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ブリッジレポート:(6181)パートナーエージェント vol.1

(6181:東証マザーズ) パートナーエージェント 企業HP
佐藤 茂 社長
佐藤 茂 社長

【ブリッジレポート vol.1】2017年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「「顧客成果を高める」、佐藤社長へのインタビューの中で多数登場するこのキーワードはまさに同社の企業価値創造の源泉と言って良いだろう。・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年11月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社パートナーエージェント
社長
佐藤 茂
所在地
東京都品川区大崎1-20-3 イマス大崎ビル
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 3,644 445 434 285
2015年3月 2,664 146 132 79
2014年3月 2,164 51 39 17
株式情報(10/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,566円 3,274,400株 5,127百万円 63.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 107.71円 14.5倍 240.99円 6.5倍
※株価は10/24終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。
 
株式会社パートナーエージェントの会社概要、2017年3月期決算業績予想、佐藤社長へのインタビューなどをお伝えします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
多様な婚活支援サービスを提供。登録会員の婚活を支援する主力の「パートナーエージェント事業」のほか、婚活パーティーの企画・運営、及び低価格婚活支援サービスなどを手がける「ファスト婚活事業」、婚活に取り組む企業や地方自治体を対象に、イベント開催の受託からマッチングシステム提供、新規婚活支援事業の立上支援、地域における結婚しやすい環境作りまで幅広くサポートを行う「ソリューション事業」、結婚式場紹介、、保険契約の見直し、保育施設の運営などの関連サービスを提供する「QOL事業」を展開。「世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という企業理念に基づき、各種サービスを展開している。中でも、専任コンシェルジュによるキメの細かいフォローアップと独自システムによる婚活支援により、高い成婚率実績を出していることが大きな特徴。
 
【1-1 沿革】
2004年6月、ウェディングの企画および施設の運営を手掛ける株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(4331、東証1部、T&G社)が新規事業として婚活支援事業を始めるにあたり、100%子会社として同社を設立した。そのスタートアップにあたり招聘されたのが大手婚活会社で豊富な経験・実績を積み重ねた現社長の佐藤茂氏。
その後T&G社の業況が低調となり、継続的な投資が難しくなったのを機に、2008年5月、佐藤社長を始めとした経営陣と従業員の共同出資により株式を取得し、T&Gグループから独立した。
「顧客成果追求」の結果である成婚率の高さを顧客に評価され、業績は順調に拡大。2015年10月に東証マザーズに上場した。
 
【1-2 企業理念】
佐藤社長が創業時に掲げた想い「顧客成果の追求」をベースに、以下のようなミッション、ビジョンを示している。
 
 
佐藤社長はこれらの理念について、具体的な課題やトラブルへの対応など業務を通じてその度ごとに理念に立ち戻り考えることで、初めて社員各人及び組織に理念が浸透すると考えている。
 
【1-3 市場環境】
<未婚者状況>
*上昇続ける未婚率
総務省の国勢調査によれば、25-34歳の未婚率は男女とも上昇を続けている。
 
 
*未婚者の結婚の意思 ~「結婚する意思」は引き続き高水準~
「2015年社会保障・人口問題基本調査<結婚と出産に関する全国調査> 第15回出生動向基本調査」によれば、結婚する意思を持つ未婚者の割合は18~34歳の男性で85.7%、女性で89.3%となっており、「結婚したい」と考えている未婚者の数は依然高水準である。
 
 
一方、「一生結婚するつもりはない」未婚者の割合が男女とも上昇してはいるが、今後「いずれ結婚するつもり」に変わる可能性があると回答した割合は、男性44.1%、女性49.8%となっており、今は結婚するつもりの無い層も半数近くは今後結婚に向けて動き出す可能性がある。
 
*独身でいる理由 ~25歳を過ぎると適当な相手にめぐり会わない~
未婚者に独身でいる理由を尋ねたところ、18~24歳の若い年齢層では、「若すぎる」、「必要性を感じない」など積極的な動機が無いことが多く上げられているが、25~34歳では、「適当な相手にまだ巡り会わない」など結婚の条件が整わない事をあげる割合が増加しており、出会いの場を望むニーズが大きいことが窺える。
 
