ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

プライム

ブリッジレポート:(2317)システナ vol.37

(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 会長
逸見 愛親 会長
三浦 賢治 社長
三浦 賢治 社長
【ブリッジレポート vol.37】2018年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高25.2%(前年同期22.9%)、営業利益20.3%(同20.1%)、経常利益20.8%(同19.3%)、純利益20.6・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年8月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
会長
逸見 愛親
社長
三浦 賢治
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年3月 46,255 3,693 3,407 2,197
2016年3月 42,695 3,172 3,208 2,249
2015年3月 36,951 2,226 2,322 940
2014年3月 33,969 1,656 1,746 1,797
2013年3月 31,662 2,244 2,292 1,203
2012年3月 30,630 1,822 1,918 904
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
株式情報(8/1現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,536円 24,385,589株 61,842百万円 15.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
42.00円 1.7% 123.46円 20.5倍 597.17円 4.2倍
※株価は08/01終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
システナの2018年3月期第1四半期決算の概要と通期の業績見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社11社及び持分法適用会社1社と共にグループを形成している。
 
 
【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】
経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。
 
【目標とする経営指標】
・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率
目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
 
【事業内容】
事業は、ソリューションデザイン事業(17/3期売上構成比36.6%)、フレームワークデザイン事業(同9.1%)、ITサービス事業(同13.8%)、ソリューション営業(同38.4%)、クラウド事業(同1.7%)、コンシューマサービス事業(同0.7%)、海外事業(同0.3%)及び投資育成事業(同0.0%)に分かれる(調整額△0.6%)。
 
ソリューションデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)、Systena Vietnam Co.,Ltd.
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「プロダクト」及びワークフロー等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。
 
フレームワークデザイン事業   (株)システナ、(株)ProVision、Systena Vietnam Co.,Ltd.
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。
 
ITサービス事業   (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)
システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。
 
ソリューション営業事業   (株)システナ
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。
 
クラウド事業   (株)システナ
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや本年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。
 
コンシューマサービス事業   (株)GaYa
連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。
 
海外事業   Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、Systena America Inc.
タイの現地法人Systena(THAILAND)Co.,Ltd.、米国の現地法人Systena America Inc.、の3社が事業を進めている。タイの現地法人は、IT機器の販売やITサポートビジネス及びソリューションの提供等を手掛けており、米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査及びインキュベーションが二本柱。
 
投資育成事業
IoT、ロボット、FinTech等の企画・開発・販売を手掛ける戦略子会社(株)インターネットオブシングスと、有料職業紹介事業、人材育成・能力開発のための研修、及び業務アウトソーシング等を手掛ける(株)キャリアリンケージの2社(共に2016年4月1日設立)が新規事業の育成に取り組んでいる。
 
 
中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)
 
【ストラテジー  -自動運転、スマートシティ、ロボット、IoTソリューション-】
今後10年間で最も伸びる分野に経営資源を集中させていく考えで、具体的なターゲットとして、自動運転、スマートシティ、ロボット及びIoTソリューションの4分野を挙げている。4分野は、いずれも無線通信技術が不可欠な事から同社の強みを活かす事ができる。また、ロボットはAIの領域でもあり、今後、幅広い用途や需要が期待でき、この分野でいち早く技術とノウハウの蓄積を図る事の意義は大きい。
 
【中期4ヵ年計画(16/3期~19/3期)  -成長工ンジンの再構築により、
 19/3期の営業利益を2.5倍に-】
(1)重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
 売上高  56,000百万円(15/3期 36,951百万円)  配当   52円  (15/3期 30円)
 営業利益 5,500百万円 ( 同  2,226百万円)  配当性向 40%以上(同 81.0%)
 EPS    130円    ( 同      37円)  ROE   20%  (同 7.3%)
 
