ブリッジレポート
(1909) 日本ドライケミカル株式会社

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ブリッジレポート:(1909)日本ドライケミカル vol.6

(1909:東証1部) 日本ドライケミカル 企業HP
遠山 榮一 社長
遠山 榮一 社長

【ブリッジレポート vol.6】2015年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「遠山社長のリーダーシップの下、「防災の裾野の広さ」を見据え、従来の防災業界の発想に囚われることなく、顧客に対しどうすれば高い付加・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年1月6日掲載
企業基本情報
企業名
日本ドライケミカル株式会社
社長
遠山 榮一
所在地
東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場
決算期
3月末日
業種
機械(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 31,316 1,688 1,667 835
2013年3月 28,931 1,612 1,576 809
2012年3月 23,765 1,041 994 404
2011年3月 21,248 738 729 343
2010年3月 21,409 618 580 1,403
2009年3月 23,624 991 1,000 687
2008年3月 10,232 159 165 445
2007年9月 19,756 -38 4 -69
2006年9月 17,024 -222 -204 -229
2005年9月 17,927 48 66 18
株式情報(12/12現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,269円 3,315,670株 7,523百万円 12.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
70.00円 3.1% 273.00円 8.3倍 2,300.63円 1.0倍
※株価は12/12終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
日本ドライケミカル(株)の2015年3月期第2四半期決算概要などについて、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「消火・防災のプロフェッショナル」として高い評価を受けている国内最大級の総合防災企業であり防災エンジニアリング企業。
一般建築物やプラント向けの消火設備の設計・施工、船舶用消火設備の製造・販売、消火設備の保守・点検サービス、各種消火器・防災製品、消防自動車の製造・販売など幅広く事業を展開。
長年にわたって培われた経験と実績、高いエンジニアリング能力、独自の製品開発力などが強み。
2000年12月上場廃止となったが、2011年6月に再度東京証券取引所市場第2部へ上場。2013年12月には市場第1部に銘柄指定された。積極的なアライアンス戦略で顧客に新たな付加価値を提供する。
 
【沿革】
 
【社長プロフィール】
遠山 榮一社長は、1950年生まれの64歳。
1972年に三菱商事に入社後、経理、財務部門、海外子会社などを歴任後、2004年1月同社入社。2005年8月に代表取締役就任。
認知度・信用力の拡大を通じた企業価値の向上と企業体質の強化を図るとともに、従来の発想にとらわれない発想で「消火・防災市場」の創造・開拓を目指す。
 
【企業理念・経営方針】
以下の企業理念と経営方針の下、事業を展開している。
<企業理念>
① プロフェッショナル
消火・防災のプロフェッショナルとして、人々に安心と安全を提供する。
② パートナーシップ
関係するすべての会社とともに、お客様に最良の製品・サービスを提供する。
③ 人財育成
変化を捉えて未来を拓く、人を活かし、人を育てる。
④ 環境
環境にやさしい製品作りを通じ、社会に貢献する。
 
<経営方針>
・コア事業の発展:市場動向の変化に強い企業となるべく消火・防災に関わる事業に経営資源を集中し、各事業を継続して強化・整備していく。
 
・事業連携によるさらなる発展:各事業が相互に協力し、情報を提供することでさらなるビジネス機会を創出する。
 
・経営基盤の強化:人事制度の整備と人財育成、技術部門の集中による開発力向上及び全社横断的な品質保証体制を構築していく。
 
【市場環境】
◎経済産業省の「平成24年 工業統計調査」(平成26年3月28日公表・掲載)によれば、「消火器・消火装置(消防自動車の艤装品を含む)」と「消火器具・消火装置の部分品・取付具・附属品」の出荷額合計は、2012年で592億円とされる。2011年の東日本大震災で一旦急激に落ち込んだが、防災意識の高まりなどから2012年は2010年を上回る出荷額となっている。1998年の794億円と比較すると、3割弱低い水準となっており、基本的には設備投資動向に左右される成熟市場と位置付けられるだろうが、2020年の東京オリンピックに向けた再開発や改修などにより当面は堅調な需要が生まれると思われる。
 
