ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

プライム

ブリッジレポート:(2317)システナ vol.27

(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.27】2015年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「市場が縮小傾向にある端末開発支援や利益率の低い物販等のビジネスから、市場の拡大が見込まれるアプリやサービスの企画・開発・検証・運用支援・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年2月17日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
社長
逸見 愛親
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 33,969 1,656 1,746 1,797
2013年3月 31,662 2,244 2,292 1,203
2012年3月 30,630 1,822 1,918 904
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(2/6現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
870円 25,337,900株 22,044百万円 14.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 3.4% 53.90円 16.1倍 518.06円 1.7倍
※株価は2/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
システナの2015年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末のほぼ全ての工程に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識と基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社6社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成。
 
 
【事業内容】
事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、コンシューマサービス事業、及び海外事業に分かれる。尚、ソリューションデザイン事業は2014年4月1日付けで、プロダクトソリューション事業とサービスソリューション事業を統合して新たにセグメントした。
 
ソリューションデザイン事業
スマホアプリやWebアプリの開発、スマートデバイスを利用したネットビジネスの企画から設計・開発・運用までを一貫してサポートするサービスソリューション事業と、スマホアプリやWebアプリの性能・評価・品質検証、サービスプロバイダー向けのサーバ監視・運用サービス等のクオリティデザイン事業に分かれる。スマートデバイスの開発企業やネットビジネス関連企業に加え、端末開発やWeb関連の開発で培った技術を活かしつつ、情報家電、公共事業、ホームセキュリティ、自動車業界等の非携帯端末分野、更には、エンドユーザの業務システム開発等、幅広くユーザニーズを取り込んでいく考え。
 
フレームワークデザイン事業(14年10月1日より金融・基盤システム事業からセグメントの名称を変更)
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発経験を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。本事業は金融系以外の市場への進出を図るため名称変更した。現状では、業務全体の7割を金融系システムの開発・運用が占めているが、今後10年程度かけて徐々に他業種へ展開していく考え。
 
ITサービス事業
システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。
 
ソリューション営業
ITプロダクト(サーバ、PC、周辺機器、ソフトウエア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へのニーズの変化に対応する事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業。
 
クラウド事業
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」と同社が開発した「cloudstep」の組み合わせによるシステナ版グループウエアと一体となったシンプルなクラウドサービスを提供している。「cloudstep」とは、「Google Apps」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。 現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。
 
コンシューマサービス事業
連結子会社(株)GaYaを中心に事業を進めている。スマートフォン向けソーシャルゲームの企画・開発・提供、受託開発・開発支援に係る収益がセグメントされている。自社タイトルやエンジンの複数プラットフォームへの展開とPC/スマホの垣根を越えたマルチ対応ゲーム制作に取り組んでいる。
 
海外事業
タイの現地法人Systena(THAILAND)Co.,Ltd.及び米国の現地法人Systena America Inc.の連結子会社2社を中心に事業を進めている。タイの現地法人(バンコク)は、東アジアの成長をシステナグループに取り込むべく、13年4月に設立され、10月に営業を開始した。監視カメラサービス事業とサーバ構築事業が立ち上がっており、14年6月にはバンコクグルメサイト「バングル」のサービスを開始した。2年での黒字化を目指している。
一方、米国の現地法人(カリフォルニア州)は13年11月に設立され、14年1月に営業を開始した。①米国に進出した国内大手通信キャリアや米国でデバイス及びサービスを展開するメーカー向けのモバイル及び通信関連の開発・検証支援、②FirefoxやTIZEN等、第3のOSを搭載したスマートデバイスやオートモーティブデバイスの研究開発、及び③SNSゲームや自社商材コンテンツを利用したスマホアプリの展開等を事業領域とし、最新技術・サービスの動向調査やインキュベーションセンターとしての機能も担っている。
 
 
 
