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(2708) 株式会社久世

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ブリッジレポート:(2708)久世 vol.10

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(2708:JASDAQ) 久世 企業HP
久世 健吉 社長
久世 健吉 社長

【ブリッジレポート vol.10】2014年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「下期に入り、独自性のある商品(ノンフードPBブランド「キッチンサポート」商品)の販売強化に加え、新商品及びリニューアル商品60アイ・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年3月18日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社久世
社長
久世 健吉
所在地
東京都豊島区東池袋2-29-7
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 56,060 544 697 367
2012年3月 51,053 380 408 173
2011年3月 46,774 230 342 80
2010年3月 42,666 271 394 123
2009年3月 42,181 225 334 171
2008年3月 42,540 283 443 240
2007年3月 42,847 402 507 262
2006年3月 41,491 336 390 246
2005年3月 39,087 255 297 126
株式情報(3/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
754円 3,878,979株 2,925百万円 8.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.6% 95.38円 7.9倍 1,184.88円 0.6倍
※株価は3/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
株式会社久世の2014年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
外食産業や中食産業向けの食材卸を中心に、グループでソース、ブイヨン、スープ及び調理食品など食材の製造・販売も手掛けている。取扱品目は約30,000アイテムに上り、冷凍・常温品はもちろん生鮮品から消耗品等のノンフードまで幅広い。グループは、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン、ニュージーランドでソース類の製造を手掛けるキスコフーズインターナショナルリミテッド及び海外戦略の立案と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司の連結子会社4社と中国での業務用食材卸売事業を目的に12年5月に設立した久華世(成都)商貿有限公司の非連結子会社1社がある。
 
【事業内容】
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、13/3期の売上構成比は、それぞれ、92.4%、7.4%、0.2%。また、販売チャンネル別(個別ベース)では、居酒屋・パブ30.8%、ディナーレストラン・ホテル・会館20.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリング16.9%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ31.6%。
 
食材卸売事業
取扱が難しい生鮮品を含めた業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約30,000アイテム。近年、PB商品や生鮮三品の取扱いに力を入れている。また、売上面、利益面で下期偏重である事も当事業の特徴である。
 
食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っている。
 
 
【第2次C&G(Challenge and Grow for The Good Company)中期経営計画】
同社の推計では、外食産業約23兆円のうち同社の事業対象となる全国の業務用食材マーケットは約3兆8,300億円で、同社のシェアは未だ1.4%に過ぎない(トップシェアを誇る首都圏に限っても、約3.4%のシェアにとどまる)。
 
(1)「第2次C&G経営計画」(13/3期~15/3期)
同社は10/3期に「C&Gプロジェクト(Change and Grow for The Good Company)」を立ち上げ、"三大都市圏No.1・お客様満足度No.1"の実現を目指し、「意識と行動の変化」に取り組んでいる。「C&Gプロジェクト」では、創業85周年を迎える20/3期に売上高1,000億円、営業利益20億円の達成を目指しているが、そのプロセスとして3年毎の「C&G経営計画」が策定され、現在、「第2次C&G経営計画」が進行中。今期は"change"を"challenge"に読み替えて、より高い目標に挑戦する。

「第2次C&G経営計画」は、国内外での攻めの営業体制の確立、商品開発を軸とした戦略推進、及び1,000億円企業への体制構築、という4つの基本戦略の下で進められている。
 
(2)14/3期の施策
取り組み方針として、①徹底的な攻めの営業、②すべての業務の品質向上、③海外事業展開の促進、④グループ力の強化、の4点を挙げている。
 
①徹底的な攻めの営業
円安と原料高による仕入価格高騰に対応した粗利改善が急務であり、値上げを実施し浸透を図る。その上で、首都圏・中京圏・関西圏での新規顧客開拓に全社で取り組む。また、「給食・惣菜営業部」を新設し、老人ケアやシルバー向け等、専門分野の強化を図る。この他、生産性の向上と競争力の底上げを図るべく、最新の物流システムを導入する事で精度の向上と効率化を進めると共に、独自性のある商品の販売を強化する(ノンフードPB新ブランド「キッチンサポート」の拡販等)。
 
②すべての業務の品質向上
同社は、10年に「久世グループ品質方針」及び、ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格)に基づいた久世グループの品質保証の仕組みである「久世クオス(久世QUALITY SYSTEM)」を策定し、新しい品質への取組みを開始した。現在、商品の品質だけでなく、営業、物流、受発注などサポート部門を含めたすべての業務の品質向上に取組んでおり、13年4月には、子会社キスコフーズ(株)がISO22000の認証を取得。同社自身も13年8月に認証を取得した。
 
③海外事業展開の促進
ニュージーランドで製造事業を手掛けるキスコフーズインターナショナル(KFI)は 設立2年目となる前期に黒字化を達成した。14/3期は更なる収益の拡大を図るべく、フランス料理やイタリア料理のベース材料となるフォンドヴォー(仔牛のブイヨン。ソースを作る際等に用いられる)やベシャメルソース(小麦粉と牛乳で作った白いソース)との増産に取組むと共に、東南アジア及び中国への直接販売について、調査研究を進めている(現在、生産量の98%が日本への輸出)。
 