 
参入障壁の高い業界であることから新規参入は少ないが、既存企業間でのシェア争いは激しいものとなっている。

◎上場の同業他社としては以下の3社を挙げることができる。
 
従来の防災業界には例のない積極的な活動で、新市場の創造・開拓にチャレンジしているものの、株式市場においては目立たない存在となっている。企業規模の拡大、収益性の向上とともに、更なる認知度の向上が必要だろう。
 
【事業内容】
総合防災企業として「防災設備事業」、「メンテナンス事業」、「商品事業」、「車輌事業」の4事業部門から構成されている。各事業において「火を消す」というニーズ全てに対応し、顧客満足度の最大化を図っている。また、新たな顧客ニーズを開拓し、新しいビジネスの開発に結び付けていくという方針を掲げている。
 
<防災設備事業>
売上高の約半分を占める同社の主力事業。建築防災設備、プラント防災設備、船舶防災設備の3分野がある。
どの分野においても顧客の防災・消火ニーズは多様化、大型化、高度化、複雑化している。
同社は、長年培ってきた豊富な実績・ノウハウと高い技術力によって、顧客に対し最適な防災システムを提供している。
 
「建築防災設備」
55年を超える歴史を持つ同社において最も実績のある分野。
対象建築物は、オフィスビル、高層マンション、大型ショッピングセンター、駐車場、トンネルなど。
 
 
最近でも都内の大型再開発において数多くの施工実績をあげている。

同社はこれら建築物の建築主もしくは建築に携わる大手建設会社や設備工事会社から消火・防災設備の設置を受注している。

一般建築物の消火・防災設備は、消防法によってその設置が義務付けられており、設置基準も詳細に定められている。また、設置後の点検に関しても厳格な基準が設けられている。
消防法の歴史は常に強化の歴史であるが、同社はその強化に迅速且つ適切に対応し、大切な人命と貴重な財産を守るという社会的使命を担い、責任を持って遂行。顧客からの高い信頼を獲得してきた。
 
「プラント防災設備」
原子力、火力、ガス、石油、石炭などさまざまなエネルギープラントから、石油化学、医薬、鉄鋼など広範な産業分野の製造工場および倉庫などが対象。
 
 
顧客は電力会社や重電メーカーなど。

エネルギープラントでは、火災が発生し初期消火に失敗すると油流出を伴う大規模火災に発展する恐れがある。
そこで、このような火災には大量の消火薬剤を散布できる泡やガスといった消火設備が最適である。
同社は、このように、対象物の危険性、特殊性、形状に最も適した消火・防災設備をデザインし、構築している。
 
「船舶防災設備」
30年の歴史と実績を持つ。
船舶用の消火・防災設備は船舶安全法、海上人命安全条約、船級協会などの規定により設置・点検が義務付けられている。
 
 
自船消火設備として機関室や貨物艙には二酸化炭素消火設備、ガス運搬船甲板部には粉末消火設備、他船消火設備としてタグボートや消防艇には泡水消火設備や粉末消火設備などがある。
対象船舶は大型タンカー、旅客船・フェリー、消防艇など多岐にわたる。
 
<メンテナンス事業>
設置した消火・防災設備もいざというとき確実に作動しなくては何の意味もない。
消火・防災設備の点検は消防関係法令に規定され、最低年間2回の点検が義務付けられている。
同社は消防設備士の資格を持つスタッフによる各種消火・防災設備の保守点検業務およびそこから派生する修繕及び改修工事を行っている。
主要顧客は施主及びビル管理会社など。
同事業については、社会的な要請やコンプライアンス意識の高まりを背景に成長が見込まれること、また収益性の観点から今後も収益の柱として強化していきたいと考えている。そのためには、幅広く消火・防災の知識を有し、お客様に信頼される人財の育成・強化が必要と認識している。
 
<商品事業>
同社は日本初の粉末消火器を開発したパイオニアであり、以来、研究・開発を重ね、独自の技術で幅広いニーズに応えるさまざまな消火器や防災関連商品を企画・開発している。
 
 
オフィス・工場などに設置される一般的なタイプの消火器のほかに、発電所や石油関連施設などの危険物施設向けの大型消火器、自動車に搭載する消火器、家庭用消火器などさまざまなタイプの消火器の製造・販売を行っている。