成長戦略
 
「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える!」と言う基本方針の下、旧システムプロ系事業、旧カテナ系事業、及び海外事業を3本柱に収益力を強化して業容拡大を図っていく考え。
旧システムプロ系事業では、携帯電話の端末開発支援(組み込みソフトの開発・検証)から、サービス(アプリケーション)の企画・開発・検証及び運用支援にシフトすると共に、スマートフォンはもちろん、自動車、情報家電、公共事業、ホームセキュリティ等へ事業領域を広げていく。一方、旧カテナ系事業では、金融機関向けで培ってきた基幹系の開発技術、豊富な顧客資産を有するIT関連商品の法人向け販売とシステムインテグレーション、更にはシステムの運用・保守やヘルプデスク等のユーザサポートを連携させると共に、必要に応じてソリューションデザイン事業(オープン系技術)や現在育成中のクラウド事業とも連携する「ALLシステナ体制」で、物販・開発から業務システム全般にわたるソリューションへ事業の軸足をシフトさせ付加価値を高めていく。また、海外の成長力を取り込むべく、タイ及び米国の子会社を中心に海外事業を育成していく他(ベトナム子会社はオフショア拠点として国内事業の支援が中心となる)、将来的には上記3事業とのシナジーや安定収益(ストックビジネス)が期待できるクラウド事業の育成にも取り組んでいく。
 
 
【事業セグメント毎の戦略】
ソリューションデザイン事業   新たなビジネスモデルの構築
事業の軸足を、スマートフォンや携帯電話の組み込みソフトの開発支援・検証から、スマートフォンをはじめとするスマートデバイスを利用したサービスの企画・開発・検証・運用支援へシフトさせると共に、顧客ターゲットを大手メーカーやキャリアから中堅顧客へ広げ多様なニーズを取り込んでいく。また、ストックビジネスともなる自社オリジナルのサービスの充実と拡大に取り組むと共に慢性的なリソース不足解消に向けニアショア・オフショア拠点の拡充も進める。
 
組み込みソフトの開発からサービスの企画・開発・検証・運用支援へ
スマートフォンやタブレットの組み込みソフトの開発・検証を縮小して、市場の拡大が見込めるスマートフォンやタブレットを使ったサービスに必要なアプリケーションの企画・開発・検証やサーバ・サイドの開発・検証・運用支援へシフトを進める。ただ、自動車、情報家電、公共事業、ホームセキュリティ等の分野では、組み込みソフトの開発・検証にも力を入れ、サービスの企画・開発・検証・運用支援と並行して事業を進めていく。
 
大手顧客からの大口受注偏重から中堅顧客の受注拡大へ
従来の携帯端末関連(組込ソフト開発・検証)の事業は、大手メーカーや通信キャリアからの大口案件が中心だったため、特定顧客の開発動向で収益が大きく振れる傾向があった。このため、既存・新規の中堅ネット・サービス企業からの受注拡大に取り組み、バランスのとれた安定的な受注モデルへの転換を図る。
 
自社サービスの充実と拡大
ストックビジネスの拡大に向け自社サービスの強化・充実にも取り組む考え。この一環として、スマートフォン向けフィッシング詐欺防止ソリューション「Web Shelter」、デジタルサイネージ、更にはMDM(モバイル・デバイス・マネジメント)サービス等の商品及びサービスの開発や販売に力を入れている。「Web Shelter」が複数の金融機関で採用される等、既に成果があがりつつあり、今期中に年商1億円規模のストックビジネスに成長する見込み。尚、MDMサービスとは、企業等が社員に支給するスマートフォンなど情報端末のシステム設定等を統合的・効率的に管理するサービス。
 
慢性的なリソース不足解消に向けたニアショア・オフショア拠点拡充
昨今、リソース不足が受注の制約要因となっている事から、国内開発センター(札幌、名古屋、西日本)の更なる拡充を図ると共に、オフショア拠点としてベトナムに子会社を設立して、オンサイト・オフサイト両面から開発業務を立ち上げた。また、名古屋では、自動車関連需要の取り込みを図るべく営業所も開設した。開発センターとのシナジーを追求していく考え。
 
フレームワークデザイン事業   領域拡大
既存顧客で基幹系の更新案件が増加している。更新実績を基に顧客内の他領域の開発案件の獲得に取り組むと共に、ベンダーの情報を活用して、システム化計画や要件定義等の上流工程からの参画にも力を入れる。大型案件にはベトナム子会社の活用で対応していく。また、新規顧客の開拓では、ソリューションデザイン事業が有するオープン系のノウハウやソリューション営業が有する顧客資産を活かすと共に、強みである基幹系の開発を銀行・金融以外の業種に広げていく。また、新規顧客の開拓では、ソリューションデザイン事業が有するオープン系のノウハウやソリューション営業が有する顧客資産を活かすと共に、強みである基幹系の開発を銀行・金融以外の業種に広げていく。
 
