ブリッジレポート
(8130) 株式会社サンゲツ

プライム

ブリッジレポート:(8130)サンゲツ 2019年3月期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

安田 正介 社長

株式会社サンゲツ(8130)

 

企業情報

市場

東証1部・名証1部

業種

卸売業(商業)

代表取締役

社長執行役員

安田 正介

所在地

名古屋市西区幅下1-4-1

決算月

3月

HP

https://www.sangetsu.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,049円

62,850,000株

128,779百万円

3.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

57.00円

2.8%

92.72円

22.1倍

1,612.59円

1.3倍

*株価は 7/16終値。発行済株式数、ROE、DPS、EPS、BPSは19年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年3月(実)

133,972

9,112

9,463

6,393

89.92

47.50

2017年3月(実)

135,640

7,572

8,368

6,570

97.53

52.50

2018年3月(実)

156,390

5,033

5,698

4,514

68.97

55.50

2019年3月(実)

160,422

5,895

6,699

3,579

57.28

56.50

2020年3月(予)

163,000

8,000

8,300

5,700

92.72

57.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。(以下、同様)

 

株式会社サンゲツの2019年3月期決算概要などをご紹介致します。

 

―目次―

1.会社概要
2.2019年3月期決算概要
3.2020年3月期業績見通し
4.中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の進捗状況
5.今後の注目点
<参考1:中期経営計画「PLG 2019」概要>
<参考2:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 19年3月期の売上高は前期比2.6%増の1,604億円。インテリア事業では床材が好調も、壁装材は主力見本帳の回収問題などでセグメント売上は減収。エクステリア事業、照明事業は堅調で、17年12月にM&AしたGoodrich社が寄与し海外事業も増収。値上げの浸透などで売上総利益は増収率を上回る同6.6%増で粗利率は1.2ポイント上昇。Goodrich社の販管費に加え、人件費、物流費など販管費も同5.4%増加したが吸収し、営業利益は同17.1%増の58億円となった。期初予想に対しては売上、利益供に若干の未達だった。

     

  • 20年3月期の売上高は前期比1.6%増の1,630億円の予想。前期減収だったインテリアセグメントは増収へ。売上総利益は増収率を上回る同3.5%増で粗利率は0.6ポイント上昇。海外セグメントの収益改善を進める。営業利益は前期比35.7%増の80億円の予想。配当は前期比0.5円増配の57.00円/株を予定。予想配当性向は61.5%。

     

  • 期初予想には達しなかったものの、第3四半期までの2.0%増収、9.4%営業減益が、通期では2.6%増収、17.1%増益となり、第4四半期(1-3月)は最後の積み上げがしっかりとできたようだ。一方、今期は中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の最終年度となるが、海外事業の収益改善の遅れなどから残念ながら策定時の売上、利益目標には今一つ足りない見通しである。

     

  • ただ、同社が重視しているキャッシュフロー経営の指標CCC (Cash Conversion Cycle)は着実に低下を続け、こちらは75~60日という目標達成の可能性が高い。安田社長によれば、基幹システムの導入、拠点の新設・統合や自社配送体制の強化を含めたロジスティクスの構築などの投資は、他社が容易に実施することは難しく、他に先駆けて戦略的投資をほぼ完了させた同社の競争優位性は益々強力なものとなろう。

     

  • 最終年度となる今期は、次の中計に向けた発射台作りという意味で、どこまで売上、利益を中計目標に近づけることができるのかが重要となる。カギは何といっても海外事業の収益性改善をどこまで進めることができるかということになろう。シェアを落とした壁装材の回復とともに、推移を注目したい。

     

