ブリッジレポート
(2428) ウェルネット株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(2428)ウェルネット vol.6

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(2428:東証1部) ウェルネット 企業HP
宮澤 一洋 社長
宮澤 一洋 社長

【ブリッジレポート vol.6】2016年6月期第2四半期業績レポート
取材概要「中期経営計画最終年度である今期の2Q進捗率を見ると、売上高、営業利益とも過去4年と比較しても順調だが、高値圏で推移する株価は今期業績・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年3月29日掲載
企業基本情報
企業名
ウェルネット株式会社
社長
宮澤 一洋
所在地
東京都千代田区内幸町1-1-7
決算期
6月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年6月 8,888 1,637 1,520 938
2014年6月 7,600 1,473 1,488 913
2013年6月 6,866 1,393 1,420 759
2012年6月 6,254 1,198 1,278 728
株式情報(3/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,430円 9,307,601株 31,925百万円 11.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
66.00円 1.9% 133.30円 25.7倍 841.57.円 4.1倍
※株価は3/4終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。
ROE、BPSは前期末実績。
 
ウェルネット株式会社の2016年6月期第2四半期決算概要等についてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
消費者が商品やサービスを購入した際の電子決済スキームを販売事業者に提供。
「リアルタイム」と「ワンストップ」をキーワードに、商品やサービスを購入する消費者には時間と場所の制約を受けずに、いつでもどこでも欲しいものを購入できる「利便性」を、直接の顧客である販売事業者には「販売機会の極大化」を可能とする「快適な直売プラットフォーム」を提供することを基本コンセプトに事業を展開。
主力サービスであるマルチペイメントサービスは、国内大手航空会社、大手高速バス会社、大手通販会社等豊富な導入実績を誇る。創業以来、常にチャレンジを続ける企業DNAも大きな特徴。
 
【沿革】
北海道のガス、燃料販売会社の(株)一高たかはしの、新規事業開発をミッションとした子会社として誕生。
当時すでにコンビニエンスストアの店頭での公共料金の支払い取り扱いは始まっていたが、これが通信販売に拡大するとの動きを捉えて事業化に着手した。
請求書の印刷・発送から収納情報の処理まで一貫運用する「請求書発行代行サービス」、コンビニエンスストアの店頭で24時間365日支払が可能な「コンビニ収納代行サービス」を開発。販売事業者にとって多額の開発コスト不要なパッケージソフトを無償で配布したことにより、同社システムは急速に普及した。
続いて、紙の請求書を使用せずリアルタイムで電子請求・電子決済を同社1社との接続で実現できる、現在の中心システムを開発。利便性及び様々な収納機関と接続するための開発や契約が不要な点が評価され、航空会社、バス会社等による導入が進み、業績は順調に拡大。2004年JASDAQに上場した。
その後も、Amazon、ヤフーショッピング、楽天オークション、LCC(格安航空会社)といった大手企業への「マルチペイメントサービス」提供が進んでいる他、数多くの実績を誇るケータイチケットサービスの提供等、近年急速に進んでいる電子チケットサービスにも注力している。
 
 
【市場環境】
経済産業省の「平成26年度我が国情報経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(2015年5月29日発表)によれば、日本の消費者向け電子商取引市場(BtoC)の市場規模は2014年で12.8兆円と前年に比べ14.6%の増加となった。2010年から2014年までのCAGR(年平均成長率)は13.2%となっている。
 
 
また、EC化率(商取引のうちどの程度がインターネットを通じて行われているか)は物販系分野4.37%とまだまだ小さいものの、2013年の上のグラフの様に着実に上昇している。
 
 
【事業内容】
「リアルタイム」と「ワンストップ」をキーワードに、サービスや商品を購入する消費者には時間と場所の制約を受けずに、いつでもどこでも欲しいものを購入できる「利便性」を、同社の直接の顧客である販売事業者には「販売機会の極大化」を可能とする快適な「直売プラットフォーム」を提供している。

提供するサービスは①マルチペイメントサービス、②オンラインビジネスサービス、③電子認証サービスの3サービスから成る。
 
(1)マルチペイメントサービス
「売上高8,442百万円、売上構成比95.0%(2015年6月期実績)」
 
 
必要なソフトウェアは同社が無償で提供するため、顧客である販売事業者はシステム開発に係る経費と時間を大幅に軽減できる。
同社の受取手数料(売上高)は、初期設定料、月額基本料金、1決済毎の手数料などで構成されている。また手数料は固定制と従量制で構成されているため、事業者の初期投資を低減させている。
 
