ブリッジレポート
(3194) 株式会社キリン堂ホールディングス

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ブリッジレポート:(3194)キリン堂ホールディングス vol.48

(3194:東証1部) キリン堂ホールディングス 企業HP
寺西 豊彦 社長
寺西 豊彦 社長

【ブリッジレポート vol.48】2019年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期予想から計算した第4四半期3か月間の売上高は329億9百万円(前年同期比+3.2%)、営業利益は9億89百万円(前年同期比+13.0%)を見込ん・・・」続きは本文をご覧ください。
2019年2月6日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キリン堂ホールディングス
会長
寺西 忠幸
社長
寺西 豊彦
所在地
大阪市淀川区宮原4-5-36
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2018年2月 126,666 1,937 2,604 1,291
2017年2月 116,450 1,298 1,835 635
2016年2月 112,902 1,699 2,320 826
2015年2月 108,033 952 1,437 619
2014年2月 103,055 1,820 2,282 942
2013年2月 101,761 1,924 2,242 882
2012年2月 102,229 1,684 1,960 184
2011年2月 100,465 1,118 1,537 188
2010年2月 104,964 1,232 1,527 -443
2009年2月 106,695 1,781 2,030 500
2008年2月 106,098 2,321 2,530 804
2007年2月 72,803 1,312 1,651 577
2006年2月 66,690 1,308 1,574 753
2005年2月 58,165 745 985 414
株式情報(1/21現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,401円 11,332,206株 15,876百万円 9.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
35.00円 2.5% 127.13円 11.0倍 1,232.85円 1.1倍
※株価は1/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数。ROE、BPSは前期実績。
 
(株)キリン堂ホールディングスの2019年2月期第3四半期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
関西圏を地盤としてドラッグストア・保険調剤薬局を運営する(株)キリン堂を中心とした持株会社。 医薬品等の卸売事業や医療・介護コンサルティング等も手掛ける子会社も有する。ドラッグストア事業では、近畿2府4県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀)を中心に、三重、香川、徳島、石川においてドミナント戦略を進めており(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)、関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)でも店舗展開をしている。グループ店舗数は369店舗(FC1店舗を含む)。 連結子会社は、下記4社。持分法適用関連会社として中国で主に卸売を展開する株式会社ビューネットホールディングスがある。 連結の従業員数は1,741名。(いずれも2018年11月30日現在) 1955年の創業以来、病気になってからではなく、健康な状態のうちに、より健康になるために役立ちたいと考え、「未病対策」をテーマに掲げている。 前回レポート作成時からは順位に変動はない。ツルハHDが売上高の上方修正を行った一方、キリン堂HD、Genky Drugstoresが売上、利益を下方修正した。 2018年2月期のROEは利益率の上昇により過去6年で最も高い9.8%に上昇した。 第2次中期経営計画では、2020年2月期10%以上を目標としている。(19年2月期は9.9%の見込み。)
 