(2)主要セグメントの目標と取り組み
ソリューションデザイン事業
車載・ロボット、Webシステム開発・検証の実績を活かした交通・電力といった社会インフラへの展開及びネットビジネスの支援(新たなサービスの創造を支援する)等で、19/3期に売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117.6億円、営業利益10.3億円)の達成を目指している。セグメント全体で売上高を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、中核となる車載・ロボットと社会インフラについては、合計で売上高3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる(売上高19億円、営業利益1.8億円 → 売上高71億円、営業利益8.7億円)。
 
フレームワークデザイン事業
金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等へ水平展開(ワークフロー開発や長期保守)を進めると共に、本部間協業の拡大によるストック型ビジネスへの転換を図り、19/3期に売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42.4億円、営業利益3.9億円)の達成を目指している。売上を15/3期比1.5倍、営業利益を同2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を目指している。
 
ITサービス事業
ヘルブデスクやシステム運用保守で培ったノウ八ウの活用と本部間協業により高付加価値サービスへの転換を図る事で、19/3期に売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)の達成を目指している。高付加価値サービスとは、海外進出支援、ITサポート環境構築、社内システム環境整備、インフラ最適化、スマートデ八イス運用支援等。
 
ソリューション営業
19/3期に売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)の達成を目指している。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高める。当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、オンプレミスのサーバーとクラウドサービスとの連携によるハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大及び本部間連携によるシナジー拡大に取り組んでいく。
 
新企隊本部
新企隊本部を発足させた目的は二つあり、一つは、IoT、セキュリティ、FinTech、ロボティクス、コンテンツをキーワードとする高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネス(ロイヤリティ・ビジネス)の拡大を図る事。この一環として、関係事業を集約し投資効率の向上と営業連携の強化に取り組む。もう一つは、海外事業を早期に軌道に乗せる事。早期の黒字化に向け、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルから、システナ本体との連携強化によるALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルへの転換を図る。19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している(15/3期 売上高9.2億円、営業利益0.4億円)。17/3期は海外子会社が発掘した米国のベンチャー企業と日本での独占販売契約を締結した。18/3期はIoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)と認証&暗号化ソリューション「FIDO」(ストロングオース社)の国内事業が本格化する。
 
 
2018年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比17.1%の増収、同20.6%の営業増益
売上高は前年同期比17.1%増の123億93百万円。成長分野にフォーカスしているソリューションデザイン事業の売上が同9.2%増加する中、クラウドと絡めたモバイル端末のリプレース案件の拡大やシステム開発部門との連携によるBIツール(ビジネスインテリジェンスツール:企業に蓄積された大量のデータを収集・分析するためのツール)を用いたシステム開発及び保守案件の増加でソリューション営業の売上が同33.7%増と伸びた他、「ITサポート」や「インフラ構築」等の高付加価値案件を中心にした請負型業務の新規案件の取り込みでITサービス事業も売上が同7.1%増加した。

利益面では、売上構成比の変化による原価率の上昇や人員増強及びブランド強化に向けた投資等による販管費の増加を吸収して営業利益が8億95百万円と同20.6%増加。投資有価証券売却損や為替差損がなくなった事による営業外損益の改善と税負担率の低下で最終利益は6億19百万円と同46.9%増加した。
 
 
(2)セグメント別動向
ソリューションデザイン事業
売上高43億29百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益3億35百万円(同5.0%減)。大型案件の開発完了の影響で「業務システム」の売上は減少したものの、「車載」、「ネットビジネス」、「スマートデバイス/ロボット/AI」が増加した他、「社会インフラ」が堅調に推移した。ただ、利益面では、車載インフォテインメントでの大型の開発案件に向けた技術者のシフトや育成等の先行投資が負担になった。

