ブリッジレポート
(8860) フジ住宅株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(8860)フジ住宅 vol.53

(8860:東証1部) フジ住宅 企業HP
宮脇 宣綱 社長
宮脇 宣綱 社長

【ブリッジレポート vol.53】2019年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「同社の19/3期第2四半期決算を振り返ると、主力の自由設計住宅に加え、現在注力しているサービス付き高齢者向け住宅と個人投資家向け一棟売・・・」続きは本文をご覧ください。
2018年12月19日掲載
企業基本情報
企業名
フジ住宅株式会社
社長
宮脇 宣綱
所在地
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号
決算期
3月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 103,880 6,438 6,139 4,168
2017年3月 99,359 5,969 5,721 3,945
2016年3月 90,726 5,441 5,298 3,430
2015年3月 79,594 4,361 4,322 2,756
2014年3月 86,363 5,806 5,660 3,261
2013年3月 66,047 3,809 3,761 2,268
2012年3月 71,594 4,928 4,903 2,767
2011年3月 59,796 3,648 3,680 2,027
2010年3月 48,614 2,137 2,118 1,237
2009年3月 45,300 2,584 2,388 1,361
2008年3月 48,793 2,723 2,413 2,097
2007年3月 52,221 4,233 4,090 911
2006年3月 41,333 3,229 3,196 1,312
2005年3月 43,954 3,208 2,799 1,661
2004年3月 34,387 2,034 1,891 684
2003年3月 32,905 1,198 1,028 545
株式情報(11/26現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
892円 35,931,974株 32,051百万円 12.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
27.00円 3.03% 121.06円 7.37倍 868.83円 1.03倍
※株価は11/26終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
※ROE、BPSは30年3月期実績、EPSは31年3月期予想、数値は四捨五入。
 
フジ住宅の2019年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
地盤である大阪府を中心に、阪神間と和歌山市内で、戸建分譲・中古住宅等の住宅・不動産事業を展開。主力の戸建分譲は、分譲ながら間取りや設備仕様等、建築基準法の範囲内で最大限に顧客の要望を取り入れる「自由設計」と50~200戸規模で街並みの統一性を重視した開発を行う「街づくり」に特徴がある。また、中古住宅の改装販売、金融機関とタイアップした土地有効活用事業や個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売事業、賃貸・管理事業、注文住宅事業も事業の柱である。 販売代理や戸建住宅から派生した各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完する(相乗効果)、単なる住宅の分譲会社ではなく地域や時代の住宅に関するあらゆるニーズに対応できる機能を備えていることが「住まいのトータルクリエイター」である同社の特長だ。地域密着型経営の特長を活かし、顧客に顔を向けた「売りっ放し」、「建てっ放し」のない顧客満足度の高い住宅づくりを目指している。 (1)事業内容 分譲住宅事業(18/3期 売上構成比36.7%) 戸建とマンションの分譲を展開。特徴は50~200戸規模の新築戸建住宅の「街づくり」と、顧客自身が住まいづくりに参加する 「自由設計」。