 
<同業他社>
日本全国には約3,000の婚活会社があるが、その9割は個人事業主で、全国規模で事業を展開しているのは同社を含め数社のみである。
以下は同社を含めた婚活関連の上場企業である。
 
 
【1-4 事業内容】
従来から手掛けているパートナーエージェント事業に加え、ファスト婚活事業、ソリューション事業、QOL事業の3事業を2017年3月期より本格的に開始している。2018年3月期からは報告セグメントとして4事業についての開示を開始する予定。
 
①パートナーエージェント事業
顧客として入会した会員に対する情報提供、相手の紹介、出会いの機会の提供を行っている。
会員にはそれぞれ専任のコンシェルジュが婚活支援の担当としてつき、プロフェッショナルとして顧客をサポートしている。また、出会いの機会を提供するため、会員同士のイベントを企画・運営するなど付随サービスも提供している。
会員構成は男女比で4:6~3:7で女性が多い。
 
 
(サービスの特色)
「1年以内を目途に結婚相手を見つけたい顧客」に対し、高いコーチングスキルを持ったコンシェルジュが担当として付き、プロセスに手間や時間をかけず費用対効果の高いサービスを求める顧客ニーズに応えるべく、PDCAサイクルに基づく活動支援を行っている。
コンシェルジュは、婚活支援を通じて人の役に立ちたい、喜びを共にしたいと考えている、子育てが一段落した年代の女性が中心で、2016年6月末時点で171名のコンシェルジュが在籍している。
また、コンシェルジュの活動については、「顧客成果の追求」を掲げている同社においては、成婚率、中途退会率など主として「顧客満足度」の視点から評価を行っている。
 
<PDCAサイクルに基づく活動支援のイメージ>
① 入会前:サービス内容と料金体系の明確化
初めて来店した入会を検討している顧客には、入会勧奨を行うアカウントエグゼクティブが応対し、サービス内容と料金体系について正確に理解してもらうべく丁寧な説明を行う。
しかし、一定の基準に基づき、結婚相手の紹介の継続が難しいと判断した場合には、入会を断る場合もある。
これは、入会後月会費等の費用が発生するにも関わらず、コンタクト(お見合い)に至らない、または交際に発展しないなど、顧客が満足できない状況を招くことを避けるためでもある。
 
② 入会後:専任コンシェルジュによる活動サポート
入会すると、はじめにその会員がどのような価値観を持ち、どのような相手を希望しているのかを把握するため会員の婚活支援を担当するコンシェルジュが時間をかけて面談を行う。
この際、コーチングスキルを用いて会員がまだ明確にできていない相手への希望や理想像をより明確化することで、抽象的に相手探しをするのではなく、より具体的なマッチングに結び付けられるようにする。
従来のデータによるマッチングだけでなく、コンシェルジュという人間を通して相手を紹介することで同業他社との差別化を図り、結果的に、回り道をせず手間や時間をかけずに費用対効果の高いサービス提供へとつながっている。
さらに、活動を通して、専任のコンシェルジュがPDCAサイクルを用いて活動の軌道修正を支援するため、失敗があっても前向きに婚活に取り組んでもらうことができる。
加えて、コンタクトの感想や感触の確認、その後の交際期間中の悩みごとの相談、成婚(※)後のフォローまで、コンシェルジュが会員の気持ちに寄り添って、共に成婚実現に進んでいけるようにサポートする。
また、成婚後のフォロー期間も1年間に設定することで、成婚後であっても長期間フォローし、結婚までの道のりをサポートしている。
(※)成婚(退会)
交際中の相手との結婚を視野に入れて交際を継続する意向を双方から受けた上で退会すること。
 
