ブリッジレポート
(2714) プラマテルズ株式会社

JASDAQ

ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.27

(2714:JASDAQ) プラマテルズ 企業HP
岸本 恭太 社長
岸本 恭太 社長

【ブリッジレポート vol.27】2019年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「上期の通期予想に対する進捗率は売上高で52.0%、営業利益で53.0%。18/3期はそれぞれ48.0%、48.4%、17.3期は48.5%、44.2%と実績を考慮・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年11月21日掲載
企業基本情報
企業名
プラマテルズ株式会社
社長
岸本 恭太
所在地
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 60,077 1,200 1,137 739
2017年3月 51,752 791 783 526
2016年3月 57,795 883 845 537
2015年3月 57,037 798 780 490
2014年3月 59,568 833 803 279
2013年3月 55,610 817 783 420
2012年3月 57,790 883 840 531
2011年3月 55,762 899 842 500
2010年3月 47,145 663 621 388
2009年3月 52,550 893 809 489
2008年3月 56,861 1,089 943 704
2007年3月 52,022 1,219 1,115 652
2006年3月 50,673 1,054 1,005 569
2005年3月 46,804 790 746 403
2004年3月 43,720 659 566 309
2003年3月 42,614 685 642 240
株式情報(11/15現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
530円 8,548,279株 4,530百万円 7.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
21.00円 4.0% 81.89円 6.5倍 1,200.49円 0.4倍
※株価は11/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
プラマテルズの2019年3月期上期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
合成樹脂(プラスチック)の専門商社。原料メーカーから仕入れた樹脂原料やコンパウンド(樹脂原料に添加剤を加え機能を強化した成形材料)をセットメーカーや成形メーカー及び樹脂の二次加工メーカーに販売している。最終用途は、電子・電機・OA事務機器、医療機器、玩具、住宅建材、自動車等。連結子会社12社、持分法適用関連会社1社(コンパウンド工場への出資)等と共にグループを形成する。また、総合商社の双日(株)グループにおいて合成樹脂部門を担う双日プラネット(株)が株式の46.6%を保有している。尚、同社は化学品卸業界に属し、プラスチック専門商社として唯一の上場企業である。
 
【経営理念】
合成樹脂の専門商社として、次の4項目を経営理念として掲げている。
 
①合成樹脂市場におけるメーカーとユーザーのベストマッチングを推進する役割を果たす
②顧客の立場に立った発想で合成樹脂の戦略的パートナーとしての機能を発揮する
③商いは人なりの精神を重視し、組織の人々との協調を重視する
④よき企業市民として、地球環境と地域社会に配慮しつつ、適正な利潤を出し、以って社会貢献を果たす
 
そして、これら企業理念実現のため、会社の経営方針として以下の項目を掲げている。
 
・中長期的な企業価値の最大化を目指す経営
・ステークホルダーから信頼される経営
・環境問題に積極的に取り組む経営
・常にQCD(QUALITY,COST,DELIVERY)の改善を図り、CS(顧客満足)を高める努力を継続する経営
 
 
【プラスチックと同社事業の特性】
石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解すると、「エチレン・プロピレン(気体)」、「ベンゼン(液体)」等、プラスチックのもとになる粗原料がつくられる。これらは水素と炭素が結びついた分子であり、この分子をつなぎ合わせて「ポリエチレンやポリプロピレン」等のプラスチック原料がつくられる。これらのプラスチック原料に、耐熱性を向上したり、壊れにくくしたり、着色するための添加剤を加え、加工しやすいように3~5mm程度の粒子状にしたものを「ペレット」と言う。同社は500社の仕入先と1,300社(国内800社、海外500社)の顧客を有し、原料メーカーから仕入れて、OA機器、家電、医療機器、自動車部品メーカー等の顧客に販売している。
 
 
相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂原料の取扱が40%超
18/3期は売上高の80.5%がプラスチック原料で(この他、製品13.6%、添加剤3.0%、関連機械 2.3%、その他 0.6%)、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系(39.5%)やスチレン系(19.4%)の樹脂原料が中心。エンジニアリング系樹脂原料とはポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等で、用途はOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等。一方、スチレン系樹脂原料とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、エアコン、冷蔵庫等の白物家電、パソコン・同周辺機器、FAX、及び玩具等で使われている(この他、家電・医療機器向け等のオレフィン系樹脂10.0%、PET樹脂6.4%、建材向け等の塩化ビニール樹脂1.7%、その他樹脂3.5%)。