①E-Billing(電子決済)サービス
Billingサービスとは異なり、決済に必要な請求書の作成及び郵送を行うことなく、ウェルネットサーバとコンビニエンスストアに設置されているKIOSK端末、POSレジ、ATMでの現金決済や、ネットバンキング、クレジットカード、電子マネー等を利用して決済を行うサービス。
 
<各利用方法>
◎KIOSK端末の場合
消費者がインターネット等で注文や予約をし、その際に示された決済番号を端末に入力すると、注文内容が画面表示される。その内容が正しければ「確認」ボタンを押すと、バーコード付受付票が出力されるので、その後その受付票を持ってレジで代金を支払う。
◎POSレジ&ATMの場合
レジで店員に「オンライン決済」と告げるとPOSレジのタッチパネルにテンキーが表示される。そこに消費者が決済番号を入力すると、画面に注文内容が表示される。内容が正しければ「確認」ボタンを押して代金を支払う。ATMの場合もほぼ同様の画面操作を行い、現金またはキャッシュカードで代金を支払う。
 
<メリット&特徴>
請求書や払込票を作成、送付する手間とコストを掛けること無く、リアルタイムの電子請求・電子決済を同社1社との接続によりワンストップで実現できる。
販売事業者は様々な収納機関(コンビニ、銀行、郵便局等)と接続するための開発や契約を個別に行う必要がなく、同社との契約のみでさまざまな決済手段を消費者に提供できる。
情報授受用モジュールは同社が無償提供。
最新の決済システムの開発や対応は同社が行うので、都度のシステム開発が不要。
延滞金や追加購入した場合等、収納内容(金額)に変更があった場合でも、同社の特徴である「リアルタイム」での対応により最新の金額による決済が可能。
2000年5月にサービス提供が開始されたこのサービスは、後述のように国内主要航空会社、主要高速バス会社、電力会社、大手通信販売会社等で利用され豊富な実績を誇っている。
 
②Billing(コンビニ収納代行・請求書発行代行)サービス
A:コンビニ収納代行サービス
同社のバーコード付払込取扱票付請求書を発行するシステムと同社が契約するコンビニなどの請求代金回収経路を通じて、売掛金の回収業務を代行するサービス。
コンビニ・郵便局で支払可能なバーコード付払込取扱票付請求書は、同社が開発した払込取扱票発行・収納情報受信ソフト「コンペイ君」を使用することで、販売事業者自身が自ら簡単に印刷することができ、かつ入金情報受信及び入金消込も「コンペイ君」で行うことができる。
収納情報は、支払いがあった翌営業日(郵便局からの振込は2営業日後)に配信され、入金消込処理が自動化される。
現在、通信販売をはじめ燃料代金・各種会費等の主として後払い代金収納に利用されている。
 
<メリット&特徴>
全国のコンビニエンスストア(16チェーン。2014年12月時点)で24時間365日支払可能なので、郵便局・銀行の営業時間を気にする必要が無い。
パッケージソフトウェア「コンペイ君」を無償で提供するため、販売事業者はわずかな期間で運用開始可能。
自社で払込取扱票を印字でき、収納データもバーコードの数字だけなので顧客情報漏洩の心配が無い。
 
B:請求書発行代行サービス
同社がバーコード付払込取扱票付請求書(銀行振込の場合は払込依頼書付請求書)の印刷・封入・封緘・郵送までを代行し、かつ入金確認及び入金消込まで、トータルに請求書発行・収納業務をサポートする。
特に物流を伴わないサービス等(ガス料金、各種会費)の代金収納に利用されている。
また、情報授受と収納情報授受を自動的に行うサービス(請求書発行・収納代行パッケージ「ところくん」)も提供している。
 
③ネットDE受取(送金)サービス
キャンセルに伴う返金など、販売事業者から消費者への振込を、インターネットを利用して、より効率的に行うサービス。
消費者は販売事業者から受け取ったIDを利用して専用サイトにアクセスし、振込みを受けるための口座情報を入力する。
 
<メリット&特徴>
消費者が入力した情報をもとに口座確認が行われ、自動的に振込処理が行われるため、販売事業者自らが口座確認を行う必要が無く、事務負担が軽減される。
返金処理の当日対応が可能なため、販売事業者にとっては顧客満足度向上につながる。
販売事業者は返金システムの開発が不要。
口座情報を保持する必要もないため、個人情報保護に関するリスクを低減できる。
 
④コンビニ現金受取(送金)サービス
「ネットDE受取サービス」同様、販売事業者から消費者へキャンセルに伴う返金などを行うサービスだが、「ネットDE受取サービス」と異なり、銀行口座が不要。
ローソンの店頭KIOSK端末「Loppi」に消費者が販売事業者から交付された現金受取番号とIDを入力し、発行された引換券を店頭レジへ持参すると現金を受け取ることができる。
 
