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(7776) 株式会社セルシード

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ブリッジレポート:(7776)セルシード vol.30

(7776:JASDAQ) セルシード 企業HP
橋本 せつ子 社長
橋本 せつ子 社長

【ブリッジレポート vol.30】2017年12月期業績レポート
取材概要「18/12期は細胞シート再生医療の事業化と連結損益の黒字化に向けた取り組みを進める。同社の再生医療製品上市第1号となる食道再生上皮シートの・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年3月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社セルシード
社長
橋本 せつ子
所在地
東京都江東区青海二丁目5番10号 テレコムセンタービル
決算期
12月末日
業種
精密機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年12月 100 -1,413 -1,415 -1,414
2015年12月 193 -568 -531 -535
2014年12月 86 -601 -577 -582
2013年12月 105 -534 -581 -584
2012年12月 75 -846 -842 -913
2011年12月 86 -1,418 -1,358 -1,442
2010年12月 66 -1,204 -1,002 -1,009
2009年12月 87 -785 -788 -790
2008年12月 61 -778 -644 -650
2007年12月 40 -809 -614 -616
2006年12月 23 -672 -464 -470
2005年12月 34 -412 -336 -343
2004年12月 53 -257 -214 -215
株式情報(2/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
785円 11,424,292株 8,968百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 3.50円 224.3倍 108.69円 7.2倍
※株価は02/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
セルシードの2017年12月期決算と今後の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
東京女子医科大学の岡野光夫教授が開発した日本発・世界初の「細胞シート工学」を基盤技術とし、この技術に基づいて作製した「細胞シート(シート状の培養細胞)」を用いた「細胞シート再生医療事業」と細胞シートの基盤ツール(培養器材)である温度応答性細胞培養器材及びその周辺製品の研究開発・製造・販売を行う「再生医療支援事業」を二本柱とする。
 
 
2016年8月には本社のあるテレコムセンタービル(東京都江東区青海)の6階に細胞シート培養センターを設置した。延床面積約763㎡で、自動モニタリングシステムによって、洗浄度、室圧、温湿度、機器(培養器や保冷庫等)が自動管理され、監視カメラシステムも完備。また、羽田空港まで20分と至近で空輸にも対応しやすい。2017年3月には「再生医療等の安全性の確保等に関する法律第35条第1項の規定に基づく「特定細胞加工物製造許可」(許認可権者:厚生労働省)を取得しており、特定細胞加工物の受託製造も可能。このため、臨床研究・臨床試験・自由診療等で必要となる細胞シートの受託加工事業を検討中である。
 
 
【再生医療とセルシードの戦略】
再生医療とは、失われた臓器や損傷、或いは機能が低下した臓器を再生して治療する新たな医療。様々な細胞に分化できる能力を持った幹細胞が鍵となる。現在、受精卵から作られる「ES細胞」、人口多能性細胞「iPS細胞」、及び生体の様々な組織にある「体性幹細胞」、の3つの種類の幹細胞がある。「ES細胞」は受精卵から作られるため全ての細胞に分化する能力を持っているが、受精卵から作られるため倫理的な問題があり、実用化に至っていない。「iPS細胞」は、皮膚等の分化した細胞に4つの遺伝子を導入して培養した人口多能性細胞であり、京都大学の山中教授のノーベル賞受賞以降、研究が加速した。しかし、分化のプロセス等、未だ解明されていない部分が多く、実用化には時間を要すると言われている。

一方、「体性幹細胞」は同社が実用化に最も近いと考えている幹細胞である。同社は食道や膝の軟骨に近い部分の細胞を「細胞シート工学」を用いてシート状に培養し、患者に移植するという治療(食道や膝軟骨の再生医療製品)の開発に取り組んでいる。具体的には、2018年の販売承認申請提出を目指して「食道再生上皮シート」の治験を進めている他、「軟骨再生シート」の2017年の治験開始に向けた準備も進めている。「細胞シート工学」を用いた再生医療製品は、食道や膝軟骨にとどまらず、角膜、歯、耳、肺、心臓、肝臓、及びすい臓の治療でも臨床研究が進められており、既に臨床データも有する。
 
