ブリッジレポート
(9416) 株式会社ビジョン

東証1部

ブリッジレポート:(9416)ビジョン vol.2

(9416:東証1部) ビジョン 企業HP
佐野 健一 社長
佐野 健一 社長

【ブリッジレポート vol.2】2017年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「グローバルWiFiは海外旅行でのインターネットに関する“困りごと”を解決するサービスであり、引き続き高い成長が見込まれる。しかし、海外旅行・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年5月23日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ビジョン
社長
佐野 健一
所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 14,843 1,290 1,298 813
2015年12月 12,485 804 807 585
2014年12月 10,185 286 324 275
2013年12月 9,203 10 29 75
株式情報(5/17現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
4,935円 8,126,700株 40,105百万円 11.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 128.81円 38.3倍 900.64円 5.5倍
※株価は5/17終値。ROE、BPSは前期末実績。
 
ビジョンの2017年12月期第1四半期決算と業績見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「世の中の情報通信産業革命に貢献します」と言う経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能なパケット定額制WiFiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビューターとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。

国内外の連結子会社14社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎやOA機器販売を手掛けるベストリンク(株)の2社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、ハワイ、香港、シンガポール、台湾、英国、上海、フランス、イタリア、カリフォルニア、ニューカレドニアの現地法人11社とシステム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人1社。
 
 
【事業内容詳細】
グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWiFiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」や、訪日外国人等へ日本国内で利用できるWiFiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。
利用者は、同社が運営するWebサイト(アフィリエイト経由を含む)、アプリ、法人セールス、パートナー(旅行代理店、保険代理店、クレジットカード会社等の提携企業)を介してサービスを申し込み、空港・港カウンター計15ヶ所でWiFiルーターを受け取る。顧客は、一般消費者、上場企業、官公庁、地方自治体、大学、大使館、外資系企業等で、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている。

尚、法人セールスは、諸官庁や海外出張が多い企業等を対象にしたもので、法人登録が必要だが、利用申し込みの手続きが簡単な上、割引や会社請求等の特典が付与される。また、パートナー企業である、提携企業や販売代理店契約・フランチャイズ契約を結んだ協力会社を介してのサービス提供も行っている(情報通信サービス事業も同様)。
 
強み
強みとして、定額制かつ強い価格競争力、業界最多のカバレッジ、高速通信による快適さ、安心・安全、及び法人営業力を挙げる事ができる。具体的には、携帯電話会社との比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、カバレッジは業界最多クラスの200以上の国と地域。また、世界中の通信事業者との提携により、高速で快適な利用環境を実現している(日本と同じ高速通信規格4G-LTEに対応している国・地域も業界最多クラス)他、暗号化された通信で接続するためセキュリティも万全。既に説明した通り、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている事も強み。
 
情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国7か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、コピー機・複合機、電話回線、ビジネスフォン、法人携帯、ブロードバンド回線等、各種通信サービスの加入取次ぎ、移動体通信機器・OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売、及びホームページ制作等のサービス提供を行っている。
 
強み
強みは、Webマーケティング戦略による効率的な営業とノウハウを活かしたCRM。Webマーケティングにより集客を行い、これに基づく営業で高い受注率を実現し、その後のカスタマーサポート等による継続コンタクトでリーピートオーダーの取り込みにつなげている。具体的には、主要ターゲットである新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)を年間18,000社以上新規取引先として開拓しているなど、成長ステージにあった最適なサービスを最適なタイミングで提供すると共に、機器の追加需要を取り込んでいる。回線の取次であれば、サービスを解約しない限りキャリアから手数料が得られるし、複写機等であれば保守料を継続的に得る事ができ、顧客の成長と共に回線数や機器の台数の増加も期待できる(ストックビジネス化)。
 
成長ステージに応じた最適なサービスを、最適なタイミングで提供していく(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)情報通信サービス事業は、収益が積み上がっていくストック型モデルの事業である。
 
