ブリッジレポート
(3912) 株式会社モバイルファクトリー

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ブリッジレポート:(3912)モバイルファクトリー vol.3

(3912:東証1部) モバイルファクトリー 企業HP
宮嶌 裕二 社長
宮嶌 裕二 社長

【ブリッジレポート vol.3】2018年12月期上期業績レポート
取材概要「現在、イーサリアムを使ったアプリは1,000 個程度に過ぎないが、2~3年後には、その100~200倍に拡大している可能性がある、と言う。その成長・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年8月22日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社モバイルファクトリー
社長
宮嶌 裕二
所在地
東京都品川区東五反田1-24-2
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年12月 2,437 736 722 511
2016年12月 2,072 611 611 411
2015年12月 1,751 314 305 185
2014年12月 1,540 211 212 118
株式情報(8/1現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,741円 9,150,406株 15,931百万円 25.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - - - 235.32円 7.4倍
※株価は8/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
モバイルファクトリー2018年12月期上期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
位置情報連動型ゲーム(以下、位置ゲーム)を主力とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスが二本柱。10年以上の実績を有するコンテンツサービスを安定収益源に、独自の境地を開いているソーシャルアプリサービスを成長ドライバーとしている。グループは、同社の他、「駅メモ!」及び「駅奪取シリーズ」の運営を行う(株)ジーワンダッシュ、及びブロックチェーンサービス事業を手掛ける(株)ビットファクトリーの100%子会社2社。
経営理念は「私たちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」。ブランドメッセージとして、「感動を持ち歩け。」を掲げている。
 
【事業内容】
事業は、位置ゲームを中心とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスに分かれる。ソーシャルアプリサービスが基本無料アイテム課金制であるのに対して、コンテンツサービスは月額課金制(一部例外)である。17/12期の売上構成比は、ソーシャルアプリサービス65.5%、コンテンツサービス34.5%
 
ソーシャルアプリサービス
「駅メモ!」及び「駅奪取シリーズ」の位置ゲーム2タイトルを中心に事業展開しており(「レキシトコネクト」は2018年9月にサービス終了)、SNSプラットフォーム(GREE、Mobage、コロプラ等)やアプリマーケット(App Store、Google Play等)を通して配信している。
2011年3月にサービスを開始した「駅奪取シリーズ」は、身近な駅を他人と奪い合う競争要素、実際に訪れた場所が履歴として残るライフログ要素、奪取した駅や路線・称号等を集めるコレクション要素の3要素を有し、2014年6月にサービスを開始した「駅メモ!」は「駅奪取シリーズ」の駅を奪い合ったり収集したりする楽しさを残しつつ、オリジナルキャラクターを育成する楽しさを追及した。一部イラストやシナリオについては外部委託先に制作依頼しているが、システム開発は社内で対応している。
 
コンテンツサービス
主に通信キャリアが運営するサービスを通して着メロ等のコンテンツを提供している。着メロは、自社モデル形式の「最新曲★全曲取り放題」や(株)レコチョクとの協業サービス(OEMモデル形式)の「レコチョクメロディ」等、スマー卜フォンやフィーチャーフォン向けに月額100円(税抜)から300円(税抜)で取り放題というサービス。
強みは、自社内制作の高音質のサウンドに加え、ドラマ・映画・CM等で話題が旬のうちに迫加できる体制とノウハウ。着メロ音源の制作、サイトの開発及び運営は、原則、社内で対応している(一部例外あり)。着メロ以外では、スタンプ素材とメロディの定額取り放題サービスを提供している。2004年5月のサービス開始以来、10年以上の運営実績を有し、その時々で効果的な広告手法を取り入れる事でユーザーの獲得に取り組んでいる。課金会員数は漸減傾向にあるが、原則内製でもあり、残存者利益を享受しているため収益性は高い。ただ、経営リソースはソーシャルアプリサービス及びブロックチェーン関連サービスに優先的に投下している。
 