1999年には日本で初めてアルミ製容器を市場で最も流通しているABC粉末消火器10型に採用して販売を開始し、その後もアルミ製容器を用いた多くの製品を展開してきている。このアルミ製容器を用いた消火器は、軽くて耐食性に優れ、リサイクル性が高く環境にやさしいという利点がある。現在同社は鉄製以外の容器を用いた消火器においてトップシェアを誇る。

アルミニウム製消火器は、
・鉄製に比べ約20%軽いため、操作性が格段に向上する。
・錆びにくい性質から腐食による破裂を起こしにくい。
・環境にやさしく、ISO14000Sやごみゼロ工場などに適している。
といった特徴がある。

同社はアルミ製消火器の先駆的メーカーであり、アルミ製消火器の国内市場はほぼ独占の状況となっている。
今後は殆どが未だ鉄製である海外市場へ進出していく考えだ。
消火器以外には、火災報知器、避難器具、防災キットなど各種防災用品の仕入・販売を行っている。
 
 
同社は全国14ブロック、計236社(2014年11月末現在)の販売代理店で構成されている「エクスチン会」により、全国をカバーする強力な販売体制を構築している。
(「エクスチン」は、消火器の英語「a fire extinguisher」からとっている。)
 
<車輌事業>
消防自動車には、消火栓や河川から水を汲み上げ放水する消防ポンプ自動車、水源のない場所で放水可能な水槽付消防ポンプ自動車、油火災等の消火を行う化学消防ポンプ自動車などさまざまな種類があるが、同社は、消火・防災技術の最先端を結集することで、こうした専門性の高い消防自動車のニーズに対応している。
 
 
同社は、消防ポンプ自動車、水槽付消防ポンプ自動車、化学消防ポンプ自動車の他、支援車、指揮車、小型動力消防ポンプ付水槽車など、各種の消防自動車を製造・販売している。
主要装置の機能の高度化のみならず、自動揚水モニター装置、泡自動混合装置などの電子化、自動制御化も進めることで、操作性・安全性の向上および省力化に貢献している。

車輌メーカーよりトラックシャーシを購入した後、顧客ごとの仕様に合わせた艤装(*室内外の各種装備などを車体に取り付ける工程のこと)を施し消防自動車として納入する。顧客のほとんどは地方自治体で、交換需要が中心となっている。競争は厳しいが長年携わってきた中で同社独自のアイデアや技術も具現化してきており、今後も注力していく考えだ。
 
 
同社の前期実績ROEは東証1部平均および機械セクター平均を上回っており、評価できる。
ただレバレッジが3倍台とやや高いこと、売上高純利益率が、東証1部平均の3.49%、機械セクター平均の5.37%からはやや見劣りする点が指摘できる。
今後は収益性の向上も取組むべき課題の一つとなろう。
 
 
特徴と強み
 
同社の事業ドメインである消火・防災業界は、防災設備に関して消防法を始めとする詳細な規定があり、工事・保守点検では消防設備士の資格が必要である。また商品分野においても日本消防検定協会などによる検査の合格が必須であることなどから、参入障壁が高いことが特徴である。
これに加えて同社独自の特徴としては以下の4点があげられる。
 
①長年にわたって培われた経験と実績
同社の創業は1955年4月。今年で59年の歴史を有しており、長年にわたり培ってきた経験と実績に基づく信用力は、大きな財産と考えられる。
 
②高度なエンジニアリング能力
一般建築物、プラント、船舶など幅広い分野における多数の、そして多様な消火・防災設備の施工実績は、同社の高度なエンジニアリング能力に裏付けられている。
 
③独自の製品開発力
アルミニウム製消火器は同社が業界に先駆けて開発・量産化に成功。現在国内ではほぼ独占状態である。今後も同社オンリーの製品開発を進めていく。
 
④積極的なアライアンス戦略
防災業界は、専門領域が分化され、また他社と共同で事業を展開するといったことは極めて例がない業界。
そうした中で、同社はアウトサイダーであった遠山社長のリーダーシップの下、従来の発想に囚われることなく新たな消火・防災マーケットを創造しようという経営戦略により、再上場以来、積極的なアライアンスを展開している。
 