1.会社概要

壁紙、床材、カーテンなどインテリア商品の専門商社最大手。商社ではあるがデザインや機能など製品の企画・開発から手掛ける「ファブレス企業」。安定した業績を生み出すビジネスモデル、主要商品の高いシェア等が強み。グループ企業に、沖縄地区でのインテリア商品の販売を担う「株式会社サンゲツ沖縄」エクステリア商品の専門卸「株式会社サングリーン」、中国での事業展開の拠点「山月堂(上海)装飾有限公司」、米国の非住宅向けを中心とした壁装材製造販売会社「Koroseal Interior Products Holdings,Inc.」、施工能力の強化を通じて更なる受注獲得を目指す「フェアトーン株式会社」、カーテン専門の販売会社「株式会社サンゲツヴォーヌ」、東南アジアにおける内装材料販売会社である「Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.」の7社を有する。

 

【1-1沿革】

1849年(嘉永2年)、表具(布や紙などを張って仕立てられた巻物、掛軸、屏風、襖、衝立、額、画帖など)を商う「山月堂」創業。1953年、創業家により株式会社山月堂商店として株式会社化。1970年代後半以降、東京、福岡、大阪を始め全国で事業展開。1980年、名古屋証券取引所市場第2部に上場。1996年、東京証券取引所市場第1部上場。海外にも進出し、トータルインテリアを供給するブランドメーカーとしての地位を確立する。
2014年4月、安田正介氏が初めて創業家メンバー以外から代表取締役社長に就任。第1期(創業)、第2期(株式会社化)に次ぐ、第3期(第3の創業)として位置づけ、新たなステージに臨む。

 

【1-2 企業理念】

新たなステージに臨む同社では、変革のチャレンジを進める上で、2016年4月、新ブランド理念を含めた企業理念を再構築した。以下の、「社是」、「企業使命」、「サンゲツ三則」に新しい「ブランド理念」を合わせ、企業理念としている。

 

<社是>
誠実

 

<企業使命>
インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与します。

 

<サンゲツ三則>
創造的デザイン・信頼される品質・適正な市場価格

 

<ブランド理念>
ブランドステートメント「Joy of Design」を掲げ、ブランドパーパスとして「私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します。」と謳っている。

 

インテリア商品の作り手と使い手、同社に関連する全てのステークホルダーとともに、新しい価値創造のよろこびを分かち合うことを目指す考えだ。

 

【1-3市場環境】

◎概観
同社の主力商品である壁紙や床材の出荷状況は国内建設市場の動向に影響される。人口減少や家族構成の変化による新設住宅着工戸数の減少やデフレ経済における販売の低下で国内インテリア市場は下のグラフの様に、縮小傾向にある。

(同社資料より)

 

一方、下のグラフは、同社売上高、国内インテリア市場、新設住宅着工戸数(国土交通省発表)の推移を比較したもの。同社の売上高及び国内インテリア市場の動向は、新設住宅着工戸数にほぼリンクしてきたが、リーマンショック後の動きを見ると、市場全体及び新設住宅着工件数は低水準で推移しているのに対し、同社売上高は過去最高を連続して更新している。
   

これは、M&Aに加え、民間住宅以外に非住宅市場の開拓に注力してきたことによるものである。

 

 

国土交通省発表の「建設投資見通し」によれば、民間住宅建築投資、民間非住宅建築投資ともにリーマンショック後は回復途上にあるが、民間住宅建築投資が未だ2000年レベルの8割の水準であるのに対し、民間非住宅建築投資は同レベルを超えている。
ただ、数年間堅調であった新設事務所および店舗の床面積は2018年度に再びマイナスに転じており、堅調とは言い難い。

 

また、一般財団法人 建設経済研究所が発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2019年4月24日発表)によれば、名目民間非住宅建築投資の対前年度伸び率は、2014年度10.6%増、2015年度7.4%増、2016年度4.8%増、2017年度10.9%増、2018年度(見通し)2.3%増の後、2019年度(見通し)1.4%減とマイナス成長に転じる見通し。

 

着工床面積も、事務所が16年度の10.3%増から17年度は一転して4.6%減、18年度(見通し)0.7%減、19年度(見通し)0.0%と低調な展開が続く。店舗も14年度以降前年割れが続く見通しとなっている。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック後の市場動向には、不透明感が広がっているようにも見える。