ITサービス事業   ビジネスモデルの再構築完了
グループのリソースをフル活用した「1クライアント複数サービスの提供」を積極展開していく。具体的には、同社の他の事業の顧客に対して、システム運用・ヘルプデスク・インストラクター等の幅広いサービスの提案を行い受注につなげる。
また、シェア拡大、パイの拡大、売上拡大を図るべく、新規顧客開拓にも力を入れる。具体的には、英語対応・チーム対応による高付加価値・高収益案件の獲得、クライアントPCの入れ替え・増設の際のPCキッティングやタブレット端末の導入支援の際のトレーニング案件、更には、新たに開拓したSIer、メーカー、情報システム子会社に関して、顧客ビジネスの受注支援も行い横展開を進める。
上記施策を進めるにあたって必要なマンパワー確保のため、社員の採用・教育にも力を入れる。
 
ソリューション営業   付加価値サービスの収益拡大
クライアントビジネスから、より付加価値の高いサーバ・ストレージサービスへ軸足を移し、クラウドとの連携も含めてソリューションを提供していく。また、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業等、他事業との連携による新規クライアント発掘にも取り組む。営業力の強化に向け、人員も増強する。
 
クラウド事業   自社商材拡充
クラウド化の遅れているグループウエア導入済み企業をターゲットに、代表的なクラウド型サービスである「Google Apps」と同社のオリジナル商材である「cloudstep」を組み合わせたシンプルなシステナ版グループウエアのクラウドサービスを提供している。「cloudstep」は、現在、掲示板、スケジューラ、ワークフロー等の機能を提供しており、機能強化に向けた付加価値化投資も継続している。今後、改修やR&Dといった業務も含めてベトナムのオフショア活用の比重を高めコストダウンを図っていく。一方、販売面では、ソフトバンクテレコムとの協業を強化する。営業力強化、開発力強化の両面から人材投資が必要である。
 
コンシューマサービス事業   単月黒字定着
コンシューマゲームの開発・配信に加え、釣りゲームやカードバトルゲームのエンジン展開、ゲームの企画や既に配信されている他社開発ゲームの買取・運営、更にはPCブラウザゲームへの展開等で収益の多様化を進めている。釣りゲームのエンジン展開では、同エンジンを使った7タイトルを、GREE、Mobage、dゲーム、mobcast、ヤマダゲームに提供しており、カードバトルゲームのエンジン展開では、Mobage、DMM等へライセンスを提供。既に配信されている他社開発ゲームを買い取り、ベトナム子会社が運営するビジネスも立ち上がった。また、PCブラウザゲームは、新たに開発した育成シミュレーションゲームのエンジンのライセンス提供が14年11月に始まった。
 
海外事業
タイ子会社Systena (THAILAND) Co.,Ltd.と米国子会社Systena America Inc.を中心に進めている。タイ子会社(バンコク)は、14年6月にサービスを開始した、スマートフォン向けモバイルアプリサービスとしてバンコク版レストラン検索アプリ「バングル」が好調。日系・非日系のレストランからの掲載申込が増加しており、下期からサービス課金を開始した。今後は、サービス向上のための新機能開発とタイ人向け広告宣伝活動を強化する。また、登録飲食店の更なる増加を図ると共に、既存登録店の有償化を進める。「バングル」の実績が評価され、タイの日系サービス企業からのモバイルアプリ開発の引き合いも増えていると言う。この他、政情不安から立ち上げが遅れていた、地場有力パートナーとの連携によるサーバ・ソリューション(サーバ販売・構築、既存システムのリプレース)事業にも力を入れていく。
米国子会社(カリフォルニア州)は13年11月に設立され、14年1月に営業を開始。①米国でのモバイルや通信関連の開発・検証支援、②FirefoxやTIZEN等、第3のOSを搭載したスマートデバイスやオートモーティブデバイスの研究開発、及び③SNSゲームや自社商材コンテンツを利用したスマホアプリ展開を進めている。また、米国子会社は最新技術・サービスの動向調査やインキュベーションセンターとしての機能も担っている(高齢化社会の進展で市場拡大が見込まれるモバイルヘルス分野等に注目しているようだ)。
 
 
2015年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比10.0%の増収、同62.1%の経常増益
売上高は前年同期比10.0%増の263億83百万円。車載関連、情報家電、及びホームセキュリティ等での案件の取り込みが進んだソリューションデザイン事業の売上が同20.4%と伸びた他、金融機関向けで培ってきた基盤構築スキルとオープン系システム開発のノウハウを併せ持つ強みを活かして金融を中心にした既存顧客の深耕とソリューション営業本部との連携による顧客層の拡大に取り組んでいるフレームワークデザイン事業(旧金融・基盤システム事業)の売上も同19.6%増加。この他、社内の他の事業部門との連携強化が奏功し、ITサービス事業の売上が同12.3%増加した他、ソリューション営業も、Windows XPの買い換え需要や消費増税前の駆け込み需要の反動をほぼ吸収した(同0.6%の減収)。

