ブリッジレポート
(9445) 株式会社フォーバルテレコム

東証2部

ブリッジレポート:(9445)フォーバルテレコム vol.35

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(9445:東証マザーズ) フォーバルテレコム 企業HP
谷井 剛 社長
谷井 剛 社長

【ブリッジレポート vol.35】2014年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「同社の子会社の業績が順調に拡大している。当第3四半期のセグメント利益の構成を見ると、ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月13日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバルテレコム
社長
谷井 剛
所在地
東京都千代田区神田錦町三丁目26番地 一ツ橋SIビル2F
決算期
3月
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 11,990 436 438 269
2012年3月 13,470 323 302 177
2011年3月 13,560 391 391 155
2010年3月 13,956 347 327 194
2009年3月 15,042 391 388 133
2008年3月 13,466 337 344 192
2007年3月 12,461 845 840 975
2006年3月 11,024 859 868 841
2005年3月 7,740 470 452 726
2004年3月 6,114 214 205 205
2003年3月 7,746 93 40 69
2002年3月 11,879 -1,732 -1,779 -4,939
2001年3月 18,224 284 134 45
2000年3月 20,503 53 -50 88
株式情報(3/19現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
335円 16,693,200株 5,592百万円 13.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 4.5% 15.58円 21.5倍 102.44円 3.3倍
※株価は3/19終値。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小・中堅法人向けにOA・ネットワーク機器の販売やサービスの取次ぎを展開するフォーバル(8275)の連結子会社。フォーバルの連結決算において、フォーバルテレコムビジネスグループとしてセグメントされている(13/3期はフォーバルの連結売上高の31.3%を占めた)。グループは同社の他、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社1社。
 
【事業内容と企業グループ】
同社及び連結子会社(株)FISソリューションズによる法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービス「2way Smart」の提供と関連機器販売の「IP&Mobileソリューション事業」、連結子会社(株)トライ・エックスを中心に普通印刷・特注文具の製造・販売を手掛ける「ドキュメント・ソリューション事業」、及び(株)保険ステーションによる保険やプライバシーマーク等に関する各種コンサルティング等の「コンサルティング事業」に分かれる。また、持分法適用関連会社(出資比率50%)で、(株)光通信(9435)グループの(株)アイ・イーグループとの合弁会社(株)ホワイトビジネスイニシアティブが「2way Smart」の企画開発及び関連するハードウエア開発を手掛けている。
なかでも、(株)保険ステーションは、積極的に事業規模を拡大させており、13年度上期だけで拠点数を10拠点増加し、13年9月末現在64拠点となっている。
 
 
【沿革】
中堅・中小企業をターゲットとして、「新しい あたりまえ(業務革新につながる新商品や新サービス)」を提供するフォーバルグループ。その回線リセーラー(電気通信事業者から回線を仕入れてエンドユーザーに再販する)「フォーバル・インターナショナル・テレコミュニケーションズ(株)」として95年4月に設立され、「fit(フィット)コール」のブランドで国際電話サービスを開始。96年に市外電話サービス、97年に市内電話サービスと取扱いを広げた。98年8月に現商号へ変更し、99年10月に「fit接続サービス」、2000年2月に「fitホスティングサービス」、同年9月にはインターネットサービスと音声サービスを組み合せた「iパックサービス」を開始する等、インターネット関連ビジネスを拡大。同年11月に東証マザーズに株式を上場した。02年2月にソフトバンクBB(株)と合弁会社を設立し、中小法人向けVoIP(インターネット上で音声データを送受信する技術)及びADSLサービスを開始。03年10月にはブロードバンドの軸足を光ファイバーに移し、光ファイバー対応IP電話「FTフォン」サービスを開始。光ファイバーを利用したブロードバンドの普及を捉え利益を急拡大させた。
 
 
 
主要なサービスの概要
 
(1)IP&Mobileソリューション
スマートフォンを利用したFMCサービス「2waySmart(ツーウェイスマート)」
「2waySmart」では、1台のスマートフォンが、社外では携帯電話として、社内では内線電話として利用できる。このため、社内のビジネスフォン(固定の電話機)が不要になり、また、回線を引き回す必要も無いため、オフィスをスマートにする事ができる。また、携帯電話なのに、固定電話発信ができるため、通話料の削減も可能となる。その他、1台のスマートフォンで、会社の代表電話と内線と携帯電話を使い分けて発信と受信することが可能。加えて、固定電話からスマートフォンへ、スマートフォンからスマートフォンへの電話転送も簡易にできる。更に、Wi-Fi環境でのスマートフォンの速度アップやスマートフォンを活用した様々な業務の効率化に貢献する。また、i Pad向けの「2waySmart」を投入。これにより、i Padが社内の電話にも使用できる。電話しながらWEBを閲覧することも、簡易CTIシステムとして使用することも可能となる。
 
