ブリッジレポート
(9616) 株式会社共立メンテナンス

プライム

ブリッジレポート:(9616)共立メンテナンス vol.57

(9616:東証1部) 共立メンテナンス 企業HP
石塚 晴久 会長
石塚 晴久 会長
上田 卓味 社長
上田 卓味 社長
【ブリッジレポート vol.57】2019年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「自然災害が相次いだにもかかわらず、上期業績は会社予想を上回り、通期予想の上方修正にもつながった。通期予想や中期計画は保守的な・・・」続きは本文をご覧ください。
2019年1月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社共立メンテナンス
会長
石塚 晴久
社長
上田 卓味
所在地
東京都千代田区外神田 2-18-8
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年3月 152,021 13,087 12,928 8,778
2017年3月 135,828 11,815 11,514 7,135
2016年3月 135,053 10,244 9,775 5,970
2015年3月 110,212 8,217 7,663 4,387
2014年3月 105,216 7,490 6,796 3,829
2013年3月 99,472 6,521 5,599 3,206
2012年3月 91,170 6,017 4,602 2,376
2011年3月 84,983 4,610 3,308 1,052
2010年3月 84,513 4,033 3,012 1,254
2009年3月 82,303 5,349 4,510 2,133
2008年3月 75,606 4,492 4,167 2,740
2007年3月 66,287 3,745 3,787 2,413
2006年3月 63,084 4,611 4,823 2,010
2005年3月 58,014 4,407 4,411 2,343
2004年3月 54,080 4,004 4,059 2,137
2003年3月 50,108 4,148 3,884 2,039
株式情報(12/25現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
4,505円 38,985,202株 175,628百万円 12.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
43.00円 1.0% 243.68円 18.5倍 1,842.79円 2.4倍
※株価は12/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
共立メンテナンスの2019年3月期上期決算の概要と通期見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
"ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する"と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。 事業の種類別セグメントと売上構成(18/3期)は次の通りである。 【沿革】 設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。
 
 
新中期経営計画「Kyoritsu Jump Up Plan」:18/3期~22/3期の5ヶ年計画
18/3期からスタートした新中期経営計画「Kyoritsu Jump Up Plan」は初年度から好調に推移している。計画を大きく上回って進捗しているため、いくつかの軌道修正をしながら進展している。 (1)「Kyoritsu Jump Up Plan」骨子 名称「Kyoritsu Jump Up Plan」 基本方針 Ⅰ.顧客満足度の向上 顧客満足度向上に繋がる商品・サービスを創造し、 顧客からの当社への評価を高め、さらなる信頼を得る。 Ⅱ.開発の先行的実施 事業拠点を拡大し、盤石な基盤を構築する。 期間 2017年4月~2022年3月 定量目標 年平均10%以上の利益成長 将来の環境変化に打ち勝つ強固な事業基盤を早期に構築するため「顧客第一」を再認識し、顧客からのさらなる信頼を得ながら、 「先行的開発」を実施する方針。 (2)顧客満足度向上のための重点施策 1.人材育成強化 事業の拡大スピードに応じた人材確保を図る。 積極的に新卒採用をするとともに、顧客の気持ちに応えることのできる、能力の高い人材の安定確保に取り組む。 *人材の安定的確保・・・採用力の更なる強化に加え、定着(離職防止)の促進 18/3期は留学生38名を採用。外国籍の採用人数に制限はなく、優秀な人材なら積極的に採用する。 採用ルート・・・寮事業で培った学校との良好な関係を活用し、学校からの紹介がある。尚、18/3期に採用した寮利用校出身者は全採用者の47%に相当する145名であった。    *研修プログラムの充実・・・サービスレベルの維持・向上、階層別研修制度の充実    *多様な人材の活用・・・グローバル化へ対応すべく、多様な人材の確保と活用    *顧客満足度の向上 2.寮事業 商品ラインナップの拡充と付加価値の向上 3.ホテル事業 ドーミーインRevPARが当初予定以上の伸び 訪日外客数は16年2,404万人、17年2,869万人、18年には3,176万人が見込まれ、政府が目指す20年4,000万人も射程圏内に入ってきた。こうしたことを背景に稼働率、客室単価とも好調に推移しており、RevPARは中期計画の想定を上回って推移している。 (注)RevPARは客室単価×稼働率を指す、ホテル事業のKPI(Key Performance Indicatorの略で、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標)として重視される その他施策 ■「総合顧客ネットワーク室」の活動 ■ポイントプログラム開始 ■自社サイトの刷新 (3)開発計画 持続的な成長に向けた開発計画 開発予定室数は寮事業で7,000室、ドーミーインで9,000室、リゾートで1,400を計画する。 進捗率は寮事業で57.6%、ドーミーインで進捗率98.0%、リゾートでは96.6%に達している。 (4)定量目標の見通し 飛躍のための「開発先行型」プラン 18/3期~19/3期を「開発先行期」と位置付け、20/3期~22/3期に加速した成長を目指す考え。 尚、下図予想は当初の見通しから軌道修正されている。 (5)財務方針 開発投資は5年間で総額1,400億円が見込まれる。 当初計画ではキャッシュ・フロー700億円、オフバランス(セール&リースバック)300億円、外部資金調達400億円で賄う考えとなっていた。 これまでと同様にネットD/Eレシオ1.0倍以下で財務健全性を維持させる。 尚、三井住友ファイナンス&リースと14物件650億円の流動化が具体化するなど不動産の流動化が想定以上に進展しているため、 当初計画のオフバランス300億円が上振れる見込みである。 (6)目標配当性向 13/3期以降連続して増配しつつも10%台にとどまる配当性向は、22/3期までに20%超を目指す。 (7)自社サイトを活性化させ、チャネルコストの削減を目指す 自社サイトの使い勝手があまり良くないためか、同社への宿泊に際して、予約は楽天トラベルなどを通じたものが多い。 こうしたことを受けて、自社サイトからの予約の誘導を進め、チャネルコスト(支払手数料)の削減を目指す。 自社サイト比率を15.2%に高めることで、約4.5億円のコスト削減を目指す。
 
