ブリッジレポート
(2708) 株式会社久世

JASDAQ

ブリッジレポート:(2708)久世 vol.19

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久世 健吉 社長
久世 健吉 社長

【ブリッジレポート vol.19】2017年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「採算重視の営業活動と物流改革に取り組んできた結果、値上げ、配送頻度緩和、配送時間帯の緩和等、個々の取引条件が改善しており、配車システ・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年12月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社久世
社長
久世 健吉
所在地
東京都豊島区東池袋2-29-7
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 67,193 439 593 485
2015年3月 68,044 -365 -199 -412
2014年3月 62,268 41 238 100
2013年3月 56,060 544 697 367
2012年3月 51,053 380 408 173
2011年3月 46,774 230 342 80
2010年3月 42,666 271 394 123
2009年3月 42,181 225 334 171
2008年3月 42,540 283 443 240
2007年3月 42,847 402 507 262
2006年3月 41,491 336 390 246
2005年3月 39,087 255 297 126
株式情報(11/26現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
815円 3,807,327株 3,103百万円 10.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.5% 98.14円 8.3倍 1,290.81円 0.6倍
※株価は11/26終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
久世の2017年3月期上期決算と通期見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
外食産業や中食産業向けの食材卸を中心に、グループで食材の製造・販売も手掛けている。取扱品目は約30,000アイテムに上り、冷凍・常温品はもちろん生鮮品から消耗品等のノンフードまで幅広い。グループは、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、ニュージーランドでソース類の製造を手掛けるキスコフーズインターナショナルリミテッド、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン、築地市場に基盤を持つ水産物仲卸大手の旭水産(株)、及び海外戦略の立案と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司の連結子会社5社、水産物売買業の豊洲フーズ(株)、中国で業務用食材卸売事業を手掛ける久華世(成都)商貿有限公司の非連結子会社2社。また、12年6月に中京地区では6,000店の取引先を有する酒類販売大手(株)サカツコーポレーションと、15年9月には横浜の青果仲卸会社である(株)丸ユ商店と業務提携をしている。
 
 
【経営理念とC&G活動の取組み】
「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として「頼れる食のパートナー」を目指し、次の経営理念を掲げている。

私達は、明るい信頼される会社にします。
私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。
私達は、絶えず革新に挑戦し、たくましい会社にします。
私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。
私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。
 
【事業内容】
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、16/3期の売上構成比(連結調整前)は、それぞれ、93.1%、6.7%、0.2%。また、販売チャンネル別(個別ベース)では、居酒屋・パブ26.5%、ディナーレストラン・ホテル・専門店22.6%、惣菜・デリカ・ケータリング・娯楽施設・その他15.1%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ35.8%。
 
食材卸売事業
取扱が難しい生鮮品を含めた業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約30,000アイテムを数える。近年、プライベートブランド(PB)商品や生鮮三品の取扱いにも力を入れている。
 
食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っており、その子会社(久世の孫会社)キスコフーズ インターナショナル リミテッド(KISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITED)が、ニュージーランド・クライストチャーチ市において、オリジナルのフォンドヴォー(仔牛骨、牛肉、野菜等を原料としたソース)やベシャメルソース(バターと小麦粉を原料としたホワイトソース)の製造を行っている。
 
【フードサービスソリューションカンパニーを標榜  -運ぶ、つくる、考える。そして品質管理-】
同社は 「頼れる食のパートナー」 として、顧客へ様々な情報を提供し、顧客と共に、仕入・物流、店舗経営、商品開発等について考え、問題の解決に取り組んでいる。目指すところは、「運ぶ」、「つくる」、「考える」それぞれの機能を総合的に組み合わせ、より高い付加価値を生み出す提案営業重視の「フードサービス・ソリューション・カンパニー」である。
 
「運ぶ」  料理のプロの多様な要望に応える事の難しさ
同社においては「個店向け配送」と「チェーン店向け配送」の2通りがあり、「個店向け配送」は、幅広い品揃えで様々な業態(洋食、和食、中華、ホテル、居酒屋、バル、カフェ、病院、商業施設等)に対応し、自社の物流センターから配送。一方、「チェーン店向け配送」はチェーン店独自の品揃えに対応し、自社の物流センターと外部倉庫を利用した久世全国ネットワーク(KZN)の併用で、北海道から九州まで全国にチェーン展開している顧客に食材を届けている。
 
