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(9416) 株式会社ビジョン

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ブリッジレポート:(9416)ビジョン vol.4

(9416:東証1部) ビジョン 企業HP
佐野 健一 社長
佐野 健一 社長

【ブリッジレポート vol.4】2017年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は売上高78.8%(前年同期実績74.3%)、営業利益95.8%(同83.4%)と順調。売上高175億円、営業利益18億円程度が・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年11月28日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ビジョン
社長
佐野 健一
所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 14,843 1,290 1,298 813
2015年12月 12,485 804 807 585
2014年12月 10,185 286 324 275
2013年12月 9,203 10 29 75
株式情報(11/21現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,749円 16,277,244株 44,746百万円 11.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 64.41円 42.7倍 485.62円 5.7倍
※株価は11/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ビジョンの2017年12月期第3四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「世の中の情報通信産業革命に貢献します」と言う経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能なパケット定額制WiFiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビューターとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。

国内外の連結子会社14社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎを手掛けるベストリンク(株)の2社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、ハワイ、香港、シンガポール、台湾、英国、上海、フランス、イタリア、カリフォルニア、ニューカレドニアの現地法人11社とシステム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人1社。
 
 
【事業内容詳細】
グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWiFiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」及び訪日外国人等へ日本国内で利用できるWiFiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。利用者は、同社が運営するWebサイト(アフィリエイト経由を含む)、アプリ、法人セールス、パートナー(旅行代理店、保険代理店、クレジットカード会社等の提携企業)を介してサービスを申し込み、空港・港カウンターでWiFiルーターを受け取る。利用者は、一般消費者、上場企業、官公庁、地方自治体、大学、大使館、外資系企業等で、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている。料金の回収は回収代行会社が行うため、同社に回収リスクはない。

尚、法人セールスは、諸官庁や海外出張が多い企業等を対象にしたもので、法人登録が必要だが、利用申し込みの手続きが簡単な上、割引や会社請求等の特典が付与される。また、パートナー企業である、提携企業や販売代理店契約・フランチャイズ契約を結んだ協力会社を介してのサービス提供も行っている(情報通信サービス事業も同様)。
 
強み
強みとして、定額制かつ強い価格競争力、業界最多のカバレッジ、高速通信による快適さ、安心・安全、及び法人営業力を挙げる事ができる。具体的には、国内携帯会社の海外パケット定額プランとの比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、カバレッジは業界最多クラスの200以上の国と地域。また、世界中の通信事業者との提携により、高速で快適な利用環境を実現している(日本と同じ高速通信規格4G-LTEに対応している国・地域も業界最多クラス)他、暗号化された通信での接続による万全のセキュリティと世界51箇所(2017年8月現在)のサポート拠点(24時間365日)。既に説明した通り、安定した需要が見込める法人の利用が約50%を占めている事も強み。
 
 
情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国7か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、コピー機・複合機、電話回線、ビジネスフォン、法人携帯、ブロードバンド回線等、各種通信サービスの加入取次ぎ、移動体通信機器・OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売、及びホームページ制作等のサービス提供を行っている。
 
強み
強みは、Webマーケティング戦略による効率的な営業とノウハウを活かしたCRM。Webマーケティングにより集客を行い、これに基づく営業で高い受注率を実現し、その後のカスタマーサポート等による継続コンタクトでリーピートオーダーの取り込みにつなげている。具体的には、成長可能性の高い新設法人を開拓し、成長ステージにあった最適なサービスを最適なタイミングで提供すると共に、機器の追加需要を取り込んでいる。回線の取次であれば、サービスを解約しない限りキャリアから手数料が得られるし、複写機等であれば保守料を継続的に得る事ができ、顧客の成長と共に回線数や機器の台数の増加も期待できる(ストックビジネス化)。
 
