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(9416) 株式会社ビジョン

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ブリッジレポート:(9416)ビジョン vol.1

(9416:東証1部) ビジョン 企業HP
佐野 健一 社長
佐野 健一 社長

【ブリッジレポート vol.1】2016年12月期業績レポート
取材概要「13/12期には19億円弱だったグローバルWiFi事業の売上が16/12期は79億円弱に拡大した。伸び盛りのグローバルWiFi事業だが、市場の拡大もさる事・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年2月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ビジョン
社長
佐野 健一
所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 14,843 1,290 1,298 813
2015年12月 12,485 804 807 585
2014年12月 10,185 286 324 275
2013年12月 9,203 10 29 75
株式情報(2/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,560円 8,118,700株 28,902百万円 11.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 128.81円 27.7倍 900.64円 4.0倍
※株価は2/13終値。
 
東京証券取引所第一部市場に株式を上場するビジョンの会社概要について、2016年12月期決算の概要及び2017年12月期の見通しと共に、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「世の中の情報通信産業革命に貢献します」と言う経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能なパケット定額制WiFiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビューターとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。

国内外の連結子会社14社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎやOA機器販売を手掛けるベストリンク(株)の2社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、ハワイ、香港、シンガポール、台湾、英国、上海、フランス、イタリア、カリフォルニア、ニューカレドニアの現地法人11社とシステム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人1社。
 
 
【事業内容詳細】
グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWiFiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」や、訪日外国人等へ日本国内で利用できるWiFiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。
利用者は、同社が運営するWebサイト(アフィリエイト経由を含む)、アプリ、法人セールス、パートナー(旅行代理店、保険代理店、クレジットカード会社等の提携企業)を介してサービスを申し込み、空港・港カウンター計15ヶ所でWiFiルーターを受け取る。顧客は、一般消費者、上場企業、官公庁、地方自治体、大学、大使館、外資系企業等で、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている。

尚、法人セールスは、諸官庁や海外出張が多い企業等を対象にしたもので、法人登録が必要だが、利用申し込みの手続きが簡単な上、割引や会社請求等の特典が付与される。また、パートナー企業である、提携企業や販売代理店契約・フランチャイズ契約を結んだ協力会社を介してのサービス提供も行っている(情報通信サービス事業も同様)。
 
強み
強みとして、定額制かつ強い価格競争力、業界最多のカバレッジ、高速通信による快適さ、安心・安全、及び法人営業力を挙げる事ができる。具体的には、携帯電話会社との比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、カバレッジは業界最多クラスの200以上の国と地域。また、世界中の通信事業者との提携により、高速で快適な利用環境を実現している(日本と同じ高速通信規格4G-LTEに対応している国・地域も業界最多クラス)他、暗号化された通信で接続するためセキュリティも万全。既に説明した通り、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている事も強み。
 
情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国7か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、コピー機・複合機、電話回線、ビジネスフォン、法人携帯ブロードバンド回線等、各種通信サービスの加入取次ぎ、移動体通信機器・OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売、及びホームページ制作等のサービス提供を行っている。
 
強み
強みは、Webマーケティング戦略による効率的な営業とノウハウを活かしたCRM。Webマーケティングにより集客を行い、これに基づく営業で高い受注率を実現し、その後のカスタマーサポート等による継続コンタクトでリーピートオーダーの取り込みにつなげている。具体的には、主要ターゲットである新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)を年間18,000社以上新規取引先として開拓しているなど、成長ステージにあった最適なサービスを最適なタイミングで提供すると共に、機器の追加需要を取り込んでいる。回線の取次であれば、サービスを解約しない限りキャリアから手数料が得られるし、複写機等であれば保守料を継続的に得る事ができ、顧客の成長と共に回線数や機器の台数の増加も期待できる(ストックビジネス化)。
 
成長ステージに応じた最適なサービスを、最適なタイミングで提供していく(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)情報通信サービス事業は、収益が積み上がっていくストック型モデルの事業である。
 
【沿革】
1995年6月、国際電話サービスの加入取次ぎを事業目的とする有限会社ビジョンとして設立され、1996年4月に株式会社に改組。2001年12月にはOA機器販売を目的に子会社(株)ビジョン・ビジネス・ソリューションズを設立。2004年11月には、(株)ビジョン・ビジネス・ソリューションズが旧(株)ビジョンを吸収合併し、商号を(株)ビジョンに変更した。