<メリット&特徴>
販売事業者は消費者の口座情報を持つリスクを回避できる。
郵便振替や銀行振込の手数料が発生しないことから、コスト削減が可能。
口座情報の誤りによる差し戻しなども発生せず、スムーズに返金を受け取ることができる。
 
⑤その他サービス
マルチペイメントサービスを特定の販売事業者向けにカスタマイズし、運用まで含めたサービス提供を行っている。
 
(2)オンラインビジネスサービス
「売上高400百万円、売上構成比4.7%(2015年6月期実績)」
 
①PINオンライン販売サービス
コンビニの店舗に設置されているPOSレジ・KIOSK端末と同社サーバー間のネットワークを利用し、携帯電話・国際電話・電子マネーなどのプリペイドカードをオンラインで販売するサービス。
 
②プリペイド方式のギフトカード販売サービス
コンビニの店舗に設置されているギフトカードモールで取り扱う、POSレジでPINをアクティベートすることで使用可能になるゲームや音楽購入用のギフトカード販売サービス。
 
<メリット&特徴>
オンライン販売により、従来のようにあらかじめカード形式のプリペイドカードを仕入れる必要がない。
販売時点の仕入となるため、キャッシュ・フローを大きく改善させると同時に欠品がなくなる。
取り扱うカードの増加、変更などが容易となるなど、オンラインシステムならではのメリット多数。
 
③各種申込サービス
コンビニに設置されているKIOSK端末を利用し、漢字検定、英語検定といった検定試験や大学受験、模擬試験などの各種申込を行うことができ、決済までをあわせてワンストップで行うことができるサービス。
 
(3)電子認証サービス
「売上高45百万円、売上構成比0.5%(2015年6月期実績)」
 
①電子チケットサービス
スマートフォンや携帯電話の画面に表示される二次元コードをチケットなどに利用できるシステム。
マルチペイメントサービスと一緒に利用すると、申込~決済~チケット受取の全てをスマートフォンや携帯電話、PCで完結できる。
消費者がインターネットでチケット等を予約しマルチペイメントサービスで決済を済ませると携帯電話にメールが配信される。メールに記載されたURLにアクセスすると、二次元コードのチケット画面を取得でき、取得した二次元コードをコードリーダーにかざすことで入場認証を行う。
 
<メリット&特徴>
紙のチケット・クーポン・会員証の製作及び送付が不要。
受付からチケット発行までがオンラインで処理できるため開催まで間際まで販売できる。
ペーパーレスなので環境に優しい。
入場記録が残るのでマーケティングデータとしての利用が容易。
同社では、航空券用QRコードを日本で初めて実用化。以降、スポーツ観戦等の大規模入場認証システムに豊富な実績がある。
 
②「SUPER SUB」サービス
チケット発行・決済・認証をワンストップで提供するオンラインチケットソリューション。
個別開発やサーバーのつなぎ込といった複雑なステップが不要なため、企業のみならず一般個人も主催者登録が可能。
航空会社、バス会社といった既存の大口事業者に加え、低コストで効率的に利用事業者数を増大させることを狙い、2012年6月に提供を開始した。
 
<メリット&特徴>
イベント等の主催者は、開催期間、会場、チケット単価など基本的情報を同社が提供する登録画面に入力するだけで、簡単にイベント受付、チケット受付・販売ページを作成することができる。(現在はPCサイトのみ)
同画面のリンクを自分のイベントページに設置するだけでチケット販売を開始できる。
参加申込者はPC、スマートフォン、携帯電話からチケットを購入できる。
チケット種類は電子チケット、コンビニで発券する紙チケット双方が利用でき、発券されたチケットにはQRコードが付き、専用のアプリで入場認証を行う。確実に認証でき、スムーズなイベント運営をサポートする。紙チケットだけを利用することもでき、その場合認証アプリは不要。
マルチペイメントサービス同様、豊富な決済手段を提供している。
申込から導入、チケット発売までおおよそ3週間程度と短期間で稼動させることができる。
初期費用、月額基本料は無料。コストはチケット発行手数料の5%のみで、運用コストは格安。
常設施設の入場券のみならず、期間限定イベント、ライブ、講演会・セミナー、地域イベント、有料パーティー、同窓会など、10~5,000人規模のイベントに適している。
 
 
同社のROEは一般的に日本企業が目標とすべきと言われている8%を上回っている。レバレッジが2倍を上回っており(自己資本比率は前期38.2%)、これが要因と見られるかもしれないが、同社の場合、収納代行預り金が現預金と流動負債に両建で計上されているためであり、これを考慮すると財務は極めて安定しており、高ROEの主要因はその高い売上高純利益率である。
 
