ブリッジレポート
(2462) ライク株式会社

プライム

ブリッジレポート:(2462)ジェイコムホールディングス vol.26

(2462:東証1部) ジェイコムホールディングス 企業HP
岡本 泰彦 社長
岡本 泰彦 社長

【ブリッジレポート vol.26】2014年5月期第1四半期業績レポート
取材概要「主力の携帯電話業界は引き続き旺盛な人材需要が見込まれるが、リスク分散の観点から携帯電話業界向け人材サービスに次ぐ、第2、第3の柱の育成・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年10月29日掲載
企業基本情報
企業名
ジェイコムホールディングス株式会社
社長
岡本 泰彦
所在地
大阪市北区角田町8番1号 梅田阪急ビルオフィスタワー19階
決算期
5月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年5月 15,196 798 906 599
2012年5月 17,518 914 1,044 603
2011年5月 15,905 901 955 489
2010年5月 13,522 789 834 475
2009年5月 14,162 913 953 340
2008年5月 12,404 885 907 489
2007年5月 9,605 812 786 444
2006年5月 6,657 594 552 274
2005年5月 4,684 284 281 152
2004年5月 3,271 142 141 56
2003年5月 2,222 90 88 45
2002年5月 1,616 77 76 40
2001年5月 1,369 73 70 34
株式情報(10/11現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
812円 9,173,935株 7,449百万円 12.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.7% 65.40円 12.4倍 537.82円 1.5倍
※株価は10/11終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
ジェイコムホールディングスの2014年5月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
携帯電話業界やアパレル業界を中心にグループで総合人材サービス事業を展開しており、保育や介護等の分野を育成中。「…planning the Future ~人を活かし、未来を創造する~」をジェイコムグループの経営理念に掲げ、より多くの人々に就業機会を提供するべく、M&Aや事業提携を積極的に進めサービス領域を広げている。
 
グループは、純粋持株会社である同社の他、派遣や業務請負等の総合人材サービスと携帯電話キャリアショップの運営を手掛けるジェイコム(株)、及び事務職を中心とした人材派遣・人材紹介やビジネススクール事業を手掛ける(株)エースタッフ、投資事業を行う連結子会社3社。持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)とその傘下で認可保育園等の運営を手掛ける(株)サクセスアカデミー。
13年10月4日には、投資事業を行う連結子会社が、介護施設運営の(株)サンライズ・ヴィラと給食の運営受託を手掛けるジャパンコントラクトフード(株)を子会社化した(ジェイコムホールディングス(株)の孫会社となる)。
 
【事業セグメント】
事業セグメントは、人材派遣、業務受託、紹介予定・職業紹介等の総合人材サービス事業と、携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業に分かれ、13/5期は前者が連結売上高の約96%を占めた。また、総合人材サービス事業は、契約形態別に、派遣契約、業務委託契約(同社から見た場合、業務受託)、及び紹介予定・職業紹介契約に分かれ、セグメント内の売上構成比(13/5期、以下同じ)は、それぞれ63.9%、34.5%、1.6%。一方、業界別では、携帯電話業界86.3%、アパレル業界8.4%、情報通信業界2.1%等。また、地域別では、東日本地区48.8%、西日本地区40.1%、東海地区11.1%
 
 
 
グループ戦略と14/5期の重点施策
 
社会への貢献(求職者と求人企業の最適なマッチングによる就業支援)とグループの飛躍を念頭に、携帯電話業界向けサービスを企業グループの中心に据えつつ、第二の柱であるアパレル業界向けに次ぐ、第三の柱となる事業の確立に取り組んでいる。
 
上記戦略を遂行するべく14/5期は重点施策として、(1)事務及びWeb・IT分野の強化とサービス品質の向上(教育研修体制の強化・充実)、(2)新規事業の確立、(3)グループ会社の管理体制強化、(4)事業環境に迅速に対応できるコンプライアンス体制の維持、の4つの課題に取組んでいる。
 
(1)事務及びWeb・IT分野の強化とサービス品質の向上(教育研修体制の強化・充実)
13年6月、事務職を中心にした人材サービスとビジネススクール・企業研修等を手掛ける(株)エースタッフを子会社化すると共に、ITスクール運営、企業研修、及びシステム開発を手掛ける(株)シンクスバンクに資本参加した。
 
