ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックス vol.52

(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.52】2015年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「前年の第1四半期は消費税増税前の駆け込みがあったため、決算がやや気になるところではあったが、増収・増益を確保することが出来た。また前2014・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年5月19日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 23,582 2,108 2,628 1,620
2012年12月 20,699 1,398 1,680 825
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(5/8現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,442円 16,549,001株 40,412百万円 8.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40.00円 1.6% 145.02円 16.8倍 1,385.78円 1.8倍
※株価は5/8終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2015年12月期第1四半期決算概要などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛ける。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。
ファイバーセンシス社及びレイテック社とは、それぞれの強みを融合した大型重要施設向けソリューション(施設への侵入警戒システム)を展開している。また、国内及びEUに強みを持つオプテックス(株)、北米を中心とした米州や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社、更には英国及びEUでの売上が大半を占めるレイテック社と、事業エリアの面でも補完関係にあり、更にオプテックス(株)による両社製品の国内、アジア、アフリカ、南米への展開等、グループ企業の製品を活かした事業展開でも実績を上げつつある。
 
【事業内容】
事業は、防犯関連や自動ドア関連等のセンシング事業、産業機器用センサを手掛けるFA事業、中国工場で展開する電子機器受託生産サービス(EMS)の生産受託事業、及び客数情報システム・画像処理関連の開発・販売、スポーツクラブ運営その他に分かれる。
 
 
【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】
確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。
 
 
【沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。

近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
 
 
東証発表の「決算短信集計」によると、東証1部、東証2部、及びマザーズ上場企業の14/3期のROEは、金融を除く全産業8.65%(前期は4.99%)、製造業8.55%(同4.53%)、非製造業8.79%(同5.67%)。同社の14/12期のROEは8.63%で前期よりもさらに上昇した。決算短信では、目標とする経営指標の1つにROEを掲げ、「10%以上」を目標として掲げている同社だが、更なるROEの改善には、株主還元の拡充を含めて潤沢なキャッシュを有効活用すると同時に、固定費削減を中心とした利益体質強化が必要となろう。
 
【グループの主要企業】
オプテックス(株) センシング技術を利用した製品及びシステムの開発・販売
国内
オプテックス・エフエー(株)   光電センサ、産業用画像検査、計測装置の開発、製造、販売
ジックオプテックス(株) 汎用型光電センサの開発。独SICK AG社とオプテックス・エフエー(株)の合弁会社
技研トラステム(株) 客数情報システム、来場者計数装置等の開発、製造、販売
(株)ジーニック 画像処理関連のIC、LSIの受託開発ならびにFAシステムの設計、販売
オーパルオプテックス(株)   社員の福利厚生施設も兼ねた会員制アウトドアスポーツクラブ
海外
FIBER SENSYS INC.(米国) 光ファイバー侵入検知システム等の開発、製造、販売
FARSIGHT SECURITY SERVICES
LTD.(英国)
遠隔画像監視による警備会社
RAYTEC LIMITED.(英国) 監視カメラ用補助照明の開発、製造、販売
 
 
2015年12月期第1四半期決算概要
 
 
増収・営業増益も、ユーロ安により経常利益は減少
売上高は前年同期比8.1%増の70億10百万円。国内は同4.9%減となったのに対し、海外は各地域とも2ケタ増収で、同16.0%増となった。売上高における為替の影響は283百万円のプラス。
セグメント別ではセンシング(防犯)、センシング(自動ドア)、FA共に堅調に推移した。
営業利益は同7.6%増の10億43百万円。販管費増224百万円(人件費67百万円増、経費33百万円増、研究開発費29百万円増、為替影響94百万円増)を粗利増297百万円(増収効果133百万円増、原価率低下90百万円増、為替影響74百万円増)で吸収した。急激なユーロ安進行により為替差損が前年同期に比べ106百万円増加したため、経常利益は同4.2%減の9億57百万円だった。
 
 
 
経常利益は前年同期比では減益となったが、これは為替差損の拡大が大きく、四半期ベースの動きを見ると堅調に推移していると考えられる。
 
 
センシング事業
売上高51億48百万円(前期比13.4%増)、営業利益8億73百万円(同27.3%増)。
防犯関連は、国内は同8.8%の増収。警備会社向け販売、公共(防災)向けLED照明の販売が好調だった。
海外は、北米同16.8%増、ヨーロッパ同15.7%増など好調だった。経済格差の拡大により富裕層の不安心理が増大していることから引き続き、南欧向け住宅用屋外警戒センサが好調だったほか、北米向けも順調だった。アジアは同3.3%と堅調。
自動ドア関連は、国内は同8.3%の減収。前年同期に消費増税前の駆け込み受注があったため販売が減少した。
海外は、北米同23.0%増、ヨーロッパ同13.6%増と好調だった。北米および欧州の大手自動ドアメーカーにセンサの安全性が評価され、OEM販売が順調に推移した。
 
FA事業
売上高13億29百万円(前期比8.6%増)、営業利益57百万円(同1.7%減)。
国内は同16.2%の増収。電子部品や半導体の生産ラインで製品の外観検査に使用されるLED照明の販売が順調だった。
海外は、ヨーロッパが同7.2%の減収だったが、中国販社の本格稼働に伴い現地での販売が順調に推移したアジアが同52.1%増と大きく伸びた。
中国合弁会社の販管費増加で利益は減少した。
 