 
2017年12月期第1四半期決算
 
 
前年同期比24.1%の増収、同64.0%の営業増益
売上高は前年同期比24.1%増の43億26百万円。第1四半期(1-3月)は、学生旅行シーズンや桜シーズンである事に加え、旧正月(春節)を迎える中国からの旅行者も増加する繁忙期。「アウトバウンド」・「インバウンド」共に取り込みが進み、収益性の大幅な改善を伴って売上が伸びた。また、安定成長を続ける情報通信サービス事業も、主要ターゲットである新設法人・ベンチャー企業の獲得とCRMによる継続取引の積み上げが順調に進んだ。
利益面では、増収効果に加え、グローバルWiFi事業における通信原価・オペレーションコスト効率化の継続的な取り組みの成果や、情報通信サービス事業におけるチャネル強化やCRM施策等によるストックモデル化の効果で売上総利益率が58.3%と0.9ポイント改善。事業拡大に向けた販管費の増加(販管費率は48.4%から46.4%に低下)を吸収して営業利益が第1四半期の過去最高を更新した。
 
 
 
グローバルWiFi事業
売上高25億05百万円(前年同期比40.7%増)、セグメント利益4億66百万円(同84.4%増)。卒業旅行等の個人利用、出張等の法人利用共に取り込みが進み「アウトバウンド」が増加する中(法人利用率は件数ベースで41.1%、金額ベースで48.4%)、「インバウンド」も、市場拡大と観光シーズン(旧正月、桜シーズン)到来によるビジネスチャンスを認知度の向上で捉えた。新規顧客獲得とリピート利用者の積み上げで売上が増加する中、通信原価やオペレーションコストの効率化効果が顕在化し収益性の改善が一段と進んだ。
 
情報通信サービス事業
売上高18億10百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益2億82百万円(同6.8%増)。「Webマーケティング」、「CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」、「営業部」の3チャネルの強化が成果を上げた事に加え、ストックモデル化の仕組み作り(CRM施策等)やアップセル・クロスセル戦略も進展。主要ターゲットである新設法人・ベンチャー企業の開拓と継続取引の積み上げで売上が増加した。

尚、同社は、「Webマーケティング」により受注に結びつきやすい顕在需要を効率的に取り込み、サービス提供の要である「CLT」によって既存顧客の要望を吸い上げ、課題を浮き彫りにする。そして、「営業」が、この2つのチャネルで獲得した潜在顧客や既存顧客のニーズを踏まえた提案営業を実践する事で受注率を高め、高い生産性を実現している(営業利益率:16/12期1Q15.5%→17/12期1Q15.6%)
 
 
 
業容の拡大に伴い、第1四半期末の総資産は101億93百万円と前期末に比べて2億58百万円増加した。自己資本比率は75.1%(前期末73.6%)。流動性に富んだ優れた財務体質が同社の強みであり、流動比率は理想とされる200%を大きく上回る330.7%(前期末312.7%)。同社は、既存事業の拡大と新規事業の育成に、この資金を有効活用していく考え。「日本発の世界的なサービスを作り上げ、そのリターンを投資家の皆様にお返していきたい」(佐野社長)としている。
 
 
成長戦略と2017年12月期第1四半期の取り組み
 
グローバルWiFi事業においては、世界中の国境を越える渡航者をターゲットとして、「アウトバウンド(第1ステージ)」、「インバウンド(第2ステージ)」、及び「海外⇒海外(第3ステージ)」の各ステージで事業の拡大を図る。また、旅行関連サービスプラットフォーム(情報メディア・サービス)戦略を進め、各ステージとのシナジーが期待できる新たな成長の芽を育てていく。
一方、情報通信サービス事業においては、「Webマーケティング」、「CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」、「営業・パートナー」の3つの販売チャネルの強化と商品・サービス・ビジネスモデルの強化に取り組んでいく。
 
 
【2017年12月期第1四半期の取り組み】
旅行関連サービスプラットフォーム戦略の一環として、「お役立ち情報(メディア)」や「お役立ちサービス」の提供を開始した。早期の軌道化に向け、約192万人・1,344万泊(※)を誇る「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の顧客基盤を活かしていく考えだ。

「お役立ち情報(メディア)」では、ショップ・免税店、ホテル・民泊、ツアー、保険、クーポン、レンタカー、ゴルフ場、観光スポット、グルメ等の提携先の情報を、動画メディア「DOGA.TV」、ガイドブック「SHINOBI」、更にはカウンター・施設で提供し送客につなげていく。また、「お役立ちサービス」では、ウェアラブル翻訳デバイス「ili」のレンタルサービス(2017年4月30日サービス開始)や海外レストラン予約サービスを提供している。いずれの場合も、利用料金は「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の利用料金と共に決済されるため、提携先は決済の手間を省く事ができる。また、2017年5月には、訪日外国人旅行者向け観光施設「インバウンドタワー」をオープンする。