 

 

このように、住宅市場、非住宅市場ともに決して良好な事業環境ではないが、非住宅市場においては、リニューアル需要は堅調に推移しているため、コントラクト営業部を中心に需要取り込みを図る。加えて海外事業の育成にも取り組み、他社にはない強みを強化、更なる成長を追求している。

 

◎同業他社
インテリア、内装材を扱う主な同業他社としては以下の8社が挙げられる。
 

コード

企業名

売上高

増収率

営業利益

営業増益率

営業利益率

時価総額

PER

PBR

ROE

3501

住江織物

98,500

+0.6%

3,100

+37.9%

3.1%

2,230

19.1

0.6

3.2%

4206

アイカ工業

200,000

+4.5%

21,800

+4.6%

10.9%

247,381

17.3

1.9

10.7%

4215

タキロンシーアイ

151,000

+0.2%

9,300

+2.4%

6.2%

64,057

4.7

0.9

8.8%

4224

ロンシール工業

20,500

+1.0%

1,600

-17.0%

7.8%

7,798

6.8

0.5

9.0%

5956

トーソー

22,800

+0.7%

600

-12.8%

2.6%

4,260

10.5

0.3

3.8%

7971

東リ

93,500

+3.5%

2,200

+10.5%

2.4%

16,105

9.3

0.4

3.8%

7989

立川ブラインド工業

42,200

+8.0%

4,100

+11.5%

9.7%

26,473

9.7

0.7

6.7%

8130

サンゲツ

163,000

+1.6%

8,000

+35.7%

4.9%

130,288

22.4

1.3

3.5%

9827

リリカラ

36,800

+8.3%

700

+282.8%

1.9%

2,697

9.0

0.4

0.6%

*単位:百万円、倍。業績は今期会社予想。時価総額、PER、PBRは2019年6月24日終値ベース。ROEは前期実績。

 

【1-4 事業内容】

壁紙、床材、カーテン、椅子生地などインテリア商品の企画開発及び販売が中心事業。生産設備を持たない「ファブレス経営」が特色だが、単なる商社ではなく、扱う商品はすべて自社で企画・デザイン・開発を行っている。子会社を通じてエクステリア事業も展開している。米国、中国、シンガポールの子会社3社により海外事業も展開している。

 

①「インテリア事業」
(2019年3月期 売上高 119,157百万円、営業利益 6,174百万円)
◎主な取扱商品

壁紙

同社の主力商品。住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装材。近年では汚れ防止や消臭、キズが付きにくいなどの性能を持つ機能性壁紙も人気。また、部屋の一面あるいは一部だけ色やデザインの異なる壁紙を使う「アクセントクロス」は住空間の魅力を高め、賃貸管理会社とのコラボレーションが進んでいる。

クッションフロア

住宅用と店舗用のタイプがあり、アパートやマンションなどでも多く利用されているシート系床材。木目・石目など豊富なデザインとクッション性が特長の幅広い用途を持つアイテム。

長尺塩ビシート

医療・福祉施設や商業スペース、教育施設などに多く利用されるシート系床材。安全、衛生面に配慮した機能のほか、優れたメンテナンス性による管理維持コストの削減、環境負荷の低減にも繋がる性能を持つアイテムなどがある。

インレイドシート

医療・福祉施設や教育施設にも使用されるシート系床材。摩耗しても同じ柄が現れる構造に加え、ワックスがけ不要などの優れたメンテナンス性が施設の維持管理コストや環境負荷を低減する。

フロアタイル

商業施設や教育施設、また戸建やアパート、マンションにも利用される幅広い用途をもつ、タイル状の塩ビ床材。ウッドやストーンなどモチーフとなる素材を高い印刷技術と精緻なエンボス加工で表現した意匠性の高さも特長。