「車載」は、車内空間の快適性向上に向けた情報分野(車載インフォテインメント)が堅調に推移する中、自動運転やコネクテッドカー関連の受注が増えてきた。車載インフォテインメントでの大型の開発案件を控え、技術者のシフトや育成等、先行投資を進めた。「社会インフラ」では、航空システム関連の開発が一段落したものの、電力及び公共関連が堅調に推移。防衛関連で新規の案件受注にも成功した。「ネットビジネス」は、通信キャリアの基幹サービス開発やECサイト開発に加え、訪日客増加に伴う決済サービスの開発・評価案件も増加した。「スマートデバイス/ロボット/AI」では、スマートフォンの開発は減少したものの、注力しているロボット及び家電開発に加え、人工知能に関連する開発やIoT関連機器の開発が増加した。
 
フレームワークデザイン事業
売上高10億66百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益1億17百万円(同6.4%減)。売上面では、従来型の金融システムの開発保守業務の減少を保険・銀行における品質強化案件等の増加で吸収したが、利益面では、プロダクト導入サービスの販促強化のための投資負担の影響を吸収できなかった。
 
ITサービス事業
売上高16億23百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益1億53百万円(同14.2%増)。「ITサポート」や「インフラ構築」等の高付加価値案件を中心に売上が増加する中、「ITトレーニング」や「セキュリティ教育」等で新規顧客数の取り込みも進んだ。
 
ソリューション営業
売上高51億34百万円(前年同期比33.7%増)、営業利益2億90百万円(同55.3%増)。クラウドと絡めたモバイル端末のリプレース案件が拡大した他、システム開発部門との連携によりBIツールを用いたシステム開発及び保守案件も増加した。
 
クラウド事業
売上高は1億87百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益6百万円(同68.0%減)。「Cloudstep」で新規顧客開拓が進んだ他、金融機関向けスマートフォン不正送金・フィッシング詐欺対策アプリ「Web Shelter」、「スマートフォン通帳」、「口座開設」アプリが複数の金融機関に採用され増収に寄与した。ただ、前年同期に大型の好採算案件があった反動と新サービスの提供開始に伴う先行投資負担で利益が減少した。
 
コンシューマサービス事業
売上高1億29百万円(前年同期比75.6%増)、営業利益38百万円(前年同期は営業損失14百万円)。人気バーチャル・シンガー「初音ミク」とのコラボ企画が奏功し、昨年11月にリリースした協業タイトル「アルテイルクロニクル」の売上が伸長。売上が損益分岐点を超え、営業損益が黒字転換した。

上記の他、海外事業が売上高31百万円(前年同期比24.6%減)、営業損失38百万円(前年同期は営業損失52百万円)。投資育成事業が売上高0百万円(前年同期比52.8%減)、営業損失9百万円(前年同期は営業損失17百万円)。
 
 
 
2018年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更はなく、通期で前期比6.5%の増収、同19.3%の営業増益予想
売上高は前期比6.5%増の492億53百万円。成長分野での受注好調を背景にソリューションデザイン事業で同7.3%の増収を見込む等、全てのセグメントで増収を見込んでいる。特に海外事業は、米国ベンチャーのIoT関連製品やフィンテック関連製品の日本での販売や、LoRaWANを利用したIoTソリューション(LoRaWAN機器、センサ、IoTルーターの販売を含む)のグローバル展開で売上が大きく伸びるとみている。

営業利益は同19.3%増の44億04百万円。新規事業育成や新規顧客開拓に伴う先行投資に加え、ブランド強化に向けた投資も続く見込みだが、成長分野が伸びるソリューションデザイン事業やサービスの高付加価値化が進むITサービス事業及びソリューション営業の収益性が向上する他、前期は損失を計上したコンシューマサービス事業、海外事業及び投資育成事業の損益が改善する見込み。加えて、営業外損益の改善や税負担率の低下も見込まれる。