 
2018年12月期上期決算
 
 
前四半期比37.7%の増収、同74.0%の営業増益となり、四半期ベースで営業利益が過去最高を更新
配信元変更に伴う増収要因もあった「駅メモ!」をけん引役にソーシャルアプリサービスが増収をけん引し、コンテンツサービスも減収ながら、「スタメロ- スタンプ&メロディとり放題」(以下、スタメロ)は想定に沿って推移した。「駅メモ!」はプロモーション効果の精査により広告宣伝費が減少する中でDAU(一日のサービス利用者数)が過去最高を更新した。また、第1四半期の結果を踏まえた課金面での改善施策も成果をあげた。

「駅メモ!」(iOS/Android)は、2018年3月末に(株)フジゲームスから同社100%子会社(株)ジーワンダッシュへ配信元が変わった。このため、他社名義配信(OEM)による純額計上(売上高-プラットフォーム手数料)から同社名義配信による総額計上(売上高と売上原価であるプラットフォーム手数料を計上)に収益の計上方法が変更された。2018年3月末までは、「駅メモ!」(iOS/Android)、スマートノベル(Android)、レコチョクメロディ等(着メロ)が純額計上されていたが、配信元変更に伴い、4月以降、「駅メモ!」(iOS/Android)に係る収益は総額計上されている。
 
 
 
 
 
前年同期比16.1%の増収、同6.1%の営業減益
売上高は前年同期比16.1%増の13億69百万円。「駅メモ!」をけん引役に位置情報連動型ゲームが同35.3%増と伸びた。「駅メモ!」は4周年記念キャンペーン効果で第2四半期にDAU(一日のサービス利用者数)が過去最高を更新した事に加え、課金面での改善施策も成果を上げた。また、「駅奪取シリーズ」も、Native版が堅調に推移した。一方、コンテンツサービスは、自社運営の各着信メロディサービスでの課金会員数の減少で売上が同7.9%減少したものの、想定に沿った推移。

営業利益は同6.1%減の3億72百万円。2018年3月に「駅メモ!」(iOS/Android)の配信元が、(株)フジゲームスから同社100%子会社(株)ジーワンダッシュへ変わった影響で売上総利益率が低下する中、広告宣伝費を中心にした販管費の増加が負担になった。
 
 
 
上期末の総資産は前期末と比べて2億45百万円減の23億14百万円。自己株式の取得で現預金と純資産が減少した。自己資本比率82.9%(前期末86.9%)。
 
 
 
今後の方向性と取り組み
 
短期的には、国産「位置ゲームNo.1」企業を目指しつつ、中長期の成長に向けたブロックチェーン関連事業の育成に取り組む。「位置ゲーム」では、けん引役となる「駅メモ!」において、新規ユーザーの獲得やユーザーの継続率を重視してプロモーションを継続的に実施すると共に、引き続き各種コラボや体験型イベントにも取り組んでいく。また、地方創生の取り組みも継続する。「駅奪取シリーズ」については安定運用重視で臨む。ブロックチェーン関連事業では、自社開発の分散型アプリケーション開発キットのUniqys Kitと、ウォレット機能付きDApps(DApps:Decentralized Applications)ブラウザアプリの「Quragé」(後述)の利用者拡大に力を入れる。

一方、中長期的には、自治体・鉄道事業者等との連携によるO2O(オンラインtoオフライン)や地方創生分野での取り組みによる「位置ゲーム」の安定成長とコンテンツの安定成長を継続しつつ、ブロックチェーン関連事業において「Uniqys Network(後述)」の開発・運用に注力する。
 
 
 
Uniqys Project
分散型アプリケーション(DApps:Decentralized Applications)の普及を目指し、手軽にDAppsを利用できるモバイルユーザー向けサービス 「Quragé」と、手軽にDAppsを開発できるデベロッパー向けサービス「Uniqys Kit」を包括する「Uniqys Network(ユニキス ネットワーク)」を構想中である。
2018年7月25日にはモバイルユーザー向けサービス「Quragé」Android 版をリリースし、同日、デベロッパー向けサービス「Uniqys Kit」のプレビュー版を公開した。「Quragé」iOS版は年内のリリースを予定しており、「Uniqys Kit」については、2019年の正式版リリースに向け更に開発を進めていく。非中央集権のDAppsの時代を実現する「Uniqys Network」を通じて、多くのユーザーとデベロッパーにDAppsを普及させたい考え。
 