 
「運ぶ」(配送)は食材専門商社としての根幹に関わる業務だが、時間指定、配送頻度、納品場所等、料理のプロの多様な要望に応えつつ、しっかりと収益管理していく事は実に難しい。昨今の店舗運営は生産性の向上を迫られる一方、労務管理に対する指導が強化されているため、店着時間がピンポイントで指定される事が多く、これに対応しようとすると物流コストが跳ね上がる。このため、納入価格、物流フィー、店着時間を総合的に勘案して取引条件を決める必要があり、オペレーションの難易度があがっている。
 
「つくる」  商社の枠を超えた事業展開で収益力の強化と顧客満足度の向上を両立
厨房での手間やコスト削減を念頭に新しいメニューやプライベート(PB)商品を開発し、顧客のニーズに合った商品提供を行っている。
 
 
「考える」  情報提供で顧客のビジネスを側面から支援
「顧客ニーズ」、「メニュートレンド」、「メニューの差別化」等を基本に顧客ごとのオリジナルメニューの開発やムリ・ムダのない調理オペレーションの提案、更には同社の商品を使用したメニューレシピやトレンド情報の提供等、日々の顧客支援に加え、食材セミナーやプロ向け展示会「FOOD SERVICE SOLUTION」の定期開催で「食のヒントとなる情報」の発信も行っている。
 
「品質管理」  商品はもちろん、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務で品質向上を推進
1981年に社内に品質管理部門を設け、取引先の品質に関する要望や問い合わせに対し、迅速に対応できる体制を構築しており、細菌検査、生産委託先工場の製造管理、商品規格書の作成・提供、物流センター、各営業拠点の衛生管理チェック等を実施している。また、2010年に「久世グループ品質方針」及びISO22000に基づいた久世グループの品質保証の仕組みである「久世クオス(久世QUALITY SYSTEM)」を策定し、新しい品質への取組みをスタート。13年4月には、キスコフーズ(株)が、同年8月には同社と久世フレッシュ・ワンが、それぞれISO22000の認証を取得した。商品の品質だけでなく、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務の品質の向上を推進し、「お客様満足度No.1」を目指している。
 
【沿革】
1934年4月現在本社を置く池袋にてトマトケチャップやソースの製造を開始した。50年1月に(株)久世商店として法人組織に改組し、67年7月に現商号の(株)久世に変更。直販(中間流通を通さず飲食店等に直接販売)を特徴とするケチャップやソースのメーカーとして経営基盤を確立した。
しかし、70年代に入り、トマト加工品の輸入自由化への対応を迫られた事やその後の勃興期を迎えていたファミリーレストランが業務用食材をフルラインで取り扱う米国型ディストリビューター機能を必要としていた事を踏まえ、食材の卸事業に事業をシフトさせた。元来、直販メーカーとして飲食店等のユーザーと直接取引していた強みに加え、外食チェーン等の市場拡大も追い風となり事業が順調に拡大。77年4月には神奈川県横浜市に神奈川営業所を開設し、千葉、埼玉、東京都下にネットワークを広げた。

食材関連ビジネスに限定しつつも多角化を進め、79年8月には結婚式利用の増加で繁忙を極めたホテル厨房を支援するべく連結子会社キスコフーズ(株)を設立し、業務用高級スープやソースの製造を開始。90年代には、中京地区、関西地区への拠点展開も進め、2001年9月にJASDAQに株式を上場。上場を機に国内の強化はもちろん、海外展開も進めた。
2009年7月 生鮮品の取扱い強化の一環として、生鮮野菜類の卸に特化した(株)久世フレッシュ・ワンを設立
2011年5月 ソース類の製造強化を目的にキスコフーズ インターナショナル リミテッドをニュージーランドに設立
同年 9月 海外戦略の拠点として、久世(香港)有限公司を設立
2012年5月 久華世(成都)商貿有限公司を設立し、中国での業務用食材卸事業を開始
同年 6月 中部地区の営業力強化を目的に(株)サカツ コーポレーションと業務提携
2013年 8月 ISO22000認証取得
2014年4月 生鮮品の販売強化を目的とし、旭水産株式会社の株式を取得(グループ化)
2015年9月 生鮮品の販売強化を目的とし、青果仲卸会社である株式会社丸ユ商店と業務提携
 
【市場規模と久世のポジショニング】
公益財団法人食の安全・安心財団の統計資料によると、外食市場は1997年の29兆円強をピークに縮小傾向が続いたものの、2011年の22.8兆円を底に緩やかな上昇基調に転じ、2014年の市場規模は25.1兆円。また、外食率(=外食市場規模÷全国食料・飲料支出額)も1997年の37.8%をピークに低下したが、2004年以降、35~36%で安定しており、食の外部化率(=小売業市場規模を含む広義の外食市場規模÷全国食料・飲料支出額)は、食の外部化を背景に上昇傾向にある(1997年42.5%→2014年44.7%)。