 
2019年3月期上期決算
前年同期比11.7%の増収、同11.0%の経常増益 売上高は前年同期比11.7%増の792億4百万円。 上期の同社を取り巻く環境は、大学への進学率の上昇やインバウンド需要の続伸などが見られた一方で、6月以降大阪府北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震のほか、相次ぐ大型台風の発生など予期せぬ自然災害に見舞われた。こうした中、全社を挙げて自然災害を早期に克服し、中期経営計画の骨子である「顧客満足度の向上」及び「開発の先行的実施」を着実に推進した。 利益面では、開業準備費用等約9億40百万円や、顧客満足度向上のための大規模リニューアル費用約2億20百万円の発生などがあったものの、不動産流動化による利益もあり、営業利益は前年同期比11.5%増の80億44百万円、経常利益は同11.0%増の78億39百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同14.8%増の53億19百万円となった。 寮事業の安定成長とホテル事業の自然災害の克服、開発利益によるサポートでいずれの利益も過去最高を更新した。経常利益は上期ベースで8期連続増益、6期連続で過去最高を更新した。期初の会社予想に対しても売上、各利益が上回った。 尚、今上期は不動産開発売却があった半面、災害の影響といった一時的要因もあった。開発売却額を除いた売上高は前年同期比7.9%増。利益面では、災害等特殊要因を除いた営業利益は同17.6%増、更に不動産開発利益を除いた実力ベースの営業利益は6.8%増と同社では試算している。 配当は当初予定通り20.0円を実施。 営業利益率は前年同期とほぼ同じく10.2%。寮事業、ホテル事業とも低下した半面、その他の事業におけるデベロップメント事業の不動産流動化に伴う大幅増益が利益率向上に貢献した。 寮事業 売上高は前年同期比4.0%増の242億83百万円、営業利益は同0.8%増の37億27百万円。 期初稼働率前年比0.6ポイント減の97.7%となったが、これは新規の学校専用寮の竣工時期に伴う一時的な空室発生等によるもの。学生寮事業において契約数が前年同期の水準を上回り従来の増加傾向に戻ったことに加え、社員寮事業においても新たに寮制度を導入する企業が増加したことなどにより契約数は増加した。尚、費用面では、新規事業所オープンに伴う開業準備費用等約1億30百万円と、既存事業所の大規模リニューアル費用約80百万円が発生した。 売上高については新規開業棟の貢献が大きい。営業利益に対しても増益に貢献している。尚、既存棟の減益要因1.2億円の主な内訳は修繕費が0.7億円、電力・ガスなどエネルギーコスト増が0.5億円程度。 ホテル事業 売上高は前年同期比12.3%増の390億43百万円、営業利益は同1.8%増の47億82百万円。今後オープン予定の新規事業所分を含めた開業準備費用等8億円や、既存事業所の大規模リニューアル費用約1億40百万円を吸収した。一部の事業所においては自然災害による影響もあったが、増益となった。 ドーミーイン(ビジネスホテル)事業 売上高232億円、営業利益38億円、営業利益率は16.5%。今上期に「天然温泉 南部の湯 ドーミーイン本八戸」、「天然温泉 白糸の湯 ドーミーイン大分」、「天然温泉 浪華の湯 ドーミーイン大阪谷町」、「春日の湯 ドーミーイン後楽園」、「ドーミーイン・global cabin 浜松」の5事業所がオープンした。また、インバウンド顧客が各月とも前期を上回って大幅に増加した。尚、上期の後半には自然災害による影響を受けたが、国内の顧客の利用が増加したこともあり、短期間にて回復し、運営上重要な指標となるRevPAR(客室稼働率×平均客室単価)も上昇した。 