 
 
また、2015年9月には、(株)セルシードの温度応答性細胞培養器材「アップセル」が組み込まれているテルモ製「ハートシート」(心臓の再生医療に用いる)が期限付き承認を取得した。(株)セルシードは「ハートシート」専用(特注品)の温度応答性細胞培養器材「アップセル」の供給責任を負っている。

既に説明した通り、同社は食道や膝の軟骨に近い部分の細胞を「細胞シート工学」を用いてシート状に培養し、患者に移植するという治療(食道や膝軟骨の再生医療製品)の開発に取り組んでいるが、「細胞シート」は「iPS細胞」のリプログラミング(細胞の作製)時にも使われる。
 
 
2017年12月期決算
 
 
「食道再生上皮シート」及び「軟骨再生シート」の研究開発が順調に進捗
売上高は前期比15.5%減の85百万円。新規ラインナップ器材製品の早期販売開始や海外市場販売戦略の見直しに取り組んだ再生医療支援事業の売上が前期の50百万円から69百万円に増加したものの、細胞シート再生医療事業の売上が前期の50百万円から15百万円に減少した。細胞シート再生医療事業の前期はMetaTech社(台湾)との提携に先立つ契約着手時情報提供一時金50百万円を売上計上しており、当期はMetaTech社との独占的事業提携契約(「食道再生上皮シート」と「軟骨再生シート」の事業化権を付与)を締結し、コンサルティングフィー16百万円を売上計上した。
損益面では、研究開発費が前期の10億65百万円から6億32百万円に前期比40.6%減少したため営業損失も減少。補助金収入の増加(9百万円→67百万円)や為替差損の減少(13百万円→0.6百万円)等で営業外損益も改善した。
 
 
(2)セグメント別動向
細胞シート再生医療
食道再生上皮シート(CLS2702C/D)
食道がん再生治療法(食道創傷治癒・狭窄予防)として東京女子医大先端研が開発した治療法である。患者の口腔粘膜から採取した細胞を温度応答性培養器材で約2週間かけて培養し、細胞シートを作成する。細胞シートの培養に合わせて、食道がん切除内視鏡手術を行い、食道潰瘍面に移植する。
同社の説明によると、日本では、年間約22,000人が食道がんと診断され(日本では食道がんの90%が扁平上皮がん)、年間約11,500人が食道がんで死亡している。また、男性の発症率・死亡率は女性の5倍で、5年後の生存率は男性36%、女性44%、と男女共に低い。治療法として、2008年に保険収載された内視鏡切除手術(ESD)が増加しているが(食道がんと診断された患者の約20%が毎年手術を受けている)、ESDは手術後の食道狭窄の副作用がある。
 
 
2016年4月に治験届を提出し、2016年8月に国立がん研究センター(中央病院、東病院の2施設)及び東京女子医大において治験を開始した(フェーズ3相当の治験を9症例で実施する計画)。また、海外ではスウェーデンでの企業治験に向け子会社CellSeed Sweden AB(スウェーデン)を2015年5月に設立し、2015年11月30日にスウェーデン医薬品庁(MPA)との事前相談を開始した。2016年には、スウェーデン医薬品庁(MPA)のアドバイスを受けて、欧州全体での承認を目指して欧州医薬品庁(EMA)との相談を開始した。

先駆け審査指定制度の対象品目に指定
2017年2月に厚生労働省「先駆け審査指定制度」対象品目に指定された。対象品目に指定されると、薬事承認に係る相談・審査での優先的な取扱いに加え、製造体制の整備に係る指導や承認後に円滑に医療現場へ提供するための対応を受ける事ができる(優先相談、事前評価、優先審査、審査パートナー制度等のメリットに加え、審査期間の目標を通常の半分の6か月に短縮する事が可能)。