ちなみに、外食産業の25.1兆円に対して、他の産業の市場規模は、自動車産業が約49兆円、住宅産業(設備等除く)が約19兆円、家電産業やアパレル産業が約9兆円等。
 
 
3大都市圏での事業拡大余地は大きい
「業務用食品卸売業年鑑2015年版」によると、国内の業務用食材市場は約4.1兆円の巨大市場であり、このうち首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨木、栃木、群馬)が約1兆7,370億円、関西圏(大阪、兵庫、京都、奈良)が約8,030億円、中部圏(愛知、三重、岐阜、静岡)が約4,530億円。スーパー等、小売店に家庭用の食材を供給する卸売業者は(商品を確実に届ける物流面の手伝い)、三菱食品、国分、日本アクセス、伊藤忠食品、三井食品等、総合商社系企業が中心だが、業務用の卸売業者は、商品を届けるだけでなく、食材を調理してメニューを提供するためのノウハウやトレンドの情報が求められる等、外食産業のきめ細かいニーズに応えていく必要があるため(専門知識があるプロの料理人に商品を届けるため提案力が必要)、小回りの利く独立系企業が多い。

こうした中、同社は首都圏でトップクラスの売上を誇るが、その同社でさえ、首都圏でのシェアは約3.6%にとどまり、全国では約1.5%。同社にとって国内市場は広大な市場であり、3大都市圏での事業拡大余地は大きい(社内的には、首都圏シェア10%の早期達成を目指している模様)。
 
 
 
第3次C&G中期経営計画(16/3期~18/3期)と17/3期の取り組み
 
第1次C&G中期経営計画「意識・行動改革」(10/3期~12/3期)、第2次C&G中期経営計画「1000億円企業への基盤づくり」(13/3期~15/3期)を経て、現在、第3次C&G中期経営計画(16/3期~18/3期)が進行中である。第3次C&G中期経営計画では、「安定的収益の確保」、「業務効率の改善」、及び「グループの総合力発揮」をキーワードに「収益の基盤構築」に取り組んでいる。

また、グループ事業の基本戦略(5つの柱)として、チェーン戦略(KZN)、エリア戦略、フルライン戦略、商品開発・加工・製造戦略、及び海外事業戦略、の5つの戦略を掲げており、これら5つの戦略を遂行する事で、18/3期に売上高670億円、営業利益6.7億円を達成したい考え。
 
 
 
【17/3期の取り組み】
5つのグループ事業の基本戦略(5つの柱)の下、環境変化への対応を向上させるべく体質改善を進めている。
 
組織変更
2016年8月に組織変更を行い、海外事業統括部を海外事業本部に昇格させると共に、商品開発及びメニュー開発部門を商品本部から切り離してマーケティング本部として独立(新設)させ、従来までの4本部(営業本部、商品本部、物流本部、経営サポート本部)と合わせた6本部体制とした。

・営業本部では、引き続き、3大都市圏を中心に既存得意先のシェアアップと新規取引先の開拓に注力する。また、首都圏・中部圏・関西圏の三大都市圏を中心にしたチェーン戦略(広域展開する取引先の開拓)や、2020年の東京オリンピックを見据えた首都圏(主に東京・神奈川)を重点地域とするエリア戦略(繁華街に出店する繁盛店の開拓)も推進する。2016年10月には多摩地区の業容拡大に向け、多摩営業所を国分寺から吉祥寺へ移転した。

・海外事業本部では、子会社の海外事業(後述)の拡大に注力する。

・商品本部では、カテゴリー別に対象商品をピックアップし、商品の集約を進める。また、仕入によるコストメリットを追求する。

・マーケティング本部では、市場にあった競争力のある商品の開発やメニュー提案を推進していく。久世PB商品の強化も課題であり、17/3期は錦糸卵スライス、ちょい飲みの肴としてトリッパ(もつ煮)、ドルチェーゼ(Dolceze)ブランドのシフォンケーキ等、15アイテムの新商品・リニューアル商品の発売を計画している(上期に9アイテムを発売済み)。

・物流本部では、物流費削減の一環として、配送コースの組み換えによる車輌台数削減とセンター在庫の適正化に取り組む。また、物流システム(発注支援システム、音声システム、輸配送管理システム、工程管理システム)の順次導入と庫内作業の一部自社化で業務品質を向上させる。