稼働率は8月まで好調に推移していたものの、台風21号と北海道胆振東部地震を受けた9月には、函館で一時稼働が停止した影響もあり低下した。しかし、大阪北部地震があった6月や西日本豪雨のあった7月を含めて他のエリアが伸びてカバーしているという。 尚、既存棟0.2億円の減益要因の主な内訳は、RevPAR変動により+2.7億円(自然災害による影響-2.4億円を含む)、大規模修繕費の増加-1.1億円、償却費の減少+0.9億円、手数料の増加-1.5億円、人件費の増加-1.4億円。また、韓国では稼働率が大幅に向上し2棟のうち1棟が黒字に転じた。 インバウンド顧客の比率は年々高くなっている。国別では韓国29%、香港26%、台湾13%、中国6%。また、引き続きインバウンド顧客も客室単価は高い。 リゾート(リゾートホテル)事業 売上高157億円、営業利益9億円。リゾート事業では、今期に誕生したブランドロゴのもと、広く愛され、親しまれるリゾート創りを進めてきた。上期後半の自然災害により、9月の稼働率が落ち、立ち直りに若干時間を要しているが、稼働状況に応じた柔軟な人員配置をすることなどにより、コストコントロールを徹底した。 その他の事業 売上高は前年同期比1.3%増の268億26百万円、営業利益は129.9%増の10億60百万円。 総合ビルマネジメント事業は売上高が前年同期比14.8%増の74億40百万円、営業利益は同77.2%減の31百万円。建設案件の増加に伴い増収となったが、ビル管理部門における契約の一部終了などにより減益となった。 フーズ事業は売上高が前年同期比1.2%増の34億20百万円、営業利益は同57.2%減の25百万円。ホテルレストラン受託事業の案件増加に伴い増収となったものの、外食事業の開業準備費用等により減益となった。 デベロップメント事業は売上高が前年同期比8.8%減の97億32百万円、営業利益は同164.8%増の10億46百万円。建設案件の減少に伴い減収となったが、不動産流動化等により大幅な増益となった。 シニアライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営事業)、PKP事業(自治体向け業務受託事業)、単身生活者支援事業、保険代理店事業、総合人材サービス事業、融資事業及び事務代行業が属するその他事業は、売上高が前年同期比4.7%増の62億32百万円、営業損失43百万円(前年同期は営業損失1億31百万円)。尚、シニアライフ事業の売上高が損益分岐点を超えてきている。 上期末の総資産は前期末比95億57百万円増の2,004億87百万円となった。主な要因は、現預金及び仕掛販売用不動産の増加などによるもの。負債は同49億27百万円増の1,240億17万円となった。主な要因は、短期借入金の増加などによるもの。 純資産は同46億30百万円増の764億69百万円となった。主な要因は、利益剰余金の増加などによるもの。 自己資本比率は38.1%となり、前期末比0.5ポイントの増加となった。 尚、同社が重視するネットD/Eレシオは0.9倍と健全性は維持されている。 上期末の現金及び現金同等物の残高は前期末比33億20百万円増加し、197億90百万円となった。 営業CFは、売上債権の増減額及び仕入債務の増減額の影響により前年同期比30億42百万円収入が増加し、61億12百万円の収入となった。 投資CFは有形固定資産の取得による支出及び敷金及び保証金の差入による支出の影響により、前年同期比23億23百万円支出が減少し、109億6百万円の支出となった。 これらにより、フリー・キャッシュ・フローは前年同期比53億65百万円支出が減少し47億94百万円の支出となった。 財務CFは短期借入金の純増減及び社債の償還による支出の影響により、前年同期比42億18百万円収入が減少し、75億84百万円の収入となった。
 