③ コンタクト(お見合い)の設定:専任のコンシェルジュ以外の活動サポート
活動が進むと、相手とのコンタクト(お見合い)を迎える。コンタクトの日時調整、場所の申し合わせなど、手間のかかる作業もシステムと専門チームがサポートするため、手間をかけずに効率よく活動することができる。
コンタクト当日に道に迷ったり、相手を見つけられない場合なども、窓口スタッフが電話・メールでサポートを行い、出会いの機会を逃さないように支援している。
また、セカンドオピニオンとしてのアドバイスや助言のニーズに対応するために、サービスデスクを設置し、会員からの相談・要望に第三者からのアドバイスや助言を提供し、活動がより円滑に行えるためのサポート体制を構築している。
 
 
費用内での紹介件数に上限は無い。同社では原則として月2件以上の紹介を行うこととしている。
 
(付随サービス)
①会員向けイベント
コンシェルジュによる相手の紹介だけでなく、会員を対象に出会いの機会を提供するため、婚活パーティーなど各種イベントの企画・運営を行っている。
イベント専門のスタッフが運営を行い、出会いをサポートしている。数多くの会員がイベントをきっかけに交際に発展し、成婚まで至っている。
イベントスペースを自社店舗内に設けることで機動的な開催が可能であり、イベント会場の賃借費用が不要となっている。
 
②オプションサービス
会員向けの写真撮影会を有料で提供している。婚活においては第一印象が重要視されるため、プロのカメラマン、メイクアップアーティストと提携し、自社店舗または提携先スタジオで写真撮影を行っている。婚活に特化しているため、適切な服装、表情など、経験に裏打ちされたアドバイスの提供も可能である。
カラーコーディネート、ファッションアドバイザリー、コミュニケーション力向上など、婚活に関連する予備知識や情報提供を、有料セミナーによって提供している。
 
②ファスト婚活事業
低価格で気軽に始めることができる婚活サービスというコンセプトで展開している事業。3つのサービスで構成されている。
 
 
(1)「OTOCON(オトコン)」婚活パーティー
一般会員向けの婚活パーティーを「OTOCON(オトコン)」として企画・運営している。
一般会員向けではあるが、各種イベントを通じて同社に興味を持ち、会員になるケースも多く、入会の1つのチャネルとして機能している。
また、パートナーエージェント事業の会員向けイベントサービスと同様に、イベント専門のスタッフが自社店舗内のイベントスペースでイベントを企画・運営するため、社内設備の有効活用ができ、かつ入会チャネルとして機能しているため、ファスト婚活事業自体の収益だけでなく、他サービスとのシナジーも発揮している。
 
(2)「OTOCON MEMBERS婚活カウンター」
婚活パーティーだけでなく、結婚相手の紹介も受けて婚活をしたい独身者向けに比較的低価格で利用できる婚活支援サービスで、2016年5月に提供を開始した。
専用店舗として2016年5月に新宿店(東京都)、心斎橋店(大阪府)を、同年7月には名古屋店(愛知県)を、10月には船橋店(千葉県)をオープンし現在4店舗を運営している。さらに、パーティー参加者が今期の計画値(前期の1.5倍)の1.4倍程度となっていることから、出店を加速・強化し、同年10月に池袋(東京都)、銀座(東京都)の出店を予定している。
 
(3)Yahoo!婚活コンシェルプラン
ヤフー株式会社が運営する婚活ポータルサイト「Yahoo!婚活コンシェル」内で、同社が提供する結婚情報サービス。
結婚相談所がサポートする質の高い出会いを誰もが使いやすい価格で提供しており、両社の共同事業モデルとなっている。
「専任コンシェルジュのサポート」、「精度の高い紹介システム」、「登録はオンライン」、「安心の会員構成」、「初期費用は結婚相談所の10分の1以下」等が特長。
利用者への告知・集客をインターネット上で行うことで店舗の運営にかかる費用を削減し、サポートにかかる費用のみでサービス提供することで、低価格を実現している。
 