カーペット・

カーペットタイル

カーペットは、住宅からオフィスや商業施設、ホテル、旅館まで幅広い用途で利用される繊維系床材。多彩なデザインと高い機能性を備える。カーペットタイルの多くは50センチ角のタイル状で貼り替えも手軽な上、メンテナンス性にも優れている。

カーテン

同社が取扱うのはすべてオーダーカーテン。好みや部屋の条件に合ったデザイン、サイズで窓まわりを装飾できるのが特長。デザイン性豊かな厚手のカーテンのほか、外から室内が見えにくいミラー調レースや遮熱などの機能性アイテムも人気。

 

商品数は約12,000点と他に類を見ない多彩なラインアップを誇っている。
主力の壁紙で商品数は約4,300点。2年毎に見本帳の更新を行っているが(カーテンは3年毎)、旧い商品を見本帳から外し、新しい商品に入れ替える所謂「改廃率」は壁紙で30~40%程度。廃止されたデザインの商品は破棄しなければならないため無駄が発生してしまうが、見本帳の鮮度もユーザー満足度を高める重要な要素であり、同社の体力や長年に亘るノウハウの蓄積により効率と鮮度のバランスを取っている。

 

◎営業体制
名古屋の本社の他、全国に8か所の支社、50か所の支店・営業所・事務所を持ち、重要な営業拠点として8か所のショールームを有している。
 

(同社資料より)

 

最終的に商品を納入し、売上を立て、代金が入金されるのは上図右の川下の内装仕上げ段階で、主な相手先は代理店を通じた内装工事業者やインテリアショップ、建材店となるが、その前工程での商品PRも重要だ。
住宅やビルが竣工するまでには、発注者(施主)、設計事務所、デザイン事務所、ゼネコン、サブコン、ハウスメーカーなど、数多くのプレーヤーがかかわっており、インテリアをデザインや機能から最終的に選択する意思決定は川上から始まっているケースも多数ある。
そのため、同社では見本帳、ショールームなど様々な機会を通じて商品のPRを行っている。もちろん「待ち」のみでなく、コントラクト営業部(全国的に法人顧客をカバー)をはじめとした全国の営業員約460名が、各担当先に足を運び情報提供・収集、提案を行っている。主として代理店を経由した販売スタイルをとっているが(名古屋を中心とした中部地域の一部では直接販売)、顧客数は中部地域だけで約6,000社。代理店を通しているので正確な数字は把握できていないが、全国の顧客数は数万社にのぼる。

 

◎物流体制
全国11か所に物流センターを含めた物流施設を保有している。
東・名・阪・福はほぼ全商品が常に在庫されており、出荷点数は一日6万点に上るが、欠品率は1日平均で約0.14%(約70点程度)となっている。周辺の物流センターから即座にカバーする事で、納期待ちを依頼する事はレアケースである。内装の工期に合わせた「Just in Time」を全国物流ネットワークによって実現している。仕入先は約100社と広範囲に亘っている。

 

②「エクステリア事業」
(2019年3月期 売上高 16,118百万円、営業利益 594百万円)
2005年に子会社化した株式会社サングリーンが門扉、フェンス、テラスなどのエクステリア商品を国内で販売している。

 

③「照明事業」
(2019年3月期 売上高 4,227百万円、営業利益 65百万円)
2008年に子会社化した山田照明株式会社が一般照明器具を国内外で販売していたが、シナジー効果が限定的であると判断し、2019年4月5日、オーデリック株式会社へ譲渡した。

 

④「海外事業」
(2019年3月期 売上高 20,920百万円、営業利益 -960百万円)
2016年11月に買収したKoroseal Interior Products Holdings,Inc.、2016年4月に設立した山月堂(上海)装飾有限公司および2017年12月に買収したGoodrich Global Holdings Pte. Ltd.の3社で構成される。

 

【1-5 ROE分析】

 

12/3期

13/3期

14/3期

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

ROE (%)