・経営サポート本部では、次世代人材の育成と業務品質の向上(正確かつ高効率)に取り組む。
 
グループ力
キスコフーズは高品質・高価格帯マーケットのニーズに合った商品開発を進めている。この一環として、前期より「野菜のヴルーテ」シリーズを順次発売しており、17/3期はブロッコリーのヴルーテを発売した。尚、“ヴルーテ(Velouté)”はフランス語で滑らかな、柔らかな、と言う意味。

生産野菜の久世フレッシュ・ワンは、これまでの都内重点地区に加え、横浜地区の業務拡大に取り組んでいる。具体的には、地の利を活かした三浦野菜、鎌倉野菜、湘南野菜等の産地銘柄野菜やこだわり野菜の拡販でインストアシェア・アップを図る。

久世フレッシュ・ワン、旭水産共に豊洲新市場への移転が延期され、現状では移転の見通しが立たないが業務に支障はない。久世フレッシュ・ワンは、新木場(東京都江東区)と横浜事業所で従来通りの業務を続けている。生鮮野菜は夏場から秋口にかけての荒天の影響を価格と量の両面で受けたが、足元では落ち着きつつあり、設立8年目で初の通期黒字化が見込まれる。旭水産はグループ力を活かして高級寿司店や高級割烹の開拓が進んでいる他、鮮魚や冷凍魚で外食チェーンとの取引も始まった。また、東南アジアや米国への輸出も順調に伸びている。
 
海外事業
中国で卸売事業を展開している久華世(成都)が、2016年10月から日本国内で好評のドルチェーゼ(Dolceze)商品の製造・販売を開始した。上海の協力工場での委託生産によるメーカーポジションでのビジネスである。また、2016年2月には上海日生食品物流有限公司に出資し、さらに武漢に事業所を開設した(6月)。成都(内陸)から、重慶、武漢、上海(沿岸部)を結ぶ揚子江沿いの成長エリアで事業を拡大させていく考え。
 
【長期展望  「三大都市圏No.1」、「お客様満足度No.1」、「売上高1,000億円」を目指す】
既に説明した通り、同社は首都圏では売上規模がトップクラスだが、マーケットシェアは約3.6%に過ぎず、全国では約1.5%にとどまる。このため、首都圏はもちろん、中部圏、関西圏でも更なる事業拡大の余地がある。同社は、「三大都市圏No.1」、「お客様満足度No.1」、そして「売上高1,000億円」を目指して、第3次C&G中期経営計画にとどまらず、継続して、「安定的収益の確保」、「業務効率の改善」、及び「グループの総合力発揮」に取り組んでいく考え。
 
 
2017年3月期上期決算
 
 
前年同期比10.1%の減収ながら、営業損益が31百万円の損失から2億01百万円の利益に転換
売上高は前年同期比10.1%減の303億49百万円。利益面での貢献が少なかった大口取引先との取引を終了した影響(47億円の減収要因)で減収となったが、この影響を除いた実質ベースでは同4%(13億円)の増収。セグメント別では、食材卸売事業が同11.0%の減収、食材製造事業が同2.4%の増収。販売チャネル別では、デリカ・惣菜・ケータリング・娯楽施設・その他が伸びた他、ファーストフード・ファミレス・カフェも増加した。

営業損益は前年同期の31百万円の損失から2億01百万円の利益に転換。継続的に取り組んでいる顧客管理・商品管理の成果で売上総利益率が19.1%と2.2ポイント改善する中、物流改革の成果に加え、大口取引先との取引を終了した効果もあり、物流費(運賃)が5億円減少する等で販管費が同2.5%減少した。保険解約益(60百万円)がなくなった事で営業外収益が減少し、投資有価証券売却益(60百万円→4百万円)が減少した事で特別利益も減少したが、最終利益は同51.1%増加した。

尚、期初予想との比較では、売上がほぼ予想に沿った着地となったものの、売上総利益率と物流効率が想定以上に改善した事で営業利益以下の各利益が期初予想を大きく上回った。
 
 
 
 
 
財政状態に大きな変化はなく、上期末の総資産は前期末に比べて96百万円増の189億63百万円。季節要因でたな卸資産や仕入債務が増加する一方、借入金の返済で現預金や有利子負債が減少した。自己資本比率26.0%(前期末26.0%)。
 
 
運転資金が増加したものの、6億03百万円の営業CFを確保した。投資CFのマイナス幅が拡大したのは、余資運用の一環としての投資有価証券の取得が増加したため。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比6.2%の減収ながら、10.4%の営業増益予想
上期の利益が期初予想を上回ったものの、外食産業の苦戦や不透明な為替の動向等を踏まえて一先ず業績予想を据え置いた。