 
成長ストーリー
 
グローバルWiFi事業においては、世界中の国境を越える渡航者をターゲットとして、「アウトバウンド(日本⇒海外:第1ステージ)」、「インバウンド(海外⇒日本、日本人含:第2ステージ)」、「海外事業(海外⇒海外、日本国内利用除:第3ステージ)」へとステップアップしていく。また、並行して旅行関連サービスプラットフォーム(情報メディア・サービス)戦略を進め、各ステージとのシナジーが期待できる新たな成長の芽を育てていく。一方、情報通信サービス事業においては、「Webマーケティング」、「CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」、「営業・パートナー」の3つの販売チャネルと商品・サービス・ビジネスモデルの強化により事業の拡大とストックビジネス化に取り組んでいく。
 
【グローバルWiFi事業】
グローバルWiFi事業では、「アウトバウンド」、「インバウンド」、「海外事業」の各ステップでの利用件数増とシェアアップを図り顧客基盤を拡大させる。また、リピーターの積み上げと法人需要の取り込みで顧客基盤の安定化を図ると共に、アップセル・クロスセルによる単価向上と原価率及び販売管理費率の改善で収益性も向上させる。中期的には、この顧客基盤を活用して、インターネットインフラと関連サービスを提供する旅行関連サービスプラットフォーム事業を展開していく。
 
 
顧客基盤の拡大・リピーターの積み上げ(拡大)
「アウトバウンド」、「インバウンド」の取り込みに加え、海外事業で「海外⇒海外」の取り込みを強化する。海外では、韓国、台湾といった需要国に加え、2016年11月には米国(ロサンゼルス)でもサービスを開始した。2016年の市場規模は、「アウトバウンド」が1,711.6万人・消費額1,198億円、「インバウンド」が2,403.9万人・同1,682億円、合計約4,115万人・同2,880億円。ワールドワイドでは、約12億人・同8兆4,000億円(観光庁資料・国連世界観光機関(UNWTO)資料参照の上、同社が顧客平均単価を基に試算)。

また、50%以上を目標にリピーター率も引き上げる。リピーター率も引き上げは収益の安定化と共に販促費の抑制にもつながる。このため、CRMによるロイヤリティの高い顧客の囲い込みと法人需要の取り込みに力を入れる(17/12期第3四半期累計の法人比率は、件数ベースで43.6%、金額ベースで50.4%)。法人は、高単価で季節変動が少なく、かつリピート頻度も多い。
 
収益性の向上(安定)
収益性向上の一環として、クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術“クラウドWiFi”を搭載した「クラウドWi-Fiルーター」を導入した。「クラウドWi-Fiルーター」は物理的にSIMの挿入を行う事なく世界中の通信キャリアの割り当てができるため、出荷オペレーションの省力化による出荷関連のコストダウンが可能。2017年9月現在、保有するWi-Fiルーターのうち約20%を占めている。利用毎の申込・受取返却手続きが不要で社内に常備できる法人限定プラン「グローバルWiFi for Biz」の提供も開始している。
 
旅行関連サービスプラットフォーム事業(活用)
ガイドブック、販促物配付、動画配信、施設、SNS、メール等を活用して渡航先での活動支援情報を提供する「お役立ち情報(メディア)」と、ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」のレンタルや海外レストラン予約サービス等、海外旅行時の課題を解決する「お役立ちサービス」が二本柱。「お役立ち情報(メディア)」はメディアへの情報提供元(広告主)に送客して手数料を得る広告ビジネスであり、「お役立ちサービス」ではサービスの対価を得る。

「お役立ち情報(メディア)」では2017年8月に中国最大クラスの海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス事業者である北京環球友隣科技有限公司グループでマーケティングサービスを手掛ける友楽国際傳媒有限公司、及び韓国最大クラスの海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス事業者である(株)ワイドモバイルと資本業務提携した。日中韓ナンバーワンクラスのWi-Fiルーターレンタルサービス事業者が協業する事で圧倒的な数の海外渡航者へリーチが可能になった。この強みを活かしてメディアの価値を高めていく考え。