配当は6円増配の年42円を予定している(上期末21円、期末21円)。
 
 
ソリューションデザイン事業
売上高181億52百万円(前期比7.3%増)、営業利益21億87百万円(同14.8%増)。引き続き、車載、社会インフラ、インターネットサービス及びロボットの各分野とIoT・AI関連のプロジェクトにフォーカスしていく。車載分野では、車内空間の快適性向上に向けた情報分野(インフォテインメント)、乗用車・路線バス等の安全分野(自動運転)、エコカー(HV・EV)の普及に向けた省燃費分野(エンジン・コントロール・ユニット)に注力していく。社会インフラ分野ではスマートシティ関連の受注に力を入れる。具体的には、航空管制システム、交通・電力・防衛・xEMSの開発プロシェクト、更には公共事業関連を得意とする顧客への展開である。インターネットサーヒス分野では、大手通販企業のeコマース、スマートデバイスを活用したWebビジネス分野及びIoT・AIをキーワードとしたインターネットサービスプロジェクトといった高収益分野にフォーカスしていく。ロボット分野では、サービスロボットに力を入れる。具体的には、サービスロボットを活用したソリューション開発及びコンサルティング、IoT・AIをキーワードとしたロボット活用プロジェクトがターゲットとなる。
 
フレームワークデザイン事業
売上高46億50百万円(前期比10.5%増)、営業利益6億44百万円(同7.9%増)。収益性の高い案件ヘシフ卜すると共に、品質と生産性に磨きをかける。高収益案件としては、損保のシステム再構築や決済サービスをキーワードとしたプロジェクトを挙げる事ができる。また、クラウド関連のプロダクトに加え、企業内に蓄積されたデータの分析ツールの導入支援を商材として新規顧客の開拓にも取り組む。
 
ITサービス事業
売上高69億90百万円(前期比9.8%増)、営業利益7億75百万円(同19.0%増)。「シェア拡大、バイの拡大、売上拡大」を追求すると共に、より高収益なビジネスモデルの構築に取り組む。具体的には、「へルプデスク」、「システムオペレー夕ー」という従来の人材動員力を強みとしたビジネスを脱し、これまでのプロジ工ク卜で培ったノウハウや英語対応力を活かせる「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO]、「LABO」といったサービス単位での請負型業務にシフトしていく。
 
ソリューション営業事業
売上高178億円(前期比0.2%増)、営業利益7億60百万円(同7.1%増)。オンプレミス(自社所有・運用)からハイブリット環境(オンプレミス+クラウド)への対応を強化すると共に、クラウド商材とサービスのセット販売やサービス案件の評価・検証等の新サービスの立ち上げでサービスの拡販を図り、収益力を強化する。また、(株)インターネットオブシングスとの連携を強化してセキュリティをキーワードとするIoT関連商材の拡販を図る。
 
クラウド事業
売上高9億50百万円(前期比19.0%増)、営業利益1億12百万円(同1.8%減)。前第4四半期に多くの引き合いを受けた『Web Shelter』の新サービス「スマートフォン通帳」や「口座開設」が増加する。加えて新サービスとしてクラウドデータベース『Canbus.\キャンバスドット』の提供を開始した。提供開始から多くの申し込みがあり、今後の注力商材としてさらなる投資と営業強化を図る。一方、『Cloudstep』は、サポートメニューの強化や力レンダー機能の強化に伴い既存顧客の単価が上昇する。また、強化したカレンダー機能に対する評価は高く、紹介案件も増加していると言う。CS(顧客満足)専門チームによる顧客フォローの強化で更新率の向上にも取り組む。
 
コンシューマサービス事業
18/3期予想は売上高3億67百万円(前期比8.8%増)、営業利益26百万円(前期 営業損失7百万円)。既存タイトルと受託タイトルで売上の80%を確保する事で収益の安定化を図っていく考え。受託タイトルについては、現行2タイトルの継続的な改善に取り組み、ロングセラータイトルに育てていく。また、3タイトル目の受注にも力を入れる。新規タイトルについては、大規模タイトル1本のリリースを第4四半期に予定している。開発を1タイトルに絞り込む事でリソースを集中させると共に開発コストを抑制する(1タイトル当たりの開発コストは増加するが、2タイトル合計の開発コストを下回る)。
 