自由設計住宅では間取りや設備仕様に対する様々なニーズに対応。また、新築分譲マンション販売事業も分譲住宅セグメントに含まれている。マンション分譲は地価上昇とその後の供給過剰・需要低下に伴う事業リスクの高まりを予見し05年春に事業を停止したが、リーマン・ショック後の地価の下落と分譲マンション市場の需給改善を踏まえて12年2月に再開。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンション販売を特徴とする。 住宅流通事業(同 28.3%) 中古住宅再生事業『快造くん』の販売を展開。中古住宅再生事業『快造くん』は、中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業。地域密着型経営やリフォームのマニュアル化による独自のノウハウに強みを持つ。 土地有効活用事業(同 19.7%) 賃貸住宅等の建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸アパートを展開。建築請負では、賃貸管理のノウハウを生かした提案型の賃貸住宅の建築請負を実施。また、個人投資家向け一棟売賃貸アパートは、同社で土地を仕入れ、 賃貸アパート等を建築し販売する。コスト競争力のある木造アパート「フジパレス」シリーズに08年11月サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」が加わり、より独自性が強まった。個人投資家向け一棟売賃貸アパートでは、1棟当たり1億円前後の賃貸アパートが中心。資金運用手段として根強い需要がある。また、近年サービス付き高齢者向け住宅を積極的に開発している。 賃貸及び管理事業(同 15.1%) 100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が、賃貸アパートの建物管理や入居者募集、賃料回収等の管理業務及び分譲マンションの管理組合からの運営受託を展開。安定収益源となるばかりでなく、良質の賃貸・管理サービスは、賃貸住宅の建築請負や個人投資家向け一棟売賃貸アパートの他、分譲マンションの販売等との相乗効果も高い事業。 注文住宅事業(同 0.3%) 戸建住宅の実績で培ったノウハウを生かし、土地を保有する顧客に対して戸建住宅の新築や、建替えを請負うといった事業を展開。会社の第5の柱として展開中。 (2)同社の強み 住まいのトータルクリエイターとして幅広い事業に強みを有していること 土地の仕入れ・許認可の取得・設計・建築・販売の一貫体勢を備えた戸建住宅事業で築き上げたノウハウを基盤に、中古住宅販売、土地有効活用、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、賃貸及び管理の幅広い事業を、相乗効果を図りながら展開。地域密着型経営の特長を活かしながら住まいに関する幅広い事業の相乗効果を発揮し、より高い顧客満足を実現する不動産・サービスの提供を実施。 ノウハウを活かした中古住宅再生事業が展開できること 創業当初の住宅の代理販売事業とリフォーム事業のノウハウの融合から生まれたのが、中古住宅再生事業『快造くん』。中古住宅の「仕入」から、「リフォーム」、「販売」に至る住宅販売の3つの要素を全て揃えた同社ならではの事業となっている。 地域密着型経営による情報収集はもちろん、リフォームのマニュアル化による“売れる中古住宅づくり”が強み。また、中古住宅の仕入にあたっては、相続登記が未了の場合でも、司法書士と連携して買取りを行う『フジホームバンク』を開設。相続登記にかかる費用も、売却代金から支払いできるなど顧客の利便性も高い。 収益力を高める土地活用の提案力を有すること 同社は、単なる土地活用の事業提案だけではなく、市場調査・企画・設計・建築・賃貸管理はもちろんのこと、総合不動産業(ディベロッパー)として、その力を最大限に発揮している。土地の購入や売却、アパート・マンションの建替え、法務・税務に関することなど、顧客からの様々な相談に専門的な見地から的確に対応している。賃貸住宅経営については、多くの土地情報の中から適した土地を厳選し、専任のマーケティングスタッフによる綿密な市場調査をもとに、長期安定経営が可能なプランニングを実施。また、中古収益物件についても、好立地で優良な物件のみを仕入れて商品化。更に、オーナーの「安心・安全・安定」した賃貸経営を万全にサポートする一括借上システムも提案している。 ポートフォリオ効果 不動産業界は景気や金利の変動といった外部要因に大きな影響を受ける。そこで、フジ住宅では多様な商品・サービスを提供することにより、収益の安定化を図れる事業ポートフォリオを目指してきた。 過去5年の売上構成比を比較してみると、以前は分譲住宅が4割超を占めていたが、現在では分譲住宅、住宅流通、土地有効活用及び賃貸管理と3つの事業がほぼ3割超となり、バランスのとれた事業ポートフォリオを実現している。
 
 