 
2015年3月期第2四半期決算概要
 
 
消費増税の反動減とガス系消火設備等の点検作業先送りなどで減収・減益。上期業績見通しを下方修正
売上高は前年同期比1.5%減少の123億円。消費税増税の駆け込み需要の反動減やガス系消火設備等の点検作業の先送りがあり、低調。利益率の良いメンテナンス事業の減収により粗利も同10.6%減少。販管費は前年同期並みだったが、粗利の減少が大きく、営業利益は同86.9%減少の45百万円となった。
期初発表の上期予想を利益は大きく下回った。
 
 
◎防災設備事業
大型商業ビル等の新築案件、リニューアル案件が旺盛で、増収増益となった。

◎メンテナンス事業
改修・補修工事案件にかかる引き合いは継続してあり、その掘り起こしも積極的に進めた。新たにガス系消火設備等の消防機器点検基準が告示基準化され、安全性にかかる点検の実効性の向上が図られたものの、点検期限がこれまでよりも長く規定されたことを受け、点検作業の先送りがみられ、受注が大きく落ち込んだため、減収減益となった。

◎商品事業
前年度が2011年4月より施行された消火器点検基準の法令改正に伴う猶予期間の最終年度だったこと、および消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減がみられたこと等から、売上高は前年を下回った。
また、消火器製造にかかる工場原価の低減努力効果は見えつつあるものの、競争の激化による市場価格の低下が顕著となったこと等により利益も減少した。

◎車輌事業
発電所向けに特殊消防車輌を納車したため、大幅な増収・増益となった。
 
 
現預金、売上債権の減少で流動資産は前期末比31億円減少。投資その他の資産の増加で固定資産は245百万円増加した。資産合計は29億円の減少となった。
負債合計は、仕入債務および有利子負債の減少などで、同28億円の減少となった。純資産は43百万円の減少。
この結果、自己資本比率は40.8%と前期末に比べ5.4ポイント上昇した。
 
 
利益は減少したが、仕入債務減少額の縮小、たな卸資産増加額の縮小などで営業CFのプラス幅は拡大。
投資CFは有形固定資産の売却、前年同期にあった敷金・保証金の差入が減少したこと等からマイナス幅は縮小。この結果フリーCFのプラス幅は拡大した。
短期借入金の返済、配当金の支払額増加などで財務CFのマイナス幅は拡大。
キャッシュポジションは14億円上昇した。
 
 
2015年3月期通期業績予想
 
 
通期見通しに変更なし。上期の出遅れ取り返し、小幅ながら増収・増益を見込む。
第2四半期を下方修正したが、通期見通しに変更は無い。上期の修正要因であったメンテナンス事業におけるガス系消火設備等の点検作業の先送りは下期から顕在化してくると予想していること、また、その分の人員を他分野及び新規のメンテナンス契約獲得にシフトし回復を目指している。
配当は前期と同じく70.00円/株を予定。予想配当性向は25.6%。
 
 
事業の進捗状況
 
①OKIと資本業務提携契約締結
2014年8月、OKIと資本業務提携契約を締結した。

日本ドライケミカルは、かつてOKIの子会社であった火災探知・報知に強みを持つ沖電気防災を子会社としたことを契機に、40%の株式を保有するOKIと「情報通信と防災の融合」をキーワードに、世の中に新しい価値を提供すべく様々な協議を続けて来た。

そうした中で、沖電気防災の子会社化により煙・熱を感知し、報知する自動火災報知設備から消火設備、消火器、そして消防自動車まで、消火・防災にかかる全てのニーズにワンストップで応えることができる「真の総合防災企業」を目指す土台を構築することができた日本ドライケミカルと、ICT(情報通信技術)とセンシングにおいて高い技術力と豊富な実績を持つOKIが手を組めば、他社が一切手掛けていない未開拓の分野を切り開き、より安心・安全な社会を創りだすことが出来ると考え、両社は資本面、業務面両分野で提携することとなった。