一方、「お役立ちサービス」では、2017年6月に、訪日外国人客に人気の歌舞伎町(東京都新宿区)のゴジラロード沿いにインバウンド観光ビル「歌舞伎城」をオープンした。1階にインバウンドサービス案内所「歌舞伎城」(ビジョン及び提携インバウンドサービス)を設置し、都内各所の観光スポット案内やグルメガイドの他、「NINJA WiFi」、「ili」、及び施設内の体験スペースの受付等を行い、外貨両替やポケットチェンジ(外貨を電子マネーに返還できるサービス)の機器も設置。「NINJA WiFi Travel Guide “SHINOBI”」配布や「DOGA.TV」案内、観光地名産品紹介・販売等も行っている。2階、3階、屋上には、“和”をテーマに酒蔵直送の日本酒を提供する居酒屋「和食酒処歌舞伎城」や「体験スペース」(日替わり体験プラン)を設置し、地下1階にコワーキングスペース「寺子屋」も設けた。
 
 
 
【情報通信サービス事業】
ターゲットとする新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)の開拓に向け、「Webマーケティング×営業×CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)」による生産性モデルを追求していく。具体的には、Webマーケティングで企業を集客し、専門部隊による営業で高い獲得効率を実現し、潜在需要を掘り起こし取引を拡大させていく。更に、CLTによる顧客フォロー(CRM)で継続取引につなげ、追加ニーズを取り込んでいく。
 
企業のための総合支援サイト「ビマケ(Vision Business Market)」をオープン
企業総合支援サイト「ビマケ(Vision Business Market)」を10月5日にグランドオープンした。「ビマケ」は主要ターゲットを、スタートアップ・中小・ベンチャー企業だけでなく、アントレプレナー(新しく事業を起こす人)にも広げ、お役立ち情報、同社サービス、タイアップパートナー商材に加え、各種セミナーなど交流の場を案内する。起業を志した時、法人を設立する、いろいろな経営者の方と交流したい、自社商品をPRしたい、最小限のコストでパフォーマンスを上げたい、事業が成長し手狭になった事務所を移転したい、新しいビジネスを始めたい等、ビジネスに関する様々な要望に応えていく考え。
 
成長ステージに応じた最適なサービスを、最適なタイミングで提供していく(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)情報通信サービス事業は、収益が積み上がっていくストック型モデルの事業である。
 
 
2017年12月期第3四半期決算
 
 
前年同期比19.4%の増収、同43.1%の営業増益
売上高は前年同期比19.4%増の131億77百万円。繁忙期の旅行需要の取り込みが順調に進んだグローバルWiFi事業の売上が同33.5%増と伸びる中、新設法人・ベンチャー企業の獲得、及びCRMによる継続取引の積み上げで情報通信サービス事業の売上が同3.1%増と堅調に推移した。

利益面では、「クラウドWi-Fiルーター」の導入等による出荷オペレーションの効率化でグローバルWiFi事業の原価効率改善が進む中、販売効率の改善で販管費の伸びが抑制され営業利益が15億39百万円と同43.1%増加。デリバティブ評価減がなくなり、営業外費用が減少した他、実効税率も低下し、四半期純利益は10億39百万円と同51.9%増加した。
 
 
 
グローバルWiFi事業
売上高77億55百万円(前年同期比33.5%増)、セグメント利益13億68百万円(同53.0%増)。売上面では、個人旅行需要の取り込み、法人獲得、更にはリピート利用者の積み上げ、といった顧客基盤拡大施策が進展。インバウンド市場の拡大で、韓国、台湾、及び国内各空港等、出店先での需要取り込みも進んだ。インバウンドが大きく伸び個人利用比率が上昇したため顧客単価(ARPU)が減少したものの、レンタル件数の増加で吸収した。法人比率は、件数ベースで43.6%、金額ベースで50.4%
第3四半期(7-9月)の3か月間では、売上高30億22百万円(前年同期比29.8%増)、セグメント利益6億31百万円(同27.7%増)。法人比率は件数40.6%、金額46.7%。