営業利益は同63.0%増の16億02百万円。増収効果もあり、各事業で収益性の改善が進み、売上総利益率が18.7%と0.9ポイント上昇。一方、販管費は、システナブランドの浸透に向けたテレビCM(昨年10月に開始)やITサービス事業の人員増強等で広告宣伝費や人件費・採用費が増加したものの、「Tizen」関連の開発費の減少等で小幅な伸びにとどまった。四半期純利益は12億11百万円と同118.4%増加したのは法人税等調整額が減少したため。
 
 
ソリューションデザイン事業
売上高84億30百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益7億12百万円(同59.5%増)。当事業は、今期から「サービスソリューション事業」と「クオリティデザイン事業」に区分しており、この第3四半期累計期間は、サービスソリューション事業において、車載関連、情報家電、更にはホームセキュリティ等の分野で組み込みソフトが増加すると共に、クオリティデザイン事業において、強みであるモバイルに加え、社会インフラや決済端末関連での検証業務が増加した。
 
サービスソリューション事業  各種ソフトウエアやサービスの開発
売上高54億44百万円、営業利益4億93百万円。車載関連、情報家電、及びホームセキュリティ向けに大きく伸びた組み込みソフトが増収をけん引。利益面では、多くの金融機関で採用され、また、他社の企業向けセキュリティシステムへのエンジンとしての提供も進んだ自社開発のスマートフォン向け不正送金・フィッシング詐欺対策アプリ「Web Shelter」も寄与した。通信キャリアのインターネットサービス、社会インフラ、インターネットを利用したサービス、更には教育といった成長分野でも引き続き引き合いが増加していると言う。
 
クオリティデザイン事業  各種製品やソフトウエア開発のプロジェクト管理・企画・仕様定義・品質管理
売上高29億85百万円、営業利益2億18百万円。得意とするモバイル検証に加え、成長分野である社会インフラや決済端末関連の案件取り込みも進んだ。モバイル検証は、北米を中心に海外展開も進めており、国内通信キャリアやメーカーの海外進出支援として、試験計画・設計のコンサル業務から商品性・ユーザビリティ評価の実施まで一貫したサービスを提供している。足元、順調に実績を積み上げているようだ。
 
フレームワークデザイン事業
売上高30億22百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益2億87百万円(同90.4%増)。当事業では、旧カテナが金融機関向けで培ってきた基盤構築スキルと旧システムプロのオープン系システム開発のノウハウを融合して、金融を中心にした既存顧客の深耕とソリューション営業本部との連携による顧客層の拡大に取り組んでいる。この第3四半期累計期間は、既存顧客内の非基盤他システム構築案件への横展開が成果をあげ、複数の大型案件がスタートした。また、ソリューション営業本部との連携による既存システムの更新やWindows更改等の案件取り込みが進んだ。
 
ITサービス事業
売上高37億60百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益2億20百万円(同29.0%増)。システムの運用・保守、ヘルプデスク・ユーザーサポートを主な業務とする当事業は、既存顧客のIT戦略のパートナーとしての業務範囲の拡大と新規の開拓につなげるべく、全社のリソースをフルに使った「ALLシステナ体制」での「1クライアント複数サービス」を念頭に提案営業を強化している。この第3四半期累計期間は、ソリューション営業本部の豊富な顧客に対してITサービス全般の提案営業に取り組んだ結果、クライアントPCのリプレース対応等のスポット案件や社内システムサポートの長期継続案件等を受注に成功し、既存顧客との取引が拡大。人員増強に伴う人件費等の増加を吸収して営業利益が増加した。
 
ソリューション営業
売上高107億19百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益3億75百万円(同59.1%増)。IT関連商品の法人向け販売及び外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、社内の部門間との連携の下、回復基調にある製造系企業を中心に営業を強化すると共にクライアント・サーバソリューションの拡大に取り組んでいる。この第3四半期累計期間は、Windows XPの買い換え需要の反動や消費増税前の駆け込み需要の反動で月次パソコン国内出荷の前年割れが続く中、SMB(Small and Medium Business:中堅・中小企業)市場を中心にWindows XPの残存案件の取り込みが進みパソコンの販売台数が増加。システム開発部門やITサービス部門との連携の成果で、機器販売からインフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件も増加した。
 