今後は両社による様々なプロジェクトチームを組成し、NDCグループとOKIグループの接点を作り新しいコンセプトで高い付加価値を持つシステムや製品を開発する。

◎資本提携の内容
①日本ドライケミカルによるOKI株式の取得
日本ドライケミカルは、OKIの普通株式900,000株(発行済株式数に対する割合0.04%)を、市場買付により取得する。

②OKIによる日本ドライケミカル株式の取得
OKIは、日本ドライケミカルの普通株式89,000株(発行済株式数に対する割合2.68%)を取得する。

③日本ドライケミカルによる沖電気防災株式の取得
2014年10月1日付でOKIが保有する沖電気防災の普通株式1,600株を取得し、沖電気防災を日本ドライケミカルの100%子会社とする。

沖電気防災の完全子会社化に伴い、2015年1月1日をもって沖電気防災は社名を(株)ヒューセックへ変更する。
また、これに伴い、「沖電気防災」ブランドで販売していた製品の型式登録は順次「日本ドライケミカル」ブランドに切り替える。
防災の全ての場面においてワンストップで製品・サービスを提供できるのは日本においては同社のみであり、「真の総合防災企業」としてのブランドをより強固なものとする考えだ。
 
②福島工場の新設
新たに福島県に用地を取得して福島工場を新設すると共に、沖電気防災の現福島工場からの移転増設を行う。
OKIを始めとした提携先や開発パートナーとの研究開発の強化を図るべく、既存の研究開発拠点の千葉工場とは別に新たに研究開発施設を建設すると共に、消防車両を製造する工場を建設予定。

土地取得価額は358百万円、建物・設備は未定となっているが、補助金、助成金、投資優遇税制などを活用し、効率を高めるとともに、現在の金利水準などを考慮して最適な資金手当てを進める考えだ。

また、この福島工場は、地元での雇用拡大(当初25名を採用予定)、産学協同による基礎研究や商品開発の推進、防災訓練や防災教育の場としての公開など、様々な形で地域に根差した貢献活動を行っていく。
 
③(株)初田製作所との協業の進捗
同社千葉工場の近隣に新設した東日本物流センターでは、2015年1月より同社製品のみならず初田社製品の出荷も取り扱う共同出荷体制がスタートする。
初田製作所は今まで検定を全て大阪の自社施設で受けていたが、今後、東日本向け出荷分はこの物流センターで検定を受け、出荷できることとなり、より効率的な物流が可能となる。
製品の共同開発も着実に進んでいる
 
④新日本空調とのアライアンス
新日本空調(株)との提携においては空調設備と防災設備の一体受注や共同提案など営業力強化の他、新製品、新工法、新システムの開発など技術交流も積極的に推進している。
大手電機メーカーのデータセンターやクリーンルームの案件の紹介を受ける等、着実に進展している。
 
⑤海外メーカーとの提携
「VESDA超高感度煙検知器」、「FireDos水動力混合装置」ともに引合いのみでなく実績が伴ってきた。
VESDAに関しては日本ドライケミカル製受信機を組み合わせたものが、高機能性と使い易さで顧客から高い評価を得ており、製品化で成功した。
来年はドイツで開催される大規模な展示会に初めて出展するということで、海外の防災機器メーカーとの関係を更に構築し、国内にはない優れた製品を顧客のために取り込んでいくことは総合防災メーカーとしての義務であると認識している。
 
 
今後の注目点
遠山社長のリーダーシップの下、「防災の裾野の広さ」を見据え、従来の防災業界の発想に囚われることなく、顧客に対しどうすれば高い付加価値を提供できるかという視点で、積極的に協業やアライアンスに取り組んできた同社だが、ここまで丹念にまいてきた種が少しずつ芽を出してきたようだ。沖電気防災の子会社化からOKIとのアライアンスへと進んだ事は、更なる事業展開の広がりを感じさせるものであり、来期以降になるかも知れないが具体的な進捗を注目したい。
一方、短期的には今期業績の着地も気になるところだ。累計では上期は前年同期実績、期初計画を共に下回ってしまったが、7-9月で見ると、売上、営業利益は前年同期をそれぞれ2%、30%上回っており、足元の状況は決して悪くはなさそうだ。下期の巻き返しが期待される。