利益面では、旅行関連サービスプラットフォームの拡充や利便性の向上及び認知度向上に向けた先行投資を継続したものの、増収効果に加え、継続的な通信原価とオペレーションの改善施策の成果もあり、利益率が改善した。
通信原価の低減要因としては、①ボリュームディスカウントによる仕入条件の改善(通信料金の単価引下げ及び独自条件での契約等)、②クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術の活用、③精度の高い受注予測による余剰在庫(回線含む)の削減、④オペレーションの改善、⑤AI(人工知能)を活用した問合せ対策によるコールセンター費用の抑制、スマートピックアップ(自動受渡しロッカー)及びスマートエントリー(セルフレジKIOSK端末)の活用と設置場所増設(⇒カウンターコストの低減)等を挙げる事ができ、カウンター窓口の稼働率向上でオプションサービス等の付帯率も向上した。

利便性及び認知度向上に向けた取り組みでは、①通信規格4G-LTE及び大容量プラン等の提供エリアの拡充、②ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」の対応言語追加(韓国語)、③法人向け利用毎の申込・受取返却手続き不要(WiFiルーターの社内常備)、④安価で利便性の高い法人限定プラン「グローバルWiFi for Biz」の提供、⑤中国・韓国最大クラスWi-Fiルーターレンタル事業者グループとの連携(旅行関連サービスプラットフォーム事業)、更には⑥海外の人気・ローカルレストランを日本語で簡単に予約ができるレストラン予約サービス開始(旅行関連サービスプラットフォーム事業)、と言った施策を講じた他、世界最大級旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」へ出展した。
 
情報通信サービス事業
売上高53億79百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益8億86百万円(同10.1%増)。主要ターゲットである新設法人・ベンチャー企業の獲得とCRMによるストックビジネス化及びアップセル・クロスセル戦略による取引拡大で情報通信サービス事業は堅調な推移が続いている。電力の自由化に対応して前期に取り扱いを開始した電力サービス「ハルエネでんき」については、契約社数が月間500社ペースで増加していると言う。
第3四半期(7-9月)の3か月間では、売上高17億86百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益2億87百万円(同17.6%増)。
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて11億60百万円増の110億95百万円。旅行関連サービスプラットフォーム戦略の推進等で先行投資を続けているが、グローバルWiFi事業を中心とする事業構造はキャッシュの獲得能力が高く財務内容は流動性に優れると共に、長期的な安定性も有する。自己資本比率75.6%(前期末73.6%)。
 
 
2017年12月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比12.6%の増収、同24.5%の営業増益
売上・利益共に過去最高の更新が見込まれる。グローバルWiFi事業は日本において、「アウトバウンド」、「インバウンド」の着実な取り込みで増収・増益を目指す。情報通信サービス事業については、前期を上回るスタートアップの新規開拓を目指すと共に、既存顧客のニーズにタイムリーに応える事でアップセル・クロスセルにつなげていく。

尚、株式の投資単位当たりの金額引き下げと流動性向上により投資しやすい環境を整備すると共に、投資家層の拡大を図るべく、2017年7月1日(基準日6月30日)付けで1株を2株に分割した。
 
 
(2)一層の意欲及び士気の向上と結束力の強化を目的に有償ストック・オプションを発行
同社の取締役・従業員及び同社子会社の従業員に対し、有償ストック・オプション(新株予約権)を発行する。目的は、中長期的な業績拡大と企業価値の増大を目指すにあたっての、より一層の意欲及び士気の向上と結束力の強化。公正価格で有償発行され、発行条件は特に有利な条件ではない。また、付与対象者に対する報酬としてではなく、各者の個別の投資判断に基づき引き受けが行われる。
 
「公正価格での発行」、「投資判断に基づく引き受け」、そして「業績による権利行使の制約」
今回発行する有償ストック・オプションの特徴は、既に説明した、「公正価格での発行」と「投資判断に基づく引き受け」に加え、今後の業績いかんで権利行使が制限される事。

具体的には、18/12期に営業利益が21億円を超過し、且つ19/12期に営業利益が26億円を超過した場合に30%の権利行使が可能で、20/12期に営業利益が31億円を超過した場合に更に30%の権利行使が可能。或いは、18/12期から21/12期のいずれかの事業年度において営業利益が36億円を超過した場合に100%の権利行使が可能。