2008年1月に電話回線の新設や請求業務の代行を行う(株)メンバーズネットを設立し、同年7月には(株)ベストコミュニケーションズを設立(2012年12月にベストリンク(株)に商号変更)。2010年1月に国内出張及び旅行者向けWiFiレンタル事業「e-ca」を開始し、2011年6月に「Vision WiMAX」として高速大容量化。同年7月には、顧客サポートを目的にコールセンター「ビジョン・フューチャー・ビジネスセンター(VFBC)」を佐賀県佐賀市に開設した。同年11月から2012年1月にかけて、韓国、ハワイ、香港、シンガポールに子会社を設立して海外拠点を整備。2012年2月にグローバルWiFi事業を開始すると共に、台湾にも子会社を設立した。

2013年12月に国内出張・旅行者向けMVNO(仮想移動体通信事業者)事業を開始(ブランド名「WIFI-HIRE」)。2104年には、ベトナム、上海、フランス、イタリアに子会社を設立。2015年 3月には、「WIFI-HIRE」の進化形である訪日外国人向け日本用WiFiルーターレンタルの「NINJA WiFi」を開始。2015年12月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。2016年には、カリフォルニア及びニューカレドニアに子会社を設立。12月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更となった。
 
 
 
スケールメリットと業務の効率化努力で売上高当期純利益率の改善が続いているが、資本提携等を含めた積極的な先行投資による総資産回転率の低下や急速な自己資本の充実によるレバレッジの低下でROEも低下している。ただ、ROEの低下は一時的な現象であり、水準自体も11.79%と高い。
 
 
2016年12月期決算
 
 
前期比18.9%の増収、同60.3%の増益となり、売上及び各利益が過去最高を更新
売上高は前期比18.9%増の148億43百万円。WiFiルーターのレンタル件数が同46.1%増の1,144千件と伸びたグローバルWiFi事業の売上が同30.6%増加する中、スタートアップの開拓とCRMによる既存顧客の深耕で情報サービス事業の売上も同7.9%増加した。

利益面では、スケールメリットや出荷オペレーションの効率化で原価率が41.9%と2.8ポイント低下し、売上総利益が同24.8%増加。事業拡大に伴う諸経費の増加や海外現地法人の新規設立等による販管費の増加を吸収して、営業利益が12億90百万円と同60.3%増加した。最終利益が同39.0%の増加にとどまったのは、投資有価証券や子会社株式の売却益の計上がなくなり特別利益が減少する一方、固定資産除却損の増加や投資有価証券評価損の計上等、財務の健全化を進めた事で特別損失が増加したため。
 
 
 
グローバルWiFi事業
売上高78億82百万円(前期比30.6%増)、セグメント利益11億40百万円(同92.2%増)。新規・リピート共に増加したアウトバウンドの利用件数が886千件と同36.8%増加した他、インバウンドも市場拡大を背景に同2.1倍の190千件と伸びた(インバウンドの場合、通常、1台のWiFiルーターを3人程度で利用するため、利用者数はこの3倍程度)。海外事業も、韓国、台湾から海外への渡航者を中心に66千件と同52.4%増加。海外渡航者の利用は、インバウンドと海外事業を合わせた257千件と同91.1%増加した事になる。

また、サービス品質の向上を図りつつ、収益性も改善させた。具体的には、ボリュームディスカウントによる回線品費用の低減、出荷オペレーションの効率向上、AI(人工知能)を活用した問合せ対策(コールセンター費用抑制)、自動受渡しロッカー「スマートピックアップ」(カウンター運営コスト抑制、窓口稼動率の向上)等で原価率改善や生産性の向上につなげた。
 
 
情報通信サービス事業
売上高69億48百万円(前期比7.9%増)、セグメント利益10億24百万円(同13.4%増)。主要ターゲット(新設法人・ベンチャー企業・チェーン店舗)の取り込みとCRM施策による既存顧客との継続取引の積み上げが進んだ。継続取引では、潜在需要の掘り起こしによるアップセル・クロスセルで顧客単価が向上し、収益性改善につながった。
 
 
期末総資産は99億35百万円と前期末に比べて14億06百万円増加した。借方では、CFの改善で現預金が増加した他、レンタル資産投資、ソフトウェア開発、資本提携等で固定資産も増加した。貸方では、業容拡大で未払金や未払法人税等が増加した他、利益剰余金を中心に純資産も増加した。期末の自己資本比率73.6%(前期末76.2%)、投下資本利益率12.2%(前期11.7%)。
 
 
税引前利益の増加と資金効率の改善で営業CFは14億92百万円と前期比ほぼ倍増。レンタル資産の購入や資本提携等による投資を賄い、10億19百万円のフリーCFを確保した。
 