 
2019年3月期業績予想
上方修正、前期比8.3%の増収、同7.5%の経常増益予想 通期予想は売上高が前期比8.3%増の1,646億円、経常利益は同7.5%増の139億円を計画する。当初、中期経営計画に基づく先行的開発に伴う開業準備費用等約19億円のほか、顧客満足度向上のための大規模リニューアル費用約8億円の負担により、通期での営業利益成長率を前期比7.0%増と見込んでいた。しかし、自然災害による影響を克服し、主力事業である寮事業、ホテル事業が安定的に成長したことに加え、不動産流動化の推進も寄与する結果、前期比9.3%増へ上方修正した。 寮事業では、期初稼働率が前年比0.6 ポイント減の97.7%となったが、これは新規学校の専用寮の竣工時期に伴う一時的な空室発生等によるものであり、期中に契約数が増加したこともあり、契約数は従来の増加傾向に戻って推移している。 ホテル事業では、中期経営計画達成に向け開発を加速させる。 配当は年43.0円(うち上期20.0円)を予定している。ただし、通期予想を達成すれば配当性向は17.6%にとどまることから、上乗せの可能性も指摘した。
 
 
今後の注目点
自然災害が相次いだにもかかわらず、上期業績は会社予想を上回り、通期予想の上方修正にもつながった。通期予想や中期計画は保守的な印象。インバウンドが牽引するホテル事業と堅調に推移する寮事業が好業績を牽引する傍ら、その他の事業ではシニアライフ事業が売上総利益ベースで黒字に転じるなど経営管理がきめ細やかに行き届いていることも注目したい。来期を見据えると、寮事業では期初稼働率の見通しが98.0%と高水準、加えてホテル事業では施設の増加が寄与するだけでなく、今期の自然災害の反動も考えられる。長期的には2020年の東京オリンピックに加えて2025年には大阪万博が決定し、見通しもより明るくなった。PERは20倍を超えているものの、株価にはさらなる見直し余地があるといえるだろう。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書 コーポレート・ガバナンス・コード適用後の直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2018年12月25日。 <基本的な考え方> 当社は、創業以来顧客第一を経営理念として、ライフステージの様々な場面でのサービスの提供を通じて広く社会の発展に寄与することを経営方針としております。また、永続的発展と長期的な株主利益の最大化を目指すため、コーポレート・ガバナンスの充実が不可欠と考え、経営の意思決定の迅速化、経営の監督機能の強化、説明責任の重視・徹底、迅速かつ適切な情報開示等を行っており、透明性、健全性等を確保することが重要な経営課題であると認識しております。 また、当社は会社法に基づく機関として、株主総会、取締役、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しており、これらの機関のほかに、経営情報会議、コンプライアンス委員会、グループ経営情報交換会を設置しております。