細胞シート移植用デバイスの欧州医療機器指令適合のEC認証取得(海外では医療機器としての承認が必要)
2017年10月、細胞シート移植用デバイス(した画像)について、医療機器に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 13485」の認証を含む欧州医療機器指令への適合のEC認証(CEマーク)を取得した。認証取得は提携先のMetaTech社が台湾で事業化を進めている食道再生上皮シート事業(後述)にも追い風となる。同社は食道再生上皮シートの海外展開を加速させて行く考えだ。尚、細胞シート移植用デバイスは安井株式会社(宮崎県東臼杵郡門川町大字加草2725番地)に製造を委託している。
 
 
軟骨再生シート(CLS2703C)
「軟骨再生シート」は、東海大学整形外科佐藤正人教授との共同研究であり、スポーツによる損傷や加齢を原因とする軟骨欠損や変形性関節症を適応症とする。現状では根治する方法がないが、佐藤教授との共同研究は軟骨表面の根本的な再生を目的としている。膝の軟骨は、硝子(しょうし)軟骨と言い、耳や鼻等の軟骨とは異なり、クッション性と対摩耗性に優れた硬い軟骨で再生が難しい。しかし、共同研究を進めている「軟骨再生シート」は、硝子軟骨として膝の軟骨を再生できる事が臨床研究で確認されている。

同社の説明によると、変形性膝関節症とは、緩徐に進行する難治性の関節軟骨変性。国内における患者数(40歳以上)は2,530万人、そのうち有症病者は800万人と推定されている(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター調査)。また、高齢化により患者数の増加が予測され、国民健康寿命・介護費・医療費の観点から喫緊に対処すべき疾患であると言う。
平成25年厚生労働省国民生活基礎調査によると、要支援・要介護になった原因の25%を運動器の障害が占めた。
 
 
東海大学との共同研究
2011年8月に自己細胞シート移植の臨床研究が第65回厚生科学審議会科学技術部会で承認され、同年10月の厚生労働大臣の意見書(厚生労働省発医政1003第3号)発出を受けて、同年11月に第1例目臨床研究が始まった。そして、2015年11月に8例の2年後評価が終了した。
東海大学とは開発基本合意書(同社が国内外で開発する権利を有する事の合意)及び共同での特許の出願の合意書を取り交わしている。特許については、既に国内特許が成立し、海外特許が審査中である。今後、更に特許網を広げていく考え。販売承認の許認可機関である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との薬事戦略相談も始まっており、アドバイスを受けているが、更に相談を重ね、安全性データの蓄積と臨床プロトコルの確立に取り組んでいく考え。

先進医療の申請
東海大学は先進医療の申請準備を進めている。「先進医療の承認を受ける事は将来的な保険導入に際しての評価の一助となるため非常に有用」として同社もこの考えに賛同しており、承認後に評価内容を踏まえて治験を開始する予定だ。軟骨再生に使われる細胞シートは同社が東海大学からの委託を受けて細胞培養センターで培養(受託加工)するため、先進医療が開始されれば、同社は受託加工による収益を獲得しつつ開発を進めていく事になる。
尚、先進医療とは、高度の医療技術を用いた治療法や医療技術を対象とするもので、販売承認取得前だが、有効性や安全性について一定の基準を満たしたもの。販売承認取得前のため治療費は全額自己負担となるが、自由診療と異なり、保険診療と併用する事が可能(自由診療は、原則、保険診療と併用する事ができない)。