 
2017年12月期業績予想
 
 
前期比12.6%の増収、同24.5%の営業増益
売上・利益共に過去最高の更新が見込まれる。グローバルWiFi事業は日本において、「アウトバウンド」、「インバウンド」の着実な取り込みで増収・増益を目指す。ロサンゼルスの現地法人を中心に米国で「海外to海外」の拡大を目指す他、提携も含めて新規サービスを順次投入していく考えだが、業績予想に多くを織り込んではいない。情報通信サービス事業については、前期を上回るスタートアップの新規開拓を目指すと共に、既存顧客のニーズにタイムリーに応える事でアップセル・クロスセルにつなげていく。
 
(2)成長戦略
グローバルWiFi事業
世界中の国境を越える渡航者をターゲットとして、巨大市場でのニーズの取り込みを図る。また、「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の顧客基盤を活かした旅行関連サービスプラットフォーム戦略も推進していく。
 
世界展開
観光庁や国連世界観光機関(UNWTO)の資料を基にした同社の試算によると、当事業の「アウトバウンド」と「インバウンド」を合わせた日本の潜在市場規模は約4,115万人、2,880億円。また、インバウンド、アウトバウンドを含めた全世界の潜在市場規模は約12億人、8兆4,000億円。同社は、「アウトバウンド」、「インバウンド」、「海外to海外」、の各ステージにおけるそれぞれの事業展開を加速し、ニーズを取り込んでいく。日本において、着実に、「アウトバウンド」、「インバウンド」の取り込みを図ると共に、海外は出国者・入国者の多い国を中心に展開していく考えで、韓国・台湾といった近隣の需要国に加え、2016年11月にロサンゼルスでサービスを開始した米国での事業展開が当面のポイントになる。
 
旅行関連サービスプラットフォーム
インターネットが自由に使えるだけで海外渡航中の課題が全て解決できる訳ではない。同社は「海外渡航中も母国にいる時と同じように生活できる事が理想」と考えており、その実現を目指して旅行関連サービスプラットフォーム戦略を推進していく。
この一環として、「グローバルWiFi」の利用者向けに、「海外レストラン予約サービス」を開始した他、2017年4月下旬にはウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」のレンタスサービスを開始する。「海外レストラン予約サービス」はPCやスマートフォンで簡単に海外レストランの予約ができる。一方、「ili(イリー)」は、資本業務提携先である(株)ログバーが開発したウェアラブル翻訳デバイスで、話した言葉を瞬時に音声翻訳できる。大音量でクリアな音声のため、旅行中の外出時や人混みの中でも、きちんと翻訳音声が聞こえ、一般的な会話はもちろん、旅行中の買い物、トラブル時、レストランなど様々なシーンで利用が可能。日本語、中国語、英語の3か国語への言語対応でサービスを開始し、2017年夏には韓国語にも対応する等、順次、対応言語を増やしていく。「CES 2016 INNOVATION AWARDS HONOREE」を獲得する等、そのコンセプト、技術はグローバルレベルで高い評価を受けている。尚、CESは世界最大のコンシューマープロダクトのテクノロジー関連のイベント。28のカテゴリー毎に「INNOVATION AWARDS HONOREE」が贈られる。
 
 
情報通信サービス事業
ポイントは、①成長可能性の高い新設法人(スタートアップ)の開拓と②「ストック型ビジネスモデル」の推進、の2点。①については、幸い、政策による追い風もあり、日本の法人設立数は増加基調にある。②については、独自ノウハウのCRM(顧客関係・継続取引)による顧客フォローで、顧客個々の成長ステージに応じた最適なソリューションを提供し、売上高・利益を積み上げていく。

「Webマーケティング×営業×CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」による生産性モデルを追求していく。独自のノウハウによるWebマーケティングにより需要が顕在化している企業を集客し、専門部隊による営業で高い獲得効率を実現し、潜在需要を掘り起こし取引を拡大させていく。更に、CLTによる顧客フォローで継続取引につなげ、追加ニーズを取り込んでいく。
 
 
(3)株主還元
同社は株主への感謝の気持ちを表すと共に同社グループの事業に対する理解を深めてもらう事を目的に、株主優待として、「グローバルWiFi」が利用できる「株主優待券」を贈呈している。
 
 
 