③ソリューション事業
(1)事業会社向けコンサルティング
婚活業界への参入を検討している事業会社や、住民に対する婚活支援活動を実施しようとしている自治体に対し、事業の立上げ・導入から運用まで、下記の様な幅広いメニューを用意し、支援先のニーズや状況に応じて、これらのメニューの中から最適化したソリューションサービスを提供している。
 
 
対自治体については、各地方自治体が取り組んでいる様々な結婚支援事業の支援を行うべく、連携を強化している。
支援事業の内容としては、①出会いの機会の創出や結婚希望者のマッチングを行うなどの直接的な結婚支援事業と、②結婚への前向きな気運の醸成や結婚を促進するための環境整備を行う事業に大別され、2016年度においては、内閣府による地域少子化対策重点推進交付金の交付という形で、国から地方自治体への財政的支援が行われている。

自治体支援においては、「parms」という同社が開発した結婚支援システムを地方自治体に提供しているケースが多い。
「parms」は、結婚支援事業に必要な会員登録、会員管理、お相手とのマッチングなどの基本機能だけでなく、利用者(結婚を望む男女)の活動をサポートする機能や、事業運営側のスタッフの業務を効率化する機能等を網羅的に兼ね備えたシステム。運営主体の要望に応じたカスタマイズも可能となっている。
 
 
受託件数は企業向け支援で2016年3月期 1社、2017年3月期 7社(予定)、自治体向け支援で2016年3月期 14自治体、2017年3月期 19自治体(予定)と着実に拡大している。
 
(2)会員相互紹介プラットフォーム「CONNECT-Ship」
婚活支援事業者間で自社会員の相互紹介を可能にするプラットフォーム「CONNECT-Ship(コネクトシップ)」が2017年1月からサービスインすることとなった。
 
 
これら一定規模の事業者間において、最大3万人超の会員(各社の会員数合計)の相互紹介を通じて成婚率を高め、顧客成果、顧客満足度の向上を図る「コネクトシップ」は、婚活支援業界初の試みである。
会員相互紹介を実現するプラットフォーム(システム)としては、パートナーエージェントが開発し、運用保守を行う「コネクトシップ」サービスを使用し、「コネクトシップ」の運営事務局も同社が担う。

当初は4社でスタートするが、今後も顧客成果である成婚の最大化という想いを共有できる婚活支援事業者をメンバーに加え、規模を拡大していく予定。
利用事業者は、自社のサービス内容や運営について、事務局である同社を含めた他の利用事業者から干渉されることなく、自社の顧客に独自のサービスを提供することができる。

システムを提供・運用する同社は、利用事業者各社から受け取る①登録会員1人当たりの月額利用料、②会員同士のお見合いが成立した場合のお見合い料を収益源とする。
今期2017年3月期は、試用期間としてシステム利用料を無償として提供するため業績に影響は無く(コストも今期業績予想に織り込み済み)、来期2018年3月期より収益が発生する。
 
(狙い)
利用事業者が、営業面での競争のみならず、新しい枠組みの中で顧客成果である成婚を追求して切磋琢磨すること により、顧客満足度を高めて業界全体の発展を図るとともに、サービス品質に基づき健全な競争を行うよう業界に変革を促すことも、「コネクトシップ」を主導する同社の狙いである。
 
④QOL(Quality of life)事業
パートナーエージェント事業によって顧客となった会員に対し、成婚退会後もその関係性を維持して人生の節目において各種サービスを提供し顧客満足度の充足・向上を図りつつ、収益機会の拡大を図る。

成婚退会した会員がメンバーとなる「アニバーサリークラブ」が主として以下のようなサービスを提供している。
 
 
2016年7月には、社員の福利厚生も兼ねた、内閣府の主導する企業主導型保育施設「めばえ保育ルーム」を開設した。地域と連携し保育環境の改善を目指している。
 
【1-5 特長と強み】
「顧客成果の追求」と結果としての成婚率の高さ
同社を特徴づける最大のポイントは、「成婚率」の高さである。
2016年3月期の成婚率は27.2%。2012年3月期は20%を下回る水準(19.6%)であったが毎期着実に上昇を続けている。
 