 
2019年2月期第3四半期決算概要
増収増益も、計画未達。 売上高は前年同期比2.4%増の970億91百万円。既存店は前年並み。小売事業においてヘルス&ビューティケア(HBC)商品の販売や、販促施策の見直しに注力したことなどから粗利率が上昇し、粗利額も増加。 販管費も新店増に伴い人件費、営業費を中心に増加したが吸収し、営業利益は同9.3%増の11億61百万円。 販管費は計画内でコントロールできたが売上計画未達により、利益も計画に及ばなかった。 ◎出退店状況 2019年2月期第3四半期(累計)の出店は13店舗、M&A等による増加が2店舗(いずれも調剤薬局)で、店舗数は15店舗増加した。退店は5店舗。2018年11月末のグループ店舗数はFC1店舗を含む369店舗となった。 出店13店舗の内訳は、ドラッグストア9店舗、調剤薬局4店舗。 ◎既存店の状況 2019年2月期第3四半期(累計)の既存店売上高は、前年同期比0.1%増となった。客数が同2.2%の減少となったものの、客単価は同2.4%増と堅調だった。 客数が減少した要因として、シーズン商品の不調、災害の影響のほか、粗利率改善のためのチラシの見直しなど販売促進活動におけるトライ・アンド・エラーをあげている。継続的にチラシの見直しを行っている効果から、粗利率を維持しながら客数は回復傾向にある。 売場改装は累計で前年同期比7店舗増の34店舗実施した。過去5年で100店舗の改装実績に対し、今期計画は45店舗と、積極的に改装を推進している。冷凍食品など商品数増が客単価増に結び付いている。 ◎PB商品売上高の動向 全体の粗利率向上につなげるため、当期も引き続き、相対的に粗利率の高いPB商品の売上構成比率上昇に取り組んでいる。 高付加価値商品のリニューアル、新素材を取り入れた商品の開発、健康志向食品の強化、機能性表示食品の拡大など戦略的PB商品の開発および育成のほか、顧客視点の売場と接客の教育などが注力点である。 新規開発SKU数は269SKUで、うちHBC商品は97SKU。 小売事業の商品売上高全体に占めるPB商品の比率は9.4%で、前年同期に比べ0.2ポイント上昇。HBC商品売上高に占めるPB商品売上高の比率も10.3%と同0.1ポイント上昇した。 健康食品、化粧品が堅調。医薬品は虫刺され治療薬などが低調で減収となったが粗利率は改善。薬価改定の影響で調剤売上高の粗利率は低下したが、HBC商品の販売や販促施策の見直しに注力したことなどから小売事業の粗利率は前年同期比0.4ポイント上昇した。 チラシなど販促施策の見直しを行ったため販売費が前年同期および計画に対し減少。人件費、営業費、施設費は新店増に伴い前年同期を上回ったが、販管費総額では計画内にコントロールすることができた。 ◎調剤事業について 調剤薬局、調剤薬局併設型ドラッグストア計8店舗を新たに出店したほか、M&Aで調剤薬局2店舗を取得、3店舗を閉店した結果、2018年11月末の処方せん取扱店舗数は7店舗増の85店舗となった。 処方せん応需枚数は前年同期比7.1%増の約82.1万枚、調剤売上高は同9.9%増の94億97百万円となった。 現預金、たな卸資産等の増加により、流動資産は前期末比38億20百万円増加。固定資産は無形固定資産の増加等で同4億19百万円増加し、資産合計は同42億40百万円増加の536億20百万円となった。一方、仕入債務の増加などにより、負債合計は同36億18百万円増加の392億31百万円となった。純資産は同6億21百万円増加の143億88百万円。 この結果、自己資本比率は前期末より1.0ポイント低下の26.8%となった。
 
 
2019年2月期業績予想
業績修正も増収・増益を予想 12月度の既存店売上高は前年同月比1.3%増となるなど、足元は堅調に推移しているが第3四半期までの進捗の遅れを第4四半期(12-1月)に取り戻すことは難しいと判断し、業績予想を下方修正した。 ただ、粗利率改善傾向および販管費コントロールは継続しており、増収増益は確保する見通し。 売上高は前期比2.6%増の1,300億円を、営業利益は同11.0%増の21億50百万円を計画。 引き続き、第二次中期経営計画の柱となる重点課題(①既存店の活性化、②ヘルス&ビューティの強化、③作業システム改革、④調剤事業の拡大、⑤関西ドミナントの推進)に取り組み、国内営業基盤の拡大と営業利益率の改善を図る。 ROEに関しては、9.9%を目指す。 配当予想に修正はない。前期比5円増の35.00円/株の予定で、予想配当性向は27.5%。 (2)2019年2月期の重点課題 3か年の第2次中期経営計画の2期目となる2019年2月期の重点課題と取り組みは以下の通り。 *第2次中期経営計画について
 
 
今後の注目点
通期予想から計算した第4四半期3か月間の売上高は329億9百万円(前年同期比+3.2%)、営業利益は9億89百万円(前年同期比+13.0%)を見込んでおり、足元は順調に推移しているようだ。12月度の既存店売上高はプラスで、売場改装の効果などで客単価は引続きプラスであることに加え、客数もマイナス幅が縮小している。 また、顧客囲い込みのツールとして導入した自社電子マネー付プレミアムポイントカード「KiRiCa」は、当面全会員の8%がカードホルダーとなることを目標としているが、12月時点でその割合は4%と、会社側想定以上のスピードで広がっているという事で、「KiRiCa」の今後の寄与も期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
<基本的な考え方> 当社は、コーポレート・ガバナンスの充実が求められる中、企業価値の最大化を図るために、経営判断の迅速化及び経営チェック機能の充実を目指すとともに、株主をはじめとする全てのステークホルダーからの信頼を得るべく、コンプライアンスの徹底及び経営活動の透明性の向上に努めております。 また、このような経営を推進するため、当社グループ全社員がとるべき行動の指針として「自主行動基準」を制定いたしており、同自主行動基準を、当社グループ全社員が着実に遵守・実行することにより、企業理念に根ざした社会的責任を果たすよう努めていく所存であります。