ブリッジレポート
(6914) オプテックスグループ株式会社

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ブリッジレポート:(6914)オプテックスグループ vol.66

(6914:東証1部) オプテックスグループ 企業HP
代表取締役会長兼CEO 小林 徹
代表取締役会長兼CEO 小林 徹
代表取締役社長兼COO 小國 勇
代表取締役社長兼COO 小國 勇
【ブリッジレポート vol.66】2018年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「前回レポートでも触れたように、会社側は売上、利益ともに「下期からの回復」を見込んでいるが、第3四半期(7-9月)実績の下期予想に対する進・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年11月21日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックスグループ株式会社
代表取締役会長兼CEO
小林 徹
代表取締役社長兼COO
小國 勇
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2017年12月 37,504 4,885 5,036 3,386
2016年12月 31,027 3,015 3,086 1,809
2015年12月 27,793 3,161 3,222 2,051
2014年12月 25,678 2,558 3,043 1,897
2013年12月 23,582 2,108 2,628 1,620
2012年12月 20,699 1,398 1,680 825
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
株式情報(11/12現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,045円 37,466,932株 76,619百万円 12.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 1.5% 99.74円 20.5倍 1,680.79円 2.4倍
※株価は11/12終値。発行済株式数は18年6月末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
18年4月1日付で1:2の株式分割を実施。PBRは当該株式分割を考慮。18年7月1日付で株式交換を実施。EPSは当該株式分割および株式交換に伴う新株発行を考慮。
 
オプテックスグループの2018年12月期第3四半期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛けるオプテックス株式会社を中心とした持株会社。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、画像処理用LED照明事業で世界シェアトップのシーシーエス(株)、各種システム及びアプリケーション・デジタルコンテンツ開発等を得意とする(株)スリーエース、グループ製品の製造を担うオプテックス・エムエフジー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。 【1-1. 事業内容】 事業は、主力の防犯関連および自動ドア関連などからなる「SS(センシングソリューション)事業」、産業機器用センサを手掛ける「FA(ファクトリーオートメーション)事業」、画像処理用LED照明装置及びシステムを提供する「MVL(マシンビジョンライティング)事業」、前期まではSS事業に含まれていた中国で電子機器受託生産サービスを提供する「EMS事業」、スポーツクラブ運営を手掛ける「その他事業」に分かれる。 【1-2 .強みと特長:センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズム】 確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。 【1-3. 沿革】 1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。 近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。 また2016年5月には画像処理用LED照明で世界シェアNO.1のシーシーエス株式会社(6669、JASDAQ)を子会社化(18年7月に完全子会社化)した。次世代経営への移管やグループシナジーの追求を目指し、2017年1月1日付で持株会社体制へ移行した。 【1-4. ROE分析】 17/12期のROEは好調な業績を受けて売上高当期純利益率が大きく改善したため、目標としている「10%以上」を達成した。
 
 
2018年12月期第3四半期決算概要
増収も成長投資等で営業減益 売上高は前年同期比6.2%増の293億14百万円。FA事業が牽引し、SS事業、MVL事業も堅調。国内売上は同5.2%増の122億24百万円、海外売上は同6.9%増の170億90百万円だった。 営業利益は同2.0%減の37億37百万円。製品構成変化による粗利率の低下や、MVL事業におけるテスティングルームの増設、新商品開発投資、製造面での人員増など将来の成長に向けた投資を増加させた。セグメント別ではFA事業が増益。 四半期純利益は同7.1%増の27億94百万円。投資有価証券の一部売却を含み特別利益3億88百万円を計上した。 ◎SS事業 (防犯関連) 日本:警備会社向けおよびメガソーラーなど大型重要施設向け屋外警戒用センサ販売が伸び悩み、減収。 AMERICAs:北米の販売子会社による屋外警戒用センサの販売が順調に推移し、増収。 EMEA:英国の販売子会社による屋外警戒用センサの販売が順調に推移し、増収。 アジア:韓国及び豪州向けの販売が伸び悩み、減収。 (自動ドア関連) 日本:国内大手顧客向け自動ドア用センサ販売が堅調に推移し、増収。 AMERICAs:北米大手顧客向け自動ドア用センサ販売が順調に推移し、増収。 EMEA:欧州大手顧客向け自動ドア用センサ販売が伸び悩んだものの、為替影響により増収。 ◎FA事業 日本:半導体、二次電池、フラットパネルディスプレイ向けに加え、電子部品業界向けにも変位センサの販売が順調で、増収。 EMEA:OEM先であるSICK社への販促推進活動の効果により変位センサの販売が順調に推移し、増収。 アジア:中国での省人化設備投資活況に伴い、変位センサの販売が順調に推移し、大幅な増収。 ◎MVL照明事業 日本:ソリューションの拡充やテスティングルーム開設による営業エリアの拡大が功を奏し、増収。 AMERICAs:既存顧客からの大型案件があったものの継続案件が減少したため前年並みで推移した。 EMEA:欧州経済の堅調な推移を背景に、同地域での販売が好調に推移し大幅増収。 アジア:前年度に中国で設立した100%子会社の業績が順調に推移したものの若干の減収。 たな卸資産の増加等で資産合計は前年末に比べ18億58百万円増加の434億27百万円となった。 短期借入金の増加等で負債合計は同5億77百万円増加の101億39百万円。 利益剰余金の増加等で純資産は同12億82百万円増加の332億88百万円。 この結果、自己資本比率は前期末から6.3ポイント上昇し76.4%となった。 (4)トピックス ◎マシンビジョン用LED 照明の開発・製造・販売を行うフランス企業を子会社化 2018年10月、シーシーエスが、フランスとドイツでマシンビジョン用LED 照明の開発・製造・販売を行うフランス企業「EFFILUXSAS」を100%子会社化した。 Effilux社は欧州の現地ニーズに対応した幅広いラインナップを有するとともに、顧客ニーズに素早く対応できるカスタム対応力を強みとしている。 海外には日本国内と異なるマシンビジョン用LED照明の需要があり、シーシーエスはEffilux製品を活用することにより新たな需要を取り込むことができる。 また、今後、欧州のマシンビジョン用LED照明市場において、Effilux社を製品開発・生産・販売の拠点とし、シーシーエスが得意とするソリューション提案とEffilux社の技術・販路を融合させることで、欧州での更なる事業拡大を図る考えだ。 ◎自己株式の取得を発表 2018年11月、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するとともに、株主還元の向上を図るために自己株式の取得を実施することとした。 取得の上限は75万株(自己株式を除く発行済株式総数の2.00%)、15億円。 取得期間は18年11月7日から同年12月28日まで。 18年10月末現在の自己株式数は約24万株。
 