 
同業他社は明確な数字を開示していないものの平均10%と言われており、同社の成婚率の高さは断トツである。

在籍会員に対するある期間における成婚退会会員数の割合を示す「成婚率」は、婚活会社の必要性を問われてしまう可能性もある両刃の刃であるという意味で、婚活業界においては指標として明示すべきではないとの認識が主流であった。

これに対し佐藤社長は創業時より事業に対する想い、企業戦略として「顧客成果を高める」を掲げてきた。
顧客が同社に求めるものは「結婚」という成果であり、これを可能な限り高めることこそが自社の社会的な存在価値であるという考え方だ。
この目的を実現するために、採用、教育、育成、研修、ナレッジ共有、マネジメント、評価制度、などあらゆる活動のベースを「顧客成果の追求」においている。

こうした姿勢が業界では群を抜いて高い「成婚率」に結びついている。
 
 
2017年3月期第1四半期決算概要
 
 
前期の特需の影響と、増収も店舗出店などに伴う人件費増など先行的投資で減益
売上高は前年同期比2.4%増の9億73百万円。主力のパートナーエージェント事業の会員数は前年同期比0.7%の微増にとどまり、成婚率は前期実績27.2%を上回る水準で推移している。
 
(パートナーエージェント事業)
新規入会会員数は前年同四半期比0.7%の微増にとどまった。広告による集客及び潜在顧客に対する訴求力について改善すべき点があると認識し、広告については2016年7月から広告表現の内容を一新したほか、アカウントエグゼクティブによる訴求内容の見直しを行っている。
成婚率は前期実績27.2%を上回るペースで推移している。
 
(ファスト婚活事業)
婚活パーティー『OTOCON』の延べ参加者数は前年同期比111.7%増の25,467名と大きく増加した。
 
(ソリューション事業)
婚活支援事業者間で自社会員の相互紹介を可能にするプラットフォーム「コネクトシップ」のサービス企画及びシステム開発を進めた。
 
(QOL事業)
新たな試みとして、社員の福利厚生も兼ねた企業主導型保育施設「めばえ保育ルーム三鷹台」を2016年7月に開園した。
 
 
現預金の減少などで流動資産は前記末に比べ減少。固定資産は同60百万円増加。資産合計は資産同63百万円減少の18億91百万円となった。
長短借入金の増加で負債合計は同1億35百万円増加の13億1百万円。
自己株式の増加で純資産は同1億99百万円減少の5億90百万円となった。
この結果自己資本比率は前期末の40.4%から31.2%へ9.2%低下した。
 
(3)トピックス
◎「長野県川上村」シェアリングエコノミーシステム 実証実験を開始
日本エンタープライズ株式会社(4829、東証1部)と協力し、長野県川上村が取り組む「女性活躍推進及び結婚環境向上推進」における官民連携施策「KAWAKAMI SMART PROJECT」の一環として、2016年10月12日より、シェアリングエコノミーシステムの実証実験を開始した。
また、この実験に際して、シェアリングエコノミーシステムの稼働を支援するアプリ「MAKETIME!(メイクタイム)」を提供した。「メイクタイム」が導入されたのは、全国の地方自治体として川上村が初めてとなる。

メイクタイム実証実験は、2016年10月12日から12月9日まで行われ、12月11日に開催される『KAWAKAMI IDEA FOREST アイデア コンテスト 2016』において実験の結果を発表する予定。
 