【特徴と強み】
①豊富な導入実績&強固な顧客基盤
同社のマルチペイメントサービスは、導入時の開発費および収納機関との個別契約が不要というハードルの低さが評価され、下記の様に業界を代表するリーディングカンパニーに導入されている。
特にリアルタイム性が求められる航空会社、バス会社からの評価の高さは同社にとって大きな財産となっている。
この強固な顧客基盤は同社を支える重要な「見えざる資産」と評価できるだろう。
 
 
②常にチャレンジを続ける企業DNA
E-Billingサービス、Billingサービス、各種送金サービス、ケータイチケットサービスなど、同社の開発した様々なシステムはほぼ全てが日本で初めて実用化されたものとなっており、加えて同システムの優秀さは、上記実績が証明している。
同社は大企業の系列であるわけではなく、ヒト・モノ・カネといった経営資源が決して豊富な状態でスタートした訳ではない。
にもかかわらず電子決済の分野で「デファクトスタンダード」とも言える地位を確立することができた大きな要因の一つには、同社が創業時から生まれ持つ、「常にチャレンジを続ける」という企業DNAがあるのだろう。

宮澤社長は、ビジネスの意味、醍醐味を「自分の可能性を信じ続け、自分があったら便利だなと思う仕組みを自らリスクをとって開発し、すぐに提供できる具体的な形として提供する事」と考えている。
また、インタビューの中でも、「自社でなければできないものを世の中に送り出す事こそが同社の存在意義であり、それが無ければ企業として存在する意味が無い」と述べていた。

社員数は80名弱と小さな所帯ではあるが、後述する「ウェルネットアレテー」に代表される理念、心得をしっかりと掲げていることも企業DNA継承のカギとなっていると思われる。
 
 
2016年6月期第2四半期決算概要
 
 
増収・増益。計画も上回る。
売上高は前年同期比18.7%増収の50億円。EC市場の拡大に支えられ、2桁の増収と好調だった。
インバウンド需要等もありバス・航空が好調だったことに加え、フェリー各社への導入事例も増加している。また、オークションなどCtoC市場が堅調に拡大したことに加え、大学のWEB出願が増加していることも寄与した。
一方PINオンライン販売サービス売上は減少が続いている。
粗利額は2桁増加。PIN等関連の販促費や広告費の減少、前期にあった東証1部上場関連費用の減少等に加え、筋肉体質維持のために役員報酬を減額したことなどから、営業利益は同20.7%増の11億円となった。計画に対しても、売上、利益共に上回った。

尚同社ではこれまで、「マルチペイメント」、「オンラインビジネス」、「電子認証」と、サービス別に分類して売上を開示していたが、「決済」をコアとしその周辺サービスの拡充を進めている中、対価を「決済手数料」として得るケースが殆どであり、「決済」と「周辺」の区分けが難しく、サービス別の公表が投資家をミスリードする可能性もあること等から、今期より「決済及びその付随サービス」に変更することとした。
 
 
現預金は減少したが、有価証券の増加により流動資産は前期末に比べ3億円の増加。現預金には流動負債に計上されている回収代行業務に係る収納代行預り金(翌月には事業者へ送金される。)87億円が含まれている。収納代行預り金はほぼ変わらず。総資産は同3億円増加の199億円となった。
一方負債面では、仕入債務の増加などで流動負債が同6億円増加し、負債合計も同6億円増加した。
自己株式が同3億円増加し、純資産は同3億円減少した。
この結果、自己資本比率は前期末の41.6%から2.4%低下し39.2%となった。
(ただし、上記収納代行預り金を資産、負債から控除して計算すると、前期末74.8%、当期末72.7%となる。)
 
 
前年同期29億円増加した収納代行預り金が小幅ながら減少したことなどから営業CFのプラス幅は縮小した。
有価証券の取得による支出額の減少、有価証券の償還による収入額の増加などで投資CFのマイナス幅は縮小。フリーCFのプラス幅は縮小した。自己株式の取得などで財務CFのマイナス幅は拡大した。
キャッシュポジションは低下した。
 
(4)トピックス
◎主要株主の異動
2015年11月2日付で、筆頭株主である株式会社日本政策投資銀行から、保有株式の一部を売却した旨の通知があった。異動後も同銀行が筆頭株主であることに変化は無い。
今後の見通しについて特に記載する事項はない。
 