3.5

4.1

4.6

3.7

5.6

6.0

4.2

3.5

 売上高当期純利益率(%)

3.50

3.90

4.14

3.33

4.77

4.84

2.89

2.23

 総資産回転率(回)

0.84

0.88

0.93

0.91

0.95

0.88

0.91

0.94

 レバレッジ(倍)

1.18

1.19

1.20

1.21

1.24

1.41

1.60

1.67

 

新中期経営計画では2019年度(2020年3月期)の定量目標をROE 8~10%としている。
資本政策に基づく自己資本の削減に加え、収益性向上のための取り組みが課題となろう。

 

【1-6 特徴と強み】

①安定した収益を生み出すビジネスモデル
同社は製造部門を持たない「ファブレス経営」の先駆けとも言うべき存在で、製造部門を持たないため固定費負担が小さい。また、商品数12,000点、仕入先100社以上、顧客数万件と、多くの面で分散が効いており、建設市場動向に連動する景気敏感型企業でありながら業績変動は決して大きくなく、設立以来赤字決算を行ったことが無い。

 

②「創る」・「提案する」・「届ける」
「創る」
同社は商品の製造を行ってはいないが企画・デザイン・開発は自社で行っている。昭和40年に初のオリジナル壁紙を発売。昭和48年に制定以降、現在も守り続けられているサンゲツ三則にある「創造的デザイン」に力を入れており、積極的な投資を行っている。
同社で様々なデザインをベースに約25名の企画担当者が、デザインを練り上げ、同社オリジナルデザインを開発している。担当者育成は海外の展示会への参加、営業の意見のヒアリング、デザイン顧問とのディスカッションなど、OJTで行っている。若い感覚をより積極的に採用していく方針だ。商品ラインアップは他社には例を見ない約12,000点。また2~3年ごとに定期的に改訂する約30種類の見本帳も他社にはない同社の大きな特徴。


(同社資料より)

 

「提案する」
同社の営業スタッフ数は全従業員数のおよそ3分の1に当たる約460名で、業界最大である。
全国8支社、50拠点で前述のような、提案営業を展開している。8か所のショールームには約80名のショールームスタッフが在籍。また、各商品を組み合わせた室内空間を顧客にイメージしてもらうためのデザインボードを作成するインテリアデザインスタッフが約50名おり、その提案力も業界最高水準となっている。

 

 

 

(同社資料より)

 

「届ける」
先述の様に、商品の全点常備在庫を行い、内装工期に合わせて「Just in Time」を実現する全国の物流ネットワークを有するのは同社の強みである。
ただ、全点在庫は一方で過剰在庫や低効率につながりかねず、同社の様な注文に応じて正確に加工して出荷する加工物流において、ロス率を上げない正確な加工技術とスピードが重要な要素となる。
通常、壁紙は1ロール50m。30mの注文があった場合、同社の場合は正確に30mでカットして出荷し、加工後残った素材は次の注文に合わせ効率的にカットし、なるべく無駄が出ないように加工する。こうした加工技術は同社が長年蓄積してきた貴重なノウハウによるものである。

 

 

 

(同社資料より)

 

2.2019年3月期決算概要

(1)業績概要

 

18/3月期

構成比

19/3月期

構成比

前年同期比

予想比

売上高

156,390

100.0%

160,422

100.0%

+2.6%

-2.2%

売上総利益

47,572

30.4%

50,720

31.6%

+6.6%

-2.5%

販管費

42,538

27.2%

44,824

27.9%

+5.4%

-2.6%

営業利益

5,033

3.2%

5,895

3.7%

+17.1%

-1.7%

経常利益

5,698

3.6%

6,699

4.2%

+17.6%

+1.5%

当期純利益

4,514

2.9%

3,579

2.2%

-20.7%

-22.2%

*単位: 百万円

 