18/3期の販売先業界別の構成比は、日本メーカーが圧倒的な強みを持つ精密機器(事務機器等)向けが38.0%、スチレン系・オレフィン系が中心の家電・電子(エアコン、冷蔵庫等)向けが15.6%、オレフィン系の医療機器向け(注射器等の医療器具)8.3%、塩化ビニール系材料が中心の建材6.6%、衛生材料(おむつ)5.0%、ホビー4.2%、自動車4.1%、パッケージング3.0%、その他15.2%。
 
重点仕入先と仕入商品及び用途
旭化成グループ   スチレン系樹脂原料   :冷蔵庫、エアコン等
東洋インキグループ   エンプラ系コンパウンド樹脂   :OA・事務機器
帝人グループ   エンプラ系樹脂原料   :カメラ・プリンター外装

この他、双日グループ、JNCグループ、三井化学グループ、出光興産グループ等からの仕入も多い。
 
【コアコンピタンス】
高付加価値商材の拡販の原動力となっているのが、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した、メーカーを巻き込んでの提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションが可能とする少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、最もQCDに厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で同社が磨き上げてきたコアコンピタンスである。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応及び顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。
 
【国内外に広がるネットワーク】
国内営業拠点 東京本社、大阪支社、中部支社(名古屋支店、静岡支店)、九州支店(大分)、東北支店(弘前)
国内子会社  株式会社 富士松(大阪府)
プラスチック原材料及び製品の企画・開発・販売
フィルタレン 株式会社(埼玉県)
焼結多孔体(プラスチックフィルター)の製造販売
(同社資料より)
 
 
【成長戦略】
国内は、顧客密着型の営業を徹底する事で顧客と共に成長を図る。一方、海外は、アジア全体に生産拠点を拡大する顧客の動向に合わせて、同社も海外拠点整備の重点エリアを中国からアジアに広げ、顧客ニーズに応えていく。
 
海外
インド・東南アジアを中心とした世界的な人口の増加及び生活水準の向上による消費の拡大で、消費材・耐久消費材の素材である合成樹脂の市場も拡大傾向にあり、実際、同社の重要顧客企業も生産拠点をアジア全体に拡大している。こうした重要顧客企業の動きに対応して、同社は海外拠点整備の重点エリアを中国だけなく、アジアに広げ、変化する顧客ニーズを確実に捉える体制の構築と各拠点の強化に努めており、日本国内及びアセアン地域でのビジネス展開のより一層の連携強化を図る。
 
国内
強みである顧客密着型の営業を徹底する事で国内でのシェアアップを図ると共に、海外拠点を有機的に活用する事で海外進出日系企業との取り組み拡大にもつなげていく考え。
尚、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っている。このため、国内でも取引の拡大余地を残している。
 
 
2019年3月期上期決算
 
 
前年同期比11.8%の増収、同0.2%の営業増益、主力商材が着実に伸びる
売上高は前年同期比11.8%増の322億43百万円。グループの経営理念である、顧客にとってのプラスチックの戦略パートナーとしての機能の一層の向上を目指した。主力の精密機器・家電・電子分野においては堅調に推移する中、医療・ホビー関連が伸長した。取扱商材別には、エンジニアリング系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、PET樹脂といった売上構成比の高い商材が大きく伸びた。国内売上高は8.0%増の202億83百万円、海外売上高は19.1%増の119億60百万円と海外売上の伸びが顕著、海外売上高比率は前年同期34.8%から37.1%に拡大した。営業利益は前年同期比0.2%増の5億83百万円。支払利息の増加等で営業外費用が増加し経常利益は同1.6%減の5億48百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同1.8%減の3億67百万円となった。

上期末配当は前中間期比1円増配の10円となった。
 
 
 
 
 
 
 
上期末の総資産は292億70百万円となり、前期末比11億82百万円増加した。その要因は、アジア地域での取扱高の増加に加え、堅調な国内販売にも支えられた営業債権(電子記録債権及び売掛金)並びに商品及び製品の増加を主とした流動資産の増加額10億33百万円及び投資有価証券を主とした固定資産の増加額1億48百万円等によるもの。
負債は前期末比9億70百万円増加し、187億95百万円となった。その要因は、好調な営業動向を反映した営業債務(支払手形及び買掛金)並びに短期借入金の増加による流動負債の増加額8億24百万円、及び長期借入金の増加を主とした固定負債の増加額1億46百万円等によるもの。
純資産は当四半期純利益並びに有価証券評価差額金の増加があった一方で、為替相場の変動を反映して、為替換算調整勘定が減少したことにより、前期末比2億12百万円増加し104億74百万円となった。
自己資本比率は35.8%(前期末36.5%)となった。
 