中期利益計画(16/3期~19/3期)
同社は、現在進行中の中期利益計画において、最終年度である19/3期に売上高1,020億円、経常利益60億円の業績目標を掲げている。分譲住宅セグメントでは、戸建住宅の大型プロジェクトの収益化に加え、現在供給を抑制している分譲マンションの販売再開を予定している。また、住宅流通セグメントでは、販売エリアの拡大による中古住宅販売の拡大を、土地有効活用事業セグメントでは、仕入強化による安定的な利益の確保を計画。その他、賃貸及び管理セグメントでは、管理物件の継続的な増加による確実な業績の拡大を見込んでいる。 中期利益計画の前提 16/3期 の進捗 16/3期の実績は、売上、利益ともに中期業績目標を大幅に上回る好調なスタートを切った。当初、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの好調な受注により土地有効活用事業の売上高が大幅に増加することに加え、自由設計住宅や賃貸及び管理事業の売上が拡大することを計画していた。これらの事業が会社計画以上の成果をあげることができたことに加え、中古住宅の販売も会社計画を大幅に上回った。 17/3期 の進捗 17/3期の実績は、売上、利益ともに中期業績目標を大幅に上回った。当初、16/3期に販売及び引渡しが本格化した良質でかつ大型の分譲住宅用地の増加や、エリア拡大による中古住宅の販売戸数の増加や、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しによるサブリースの戸数の増加による賃貸及び管理事業の増加を計画していた。これらの事業が会社計画以上の成果をあげることができたことに加え、中古住宅の販売価格上昇も寄与した。 18/3期 の進捗 18/3期の実績は、売上、利益ともに中期業績目標を大幅に上回った。当初、分譲住宅は、分譲戸建住宅において大阪府下、阪神間の大型プロジェクトが引渡し時期を迎えるほか、供給を抑制していた分譲マンションもJR和歌山駅前の一等地での再開を、また、賃貸及び管理事業も、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しを反映して、着実に売上・利益が増加すると計画していた。JR和歌山駅前の分譲マンションは、1年前倒しで16年7月より販売開始となった。これらの事業が会社計画以上の成果をあげることができ、売上、各段階利益とも1年前倒しで中期業績目標を達成した。 19/3期 計画 当初、分譲住宅は、18/3期に再開した一等地の分譲マンションの引渡しが開始され、売上高に計上。中古住宅も兵庫県及び奈良県など営業エリアの広域化が定着し、売上高が増加する計画としていた。また、賃貸及び管理事業も、中古住宅アセット事業の収益物件の拡大や個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しによる管理物件・サブリース物件の取扱増加を想定していた。18/3期に売上、各段階利益とも1年前倒しで中期業績目標を達成し、19/3期の会社計画も中期業績目標を上回る数字となった。
 
 
2019年3月期第2四半期決算