増収増益、計画には若干の未達
売上高は前期比2.6%増の1,604億円。インテリア事業では床材が好調も、壁装材は主力見本帳の回収問題などでセグメント売上は減収。エクステリア事業、照明事業は堅調で、17年12月にM&AしたGoodrich社が寄与し海外事業も増収。
値上げの浸透などで売上総利益は増収率を上回る同6.6%増で粗利率は1.2ポイント上昇。Goodrich社の販管費に加え、人件費、物流費など販管費も同5.4%増加したが吸収し、営業利益は同17.1%増の58億円となった。
期初予想に対しては売上、利益供に若干の未達だった。

 

(2)セグメント別動向

 

18/3期

構成比

19/3期

構成比

前期比

予想比

売上高

 

 

 

 

 

 

インテリア事業

120,852

77.3%

119,508

74.5%

-1.1%

-2.8%

壁装材

57,588

36.8%

57,155

35.6%

-0.8%

-

床材

42,877

27.4%

43,116

26.9%

+0.6%

-

ファブリック

7,907

5.1%

8,311

5.2%

+5.1%

-

その他

12,478

8.0%

10,924

6.8%

-12.5%

-

エクステリア事業

15,013

9.6%

16,121

10.1%

+7.4%

+6.1%

照明事業

3,663

2.3%

4,227

2.6%

+15.4%

+15.8%

海外事業

17,151

11.0%

20,920

13.0%

+22.0%

-7.2%

調整額

-291

-

-354

-

-

-

合計

156,390

100.0%

160,422

100.0%

+2.6%

-2.2%

営業利益

 

 

 

 

 

 

インテリア事業

5,752

4.8%

6,174

5.2%

+7.3%

-1.2%

エクステリア事業

439

2.9%

594

3.7%

+35.0%

+48.5%

照明事業

-137

-

65

1.5%

-

-

海外事業

-870

-

-960

-

-

-

調整額

-150

-

22

-

-

-

合計

5,033

3.2%

5,895

3.7%

+17.1%

-1.7%

*単位:百万円。営業利益の構成比は営業利益率。ファブリック事業は、カーテンと椅子生地を合わせたもの。

 

➀インテリア事業
減収・減益。
壁装材事業における見本帳回収問題や新基幹システムスタート時の物流混乱、廉価版壁装材の他社攻勢などで販売数量が減少しシェアがダウン。インテリア事業全体でも減収となった。
値上げに関しては壁紙及びファブリックはほぼ想定通りに進捗している。床材に関しては一部のみの達成。
路線便運賃値上げに対しては、転嫁・徴収を開始したことに加え自社配送便体制を整備した。新基幹システム稼働に伴うコスト増もあったが、販管費は計画以下にコントロールできた。

 

<壁装材>
減収。首都圏を中心にした都市再開発およびオリンピック需要の継続を背景に、非住宅向けの不燃認定壁紙を収録した見本帳「FAITH」の売上が堅調に推移したほか、2018年4月に新設したフィルム営業部の商品特化型営業が奏功し、粘着剤付化粧フィルム「リアテック」、「ガラスフィルム」の売上が伸長。一方、6月に発売した「リザーブ1000」、「リフォームセレクション」の市場浸透が一時的に遅れたことに加え、貸家の減少、他社の廉価版の量産壁紙における攻勢も影響した。

 

<床材>
9期連続で増収となった。働き方改革の推進によるオフィス環境整備需要やインバウンド需要により、オフィス・ホテル市場にて、10月に発売した繊維系床材「カーペットタイルDT/NT」の売上が伸長した。さらに、住宅市場、商業施設における床用塩ビタイルの市場拡大が継続して進み、売上を牽引。一方、医療・福祉分野の縮小で長尺シートは減少した。

 

<ファブリック>
過去4年間の改善策が功を奏し、増収。
住宅向けカーテン見本帳「STRINGS」、ワンプライスによる選びやすさを追求した「Simple Order」が引き続き売上を牽引した。また、カーテン専門販売会社である株式会社サンゲツヴォーヌでは、東京・大阪・名古屋・福岡の主要4都市での営業体制を整備し、住宅分野に特化した営業活動を強化した。