また、中国での食材卸売事業では、子会社久華世(成都)が、取扱商品を拡大し(肉、スパゲッティー、チーズ、ハム、鮮魚、タレ等)、現地の日本料理店に加え、西洋料理店、コンビニ、更には四川料理店の開拓を進める。一方、資本・業務提携先である上海峰二食品は新規顧客開拓(上海・蘇州・南京でのシェア拡大)と既存顧客の深耕に取組む。
 
④グループ力の強化
キスコフーズ(株)は"スープ&ソースのソリューションカンパニー"を目指し、キスコブランド商品の開発と販売を強化すると共に(開発強化に向け、新テストキッチンをオープン)、ISO22000導入による品質向上と生産の効率化に取組む。また、KFIとのグループシナジーも追求する。

生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワンは、特徴ある鮮度の良い商品を扱う元気な「八百屋」を目指す。具体的な施策として、重点エリアの新規開拓及び既存顧客のシェアアップ、大口ユーザーの開拓、生産農家との連携推進、及び築地市場の豊洲への移転(15年の移転を予定)を見据えた対応準備、の4点を挙げている。
 
 
2014年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比11.5%の増収ながら、物流・人材への先行投資が負担となり同54.9%の経常減益
売上高は前年同期比11.5%増の471億66百万円。営業強化による首都圏でのシェアアップに加え、(株)サカツコーポレーション(愛知県)との提携や大阪支店の体制強化で中京圏や関西圏での新規顧客開拓も進み、主力の食材卸売事業の売上が435億73百万円と同11.2%増加。食材製造事業も自社ブランド商品の販売強化で売上が35億83百万円と同15.1%増加した。
 
一方、営業利益は同81.2%減の75百万円。継続的な生産性の向上やコストダウンへの取り組みに加え、代替商品及び売筋メニューの提案にも力を入れたものの、円高是正や原料高の影響を完全には吸収できず、原価率が83.4%と0.3ポイント上昇。運賃の増加(6億56百万円増)や営業強化に伴う人件費の増加(75百万円)に加え、仕入精度の向上と効率化に向けた新物流システムの立ち上げや顧客要請にマッチした(全国チェーンの顧客とエリアの顧客等)物流が可能なKZN(久世全国ネットワーク)の整備もあり、販管費が77億59百万円と同15.0%増加した。
 
尚、運賃の大幅な増加は新規開拓が進んだ事による一時的な物流効率の低下が要因。具体的には、新規開拓により取引先が増えると食材等を運ぶ車両を増やすが、物流の量は徐々に増加していくため、取引開始当初は積載量が少なく車両1台のパフォーマンスが低下する。
 
 
 
上のグラフが示す通り売上が順調に拡大している。新規顧客の開拓と既存顧客の深耕が着実に成果を上げており、それが売上に反映されている。ただ、物流面・人材面からの先行投資で、14/3期は過去の数年のように、売上高に利益が追従していない。強みである提案営業の成果や業務提携も含めた中部・関西での好調で想定以上にインフラ整備の負担が増している事がその理由。オペレーションの軌道化に向け経営をスピードアップしていく必要はあるが、ある程度の時間が必要である事も確かだ。
 
 
第3四半期末の総資産は227億35百万円と前期末に比べて35億12百万円増加した。借方では、売上の増加に加え、一部商品での消費税率引き上げ前の駆け込み需要に備えた在庫積み増しもあり流動資産が増加。貸方では、仕入債務を中心に流動負債が増加した他、株価上昇に伴う有価証券評価益や円高修正に伴う為替換算調整勘定の増加等で純資産も増加。一方、有利子負債は18億96百万円と同1億90百万円減少した。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比7.0%の増収、同0.3%の経常増益予想
業績予想に変更はなかったが、会社側は「現在、先行きの情勢を精査中であり、精査の結果、業績予想の修正が必要と判断される場合には、すみやかに公表する」とコメントしている。
 
配当は1株当たり12円の期末配当を予定している。同社は、中長期的な視点で健全な株主構成を目指す事、及び業績動向や財務体質の強化を考慮しつつ、安定配当の維持を基本に株主還元を実施していく事の2点を重視しており、これらのバランスをとりながら利益配分を実施していく考え。
 
 
今後の注目点
下期に入り、独自性のある商品(ノンフードPBブランド「キッチンサポート」商品)の販売強化に加え、新商品及びリニューアル商品60アイテムを投入した。また、上期に開拓した約2,000店舗の新規取引先も寄与し始めているようで、通期予想に対する売上高の進捗率は78.6%と順調。しかし、高騰する仕入価格や物流面・人材面での先行投資が負担となり、利益面での進捗が遅れている(進捗率:営業利益13.5%、経常利益32.2%)。第4四半期(1-3月)の3か月間で遅れを取り戻す事は難しいかも知れないが、取引先が増加し、それが四半期ベースの売上に反映されているため、いずれ利益にも反映されてこよう。
手元にある05/3期以降の同社の売上・利益のデータを見ると、05/3期から14/3期(予想)にかけて売上は1.5倍に、営業収益は2.2倍に、それぞれ拡大した。特に直近3~4年の売上・利益の伸びが大きい。更なる業容拡大を考えた場合、一旦踊り場を作り、足場を固め直すべき時期に来ている事は確かだ。