前年同期比9.4%の増収、同12.2%の経常増益 19/3期第2四半期の売上高は、前年同期比9.4%増の534億37百万円となった。建売住宅が減少した住宅流通事業や注文住宅事業で減少したものの、自由設計住宅が増加した分譲住宅事業やサービス付き高齢者向け住宅と個人投資家向け一棟売賃貸アパートが増加した土地有効活用事業や賃貸料収入などが増加した賃貸及び管理事業などで増加した。 その他、競争激化による価格上昇により買取り仕入を抑制していた中古住宅も売上高が前年同期比増加に転じた。 また、販売状況を示す受注契約高も中古住宅や賃貸受託等建築請負などが寄与し、同2.0%増加した。 経常利益は、前年同期比12.2%増の25億64百万円。 セグメント利益は、中古住宅において良質な物件への入替えを目的に一部低採算物件を積極的に処分したことに加え、利益率の高い新築建売住宅が減少したことにより住宅流通事業で減少した他、前年同期に大型個人投資家向け一棟売マンショ ンの引渡しがあった反動により土地有効活用事業も減少した。その一方で、自由設計住宅の引渡戸数が増加したことにより分譲住宅事業で増加した。 その他、土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び分譲マンション引渡しに伴い、管理物件の取扱い件数が増加したことに加え、中古住宅アセット事業による中古賃貸物件も増加したことにより、賃貸及び管理事業でも増加した。 中古住宅の利益率の改善が遅れた影響などにより、売上総利益率は前年同期比0.4ポイント低下。広告宣伝費の減少などにより売上高対販管費比率が0.3ポイント低下したものの、売上高対営業利益率は0.1ポイント低下し4.9%となった。 これにより、営業利益は25億99百万円と同6.3%増加した。その他、営業外収益で補助金収入1億28百万円を計上したことなどにより経常利益の増益率は営業利益の増益率を上回った。 今後も自社開発でのサービス付き高齢者向け住宅の増加により補助金収入の拡大が見込まれる。 その他、特別損失は、固定資産除却損12百万円(前年同期は1百万円)が大きなもの。 なお、今第2四半期は、売上高及び各段階利益とも、期初の会社計画に対し、概ね順調に推移した。 第4四半期連結会計期間に戸建自由設計住宅の引渡しが集中する他、JR阪和線堺市駅前の分譲マンション(総戸数91戸)の引渡しを予定しており、売上高・各段階利益が第4四半期に集中する見込みとなっている。 分譲住宅セグメントの売上高は前年同期比12.6%増の171億32百万円、セグメント利益は同50.6%増の12億73百万円。 主に自由設計住宅の引渡しが、前年同期の358戸から426戸へ増加したことが売上と利益の増加に寄与した。 受注契約高は、自由設計住宅が404戸(前年同期は452戸)、分譲マンションが23戸(前年同期は47戸)となったものの、土地販売が27億39百万円(前年同期は32百万円)発生したことにより、187億57百万円と前年同期比1.1%の減少にとどまった。 土地販売は、兵庫県加古川市の戸建分譲用地の一部を地元企業の購入希望に応える形で、素地のまま売却することとなったもの(第4四半期連結会計期間に引渡し予定)。 住宅流通セグメントの売上高は前年同期比0.1%と微減の157億49百万円、セグメント利益は同37.0%減の1億70百万円。 中古住宅再販事業への新規参入が増え買取り仕入が苦戦していたものの、価格が安定してきたことから買取り仕入を増加させたことが、中古住宅の販売増加に繋がった。 一方で、新築建売住宅の供給が終了し、自由設計住宅へ切り替えている影響により、建売住宅の売上高が減少した。利益面では、中古住宅の利益率の改善の遅れと収益性の高い建売住宅の売上高の減少が影響した。 中古住宅の受注契約戸数は719戸(前年同期は681戸)と増加、住宅流通セグメントの受注契約高は、160億31百万円と同6.7%増加した。 土地有効活用セグメントの売上高は前年同期比17.4%増の118億79百万円、セグメント利益は同14.7%減の11億60百万円。 サービス付き高齢者向け住宅と個人投資家向け一棟売賃貸アパートの拡大により売上高が増加したものの、前年同期に大型の個人投資家向け一棟売マンションの引渡しがあった反動によりセグメント利益は減少した。 受注契約高は123億13百万円と同0.3%増加した。受注契約高は、賃貸住宅等建築請負で前年同期比10.5%増加、サービス付き高齢者向け住宅で同4.5%減少、個人投資家向け一棟売賃貸アパートで同0.4%増加した。 上記の他、賃貸及び管理セグメントの売上高は前年同期比12.8%増の85億78百万円、セグメント利益は同17.4%増の8億25百万円。 土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び分譲マンション引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したことや中古住宅アセット事業において中古賃貸物件が増加したことが寄与した。 