同種細胞シート移植(治療に当たって免疫抑制剤が不要)
同種細胞シート移植についても、2017年2月15日に東海大学佐藤教授が世界で初めて移植手術を実施した(臨床研究)。この臨床研究は、多指症患者から軟骨組織を採取し、2~3週間かけて培養した細胞シートを移植するもので(先天的に手の指が6本ある乳児から切除された指の軟骨細胞を同意を得て利用)、3年間で10名の患者への移植を計画している。同種細胞シートについても同社が培養するため、現在、東海大学からの技術移転を進めている。
尚、同種細胞シートを用いた軟骨再生シート医療は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業(再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発)」に採択され(事業期間 ~2019年3月)、補助金による支援を受けている。
 
 
再生医療支援事業
17/12期は、従来のシャーレタイプと異なるフラスコタイプ「HydroCellTM(ハイドロセル)」の投入等、器材製品ラインナップを拡充した。18/12期は新規機材製品の販売強化に加え、本社を置くテレコムセンタービル東棟6階にある細胞培養センターにて、再生医療受託サービスを開始する。細胞培養センターは、2017年3月に特定細胞加工物製造の許可(FA3160008)を取得している。
 
 
 
中期経営計画(18/12期~20/12期)
 
【中期経営計画のポイント】
 ・ 食道再生上皮シートの承認取得、販売開始
 ・ 軟骨再生シートの開発加速
 ・ 次期品目の開発着手
 ・ サプライチェーン体制の構築
 ・ 再生医療支援製品の新製品開発及び収益機会獲得
 ・ 世界展開に向けた事業提携推進
 
食道再生上皮シートについては、19/12期に日本で販売承認を取得し販売を開始する。軟骨再生シートについては、自己軟骨再生シートの治験準備を進めると共に、同種(他家)軟骨再生シートの開発を加速する。また、食道再生上皮シート及び軟骨再生シートに続く次期品目の開発に着手する他、細胞シート再生医療及び支援製品のサプライチェーン体制の構築に取り組む。再生医療支援事業では再生医療支援製品の新製品開発を推進すると共に受託事業で更なる収益機会の獲得を目指す。日本発の細胞シート工学の世界展開のために海外企業との事業提携も積極的に進める。
 
食道再生上皮シートの承認取得・販売開始、サプライチェーン体制を構築
早ければ18/12期第4四半期に、遅くとも19/12期第1四半期に、販売承認申請を提出する。19/12期中に販売承認を取得し、薬価収載後速やかに販売を開始する。20/12期には販売が本格化する。18/12期から19/12期にかけては、病院(口腔粘膜採取)→培養施設(細胞をシート状に培養)→病院(細胞シート移植)というサプライチェーンの構築も並行して進める。国内での細胞シート再生医療の事業化を最優先課題とするため、欧州での食道再生上皮シート開発については「次期開発品目」(後述)の候補品目の一つとして開発優先順位を検討していく。
 
軟骨再生シートの開発加速
自己細胞による軟骨再生シートについては、18/12期上期中に共同研究先の東海大学が先進医療を申請する予定。先進医療の結果を踏まえて企業治験を実施する。先進医療で使用される細胞シートの受託加工は同社が有償で実施する予定である。
同種細胞による軟骨再生シートについては、現在実施されている東海大学での臨床研究が19/12期も続く見込み。同社は20/12期中の企業治験開始に向け、この間にレギュラトリーサイエンス戦略相談・レギュラトリーサイエンス総合相談及び治験準備を進める。
 
次期開発品目の検討
現在、同社が開発主体となり推進するパイプラインは、「食道再生上皮シート(日本)」と「軟骨再生シート(日本)」の2本。18/12期中に、これらに続く第3品目の開発案件を選定して事業を開始する。現在、歯周組織再生シートや食道再生上皮シート(欧州)なども、この枠組みの中で候補の一つとして検討する。開発品目や地域についての研究実施機関との契約等、準備が整い次第開発に着手する。
 
再生医療支援製品の新開発・収益機会獲得
再生医療支援事業のサービスを拡張し、具体的には、再生医療の研究開発・事業化を支援する再生医療受託サービスを開始する(再生医療に関わる総合的なサポートサービスの提供)。具体的なサービスとして、①細胞シート製品の製法開発・受託製造、②運営・申請支援、③細胞培養技術者教育等を考えている。
 