 
法人向けIP電話サービス「スマートひかり」
12/3期に販売を開始した「スマートひかり」は光ファイバーによる超高速ブロードバンドサービスを介してクラスA(固定電話同等品質)という最高水準による高品質音声(電話)を実現した法人向けIP電話サービス。全国一律のわかり易い料金プランとスマート(リーズナブル)な通話料金を特長とする。

(社)電気通信事業者協会の「テレコムデータブック2010(TCA編)」によると、固定電話からの発信(国内向け通話)の79%は2分以内。このデータを基に「スマートひかり」の通話料金(税別、以下同じ)は全国一律2分5.5円に設定されている(大手キャリアでは市内3分8.5円、県内市外3分20~40円等)。また、携帯電話向けは全キャリア一律で60秒16円(同20~40円)、国際電話は米本土で60秒2.5円(同60秒60円等)。また、従来であれば個別契約が必要だった、音声通話(基本3通話で追加可能)とプロバイダー一体型の光インターネット接続料(最大で下り100Mbps)が一本化(ワンビリング)されているため事務の負担も軽い。更には、万が一、光回線が障害を起こした場合でも、自動迂回着信機能を備えているため、事前に指定した番号に着信する。
 
 
iSmart WiMAX
WiMAXは高速、大容量のモバイルブロードバンド通信。ワイヤレスのため、いつでもどこでも高速インターネットの利用が可能。ワイヤレスであるが高速通信のため大容量ファイルの送受信もスムーズに行える。配線がないワイヤレス通信であるため、工事が不要ですぐにご利用できるのが特徴。同社は、完全定額制の使い放題で提供している。
 
 
iSmart LTE(E)
iSmart LTE(E)はワイヤレスで、外出先でも高速でインターネットが利用できる次世代モバイル通信サービス。東京メトロ・都営地下鉄・大阪市営地下鉄全駅をはじめとした全国主要地下鉄、全線全駅で利用できる。操作性が高く、定額・低料金かつ、別途プロバイダ料金も不要で追加料金がかからないのが特徴。
 
 
(2)セキュリティコンサルティング
プライバシーマーク(Pマーク)や各種ISOのコンサルティング
認証取得支援から、運用支援、更新支援、規格改訂支援、各種セミナーなどをサポート。
 
 
(3)ペーパレスソリューション
おまか請求
請求書・支払通知書・納品書をWeb化でコスト削減するツールを提供。顧客登録・受注登録・料金計算、請求書発行(WEB公開)・収納代行・督促支援業務などを含んだ請求代行サービス。請求に関する業務を代行し、顧客の請求コストの削減と業務負担を軽減図る。
 
 
ワンビリングサービス
複数サービスの請求書をひとつにまとめて請求するサービス。請求書が何通も届くことなく、1請求書にまとめて請求される。
 
 
ぱっと転送PRO
ぱっと転送 PROは、iPad・iPhoneの写真&動画やファイルを他のiPad・iPhoneへ簡単に転送する事が可能。Wi-Fi、Bluetoothを利用し、1対1はもちろん複数台の端末へファイル転送できるため、友達同士での写真&動画の共有、学校やオフィスでの資料共有やペーパーレス会議などが可能となる。
 
 
 
ぱっと会議
ぱっと会議は、iPad・iPhone上で簡単に会議、プレゼンテーションを行うことが可能。Wi-Fi、Bluetoothを利用し、1対1はもちろん複数人で資料の共有を行う。ページの同期や手書きメモができるので、ペーパーレスでエコな会議・プレゼンテーションが実現できる。
 
 
 
2014年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比1.3%の増収、同5.4%の経常減益
売上高は前年期比1.3%増の90億26百万円。売上面は、新規契約の獲得が伸び悩むなどによりIP&Mobileソリューション事業が減収となったものの、ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の増収で補った。
営業利益は同2.1%減の3億5百万円。収益性の高いドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の増収効果などがあったものの、新規契約獲得の伸び悩みなどが影響し、IP&Mobileソリューション事業が大幅に減益となった。収益性の高いドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の売上増加などにより売上総利益率は、21.0%と前年同期比1.1ポイント高まったものの、新ISPサービスの獲得に伴う営業費用(自社インセンティブの償却費)の増加などにより、売上高販管費比率は、17.6%と同1.2ポイント悪化した。その他、特別損失に、貸倒引当金繰入額24百万円や減損損失30百万円を計上した。
 
 
 