 
2018年12月期通期業績予想
業績予想に変更無し。増収増益を計画。 業績予想に変更は無い。売上高は前期比8.0%増加の405億円を予想。全セグメント増収。営業利益は同8.5%増の53億円の予想。 配当は30円/株を予定。予想配当性向は30.1%。
 
 
今後の注目点
前回レポートでも触れたように、会社側は売上、利益ともに「下期からの回復」を見込んでいるが、第3四半期(7-9月)実績の下期予想に対する進捗率は売上高で約46%、営業利益で約42%、第2四半期時点では50%を超していたMVL事業売上高の通期予想に対する進捗率も第3四半期(累計)で71%とややスピードが鈍化したようにも見える。 一方、FA事業は好調が続いている。 2019年の目標「売上高500億円、営業利益75億円」達成に向けた基礎作りの意味も含め、最終コーナー(第4四半期)に入り、同事業がどれだけ牽引するか、SS事業(防犯関連)の国内部門やMVL事業の巻き返しがどれだけ進むのかを注目したい。
 
 
 
<参考1:今後の成長戦略(前回レポートより)>
(1)FA関連事業の拡大 自動車(電気自動車、先進運転支援システム)、IoT(データセンター需要の拡大)、AI(省人化、働き方改革)、ロボティクス(省人化、生産年齢人口の減少)といった分野の成長が見込まれる中、半導体や電子部品の設備投資は今後も着実な拡大が見込まれており、FA用センサ、画像検査用LED照明、カメラなどの需要も増大すると見ている。 こうした環境を背景に同社では北米地域におけるファクトリーオートメーション関連の販売子会社であるオプテックス・エフエー初の現地法人OPTEX FA INC.を設立(持分比率100%)し、2018年4月2日より営業を開始した。 更なる成長が見込める米国ファクトリーオートメーション市場に本格的に参入し、これまでの専売代理店方式から直接コンサルティング方式に切り替え現場提案型営業を展開。競争力の高い「変位センサ」を戦略商品として自動車産業やIT産業(データセンターなど)をはじめとする新市場の開拓・新規顧客の獲得を進める。 3年後、4億円程度の売上高を目指している。 このほか、画像検査用LED照明において18年7月に完全子会社としたシーシーエス(株)とのシナジー効果追求による更なる事業拡大を目指していく。 カスタム照明に強みを持つシーシーエスと汎用照明に強いオプテックス・エフエーの相互の強みを掛け合わせ、これまで海外での実績がほとんどないオプテックス・エフエーが海外でも十分な実績を持つシーシーエスの販路などを使って売上を拡大させていく。 両社合わせた国内外のシェア(現在 国内50%、海外20%)を5年後には国内70%、海外50%まで引き上げる考えだ。 (2)IoT戦略の推進 前述したスリーエース社の子会社を契機とし、「IoT戦略」を大きく推進させる。 SS事業においてはカメラ付きセンサによる遠隔監視サービス、FA事業においてはIoT対応変位センサによる稼働状況監視サービスのための通信ソフトウェアの開発等が可能となる。 (3)製造力の強化 18年7月に営業を開始したオプテックス・エムエフジー株式会社は、各事業会社の生産機能連携により競争力の高い生産体制を構築するとともに、製造技術を磨き上げ、マザー工場として新製品の開発にも取り組む。 (4)業績目標 2019年の業績目標として、売上高500億円、営業利益75億円を掲げている。売上高に関しては、オーガニックでの450億円に加え、4~5社、計50~60億円程度のM&Aを実施する計画だが、数字ありきではなく、シナジー追求を第一義にして、案件を選定していく。 売上高営業利益率を今期予想の13.1%から15%へ引き上げる計画だが、コスト削減ではなくあくまでも事業進捗によって実現する考えで、セキュリティ分野におけるVisual Verification(画像確認)ニーズの拡大に対応した新製品の立ち上がりがカギを握る。
 
 
<参考2:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書 更新日:2018年3月26日 <実施しない主な原則とその理由> 「当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則を全て実施しております。」と記載している。 <コーポレートガバナン・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>