クラウド事業
売上高3億07百万円(前年同期比8.8%減)、営業利益12百万円(同28.3%減)。企業等にクラウドソリューションを提供する当事業は、クラウドのグループウエア市場競争激化を踏まえて、主力取扱商品「Google Apps」を中心とした事業戦略から、より収益性の高い自社商品「cloudstep(後述)」を中心とした戦略へシフトを進めている。この第3四半期累計期間は、OpenCube事業を他部門へ移管した影響や製品強化・営業力強化のための先行投資で前年同期比減収・減益となったものの、セキュリティ系の新サービス投入や既存サービス強化による差別化が成果をあげ、「cloudstep」で新規案件獲得と既存契約の更新が順調に進んだ。
尚、「cloudstep」とは、「Google Apps」や「Microsoft Office 365」等のクラウドサービスをより使いやすく、より安全に使うための業務アプリケーションや運用者向け管理ツールをシステナ独自のソリューションとして展開するサービス群の事。
 
コンシューマサービス事業
売上高2億16百万円(前年同期比189.9%増)、営業利益29百万円(前年同期は営業損失38百万円)。当事業は、スマートフォン向けのゲームコンテンツの開発(大手SNSサイトを通して消費者に提供)を手掛ける連結子会社(株)GaYaを中心に事業展開している。
この第3四半期累計期間は、既存タイトルの運営が軌道化しつつある中、大手SNSサイト運営会社との協業による新規ゲーム開発及び運営受託の寄与で売上が増加し、営業損益が黒字転換した。
 
海外事業
売上高58百万円(前年同期は0百万円)、営業損失45百万円(前年同期は営業損失20百万円)。タイの現地法人Systena(THAILAND) Co.,Ltd.と米国現地法人Systena America Inc.を中心に事業展開している。タイでは、バンコク版レストラン検索アプリ「バングル」が掲載申込を伸ばしており、下期から開始したサービス課金も順調。この2月には新たにPC向けWeb版をリリースする他、ユーザーがコメントや写真を投稿できる機能の付加等、サービス機能を拡充する。
一方、米国では、ソフトバンクモバイルの米国通信キャリア買収に伴う技術支援と大手日本メーカーの米国市場進出に伴うローカライズ開発・検証支援を目的に、昨年1月に子会社が営業を開始した。設立当初から受注が見込まれていたソフトバンクモバイルやメーカーからの案件に加え、その他の複数の通信キャリアとメーカーからの受注や引き合いもあり、立ち上がりは順調。今期下期からは新たに受注した日本の大手メーカーの北米モデルの検証案件がスタートした。現地での拠点拡充と採用拡大による体制強化を並行して進めている。
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて97百万円増の203億52百万円。利益の増加でキャッシュ・フローも増加している事から、一段の借入金の削減を進めた。流動比率229.5%(前期末216.5%)、固定比率35.3%(同39.4%)、自己資本比率64.5%(同63.4%)。
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比3.0%の増収、同27.0%の経常増益
売上構成比が最も大きいリューション営業の見通しが慎重なため、売上高全体では小幅な伸びにとどまるが、新たなビジネスモデルの構築が進むソリューションデザイン事業、収益機会の拡大を図るフレームワークデザイン事業、ビジネスモデルの再構築が完了したITサービス事業、及びサービスの高付加価値が進むソリューション営業の各事業の売上が収益性の改善を伴って増加する。また、タイ子会社や米国子会社が通期で寄与する海外事業やラインナップの拡充が進むコンシューマサービス事業は共に売上が損益分岐点に達する見込み。

配当は1株当たり15円の期末配当を予定。同社は機動的なM&Aを念頭に資金確保に努めつつ、配当性向40~50%を目処に配当を実施していく考え。
 
 
 
今後の注目点
市場が縮小傾向にある端末開発支援や利益率の低い物販等のビジネスから、市場の拡大が見込まれるアプリやサービスの企画・開発・検証・運用支援や付加価値の高いソリューションへのシフトが進んでいる。また、「ALLシステナ体制」による営業活動も成果をあげている。この結果、通期予想に対する進捗率は、売上高75.4%、営業利益72.8%、経常利益77.4%、純利益88.5%と順調。四半期毎に業績モーメンタムが強さを増している事から、通期業績の上振れ期待が高まっている。