佐野社長に聞く
 
新宿アイランドタワー(東京都新宿区)内にある本社にお邪魔して、急成長を続けている同社の強みや成長戦略等、佐野社長にお話を伺った。
佐野社長は鹿児島県の出身。(株)光通信で西日本ブロックの責任者や全国統括の責任者等を歴任された後、25歳の1995年6月に同社を立ち上げた若手経営者。起業家・創業者の世界的ネットワーク組織「EO(Entrepreneurs' Organization:起業家機構)」の日本代表の経験を有し、現在もアジア経営者連合会の理事職にある等、社外ネットワークも幅広い。
 
【佐野社長の思いと企業文化】
株式会社ビジョンを立ち上げる前に、当時は厳しい営業で知られた光通信(証券コード9435)で業務経験を積まれました(トップセールスとして第一線でご活躍された後、大阪支社の立ち上げを主導し、その後、西日本ブロックの責任者や全国統括の責任者等を歴任)。
光通信で学んだ事が当社の基本的な軸になっています。ある面では学び、ある面では我々があるべき姿を考える上での参考になっていると言った方がいいかも知れません。

目標とする数値に対する姿勢等で学ぶべきところは多いのですが、営業効率の追求と言う面での違いは大きいと思います。我々はWebマーケティングを重視して、売るのではなく、お客様に来てもらう、お客様から選んでもらえる仕組み作りに力を入れています。Pushで売っていくと言うスタイルではなく、我々のメディアを見て、比較検討したい、合見積もりをかけたい、と言う購買意欲のある方に来てもらうと言う仕組み作りです。もちろん、こちらからPush するケースもあります。ニーズが顕在化しているお客様にはネットでアプローチをかけ(Pull)、ニーズが顕在化していないお客様に対してはターゲッティングして絞り込んでアクションをかけていきます(Push)。また、営業を効率化して一人当たりの生産性を高め、その分を価格に反映させ、お客様に還元すると言う企業努力も続けています。目標達成に向けたマインドは学ばせてもらっていますが、ユーザビリティの追求や企業文化は独自に積み上げてきたビジョン・オリジナルです。
 
Pull型のWebによる集客では相手を選べません。必ずしもターゲットとする相手にアプローチできないのではありませんか?
通常、営業に来たから、近くに販売店があるから、と言った理由で購買するお客様が多いと思いますが、調達コストを抑えるために自ら動くお客様(ニーズが顕在化したお客様)は、Webで検索する等の努力をされます。このため、Webマーケティングの巧拙がニーズの顕在化したお客様を取り込むポイントになります。必要としているお客様に必要なものを買って頂くのですから営業マンのマインドも上がります。
また、マーケティングの結果から、調達コストを抑えるために自ら動くお客様が事業拡大意欲の強いお客様と重なる事も、わかっています。事業拡大に伴い新たなニーズが顕在化してくるので、こうしたお客様との取引は、単発的な取引で終わらず、長期的なストックの収益となって積み上がっていきます。

ただ、我々のお客様はスタートアップ企業が多く、コスト意識も強いため、既にお話したように価格を抑える企業努力を絶えず続けています。例えば、我々が扱っているコピー機はトップブランドの商品です。同じ商品を取り扱っている販売会社は多いのですが、お客様への販売価格は販売会社によって様々です。我々は営業を効率化して一人当たりの生産性を高め、その分をお客様に還元するための企業努力を続けています(注:同社を選ぶ事で最大40~70%のコピー機のコスト削減が可能)。粗利が多く取れる商品だから、といった理由で取扱商品を選ぶのではなく、また、安価な商品を扱って営業トークでバリューを付けている訳でもありません。満足度の高いトップブランドの商品を、“高く売らない”、と言うポリシーの下で販売しています。

ユーザビリティや営業の効率化(コストダウン)と言った研究を続けてきたところに我々のストロングポイントがあり、また、企業文化として大切にしています。目先の収益を考えると別の方法があるのでしょうが、お客様の満足度が高いため、長い目で見れば販売台数に反映されてストック化していきます。お客様には、できるだけ成長投資に資金を振り向けてもらい、我々はお客様の成長を取り込んで成長していけるようにと考えています。
 
なるほど、今のご説明に御社の強みや佐野社長の思いが凝縮されているように思います。ところで、佐野社長は鹿児島県のご出身ですが、光通信で4年を過ごされた後、縁もゆかりもない静岡県富士宮市で起業しました。
光通信さんの競合になるつもりはありませんでしたし、事業として確立したものがあった訳でもありません。手探りで仲間たちと一緒に事業を作っていったと言う感じです。富士宮市は工業団地(注:富士宮鉄工団地、富士宮北山工業団地、富士山南陵工業団地)があり、外国人労働者、特にブラジルの方が多い土地柄でした。彼らと出会って、彼らの悩みを聞いてみると、「電話料金(国際電話)の高さ」と言う事がわかりました。そこで、規制緩和を受けて新規参入した国際電話会社(新国際電電)と契約して、国際電話サービスの普及をお手伝いさせて頂きました。スペイン語とポルトガル語のコールセンターを作っての業務開始です。
 