また、注文住宅セグメントの売上高は前年同期比29.3%減の98百万円、セグメント損失7百万円(前年同期はセグメント利益3百万円)となった。 19/3期第2四半期は、会社計画を上回る売上高となった。第4四半期連結会計期間に戸建自由設計住宅の引渡しが集中する他、 JR阪和線堺市駅前の分譲マンション(総戸数91戸)の引渡しを予定しており、売上高・各段階利益が第4四半期に集中する見込み。 19/3期第2四半期は、期初の会社計画を上回る受注契約高となったものの、第3四半期は、第2四半期比で減少する計画となっている。 第2四半期の受注契約残高は、変動があるものの、概ね増加基調にある。18年9月末の受注契約残高は、前年同期末比 減少したものの、前期に和歌山市内の大型分譲マンションの引渡しがあった反動で、引き続き高水準を維持している。 2018年9月末の総資産は1,432億97百万円と前期末比77億33百万円増加した。資産サイドは、現預金と有形固定資産が、負債・純資産サイドは短期借入金と利益剰余金が主な増加要因。たな卸資産の主な内訳と金額は、販売用不動産245.7億円(前期末239.9億円)、仕掛販売用不動産185.2億円(同188.6億円)、開発用不動産537.7億円(同552.8億円)。有利子負債は76億10百万円の増加。自己資本比率は25.3%と前期末から0.4ポイントの低下。 CFの面では、たな卸資産が減少したことなどにより営業CFがプラスへ転じた。有形固定資産の取得などの増加で投資CFのマイナス幅が拡大したもののフリーCFのマイナス幅は縮小した。一方、長期借入金の増加幅が縮小したことなどから財務CFのプラス幅は縮小した。また、現金及び現金同等物四半期末残高は前年同期比5.4%の増加となった。
 
 
2019年3月期業績予想
前期比5.9%の増収、同5.9%の経常増益予想 第2四半期が終了し、19/3期の会社計画は、10月29日に売上高のみ上方修正された。今期の会社予想は、売上高が前期比5.9%増の1,100億円(期初予想は1,080億円)、経常利益が同5.9%増の65億円と売上高、利益とも過去最高益を更新する見込み。 売上高の上方修正は、兵庫県加古川市の戸建分譲用地の一部を地元企業の購入希望に応える形で、素地のまま売却することとなったもの(第4四半期連結会計期間に引渡し予定)。一方、各段階の利益は現在精査中のため期初予想を据え置いた。 売上面では、建売住宅の供給を終了する影響により住宅流通セグメントで若干減少するものの、自由設計住宅が増加する分譲住宅セグメントと個人投資家向け一棟売賃貸アパートが増加する土地有効活用セグメントで増加する他、ストックビジネスの積み上がりにより賃貸及び管理セグメントも安定的に拡大する見込み。また、中古住宅は、仕入価格の上昇により買取りの苦戦を想定し微増の計画となっている。 利益面では、前期増加した大型分譲マンションの販売減少の影響があるものの、売上増加を反映して各段階利益も増加する見込み。売上高営業利益率は、6.1%と前期比0.1%低下の前提。また、前下期に大型分譲マンション等の引渡しが集中した影響の反動により、下期の連結業績見通しは、上期に比べ成長率が鈍化する計画となっている。 配当は前期と同額の1株当たり年27円の予想(上期末14円、期末13円)を据え置き。 今期は、第4四半期(1-3月期)に、戸建自由設計住宅の引渡しが集中するほか、JR阪和線堺市駅前の分譲マンション(91戸)の引渡しを予定しており、第4四半期に売上高、各段階利益が集中する見込みとなっている。 19/3期第2四半期連結累計期間の実績と通期会社予想の進捗状況 19/3期第2四半期連結累計期間の連結売上高実績534億37百万円に、18/9月末の受注契約残高(513億44百万円)のうち、当期売上予定の379億91百万円を加えた914億28百万円(通期目標の83.1%)がほぼ確実に今期の売上に計上される見込み。 これに、今後大きなブレのない10月以降の賃貸及び管理の売上84億21百万円を加えた売上は、通期目標の90.8%となる。 通期目標との差額である101億50百万円(通期目標の9.2%)は、10月以降の受注のうち今期売上に計上される中古住宅・分譲マンションの販売額となる。会社計画の達成に向け順調に推移している。 (3)主なトピックス 「JPX日経中小型株指数」構成銘柄に選定 同社は、株式会社東京証券取引所及び株式会社日本経済新聞社が共同で算出している「JPX日経中小型株指数」2018年度の構成銘柄として選定された。本指数は、東京証券取引所の上場銘柄から、適格基準によるスクリーニングを経た上で、3年平均ROE、3年累積営業利益などの定量的な指標及び独立した社外取締役の選任等の定性的な要素を加味して選定された200銘柄で構成されている。同社の高ROE、業績の安定性に加え、ガバナンス体制が評価されたものと思われる。 株式会社日本政策投資銀行による 「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」の最高ランク格付を取得 「DBJ健康格付」融資は、DBJが独自の評価システムにより、企業の健康経営への取組み、従業員の健康配慮への取組みが優れた企業を評価・選定し、その評価に応じて融資条件を設定するという、 「健康経営格付」の専門手法を導入した世界で初めての融資メニュー。同社は社員とその家族を大切にする企業風土であり、経営トップが先頭に立ち、すべての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう枠にとらわれず柔軟性を活かし様々な取組みを展開している。 自社株式の取得を決議 同社は、10月29日開催の取締役会において、自己株式の取得に係る事項を決議した。その内容は、以下の通り。 ・取得する株式の総数70万株(上限) (自己株式を除く発行済株式総数に対する割合1.95%) ・株式の取得価額の総額636百万円(上限) ・取得する期間は、平成30年10月30日から平成31年3月31日まで
 
 
今後の注目点
同社の19/3期第2四半期決算を振り返ると、主力の自由設計住宅に加え、現在注力しているサービス付き高齢者向け住宅と個人投資家向け一棟売賃貸アパートの売上高が順調に拡大していることが確認された。また、土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び分譲マンションの引渡しに伴い、管理物件取扱い件数が増加したことと、中古住宅アセット事業による中古賃貸物件が増加したことなどにより、利益全体に占める賃貸及び管理の比率も高まってきた。ストック収益の積み上がりは、収益基盤の強化に繋がり、不況抵抗力の強い会社との市場における評価向上に結び付くものと期待される。業界の特性である低いPERは、借入金の多さとフロー収益に頼った収益基盤の弱さも一因となっている可能性があり、今後業界内における同社の優位性向上に役立つものと思われる。 こうした中、懸念材料を探すとすれば、第2四半期において、自由設計住宅の受注契約高が前年同期比減少していることと、サービス付き高齢者向け住宅と個人投資家向け一棟売賃貸アパートの受注契約高の伸び率が幾分鈍化傾向なことがあげられる。同社は、中長期的な安定成長を目標に、スケジュールに沿った計画的な受注活動を実施しており、懸念する必要はないのかもしれない。しかし、受注契約高の伸び悩みは、来期以降の成長性鈍化に繋がることから、今後の動向を注意深く見守る必要がある。来期以降の業績拡大に向け好調な受注契約高を獲得できるのか、続く第3四半期の自由設計住宅、サービス付き高齢者向け住宅、並びに、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの受注動向が注目される。 加えて、競争激化による価格高騰により仕入れ買取りを抑制していた中古住宅において、19/3期第2四半期は売上高が増加に転じた。市況が安定してきたことから、同社は今後京都近郊までエリアを広げ、中古住宅の仕入れ買取りを拡大する計画である。今後の中古住宅の販売動向についても期待を込めて注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2018年11月12日。 <その他> コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方において、「株主の投資価値を高めるため、社長自らが、経営理念、事業目的、行動規範を明示し、「能力」と「熱意」と「考え方」の優れた企業貢献意欲の高い役職員が一致団結して同じ方向を向いて活動することが、業績向上のために必要不可欠な要素と考えております。」と述べている。