(メイクタイム概要)
「女性による自己実現のための時間」の創造を目的にしたシステム。
家事や育児といった家庭内労働について、地域内の相互扶助によって補い合うことができるシェアリングエコノミーシステム(個人間の地域内相互扶助システム)のためのプラットフォームを提供し、利用を促進することで、結婚環境の向上を推進し、現在村で暮らしている既婚者(特に女性)の結婚幸福度を高めることを目的に、「女性がイキイキと暮らす地域」の実現をサポートする。
時間を創りたい人(依頼主)が、地域の役に立ちたい支援者(メイカー)に家事や育児などのサポートをメイクタイムを通してリクエストし、サポートしてもらうことで、家庭内労働に要する時間や負担の軽減を図ることができる。
リクエスト可能な内容は、廃品回収準備、子供の見守り、レンタルDVD 返却、送迎など様々で、実証実験ではプロの家事代行スタッフも参画し、サポートする。
 
 
◎福島県の結婚支援事業にかかる包括的支援業務を受託
2017年1月より、福島県が運営する「ふくしま結婚・子育て応援センター」における結婚支援事業を包括的に支援することとなった。同社が地方自治体向けに開発した結婚支援システム「parms」を提供する。
今回の受託における取組の内容は、下図のとおり。
 
 
◎株主優待制度を導入
株主の支援に感謝するとともに、同社株式に対する投資の魅力を高め、より多くの投資家に株式を中長期的に保有してもらうことを目的とし、株主優待制度を導入することとした。
 
 
 
2016年9月末日現在の株主名簿に記載又は記録された同社株式を1単元(100株)以上保有している株主を対象に開始する。
 
◎新規出店
 
前述の様に婚活パーティーサービス「OTOCON」参加者は急増している。多くの顧客ニーズ対応し、かつ満員による参加不可などの機会損失に対処すべく、加えてサービス提供エリアを拡大するため新たにOTOCON MEMBERS 婚活カウンターを3店舗出店することとした。
パートナーエージェント事業においても引き続き活動地域の拡大を目指している。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
増収増益を予想
現時点で業績予想に変更はない。売上高は前期比14.9%増の41億88百万円の予想。
ソリューション事業は減収予想だが、主力のパートナーエージェント事業を中心に3事業とも堅調。特にファスト婚活事業は倍増を予想している。
営業利益は同9.2%増の4億86百万円の予想。新規3店舗出店及びシステム投資、新規事業開始に伴うコスト増で売上高営業利益率は0.6%低下する。
現時点では成長のための投資を優先するため配当は行わない。
 
 
 
佐藤社長に聞く
 
佐藤茂社長に、社長が考える同社の強み、今後の成長戦略、投資家へのメッセージなどを伺った。
 
Q:社長が考える自社の強みはなんでしょうか?
A:成婚率の高さとそれを実現している仕組みこそが当社最大の資産だ。
当社の成婚率は前期で27%と、業界平均の10%を大きく上回っている。
そのベースにあるのが創業以来こだわってきた「顧客成果を高めること」だ。事業戦略、人事評価制度など全てが「顧客成果を高める」ために構築されており、全社員の意識や行動にしっかりと浸透している。
成婚率の高さ自体が大きな特長・強みだが、それを実現している仕組みは当社の誇る最大の資産であり、この仕組みを私は「人とシステムの融合」と表現している。
「人」は全社員の中でも特に「コンシェルジュ」。現在約180名のコンシェルジュが活動しているが、彼女たちのPDCAサイクルに基づいたきめ細かいフォローアップが成婚率の向上には欠かせない。
募集時の倍率は極めて高い人気職種だが、「顧客成果を高める」視点で採用、教育・育成、ナレッジ共有を行い全員のレベルアップを日々行っている。
「システム」は当社が独自に社内開発したコンシェルジュを支援するシステムだ。
例えば、「2カ月連続してお見合いが設定されていない」とか、「お相手にYesを出し続けているにもかかわらずその後が続かない」などCS(顧客満足)の視点から、会員の状況をきめ細かく管理、分析し担当コンシェルジュに情報を提供する。
この優れたシステムはソリューション事業における企業や自治体支援の強力な武器にもなっている。
 
