来型の課金収益中心に、売上高及びセグメント利益が減少。
 
ドキュメント・ソリューション事業  売上高4.7億円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益67百万円(同140.0%増)
普通印刷、印刷物のプランニング・デザイン等を行う。季節的な要因などにより売上高及びセグメント利益が増加。
 
コンサルティング事業  売上高4.3億円(前年同期比83.3%増)、セグメント利益47百万円(同133.8%増)
経営支援コンサルティング、保険サービス及びセキュリティコンサルティング等を行う。法人向け損害保険代理店の拠点を積極的に増やしており売上高及びセグメント利益が増加。
 
 
14/3期第1四半期末の総資産は、13/3期末比3.6億円減の48.8億円。総資産減少の主な要因は、余剰資金を有利子負債の削減に充てた事や売上債権と仕入債務の圧縮が影響。自己資本比率は14/3期第1四半期末の自己資本比率は37.5%と13/3期末の35.2%から上昇し財務の健全性が高まった。今後、有利子負債の圧縮は一服し、投資見合いにより微増となる見込み。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比0.1%の増収、同0.6%の経常増益
業績予想は、売上、利益共に期初の会社計画を据え置き。
売上高は前期比0.1%増の120億円の計画。売上高は、収益性の高い「スマートひかり」及び「SWIFT BOX」等のサービスや積極的に拠点数を増やしている保険ステーションの売上拡大が予想されるものの、従来型の課金収益の減少傾向が続く見込み。
営業利益は、同2.1%増の430百万円の計画。収益性の高いサービスの拡大が寄与するものの、販売及び、開発の強化のために先行投資を行うため微増を予定。過去3ヶ年有利子負債の圧縮と販売管理費の削減を積極的に行ってきたものの、今後は成長見合いで投資を拡大する方針であり、有利子負債と販売管理費も微増に転じる可能性が高い。 配当も前期と同じ1株当たり年間1,500円の期初予定を据え置き。
 
(2)今後拡大が期待される新サービス
iPadやiPhoneのTV電話機能(FaceTime)を利用した対面型の5ヵ国対応通訳サービス「テレビde通訳」の提供を開始。
「テレビde通訳」は、FaceTimeが利用可能なiPadやiPhoneとWi-Fi環境があれば、低料金で対面型の通訳が受けられるサービス。
以下の特徴を持つ。
 
FaceTimeでコールセンターに接続するだけで、TV電話越しにオペレーターが対面で外国人の顧客との間の通訳を行う。
日本語と5ヵ国語(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)の通訳に対応。
サービスは365日24時間提供。
中小企業の顧客がより手軽にご利用できるような料金プランとサービスを提供。
 
 
今後の注目点
これまで、同社の成長回帰には、課金によるストック収益の底打ちとパートナー戦略の成功が鍵を握ると考えており、その動向に注目してきた。14/3期第1四半期においても、従前のサービスにかかる課金収入の減少は継続している。しかし、収益性の高い新しいサービスからもたらされるストック収益の増加により、単体の売上総利益は増益となっていることが確認された。引き続き、「2way Smart」や「SWIFT BOX」の普及が「スマートひかり」の通信料の増加をもたらし、単体の課金によるストック収入の安定的な増加につながるのか注目したい。また、今期の重点的な戦略の1つである大規模のパートナーを活用した成長戦略が早期に成果を出し、今後の同社の成長回帰の原動力となるのか、パートナー戦略の今後の進捗状況に注目したい。特に、ドキュメントとスマートデバイスなどの新規販売分野における早期の立ち上げが期待される。