全く知らない土地でゼロからのスタートを切り、最初に手掛けた事業で大成功を収めましたが。
パートナーである国際電話会社への感謝の気持ちを忘れずに、担当者の方に恩返しができるようにと考えながら事業に取り組みました。恩返しするためには正しく努力する必要があり、地道な努力が実を結んだという事ではないでしょうか。数人で始めた会社が、今では社員数約600名の会社に成長しましたが、この間、「真面目に地道な努力を続けていく」と言う企業文化を、しっかりと根付かせる事ができたと思っています。
 
【情報通信サービス事業とグローバルWiFi事業】
2001年にはOA機器販売に参入しました。通信事業とは関連性が薄いようにも思われますが?
インターネットの普及により、コミュニケーションの手段が電話からEメール等に徐々にシフトしていきました。国際電話サービスは厳しくなっていきましたが、その頃には、KDDIさんと市外電話サービスの代理店契約の下で取り組んでいた同サービスの法人営業が軌道に乗りつつありました。法人営業をしていると、ビジネスフォンやコピー機で声をかけられる事が多く、ニーズの強さを感じていました。もともと光通信時代にOA機器の事業部長を経験していたので事業のロジックを理解していた事もあり、ニーズに合わせてクロスセルを拡大させていこうと考えました。コピー機、ビジネスフォン、ホームページ作成、携帯電話、セキュリティ等へ取扱商品が広がっていきました。(情報通信サービス事業は)利益率も悪くはありませんが、利益率は売上構成によって変化します。これまで、単価が高く法人向けでまとまった数量が出る携帯電話販売の影響で売上が大きく増減する事がありました。
 
情報通信サービス事業は商社ビジネスであると思いますが、利益成長率・利益率共に、いい意味で商社ビジネスのイメージとは異なります。
当初は、電話でアポイントをとり、全国の営業所から営業担当者が訪問していましたが、2004年頃からWebにシフトしていきました。こちらから電話してアポイントを取るお客様とWebで集客したお客様とは違うと言う事が徐々にわかってきたからです。当時はアナログ的な分析でしたが、事業が拡大し追加の購入や新たなニーズが発生してくるお客様へのアプローチの仕方です。今でも、こちらから電話してアポイントを取る営業は行っていますが、ターゲットを(スタートアップに)絞り込んで行っています。毎月1,500社程度、スタートアップのお客様が増えていますから、日本で誕生する会社の6社に1社が当社のお客様になっている計算です。

法人営業の場合、Webでマーケティングしても、最終的にはお客様のところへ足を運ぶ必要がありますから、知的生産性の向上と共に労働生産性の向上も常に意識しています。労働生産性の高さが情報サービス事業の利益率の高さにつながっています。利益率が高いと言っても、高く売っている訳ではありません。例えば、コピー機での価格面での優位性は営業担当者1人当たりの販売台数の多さによるものです(注:同社の営業マンの販売台数は、通常、業界で優秀とされる営業マンの販売台数の3~5倍と言う)。また、コピー機は保守料が不透明で、安いのか、高いのか、お客様にはわかり難い面がありますから、当社は、価格面での優位性を維持できるように上限価格を設定しています。このため、お客様の満足度は高く、解約率は業界の中で断トツの低さだと自負しています。

個々の商品を考えると、本来、レッドオーシャンかもしれませんが、ターゲットとしているスタートアップはブルーオーシャンです。価格優位性を有し、しかも複数の商品で取引があれば、他社が入り込む余地は少ないのではないでしょうか。
 
グローバルWiFi事業は、どのような経緯で始められたのでしょうか。
グローバルWiFi事業は2010年1月に開始した国内出張及び旅行者向けポケットWiFi「e-ca」がビジネスモデルの基礎になっています。起業家・創業者の世界的ネットワーク組織「EO(Entrepreneurs' Organization:起業家機構))」の皆さんと世界を回った際、通信速度の遅さ、利用エリアの狭さ、料金の高さ等、海外旅行の際の通信環境の悪さを痛感した事がきっかけです。マーケティングをしてみると、世界中の方がグローバルWiFiのようなサービスを待っている事がわかりました。「グローバルWiFi」は、海外の通信会社と提携して、当社のSIMとローカルのネットワークによる快適な通信環境を提供するサービスで、「e-ca」の世界版です。