連結の売上総利益は1億22百万円増加し、売上総利益率も1.1%改善。個別ベースの売上高総利益は、従前のサービスにかかる課金収入が減少したものの、新たなサービスにかかるその他のストック収益が増加したことから、全体として4百万円増加した。また、子会社の売上総利益は、ドキュメント・ソリューション事業やコンサルティング事業を行う子会社中心に、1億18百万円増加した。
 
 
販管費は、IP&Mobileソリューション事業における新ISPサービスの獲得に伴う自社インセンティブの償却費の増加などにより1億29百万円の増加。
 
 
IP&Mobileソリューション事業  売上高64億14百万円(前年同期比6.4%減)、セグメント利益52百万円(同65.1%減)
VoIPサービス、モバイルサービス等の情報通信サービス等を提供。新規契約の獲得が伸び悩むなどにより、売上高及びセグメント利益が減少。
 
ドキュメント・ソリューション事業  売上高12億60百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益1億23百万円(同12.3%増)
普通印刷、印刷物のプランニング・デザイン等を行う。新規大口顧客の開拓による受注の獲得と生産性の向上により、売上高及びセグメント利益が増加。
 
コンサルティング事業  売上高13億40百万円(前年同期比62.1%増)、セグメント利益1億37百万円(同90.3%増)
経営支援コンサルティング、保険サービス及びセキュリティサービス等を行う。主に㈱保険ステーションの営業拠点拡大にともなう保険契約数の大幅な増加により、売上高及びセグメント利益が増加。
 
 
14/3期第3四半期末の総資産は、13/3期末比99百円減の50億71百万円。総資産の減少は、資産面は売上債権が、負債面は仕入債務が主なもの。14/3期第3四半期末の自己資本比率は、有利子負債が2億38百万円増加したことなどにより、33.7%と13/3期末の34.0%から若干低下した。今後、有利子負債の圧縮は一服し、社内インセンティブの増加に伴い微増となる見込み。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比0.1%の増収、同3.1%の経常減益
業績予想は、売上、利益共に期初の会社計画を据え置き。
売上高は前期比0.1%増の120億円の計画。売上高は従来型の課金収益の減少傾向は続くものの、新ISPサービスを中心とするデータ通信関連から生じるその他のストック収益の伸びや積極的に拠点数を増やしている保険ステーションの売上拡大で補う計画。
営業利益は、同1.5%減の4億30百万円の計画。利益面は、収益性の高いドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業の売上増加などが寄与するものの、従来型の課金収益の減少傾向に加え、販売及び開発の強化のために先行投資を行うことから微減を予定。
過去3ヶ年有利子負債の圧縮と販管費の削減を積極的に行ってきたものの、今後はデータ通信関連の新サービス拡大のために自社インセンティブを増加させる予定であり、有利子負債と販管費も微増に転じる可能性が高い。
配当も前期と同じ1株当たり年間15円の期初予定を据え置き(株式分割考慮後)。
 
 
今後の注目点
同社の子会社の業績が順調に拡大している。当第3四半期のセグメント利益の構成を見ると、ドキュメント・ソリューション事業とコンサルティング事業で全体の約83%を占めている。特に、(株)保険ステーションは営業拠点拡大にともなう保険契約数の大幅な増加により、コンサルティング事業の業績拡大にしっかりと貢献している。昨今の保険行政におけるコンプライアンス強化の流れの中、今後も体制面で優位にある大手保険代理店への集約が加速するものと思われ、引き続き高成長が期待される。その一方で、IP&Mobileソリューション事業は新規契約の獲得が伸び悩むなどにより苦戦が強いられている。音声通話に関連した従前のサービスにかかる課金収入の減少が継続しているものの、ISPサービスを中心とする各種データ通信に関連した新しいサービスからもたらされるストック収益の増加により、単体の売上総利益は若干ながら増益となっている点は評価できる。しかし、自社インセンティブを先行的に投入していることから販管費において自社インセンティブの償却負担が増加しており、IP&Mobileソリューション事業の利益を圧迫している。
自社インセンティブの積極的な投入は、従来の音声通話に関連したサービスのように通信キャリア会社から受け取ったインセンティブを販売パートナーへ配分するビジネスモデルと異なり、同社の短期的な資金負担や自社インセンティブの償却費負担の増加を生む。この戦略の変更は、一時的に売上総利益率を高める効果を持つものの、売上高販管費比率を悪化させることが懸念される。
しかし、収益性の高いビジネスモデルへの転換に向けて避けては通れない投資であり、子会社の業績が好調に推移している局面で、IP&Mobileソリューション事業の構造改革を加速している点評価されるべきであろう。今後どの段階で、データ通信などからもたらされる新たなストックの増加が従前のサービスにかかるストックの減少を上回り始めるのか、IP&Mobileソリューション事業のセグメント利益のターニングポイントに注目したい。