100%の権利行使が可能な営業利益36億円は過去の営業利益水準(16/12期実積:12.9億円、17/12期:予想16億円)から考えて相当程度高い水準。有償ストック・オプションが全て行使された場合、普通株式が8.3%増加し、1株当たり利益が希薄化する。しかし、営業利益36億円の利益目標が達成されれば、営業利益は17/12期予想の約2.25倍に拡大する。このため、同社は目標達成が同社の企業価値・株主価値の向上に資すると考えている。
 
割当日2017年11月30日、払込みの期日2017年12月29日。行使価額は2,589円
新株予約権は2017年11月30日に13,560個で、有償ストック・オプション1個当たりの付与株式数は普通株式100株(付与株式総数1,356,000株)。有償ストック・オプション1個あたりの発行価額は1,600円。行使価額は2,589円、行使期間は、2019年4月1日から2025年3月31日(満期までの期間7.3年)。業績条件を満たした期の有価証券報告書の提出日の翌月1日から行使が可能。
 
権利行使の条件
18/12期の営業利益が21億円を超過し、且つ19/12期の営業利益が26億円を超過  ⇒ 行使可能割合30%
20/12期の営業利益が31億円を超過  ⇒ 行使可能割合30%

上記にかかわらず、18/12期から21/12期のいずれかの事業年度における営業利益が36億円を超過した場合、100%の行使が可能。
 
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は売上高78.8%(前年同期実績74.3%)、営業利益95.8%(同83.4%)と順調。売上高175億円、営業利益18億円程度が着地点と思われる。
日本政府観光局公表の推計値では、7-9月の日本から海外への渡航者は前年同期比3.9%増の499万人、訪日外国人は同18.8%増の743万人。特に、訪日外国人数は、7-9月の各月においてそれぞれ過去最高を記録した。同社のモバイルWiFiルーターのレンタル件数は旅行者数の伸びを大きく上回る成長を続けているが、同社のモバイルWiFiルーターの利用率(シェア)は、海外への渡航者で11.0%、日本人を含む訪日外国人で2.4%に過ぎず、旅行者の増加による成長余地に加え、利用率の向上余地も大きい。また、7-9月の訪日外国人の旅行消費額は1兆2,305億円と巨額で、前年同期比26.7%増と大きな伸びを示している。同社が拠点を置く、韓国や台湾からの旅行者がけん引役となっており、今後、旅行関連サービスプラットフォームとのシナジーが顕在化してくるものと思われる。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2017年08月10日
基本的な考え方
当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-1-3 取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】
最高経営責任者等の選定においては、都度変化する経営環境の中、経営理念や経営戦略に沿った形で、候補者の人格、知識、実績等を勘案して相応と認められる者の中から取締役会で選定する等、十分に議論してまいります。後継者の計画の監督については今後の検討課題といたします。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4 いわゆる政策保有株式】
当社では、中長期的な企業価値向上に資すると認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。なお、現時点において、政策保有株式は保有しておりません。

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社では、会社経営の健全性の観点より、関連当事者との取引を開始する際には、留意すべき必要性が高いことを認識し、その取引が当社グループの経営の健全性を損なってはいないか、その取引が合理的判断に照らしあわせて有効であるか、また取引条件は他の外部取引と比較して適正であるか等に特に留意して、稟議規程、職務権限規程等に則り、取締役会決議等、適正な決裁を受けることとしております。なお、関連当事者取引等を把握するため、役員就任時及び事業年度末に全役員対象に関連当事者リスト及び取引の有無に関する調査票の提出を求めております。

【原則3-1 情報開示の充実】
(1)当社の経営理念や経営戦略等は、当社ホームページ等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、コーポレート・ガバナンス報告書及び有価証券報告書にて開示しております。
(3)各取締役の報酬額は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、当社の業績や会社への貢献度等を勘案し取締役会にて決定しております。
(4)経営陣幹部の選任と取締役及び監査役候補者の指名を行うに当たっては、各人の知識、経験、能力等を総合的に勘案し、取締役会にて決議しております。
(5)各社外役員候補者の選任理由については、株主総会招集通知の参考書類にて開示しております。なお、今後は、全ての取締役及び監査役候補者の選任理由について開示する予定です。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、社長またはIR担当役員が出席する説明会を年に2回以上開催しているほか、随時機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。