(株)エースタッフ(大阪市北区)
全株式(600株)を親会社だった(株)山善(東証1部:8051)から取得した。(株)エースタッフは人材サービス事業とビジネススクール事業を展開し、事業規模は(株)山善向けのサービスを中心に年商3億円程度。人材サービス事業では、一般事務、営業事務、貿易事務など事務職の人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介を手掛け、ビジネススクール事業では、「エースタッフビジネススクール」として、パソコン講習会、企業研修、更には公共団体等を対象にした職業訓練受託等のサービスを提供している。
ジェイコムグループは、(株)エースタッフの子会社化を機に事務職関連の人材サービスを育成・強化していく考え。一方、(株)エースタッフは関西圏に限られていた事業エリアを全国に広げていく。既に首都圏での拠点開設と(株)山善の首都圏拠点への人材サービスの提供も決まっている。
 
(株)シンクスバンク(東京都渋谷区)
議決権の19.4%(175株)と300 株分の新株予約権を取得した(取得額30百万円)。(株)シンクスバンクはITスクール運営、企業研修、及びシステム開発を事業領域とし、高度なIT技術者の養成を目的としたパソコン教室「KEN School」は業界屈指の就転職実績を誇る。
ジェイコムグループでは、今回の提携を、IT業界へ本格展開するための足掛かりとしたい考えで、IT業界向け人材の確保・育成と同業界向けサービスの拡大へつなげていく。
 
(株)エースタッフの子会社化と(株)シンクスバンクへの資本参加は、現状では事業規模が小さい事務及びWeb・IT分野の強化が目的。事務及びWeb・IT業界での就業を希望する業界未経験の求職者を積極的に採用し、「エースタッフビジネススクール」や「KEN School」において教育研修を施し戦力化していくと共に、携帯電話業界向け等の既存の不稼働スタッフについても、同様の教育研修を実施する事でWeb・IT分野での可能性を引き出し、活性化していく。また、両社の教育研修ノウハウを取り込む事で、ジェイコムグループの教育研修体制の強化・充実を図り、サービス品質の向上にもつなげていく。
 
(2)新規事業の確立
携帯電話業界向けサービスに次ぐ第二の柱としてアパレル分野が順調に拡大している他、保育分野でサクセスホールディングス(株)とのシナジーを追及している。また、介護分野を事業ポートフォリオに加えるべく、10月4日付で、投資事業を行う連結子会社が、介護施設運営の(株)サンライズ・ヴィラと給食の運営受託を手掛けるジャパンコントラクトフード(株)を子会社化した。
 
アパレル分野
競合他社にない提案力・マッチング力や全国的な拠点展開による地方案件への対応力等が評価され売上が順調に伸びている。
 
保育分野
持分法適用関連会社サクセスホールディングス(株)が、グループで認可保育園・認証保育所や公設民営保育園など62ヵ所の運営及び学校・病院・企業の保育施設163ヵ所の運営受託を手掛けている他、人材サービスを提供しているジェイコム(株)が保育士の派遣等を手掛けている。
 
サクセスホールディングス(株)は社内に新設した人材開発部を中心にジェイコムグループとの連携を強化し保育士確保を全国規模で進めている。一方、ジェイコム(株)はサクセスホールディングス(株)から人材を招聘(転籍)し保育士の採用代行業務を強化している。保育サービスのノウハウを蓄積し、関連業務での新たな展開も模索していくとしている。
 
介護分野
10月4日付で連結子会社ACAヘルスケア・再編1号投資事業有限責任組合が、介護施設を運営する(株)サンライズ・ヴィラ、食堂運営や給食サービス等を手掛けるジャパンコントラクトフード(株)を子会社化した(共に発行済株式総数の87%を取得。ジェイコムホールディングス(株)の孫会社となる)。
 
(株)サンライズ・ヴィラ(神奈川県厚木市)は、医療法人によるバックアップの下、神奈川県下で介護付き有料老人ホーム等を運営しており、有料老人ホームの運営事業者としては居室数で30 位前後。一方、ジャパンコントラクトフード(株)(東京都台東区)は食堂・売店の運営受託や福祉施設・病院等の給食サービスを手掛けている。 ジェイコムグループは、今回のM&Aを介護業界向け人材サービスにおける採用・教育ノウハウの蓄積や介護業界での知名度向上につなげていきたい考え。一方、(株)サンライズ・ヴィラは、ジェイコムグループの支援の下で人材確保の強化・効率化を図っていく。
 
尚、ACAヘルスケア・再編1号投資事業有限責任組合は、(株)サンライズ・ヴィラ及びジャパンコントラクトフード(株)の発行済株式総数1,000 株のうち、400 株を代表取締役社長の鈴木 輝雄氏より取得すると共に、第三者割当増資により3,600 株を取得した(自己資金を充当)。
 