DAppsとは
DAppsとは、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーンを利用して、中央管理者なしで運営・管理できるアプリ。DAppsの大半はイーサリアムのプラットフォーム上で開発されており(イーサリアムはアプリケーションを開発するプラットフォームとして誕生した)、特徴は、(1)アプリケーションがオープンソースであり、オペレーションが自動で、中央による管理ではない事、(2)アプリケーションのデータや記録はブロックチェーンを利用している事、(3)オープンに流通可能な暗号化トークンを持ち、アプリケーションを利用する際にはそのトークンを利用する事。仮想通貨もDAppsの一つである。
 
 
「Uniqys Network」は、「Uniqys Kit」と「Quragé」で作り出す世界である。
「Quragé」とは、DAppsの利用に特化したモバイル向けのブラウザアプリ。DAppsブラウジング機能やウォレット機能を有し、同社グループが提供する「Quragé Magazine」を起点とした様々なDAppsを利用する事ができる。一方、「Uniqys Kit」とは、「Uniqys Network」上のDApps開発をサポートするツールキット(デベロッパーが手軽にDAppsを開発するためのサポートツール)。一般的なWebアプリケーションと同様に、作りやすい言語でDApps開発する事ができる。
また、「Uniqys Network」上のDAppsで利用可能な独自トークンの提供・流通についても検討している。日本国内向けについては、実施の時期やスキームなど詳細は未定だが、既に独自トークンの法令上の扱いについて監督官庁と話し合いを進めており、海外向けについては、現地のコンプライアンス等を確認した上で、独自トークンを流通させる方向で考えている。
 
 
今後の注目点
現在、イーサリアムを使ったアプリは1,000 個程度に過ぎないが、2~3年後には、その100~200倍に拡大している可能性がある、と言う。その成長市場において、ユーザー接点とデベロッパー接点を持つ「Uniqys Network」は大きな価値を生み出す、と言うのが同社の考え。2年程度の投資期間が必要になりそうだが、それを信じて投資していく、と言う。ゲームビジネスのリスクの高まりを考えると、ゲームと異なる分野に経営リソースを振り分ける事は賢明だし、事業が軌道化すれば、安定した収益が期待できるため収益体質も変わる。Uniqys Projectの進捗に期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレート・ガバナンス報告書       更新日:2018年3月28日
基本的な考え方
当社グループは、お客様、株主様、さらには社会全体の信頼と期待に応え、企業価値の極大化のために、法令遵守に基づく企業倫理の確立が最重要課題であると認識しております。そのために、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高め、もって経済社会の発展に寄与していく所存であります。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-11-③】
社外役員を含む各取締役、各監査役の意見等に基づき、取締役会の機能向上に努めておりますが、現時点において取締役会の実効性についての分析・評価は実施しておりません。今後、取締役会の実効性に関する分析・評価の実施及びその結果の開示については検討してまいります。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社は、政策保有株式については、事業上の連携強化等、当社の企業価値の維持向上に資すると判断した場合に保有する場合があります。なお、現時点において上場株式を保有しておりません。

【原則1-7】
当社は、関連当事者との取引については、その取引を行うことが合理的であるか等を考慮しております。また、取引条件が他の取引と比較して適正であるか等に留意して、取締役会の承認を得ることとしております。

【原則3-1】
(1)企業理念は、会社ホームページ、有価証券報告書、招集通知、決算説明資料等にて開示しております。
(2)コーポレート・ガバナンスの基本方針は、コーポレート・ガバナンス報告書に記載しております。
(3)取締役の報酬は、株主総会が決定した報酬総額の範囲内で、取締役会で決定しております。
(4)取締役及び監査役は候補の指名を行うに当たって、候補者の知識・経験・能力等を考慮すると共に、総合的に勘案して指名しております。
(5)取締役及び監査役候補者の選任理由を招集通知に記載しております。

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