※ 16/12期実績で、アウトバウンド約142万人・994万泊、インバウンド約50万人・350万泊(同社資料より)。
 
 
 
2017年12月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比12.6%の増収、同24.5%の営業増益
売上・利益共に過去最高の更新が見込まれる。グローバルWiFi事業は日本において、「アウトバウンド」、「インバウンド」の着実な取り込みで増収・増益を目指す。ロサンゼルスの現地法人を中心にした米国での「海外to海外」の拡大や旅行関連サービスプラットフォーム戦略の一環としての新事業の収益も見込まれるが、業績予想には多くを織り込んでいない。情報通信サービス事業については、前期を上回るスタートアップの新規開拓を目指すと共に、既存顧客のニーズにタイムリーに応える事でアップセル・クロスセルにつなげていく。
通期予想に対する進捗率は、売上高25.9%(前年同期23.5%)、営業利益32.0%(同24.3%)、経常利益31.4%(同25.1%)、当期純利益32.7%(同26.1%)。
 
(2)株式分割
株式の投資単位当たりの金額を引き下げ、株数の増加により株式の流動性を高める事で、投資しやすい環境を整えると共に、投資家層の拡大を図る事を目的として2017年7月1日(基準日6月30日)付けで1株を2株に分割する。

株式分割前の発行済株式数     8,138,500株
今回の分割により増加する株式数  8,138,500株
株式分割後の発行済株式数     16,277,000株
 
(3)株主還元
同社は株主への感謝の気持ちを表すと共に同社グループの事業に対する理解を深めてもらう事を目的に、株主優待として、「グローバルWiFi」が利用できる「株主優待券」を贈呈している。また、2017年6月にウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」を一日あたり500円(税抜き)の株主様優待料金で利用できるオプションサービスも開始した(通常は同1,200円)。
 
 
 
今後の注目点
グローバルWiFiは海外旅行でのインターネットに関する“困りごと”を解決するサービスであり、引き続き高い成長が見込まれる。しかし、海外旅行での“困りごと”はインターネットだけではない。このため、同社は、旅行関連サービスプラットフォーム戦略を通して、海外渡航時も国内に居る時と同じように不便を感じる事なく自由にアクティブに活動でき、楽しめる環境の実現に取り組んでいく。現在は、グローバルWiFi事業におけるアドオンビジネスとしての位置付けだが、「インターネットが目的ではなく、手段である事を考えると、将来的には、こうしたビジネスが主流になっていくかもしれない」(佐野社長)と言う。既に同様のサービスを提供している大手企業もあるが、翻訳デバイスを用意して、様々な予約ができて、ハイスペックで、しかも価格競争力を有する事が同社の強み。事業の拡大には認知度の向上がポイントになる。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2017年03月30日
基本的な考え方
当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-1-3 取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】
最高経営責任者等の選定においては、都度変化する経営環境の中、経営理念や経営戦略に沿った形で、候補者の人格、知識、実績等を勘案して相応と認められる者の中から取締役会で選定する等、十分に議論してまいります。後継者の計画の監督については今後の検討課題といたします。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社では、中長期的な企業価値向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。なお、現時点において、政策保有株式は保有しておりません。

【原則3-1 情報開示の充実】
(1)当社の経営理念や経営戦略等は、当社ホームページ等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、コーポレート・ガバナンス報告書及び有価証券報告書にて開示しております。
(3)各取締役の報酬額は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、当社の業績や会社への貢献度等を勘案し取締役会にて決定しております。
(4)経営陣幹部の選任と取締役及び監査役候補者の指名を行うに当たっては、各人の知識、経験、能力等を総合的に勘案し、取締役会にて決議しております。
(5)各社外役員候補者の選任理由については、株主総会招集通知の参考書類にて開示しております。なお、今後は、全ての取締役及び監査役候補者の選任理由について開示する予定です。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、社長またはIR担当役員が出席する説明会を年に2回以上開催しているほか、随時機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。