参入時に既にサービスを提供していた会社が2社ありましたが、当時ベンチマークしてみると、ユーザビリティの面で課題があり、グローバルに通信事業者とタイアップしながら高品質な正規サービスをつくろうと思いました。グローバルWiFi事業のサービスは、MVNO(仮想移動体通信事業者)によるものとホールセールにより仕入れた回線を活用しているものの2つがあります。事業展開に際して、時にはフランス語でレポートを作成し、時には英語で日本の総務省に相当する各国の省庁の担当者や通信事業者担当と交渉しました。また、強い通信品質へのこだわりをもっています。今でも、世界中のどこかで回線の通信チェックが行われているはずです。通信品質が悪いと声があがった地域があれば、スタッフがその国に出向き、そのエリアの利用を別のキャリアに変更する等、すぐに対応します。日本でも、高品質の通信を実現するために、沖縄等、エリアによってキャリアを変えています。国際ローミング回線は、需要が非常に少ないエリア以外、通常使いません。(注:国際ローミングは、通常、現地キャリアの余剰回線が割り当てられるそうだ)。提供価格は、国際ローミングよりも概ね7割くらい安い価格でサービスを提供しています(注:学生等グループ旅行客は、この割安なサービスを同時接続数2~3人で使うと言うから大変な安さだ)。
 
仮に新規参入できたとしても、同じレベルの品質でサービスを提供する事は難しそうですね。
難しいと思います。我々はコストと時間をかけてきていますから。表面的には真似できたとしても、同じ品質でのサービスは難しいでしょう。回線の仕入れ価格はもちろんのこと、通信をつかさどる諸条件について、キャリアと交渉していますが、それも交渉できるだけの販売実績があるからです。トラフィックの制限を含めて当社との差は大きいはずです。見た目は一緒でも、中身が違います。
サービスにかかるコストは、回線の仕入れの他、端末、付属品、電池、更にはロジスティックにかかるもの等、様々ですが、いずれもスケールメリットが効きます。ただ、リピート率を上げていくためには良いものを使って頂く事が必要ですから、安ければいい、という訳ではありません。当初、端末の電池の持ちが急激に悪化したことがありました。すぐに対応して入れ替えました。3~4人で使いますから想定以上に電池の消耗が早かったようです。
他にも、例えばコールセンターの運営にかかるコストは顧客増加に応じて増加傾向でしたが、AIの導入等で抑制し、増員しないまま対応できるなどの工夫をしています。
 
法人の比率が約50%を占めている事も御社の特徴です。
おっしゃる通りです。情報通信サービス事業で法人営業に取り組んできましたから。個人のお客様の利用には、年末年始、卒業旅行、ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィークと季節性がありますが、本来、グローバルWiFi事業は平準化して稼働率をあげていく事がポイントになります。このため、年間を通して安定した需要が見込める法人の利用が50%と言うのは大きいです。もちろん法人営業だけではなく、Webサイトから申し込まれる法人のお客さも少なくありません。他社からの乗り換えの際は、Webサイトから申し込まれるケースが多いようです。
 
「アウトバンド」、「インバウンド」、「海外to海外」、と順次取り組みを進めていく訳ですね。
現在は売上の大半が「アウトバウンド」です。「インバウンド」は「NINJA WiFi」が2年目を迎えた昨年(15/12期)から伸び始めましたが、未だ売上の金額自体は少ないです。アウトバウンドもそうでしたが、リピーターが下支えして、その上に新規が上乗せされてくる3~4年頃からが本格的な拡大期です。需要が平準化され、稼働率が上がってくるため利益貢献も大きくなります。訪日外国人も増えているため、インバウンドは、これからが楽しみです。アウトバウンド向けで整備した国内カウンターが利用できる事も強みです。インバウンドは日本から全世界へのマーケティングはもちろん、海外でも行っています。

「海外to海外」では、台湾と韓国が伸びており、既に黒字です。台湾は直営と卸(FC)で事業展開しています。タイと中国はFCで展開しており、タイのFCが香港とマレーシアにも展開しています。アジアは主にパートナーが事業展開し、我々は2016年 7月にカリフォルニア州ロサンゼルスに子会社を設立したアメリカに注力していきます。スモールスタートですが、ロサンゼルスでうまくいけば、アメリカでのビジネスを拡大させる事ができると考えています。国土が広く、滞在期間が長く、通信事業者の提供するローミング料金も大変高額な国であり、アメリカは魅力的で、「海外to海外」の本丸です。投資家の皆さんと話をしていると、「サービス業の海外進出はもうからない」と言うイメージをお持ち方が多い様ですが、台湾と韓国が既に黒字の様に、そんな事はありません。イメージを変える努力が必要かもしれませんね。
 