売上高は前期比6.2%減の630億円。16/3期に80億円(15/3期:97億円)の取引があった大口取引先との取引解消の影響を大きく受けるものの、既存客のインストアシェア・アップと新規顧客の開拓で、その影響額をほぼ半減できる見込み。

営業利益は同10.4%増の4億85百万円。利益面では大口取引先との取引解消の影響が少ない事に加え、引き続き収益改善への取り組みと物流改革の効果が見込まれ、営業費用が同6.6%減と売上以上に減少する見込み。一方、経常利益及び最終利益は、前期に保険解約益(60百万円)や有価証券売却益(85百万円)を計上した反動と税負担が正常化に向かう事で減少する見込み。

配当は前期と同額の1株当たり期末12円を予定している。
 
 
今後の注目点
採算重視の営業活動と物流改革に取り組んできた結果、値上げ、配送頻度緩和、配送時間帯の緩和等、個々の取引条件が改善しており、配車システムの導入による配送業務の効率化と生産性向上(トラック1台当たりの積載金額が増え、台数減)で物流費の削減も進んでいる。また、具体的な数値の開示は控えられているが、グループ会社の業績も改善しているようだ。目先の事業環境には若干の不透明感があるとして通期業績予想を据え置いたが、底打ちから回復に転じた同社の業績モーメンタムが良好である事を確認できた。

尚、新聞報道によると、健康志向を背景に世界の日本食レストラン数は15年夏時点で約8万9000カ所と13年の1.6倍に増えたと言う。アジアが5割、北米が3割を占めるが、輸入手続きが煩雑であるうえコストが高く、日本の食材を使うケースは少ないそうだ。同社グループの旭水産がアジアや北米向けの輸出を伸ばしているが、日本産食材の輸出は国策でもあり、ポテンシャルは大きい。今後の展開が期待される。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書         2016年9月27日更新
<実施しない主な原則とその理由>
【基本原則1 株主の権利の平等性の確保】
当社は常に株主の権利が実質的に確保されるように適切に対応していくとともに、株主総会の集中日を避けての実施や、情報の適宜開示により株主がその権利を適切に行使できる環境作りに努めております。今後もこの考え方に則り、株主総会招集通知の早期発送やWEB開示の検討を進めるとともに、少数株主にも配慮して株主の実質的な平等性の確保を図ってまいります。
 
【基本原則2 株主以外のステークホルダーとの適切な協働】
当社には「経営理念」、社員の行動基準である「KUZE WAY」、「食品安全方針」とグループの品質保証の仕組み「久世クオス」があり、これらの考え方をベースに様々なステークホルダーの要望に応えるべく活動しております。当社取締役会は、当社の活動が経営理念をはじめとするこれらの考え方に合致しているかを監督し、それが実践されるような企業文化を形成するよう代表取締役を中心に対応しております。
 
【基本原則3 適切な情報開示と透明性の確保】
当社は情報開示担当役員責任の下、経営企画部が中心に経営戦略・経営課題あるいはリスクやガバナンスの状況、また決算説明会や個人投資家説明会、当社WEBサイトを通じて非財務情報についても積極的に提供するよう努めております。当社取締役会は、こうした情報提供が受け手であるステークホルダーの皆様にとって有益・有用であるよう監督・指導にあたります。
 
【基本原則4 取締役会等の責務】
当社では取締役会は株主の為に諸施策を示し実行していく最高機関と考えております。当社は業務執行の意思決定の妥当性および適正性を確保し、取締役会が有効に機能するよう独立性を有する社外取締役が取締役会に出席しております。さらに経営監視機能の強化を図るため、常勤社内監査役1名と非常勤社外監査役2名の計3名体制で監査役会を組織して監査役相互の情報交換を緊密にするとともに、監査役も取締役会に出席し適宜、意見の表明を行っており、健全性かつ透明性の高い経営を維持する体制になっております。
 
【基本原則5 株主との対話】
当社では株主総会の場以外でも株主との対話の場は必要と考えております。そこで、毎年春と秋に開催しているユーザー向けの「展示会」に株主も招待し、当社の業務の内容や様々な扱い商品あるいは提案活動への理解を深めていただくとともに、広く株主の意見や要望を伺い経営に活かしております。また、個人投資家説明会や個別ミーティング等を通じ投資家とのコミュニケーションづくりにも取り組んでおりますが、特定のステークホルダーとの対話については、その都度状況に応じて合理的な配慮の中で対応してまいります。