海外事業
Systena America Inc.
売上高5億51百万円(前期88百万円、営業損失50百万円(同 営業損失1億58百万円)。LoRaWANを利用したIoTソリューション(LoRaWAN機器、センサ、IoTルーターの販売を含む)をグローバル展開する他、シリコンバレーに進出した日系企業の技術支援や米国ベンチャーのIoT関連製品・フィンテック関連製品を日本での販売にも取り組む。
 
Systena(THAILAND)Co.,Ltd.
売上高8百万円(前期11百万円)、営業損失20百万円(同 営業損失50百万円)。固定費削減に取り組むと共に、「販促支援サービス」や「WEBサイト構築」で新規の顧客(「バングル」の顧客である飲食店以外の事業者)開拓に取り組む。一方、既存顧客の飲食店に対しては、「メニュー製作」、「WEB製作」、SNSを使った「プロモーション支援」等、サービスメニューを広げ、客単価の引き上げを図ることで、上期中の単月黒字を目指している。
 
投資育成事業
(株)インターネットオブシングス売上高26百万円、営業損失10百万円。「FIDO認証」については、日本のFIDO先駆者として既に様々な市場へ提案活動を行っている。「C2M」については、CE52017 (米国)やコネクテイツド・力ーEXPO(日本)に出展し、様々な業界から引合を受けている。「C2M」とは、プラズマ社が開発した全米屈指のIoTプラットフォームであり、(株)システナが日本での独占販売契約を有する。オールインワンのIoTプラットフオームのため、導入すれば直ぐにIoTを始める事ができる。米国では多くの実績を有し、米国の代表的な大都市のスマートシティ計画におけるIoTプラットフオームに選定された他、AT&T、HP、米国大手石油会社、大手物流、大学、医療関係、建設会社等で採用されている。
この他、IoTソリューションとして、LoRaWAN(Low Power, Wide Area)ソリューションも本格化する。既に米国をはじめヨーロッパ、中東、中南米の企業からスマートパーキング、スマートファクトリー、スマートファーム等多数の引き合いを受けていると言う。
 
IoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)
全米屈指のIoTプラットフォーム「C2M」の日本独占販売契約を締結した。オールインワンのIoTプラットフオームであり、導入すれば直ぐにIoTを始める事ができる。米国の代表的な大都市のスマートシティ計画におけるIoTプラットフオームに選定され(今夏にプレス発表の予定)。この他、AT&T、HP、米国大手石油会社、大手物流、大学、医療関係、建設会社等で、IoTプラットフオームとして豊富な採用実績を有する。
 
認証&暗号化ソリューション「FIDO」(ストロングオース社)
世界の中央銀行、大手金融機関、軍事機関が認めた認証&暗号化ソリューションの日本独占販売契約を締結した。某西欧の中央銀行、某中東の中央銀行、イベント切符業界で世界最大級のマーケット・メーカー、US最大級テレコム会社、APAC最大級テレコム会社等、全世界の大手企業での採用実績を有する。暗号化ソリューションだけでなく、ヨーロッパや米国で話題の次世代認証システム(FIDO)の日本企業への提案活動にも力を入れていく考え。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高25.2%(前年同期22.9%)、営業利益20.3%(同20.1%)、経常利益20.8%(同19.3%)、純利益20.6%(同19.2%)。18/3期も順調な立ち上がりとなった。各事業セグメントで取り組みが成果を上げている事が要因であり、第2四半期以降も、収益性の改善を伴った売上の増加が続くと考える。IoTプラットフォーム「C2M」(プラズマ社)によるIoTソリューションや認証&暗号化ソリューション「FIDO」(ストロングオース社)によるセキュリティ・ソリューションと言った米国発の技術を用いた国内展開、LoRaWANを利用したIoTソリューションのグローバル展開といった新規事業で成果を上げる事ができれば、更に評価が高まろう。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2017年06月27日
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であります。なお、旧カテナ株式会社との合併により引き継いだ政策保有株式については、平成29年3月期において全株売却いたしました。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
http://www.systena.co.jp/ir/management_policy/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。