Q:中期的な今後の戦略および課題についてお聞かせください。
A:店舗数の拡大、コネクトシップの拡充に注力する。認知度の更なる向上が課題だ。
現在3か年の中期経営計画を策定中であり、詳細については発表時に改めてお話しするが、ポイントは以下の通りだ。
主力のパートナーエージェント事業については、現在の店舗数は大手同業他社と比べるとまだまだ少ないのでこれを拡大させる。
ファスト婚活事業、ソリューション事業は、もともと個別案件で手掛けたものが顧客のニーズが明確かつ大きいため予想以上のスピードで事業化できたものであり、当社が圧倒的に強い分野だ。
ファスト婚活事業は、会員数、パーティー開催数ともに大きく成長しているが、会場を増設して事業機会を確実に取り込んでいく。
ソリューション事業はそれだけで大きく利益が出るというものではないが、企業や自治体向け案件の受託は安定した収益を獲得するとともに信用力の向上につながる。
加えて、2017年1月からサービスインする「コネクトシップ」の今後に是非注目していただきたい。
外部には「同業者同士、大事な資産である会員をなぜ相互紹介しなければいけないのか。」という声もあるが、「顧客成果を高める」ことを理念とする当社にとっては当然の取り組みだ。
また、成熟した婚活産業活性化のためには顧客データベースの共有化は避けて通れない道であるとも考えている。
幸いにも当社の理念に共感して頂いた3社とスタートさせることができた。啓蒙には時間がかかるとは思うが、今後も賛同者を増やし、全国60万人とも言われるユーザーのお役に立てるよう「コネクトシップ」の拡充に注力していく。
認知度の向上が最大の課題だ。
売上ではツヴァイにほぼ並んだが、認知度調査の結果では同社を大きく下回っている。
新聞、雑誌のみではなく、インターネットの活用が不可欠なので広告のクリエイティブのミーティングには私も参加して積極的に取組んでいる。
また、創業から現在までは社長の私が牽引してきた部分が大きいが、労働集約型産業である当業界において今後の安定的な成長を追求するためには、経営と事業のみでなく、人材についての戦略的な強化が不可欠なので、今年4月からHR(ヒューマンリソース)プロジェクトを立ち上げた。
マネージャークラスの優劣が組織の優劣に繋がるので、人材強化の仕組み化に取組み、持続的に成長できる企業としての基盤を構築する。
 
Q:投資家へのメッセージをお願いします。
A:理念の追求を第一に着実な成長を目指していく。
当社は「顧客成果を高める」ことをめざし、成婚率という当業界では従来ない概念を重視することで現在まで事業を拡大させることができてきた。
当社では、例えば新規事業に参入する際も、自社の強みを活かせるかどうかに加え、市場規模や成長性も当然考慮するが、それ以上に社会からの必要性やその事業を立ち上げるスタッフの主観正義(注:自分がどれだけやりたいか)を重視して参入可否の決断を下す。事業は情熱を持った人間が本気で取り組まないと成功しないからだ。
外部からはネガティブな声も聞かれる「コネクトシップ」だが、全ては、結婚したいというお客様のニーズに可能な限りお応えすることが結果的には当社を含めた婚活業界の成長、活性化に繋がるとの信念による。
今後もこうしたビジョン、想いの下で「何故それをやるのか?、何のためにやるのか?」を大事にし、顧客満足度の向上を軸に着実な成長を遂げていく当社を是非中長期の視点で応援していただきたい。
 
 
今後の注目点
「顧客成果を高める」、佐藤社長へのインタビューの中で多数登場するこのキーワードはまさに同社の企業価値創造の源泉と言って良いだろう。
全ての仕組みが顧客成果を高めるために構築されており、それが業界屈指の成婚率の高さとして結実している。
この圧倒的成果をいかにして更なる会員増(=売上増)に結び付けることができるか?、佐藤社長が課題と捉えている認知度がどのように向上していくのかを注目したい。
また、2017年1月にサービスインする「コネクトシップ」も、理念具現化の取り組みが結果としての業容拡大に繋がる過程を是非見守りたい。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書
同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2016年7月2日に提出している。

<実施しない主な原則とその理由>
同社はマザーズ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施すると記している。