 
上期末の現金及び現金同等物は、前期末比1億円増加し、30億23百万円となった。
営業CFは2億85百万円の支出となった。税金等調整前四半期純利益5億40百万円並びに仕入債務の増加4億76百万円による収入があった。一方で、売上債権の増加2億56百万円並びにたな卸資産の増加9億17百万円による支出があった。
投資CFは57百万円の支出となった。これは有形固定資産の取得による支出37百万円等によるもの。
財務CFは4億78百万円の支出となった。短期借入金による収入4億77百万円並びに長期借入れによる収入2億50百万円があった。一方で、長期借入金の返済による支出1億26百万円並びに配当金の支払額1億2百万円があった。なお、売上高の増加等により営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなり、その不足分を財務活動によるキャッシュ・フローで賄っており、その主たる資本の財源は金融機関からの借入金である。
上期末の金融機関からの借入金の総額は、短期借入金・長期借入金を合わせて、49億39百万円であり、総資産金額292億70百万円に対して16.9%。また、DEレシオ(有利子負債/株主資本の比率)は0.55倍となっており、会社の財政の健全性は確保されている。
 
 
2019年3月期業績予想
 
【19/3期の取組方針】
プラスチック原料ビジネスはアジアを中心として海外市場の成長継続が見込まれる。当社の重要顧客企業は生産拠点をアジア全体に拡大しており、当社も海外拠点の重点エリアを中国のみならずアジアに展開し、変化する顧客ニーズを的確に捉えていく。
 
 
前期比3.2%の増収、同8.4%の営業減益予想。医療分野・衛材分野への取り組みを引き続き強化
通期予想に修正はなく、19/3期は売上高が前期比3.2%増の620億円、営業利益は同8.4%減の11億円を見込む。3Q以降は、米中貿易摩擦の影響が顕著に現れ始めてくるものと思われ、世界景気、為替動向に一層の注視が必要と同社では考えている。
なお、同社は唯一の上場プラスチック専門商社として、廃棄プラスチックによる海洋汚染、マイクロプラスチックの問題を意識しており、プラスチックが環境に与える影響を視野に入れた事業活動が重要と考えている。現在までに工業・日用品向け原料および製品のリサイクル化の推進に取組んで来ている。

期末配当は、1株当たり11円、年間配当は21円を予定している。
 
 
 
今後の注目点
上期の通期予想に対する進捗率は売上高で52.0%、営業利益で53.0%。18/3期はそれぞれ48.0%、48.4%、17.3期は48.5%、44.2%と実績を考慮しても着実なスタートを切ったといえる。主力商材がしっかり伸びており、販売先でも売上構成比率の高い精密機器向けへの伸びが大きく安定感も垣間見える。19/3期は増収・減益予想だが、18/3期は業績予想を2度修正する等、同社の業績予想は保守的だ。世界の景気は先進国・新興国共に拡大基調が続き、日本の景気も外需や設備投資に支えられて緩やかな拡大が見込まれており、業績予想はナフサ価格や為替の安定を前提とした下限ラインと考える。PERは6倍台、PBRは0.4倍とバリュエーション面では割安感が顕著である。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書      更新日:2018年06月29日
基本的な考え方
当社グループでは、事業活動を通じて利益を上げ、中長期的に株主価値を増大させるという株主の期待に応えることが、企業経営の基本使命であると考えています。また、株主を含むすべてのステークホルダーに対する責任を果たし、社会規範に沿った事業活動を行うとともに、社会に貢献するという考えに立ち、コーポレート・ガバナンスの向上を目指しております。
当社では、コーポレート・ガバナンスの要件の一つである「透明性と説明責任」の確保のために、7名の取締役のうち3名は社外取締役(うち2名は非業務執行取締役)とするとともに、その独立性を確保しております。
監査役会は常勤監査役1名、非常勤監査役2名の合計3名で構成され、3名全員が社外監査役であります。これにより経営に対する透明性を確保し、監視・監査機能を果たすとともに、社外監査役は、独立性を確保しております。また、社外監査役3名のうち2名は株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。このほか社長直属の内部監査チームを設け、業務が適切に運営されているか内部監査を実施するとともにグループ会社の監査も実施しております。
コンプライアンスの徹底とリスクマネージメントはコーポレート・ガバナンスの強化の重要な要素と捉え、当社グループの全役職員が法令の遵守と規範に基づき行動することを徹底しております。そのために「行動規範」、「コンプライアンスマニュアル」を制定しグループ全体で徹底を図っております。
 
<実施しない原則とその理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。