 
厚生労働省「平成23年度 介護保険事業状況報告(年報)」によると、2011年度(平成23年度)の介護サービス市場規模は8兆2,253億円。また、厚生労働省「社会保障・税一体改革で目指す将来像」によると、介護サービス利用者数は2012年度の452万人が2025年度には657万人(1.5倍)、同じく居住系サービスは33万人→62万人分(1.9倍)へ拡大する(この他、介護施設数:98万人分→133万人分(1.4倍)、介護職員数:149万人→237~249万人)。
 
(3)グループ会社の管理体制強化
13年4月にサクセスホールディングス(株)が東証2部に株式を上場したが、高収益体制を維持できるよう引き続き管理面・営業面からサポートしていく考え。㈱エースタッフや㈱シンクスバンク等他の事業会社も同様にサポートしていく。
 
(4)事業環境に迅速に対応できるコンプライアンス体制の維持
法改正や規則の情報をグループ間で共有し、社員・スタッフ一人ひとりへ法令順守の意識付けを恒常的に実施する。また、現場重視を徹底して、コンプライアンス違反が起こりにくい環境を作る。
 
 
2014年5月期第1四半期
 
 
売上高、利益共に想定の範囲内
売上高は前年同期比26.8%減の31億20百万円。内訳は、主力の総合人材サービス事業が同27.7%減の29億75百万円、携帯電話キャリアショップ運営のマルチメディアサービス事業が同1.2%減の1億44百万円。総合人材サービス事業の減収は、前期に発生した一部通信キャリアの直接雇用化や抵触日(派遣の期間制限)の影響によるもので当初から織り込み済み。
 
営業利益は同54.6%減の1億20百万円。携帯電話業界向けサービスにおいて、販売員の高度な知識・スキルに見合った適正利潤での受注に取り組んだ事や収益性の高い人材紹介などサービス内容を拡充した事が成果をあげ、売上総利益率が17.5%と0.3ポイント改善した他、人件費(2億48百万円→2億19百万円)を中心に販管費が減少したものの、減収の影響をカバーできなかった。
 
 
(2)総合人材サービス事業の動向
契約形態別では、販売員の高度な知識・スキルに見合った適正利潤での受注に取り組んだ結果、業務委託契約の売上が7億71百万円と前年同期比48.2%減少。派遣契約も21億19百万円と同18.3%減少した。一方、正社員の確保に苦戦する顧客からの需要で、紹介予定・職業紹介契約の売上が83百万円と170.9%増加した。
 
業界別では、前期に発生した一部通信キャリアにおける直雇用化や抵触日の影響等で携帯電話業界向けが前年同期比31.8%減少。アパレル業界向けは大手企業との取引が拡大したものの、一部の大口顧客の派遣利用の停止が響き同15.7%減少した。
 
顧客別では、前期に発生した一部キャリアの直雇用化と抵触日の影響で携帯キャリア向けが前年同期比37.3%減少した他、適正利益での受注にこだわった案件が業務委託益約から派遣契約に変更された影響で大手携帯電話販売代理店向けも同24.1%減少した。
 
地域別では、携帯電話業界において前期に発生した一部キャリアの直雇用化と抵触日の影響で、全地域において売上が減少した。
 
 
 
 
 
2014年5月期業績予想
 
 
上期及び通期の業績予想に変更はなかった。第1四半期は想定に沿った着地で、上期予想に対する進捗率は、売上高46.6%、営業利益48.1%、経常利益51.0%、四半期純利益49.5%。
 
上期は適正価格での受注徹底で原価率が改善する見込みだが、一時的な要因(直接雇用化や抵触日の影響)による売上の減少が響く。一方、下期は一時的な要因が一巡する中、上期に実施したM&A効果や保育業界向け人材サービスの寄与が見込まれ、営業利益が同72.4%増加する見込み。
 
 
通期予想は前期比1.3%の減収、同1.5%の経常増益。引き続き携帯電話業界の人材需要は旺盛だが、前期に発生した一時的な要因による上期の苦戦が響き、売上高、利益共に前期並みにとどまる見込み。配当は1株当たり上期末15円、期末15円の年30円を予定している。
 
 
今後の注目点
主力の携帯電話業界は引き続き旺盛な人材需要が見込まれるが、リスク分散の観点から携帯電話業界向け人材サービスに次ぐ、第2、第3の柱の育成が欠かせない。年商が10億円を超えてきたアパレル分野や徐々に実績が出てきた保育分野の動向と共に、事務派遣、Web・IT、介護といった分野でのM&Aの成果に注目したい。