 
【成長戦略】
よくわかりました。それでは、成長戦略についてお聞かせ下さい。

グローバルWiFi事業 : アドオン・ビジネスで差別化
グローバルWiFiの利用者を伸ばしていく事はもちろんですが、海外旅行での“困りごと”はインターネットだけではありません。海外に行った時も国内に居る時と同じように不便を感じる事なく自由にアクティブに活動でき、楽しめる環境の整備に取り組んでいきます。2017年春のサービス開始を予定している翻訳デバイス「ili(イリー)」はこの一環です。昨年秋に「ili」の開発元である(株)ログバーに出資して、彼らの開発を支援してきました。旅先で困った時の会話等は普通にできるレベルに仕上がったので期待して頂きたいと思います。

また、旅行先でレストランの予約をする際も言葉の壁があります。このため、予約を代行するサービスを始めました。現在、ラインナップしている店舗が1,900店舗ありますが、これ以外の店舗での予約にも対応しますし、指定されたエリアでのおススメ店舗を探しての予約代行、団体利用や個室希望に対応した予約代行もできます。こうした旅行券や宿泊先の予約代行等も1件500円(注:大手の旅行会社等では3,000円程度かかると言う)で行っていきます。このサービスを大きく育てていきます。

将来的には、こうしたアドオンのビジネスが主流になっていくかもしれません。インターネットは目的ではなく、手段ですから。そうなると、競争する相手も変わってくるでしょう。翻訳デバイスを用意して、様々な予約ができて、ハイスペックで、しかも廉価に提供することで、既に差別化が進んでいます。新規の需要開拓に力を入れますが、認知度が高まれば、これまで他社をご利用していたお客様の流入も期待できるのではないかと考えています。
 
情報通信サービス事業 : 多様な商品ラインナップと経営努力によるコストダウンでスタートアップを取り込み
情報通信サービスではインターネットからのお客様を増やしていきたいのですが、世に遍く知ってもらうためにはインターネットとは違う角度でプロモーションを行っていく必要もあります。リアルなところ、紹介等も含めてアナログ的な手法も必要であり、スタートアップを支援する施策等も考えています。SOHO向けのオフィスやシェアオフィス等のサポートが、その一つで、多くのスタートアップの方に知ってもらえるところにリーチをかけるチャネルを作っていく事がテーマの一つです。必ずしもスタートアップが対象になりませんが、事務所の移転時はビジネスチャンスです。移転に際しては機器の入れ替えや各種工事が発生しますが、工事の費用等が割高なケースが少なくありません。ポリシーである「高く売らない」等、我々の姿勢を知ってもらえれば、もっとお客様を増やす事ができると考えています。リピーターがあるので仕事は増えていくのですが、上昇の角度を上げるため、スピードアップのために様々な試みを進めていきます。

商品・サービス別では、過去数年間の業績寄与が大きかった携帯電話に大きな期待ができなくなってきました。総務省の意向を受けたキャリアの政策変更で、今後、販売台数を大きく伸ばす事は難しいと思います。既に法人で10万台超の顧客保有台数があるため、そこをしっかりと守っていきたいと思います。今後伸びる分野としては、セキュリティ(UTMの販売)に期待しています。UTM(注:統合脅威管理)とは企業内ネットワークに侵入しようとするウイルスを検知・ブロックする役割を果たします。ウイルス対策ソフトはパソコン内に侵入したウイルスを検知・駆除しますから、UTMの設置で外部セキュリティ対策、ウイルス対策ソフトで内部セキュリティ対策、とネットワークの内外でセキュリティ対策を行う事ができます。