生産受託事業
売上高2億36百万円(前期比62.8%増)、セグメント利益93百万円(同615.4%増)。
受託製品数量の増加で増収となり、原価率の改善等で利益も大幅に増加した。セグメント間の内部売上の影響を受けるため増収率を大きく上回る増益率となっている。
 
 
15年3月末の総資産は前期末に比べて2億02百万円減少の299億94百万円。借方では、現預金が同7億4百万円減少した一方、売上債権が同3億円増加、有価証券が2億49百万円増加した。
貸方では未払法人税の減少等で流動資産が同2億73百万円減少するなどで、負債合計が同4億14百万円減少した一方、利益剰余金増により純資産が同2億11百万円増加した。この結果、自己資本比率は前期末より1.3%上昇し77.2%となった。
 
 
2015年12月期通期業績予想
 
 
業績予想に変更無し。2ケタの増収増益を見込む。
業績予想に変更は無い。売上高は前期比15.3%増の296億円を予想。センシング事業における防犯関連のアジア地域向けや、FA事業の国内向けの販売拡大を見込んでいる。また、引き続き収益性の向上に取り組み、営業利益率は1.5%上昇し、営業利益は同32.9%増加の34億円を見込んでいる。予想一株当たり利益は145.02円。配当は5円/株増配の40円/株を予定している。予想配当性向は27.6%。
 
 
(2)トピックス
◎ビジネスモデル変革の取組み
同社は、中期経営目標として、「2015年 連結売上300億円」へ挑戦しつつ、「2019年 連結売上高500億円達成」を現実のものとするために、「2017年 連結売上高400億円、連結営業利益75億円」が確実なものとなるように事業創出と収益体質づくりに邁進することを今後の方針として掲げている。
その実現に向け、ビジネスモデルそのものの変革に取り組んでいる。

従来のビジネスは、優れたセンシング技術を具現化した様々なセンサを販売するいわゆる「単品」志向であったが、今後はソリューションの仕組み全体を提供する「サービスプロバイダー」を志向する。

インターネットの世界では、「IoT(Internet of Things)」という考え方が近年急速に広がっている。
これは、従来は主にパソコンやサーバー、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、世の中に存在する様々な「モノ」に通信機能を持たせて接続し、自動制御や遠隔操作などによって、より有用で優れたサービスをユーザーに提供するというもの。

同社では、こうした「IoT」の考え方をベースに、防犯センサ、センサ付カメラ、水質測定センサ、人数カウントセンサなどのセンシング機器をネットで接続し、防犯・警備、環境モニタリング、店舗マネジメントなどのソリューションを、クラウドコンピューティングを用いて顧客に提供しようと考えており、この新しいコンセプトを「IoS(Internet of Sensing solution)」と呼んでいる。

今後は「IoS」のコンセプトの下、単品を売り切るビジネスから継続的に収益を獲得できるビジネスモデルへの転換を進め、2019年12月期には、売上の3割程度を、システムソリューション事業や課金・消耗品販売によるサービス事業によって獲得することを目指していく。
 
 
◎「チャイナ プラス ワン」の取組み
現在の同社の生産体制は、国内(グループ工場および協力工場)49%、中国自社工場51%となっているが、中国元および中国における人件費の上昇から、中国以外の生産拠点確保を進める事としている。
将来的には、国内、中国、海外第2拠点の生産比率をそれぞれ40%、40%、20%とする考え。
 
◎セキュリティドアへの取組み
センシング事業において防犯関連と自動ドア関連の2分野を展開している同社では、防犯ニーズに対応した自動ドアである「セキュリティドア」の製品化に力を入れている。
認証者に連れ立って入室することを防ぐ「共連れ防止センサ」に加え、RFIDタグを使用した「ハンズフリー認証システム ACCURANCE-TAG」をリリースした。

認証者はRFIDタグをポケットや鞄に入れておけば検知エリアに近づいた際にセンサが認証しドアが開くというもの。
手が塞がっていても認証操作が可能となる。
ハンズフリー認証システムは利便性が高い一方で、意図しないドアの解錠により不審者の侵入を招く恐れもあり、セキュリティの面で課題を抱えていたが、同社の「ハンズフリー認証システム ACCURANCE-TAG」はタグエリアを制御する新技術により、スムースな通行動線を確保するとともに、無駄開きによるセキュリティ性の低下を防止した。
これに加え、設置が簡単で施工時間が短いこと、低コストでの設置が可能なことも特徴で、利便性とセキュリティ性をバランスよく有した製品として、マンション、食品工場、介護施設・病院、倉庫などでの利用を提案していく。
 
 
今後の注目点
前年の第1四半期は消費税増税前の駆け込みがあったため、決算がやや気になるところではあったが、増収・増益を確保することが出来た。また前2014年12月期の営業利益は為替の影響を除くと横這いであったが、この第1四半期はプラス影響74百万円、マイナス影響94百万円で差し引きマイナス影響20百万円であったので、実質的にも堅調な決算であったと言えよう。
第2四半期及び通期予想に対する進捗率もまずまずであり、順調な滑り出しとなった。短期的には減収となった国内自動ドア関連の動向が注目される。中期的には、「IoS」のコンセプトの下、ネットワークカメラ関連ソリューションがいつ頃から収益に寄与してくるかを見守りたい。