 
*所有株式数については、異動前は2015年6月30日現在の株主名簿、異動後は2015年11月2日付の株式会社日本政策投資銀行の通知に基づき記載しており、ウェルネットとして確認できたものではない。異動前後の大株主順位についても、ウェルネットが2015年6月30日現在の株主名簿に基づき推定で記載している。
 
 
2016年6月期通期業績見通し
 
 
業績予想に変更無し。増収・増益を計画。今期も純利益12億円を100%株主に還元。
中期経営3か年計画の最終年に当たる今期の売上高は、前期比8.0%増の96億円の予想。航空会社、バス会社等主力顧客を中心に引き続き堅調な成長を見込んでいる。
営業利益は同22.2%増の20億円を計画。初年度、2年目の成長投資の果実を得る。
配当性向を50%とし、1株当たり配当は前期比16円増配の66円へ。残額全てを自己株式の取得および消却に充当。中期経営3か年計画の株主還元方針に従い、純利益12億60百万円全額を株主に還元する予定。
ROE15%を目標としている。
 
 
取組み課題と成長戦略
 
成長戦略の中核をなす「バスIT化プロジェクト」については、ソリューション効果の実証段階に入りつつある。
また、コンシューマ向けアプリケーション開発は、今後の同社に欠かせない重要な事業の柱と位置付け、研究開発を進めており、今年夏ごろの開発完了を予定している。
加えて、非対面決済においては請求書のペーパーレス化が今後も進み、電子決済化の流れも加速するものと見込んでおり、こうしたペーパーレス化マーケット拡大に的確に対応できるソリューションの投入に注力する。

また機能拡充、システム安定運用、コストパフォーマンス向上を目指す「カイゼン」に関しては、定常業務のマニュアル化の徹底とトラブルの予兆監視システムによる安定稼働を進めるほか、システムトラブルを極小化するための自動リカバリーシステムの開発を進めている。
また、コストパフォーマンス向上のため原価構成の分析も進めている。
 
 
今後の注目点
中期経営計画最終年度である今期の2Q進捗率を見ると、売上高、営業利益とも過去4年と比較しても順調だが、高値圏で推移する株価は今期業績予想の達成を既に織り込んでいると見られる。
そうした意味で今後は「バスIT化プロジェクト」がいつ頃から具体的に収益寄与し始めるかが投資家にとって最大の注目点となるだろう。
 
 
 
 
<参考:中期経営3か年計画>
 
◎中期経営3か年計画の成長戦略
成長を支える両輪として、①次世代を担うビジネススキームの確立、②カイゼン(機能拡充・システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上=筋肉質の企業体質作り)の2つを掲げている。
 
◎成長シナリオ達成に向けた体制・ガバナンス
成長戦略の両輪(「事業開発」と「カイゼン」)を強力かつスピーディーに推進するために、これら関連プロジェクトを社長直轄として推進することとしている。
また、若手社員の積極的な登用とともに、必要な人材は外部にも求め「想いを共有できる人」を採用し、目標を達成できる体制を整え、目的達成へのモチベーション高揚のためにストックオプションなど諸施策も有効に活用する考えだ。

社員教育にも力を入れており、会社としての存在意義と社員の行動指針を“ウェルネットアレテー”として定め実効性のあるガバナンスを実現しているが、これを改めて徹底させる。
(アレテーとはギリシャ語で、「徳」、「優れた者」、「卓越したもの」を意味する。)
 
 
◎数値目標
1年目、2年目に戦略的投資を実施し、最終年度2016年6月期営業利益20億円達成を目指している。
2014年6月期の期初目標は14.5億円だったが、実績は14.7億円と上回った。
達成に向け全社一丸で取り組んでいるということだ。
 
 
◎株主還元
○株主へ中期経営計画中の利益を100%還元
信用力維持、中核事業の拡充、新規事業開発の原資として今後も必要十分な手元資金は維持していくが、すでに財務面の健全性は十分に備わったと判断しており、今後は、株主への還元を今まで以上にダイナミックに行うこととし、中期経営計画中の利益は100%株主に還元する。

具体的には下記の2施策を実行する。
A) 中期経営計画中の配当性向を特殊要因は除いて、従来の33.3%から50%に引き上げ、株主への安定的で高い配当利回りを目指す。
B) 税引後利益のうち、配当後残額のすべてを自己株式の取得・消却に充当し、利益の100%を株主に還元する。
現状保有する自己株式は売渡請求用の自己株式、株式給付信託「J-ESOP」等を除き消却し、新たに取得した自己株式は、用途を目標達成のためのストックオプション等に限定し、その他は消却する。

○ROE目標15%(2016年6月期)
成長戦略の着実な推進、収益力の強化、配当額増加、自己株式の取得・消却を実施し、ROEの向上およびEPSの増加を目指す。