また、ホームページ制作も高額な制作業者が多いため、適正価格で営業すればシェア・アップの余地が大きいと思います(注:他社の1/4~1/5の価格で十分利益が出ると言う)。コピー機は5年間キャノンのコピー機販売で純増数No.1を続けており、今後も伸びると思います。ただ、携帯電話の様に数が出るものではありません。販売台数の積み上げで、保守料が安定的に増えていく事業です。ビジネスフォンも伸びています。スタートアップの取り込みが順調な事もありますが、圧倒的な価格競争力が強みとなっています。ビジネスフォンは1台70万円程度で法定耐用年数は7年間です。このため通常7年リースで導入しますが、スタートアップの場合、事業拡大に伴い、リース期間中に機種変更等の必要が生じる事が多く、リース期間中に解約すると重い負担が発生します。このため、当社は中古電話機を扱い、工事費込み1台5万円で販売しています。工事部隊をグループに持ち、工事の内製化によるコストダウンにも取り組んでいます。ただ、まだまだ知名度が低いので、多くのスタートアップに知ってもらえるような活動をしていく必要があります。

法人営業の場合、最終的にはお客様のところへ足を運ぶ必要がありますから、地方の販売店等でM&Aの話があれば、検討したいと思います。
 
【投資家の皆様へ】
高成長の背景には、市場の拡大だけでなく、綿密なマーケティングと工夫、地道なコストダウン等、様々な企業努力がある事がわかりました。高成長は高い戦略性に裏打ちされている訳ですね。最後に投資家の皆様へメッセージをお願いします。
当面は成長投資をしっかりやりながら、利益を増やしていく事が大切であると考えています。このため、現在、配当による株主還元については考えておりません。「ili」や予約サービス等、日本発の世界的なサービスを作り上げていく事は簡単な事ではありませんが、チャレンジすればできない事ではない、との思いです。多くの方にご利用頂けるサービスとして作り上げ、そのリターンを投資家の皆様にお返していきたいと思います。ご理解頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
 
今後の注目点
13/12期には19億円弱だったグローバルWiFi事業の売上が16/12期は79億円弱に拡大した。伸び盛りのグローバルWiFi事業だが、市場の拡大もさる事ながら、高品質・低価格の実現に向けた地道な企業努力が高成長の背景にある。今後、利用者を増やしていく事はもちろんだが、様々なサービスと組み合わせて付加価値を付ける事で、潜在成長力を更に高めると共に他社が容易には追従できない体制を構築していく考え。利益はしっかり確保するが、「高くは売らない」と言うポリシーの下で進める「Only One事業者」としての取り組みに注目していきたい。高品質・低価格の実現に向けた地道な企業努力は情報通信サービス事業も同様。イメージ的には地味な事業であるが、高い収益性を維持しつつ、成長を続けている。両事業共に、利益はしっかり確保するが、「高くは売らない」と言う同社のポリシーが浸透している事が強みだ。佐野社長にお話を伺って、高成長の背景に合理的で論理的な思考と戦略がある事がよくわかった。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2017年01月16日
基本的な考え方
当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-1-3 取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】
最高経営責任者等の選定においては、都度変化する経営環境の中、経営理念や経営戦略に沿った形で、候補者の人格、知識、実績等を勘案して相応と認められる者の中から取締役会で選定する等、十分に議論してまいります。後継者の計画の監督については今後の検討課題といたします。

【原則4-8 独立社外取締役の有効な活用】
当社では、現時点で1名の独立社外取締役を選任しております。今後については、更なる事業の多様化等を見据え、経営者の監督の機能をより高めるため、平成29年3月の定時株主総会での選任を目処に更に1名の社外取締役の人選を進めてまいります。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社では、中長期的な企業価値向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。なお、現時点において、政策保有株式は保有しておりません。
【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社では、会社経営の健全性の観点より、関連当事者との取引を開始する際には、留意すべき必要性が高いことを認識し、その取引が当社グループの経営の健全性を損なってはいないか、その取引が合理的判断に照らしあわせて有効であるか、また取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、稟議規程、職務権限規程等に則り、取締役会決議等、適正な決裁を受けることとしております。なお、関連当事者取引等を把握するため、役員就任時及び事業年度末に全役員対象に関連当事者リスト及び取引の有無に関する調査票の提出を求めております。

【原則3-1 情報開示の充実】
(1)当社の経営理念や経営戦略等は、当社ホームページ等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、コーポレート・ガバナンス報告書及び有価証券報告書にて開示しております。
(3)各取締役の報酬額は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、当社の業績や会社への貢献度等を勘案し取締役会にて決定しております。
(4)経営陣幹部の選任と取締役及び監査役候補者の指名を行うに当たっては、各人の知識、経験、能力等を総合的に勘案し、取締役会にて決議しております。
(5)各社外役員候補者の選任理由については、株主総会招集通知の参考書類にて開示しております。なお、今後は、全ての取締役及び監査役候補者の選任理由について開示する予定です。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、社長またはIR担当役員が出席する説明会を年に2回以上開催しているほか、随時機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。