世界展開に向けた事業提携推進
2017年4月の台湾での独占的事業提携契約締結により、同社はMetaTech社に対して、最大12億50百万円を対価として、細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与した。台湾での細胞シート再生医療事業の開発・事業化は、(株)セルシード支援の下でMetaTech社が主体となって進めていく。MetaTech社の開発推進意欲は旺盛で、2017年の進捗状況を鑑みると、開発・製造関連データの大半(対価にして10億円相当)の提供が18/12期中に完了する見込み。MetaTech社との事業提携の実績を活かして、アジア諸国・欧米をターゲットに年1件程度を目標に海外事業提携先を獲得していく。

尚、台湾における事業パートナーであるMetaTech社(三顧股有限公司、MetaTech Inc.)は、1998年9月17日設立の台湾店頭公開企業。この契約には、(株)セルシードがMetaTech社に対して、細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与する事及び開発の進捗に合わせて開発製造関連データを提供する事、MetaTech社が(株)セルシードに対して、開発進捗に応じたマイルストーンを支払う事、開発製造関連データの対価を支払う事、及び上市(販売)後は売上高に応じたロイヤルティを支払う事が定められている。
 
 
再生医療支援事業では、器材製品の海外市場販売戦略の見直しを行い、改めて販売を強化する。また、一部サービスを拡張し、再生医療に関わる総合的なサポートを通じて、再生医療の研究開発・事業化を支援する再生医療受託サービスを開始する。18/12期は器材製品の販売でセグメント売上高70百万円を見込んでおり、19/12期以降、再生医療受託サービスが寄与してくる見込み。

細胞シート再生医療事業では、引き続き主に食道再生上皮シート及び軟骨再生上皮シートの開発に注力していく。細胞シート再生医療事業(食道再生上皮シート・軟骨再生シート)の台湾での独占的な開発・製造・販売権を付与したMetaTech社の開発推進意欲は非旺盛で18/12期中に開発・製造関連データの大半の提供が完了しそうだ。開発・製造関連データの提供に伴い10億円程度の対価を受領できる見込み。また、MetaTech社との事業提携の実績を踏まえ、細胞シート再生医療事業の普及を目指して、アジア諸国・欧米へのさらに提携・ライセンシング等を推進していく。これらの取り組みの結果、18/12期はセグメント売上高11億円が見込まれる。
 
 
今後の注目点
18/12期は細胞シート再生医療の事業化と連結損益の黒字化に向けた取り組みを進める。同社の再生医療製品上市第1号となる食道再生上皮シートの貢献は20/12期以降になるが、提携先のMetaTech社の承認取得に向けた取り組みが急ピッチで進んでおり、開発・製造関連データの提供が今期に集中する。19/12期以降の収益貢献を見据えて、この実績を基にした海外で提携先開拓も加速させる。また、19/12期以降は、再生医療支援事業において再生医療の研究開発・事業化を支援する再生医療受託サービスが軌道化してくる。中期経営計画の最終年に当たる20/12期以降は、細胞シート再生医療事業と再生医療支援事業で収益をあげつつ、細胞シート工学に基づく1~2のパイプラインを走らせ新たな成長の芽を育てていく、といった事業イメージになる。「価値ある、革新的な再生医療をリードし、世界の医療に貢献します」というMissionの本格的な実践である。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書         更新日:2017年04月05日
基本的な考え方
当社は、技術革新と創造性を発揮し、質の高い優れた製品とサービスの提供を通じ人々の健康と福祉に貢献していくことを使命とし、全ての企業活動において品質を高めるべく企業統治の整備を進めています。
今後につきましては、ディスクロージャーの透明性を高めるため一層説明責任を充実するとともに、さらなる経営のチェック機能強化を図ってまいります。
 
【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由】
当社は、JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。