 

<その他>
減収。施工体制を担うフェアトーン株式会社の業績、施工代などを含んでいる。

 

➁エクステリア事業
増収・増益。
第2四半期間(7-9月)に発生した台風等の自然災害の復旧に向けた工事が増加し、「フェンス」「カーポート」などのアルミ商材の売上が大きく伸長したほか、「物置」の受注が増加した。
また、一部商材において仕入メーカーの価格改定が市場に浸透したことが売上増につながった。さらに、公共物件においては、安全性への意識の高まりから、既存ブロック塀の補強工事及びフェンスへの切り替え需要が増加した。
また、営業管理体制において、豊橋支店を新設するなどフォロー体制の見直しと施工力の強化にも注力した。

 

➂照明器具事業
増収・黒字転換。
他社の市場参入や低価格化などにより競争は激しさを増す中、インバウンドやオリンピック需要を背景としたコントラクト市場が堅調に推移し、得意とする特注分野でのデザイン性、提案力が市場に評価され、ホテル・宿泊施設での売上が伸長した。また、営業開発担当を増員するなど、スペック営業活動を強化した。
2019年4月、シナジー効果が限定的との判断から山田照明株式会社の全株式をオーデリック株式会社へ譲渡した。

 

➃海外事業
増収・損失拡大。
北米市場を担うKoroseal社.においては、ホテル、コマーシャル市場を中心にデジタルプリントが伸長。2018年9月より販売権を取得した欧州壁紙メーカー「VESCOM」製品も売上増に貢献した。また、経営層の人材強化を行うなど、収益改善に向けた体制整備にも取り組んだ。
中国市場を担う山月堂(上海)においては、レジデンシャル分野では壁装材の売上が、医療・福祉や商業分野では床材の売上が継続して増加した。また、18年11月にはサンゲツブランドの浸透に向けて上海ショールームを開設した。累損を一掃した。
東南アジア市場を担うGoodrich社においては、上海の営業拠点を山月堂(上海)と統合することで、サンゲツグループでのシナジー効果を高める仕組みづくりを進めたが、買収前の営業不足、商品及び見本帳の不備などで減収となった。
Koroseal社の人件費およびセールスツール費など販管費が増加し損失は拡大した。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

18/3月末

19/3月末

 

18/3月末

19/3末

流動資産

94,955

97,674

流動負債

34,275

39,389

現預金

22,482

27,220

仕入債務

24,081

26,522

売上債権

49,805

50,504

固定負債

30,783

31,342

有価証券

2,003

300

長期借入金

17,404

18,925

たな卸資産

17,295

17,331

負債合計

65,058

70,732

固定資産

76,463

73,200

純資産

106,360

100,143

有形固定資産

36,928

35,688

株主資本

103,012

97,897

無形固定資産

19,739

16,686

自己株式

-4,577

-2,889

投資その他の資産

19,796

20,825

負債純資産合計

171,419

170,875

資産合計

171,419

170,875

自己資本比率

61.4%

58.0%

*単位:百万円。

 

現預金、売上債権の増加などで流動資産は前期末に比べ27億円増加。固定資産は無形固定資産の減少などで同32億円減少した結果、資産合計は同5億円減少の1,708億円となった。
仕入債務の増加等で流動負債は同51億円増加し、固定負債も長期借入金の増加等で同5億円増加し、負債合計は同56億円増加の707億円となった。利益剰余金の減少などで純資産は同62億円減少し、1,001億円となった。自己資本比率は前期末の61.4%から3.4%低下し58.0%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

18年3月期

19年3月期

増減

営業CF

7,196

10,370

+3,174

投資CF

-5,732

3,649

+9,381

フリーCF

1,464

14,019

+12,555

財務CF

-4,831

-7,196

-2,365

現金同等物残高

19,856

26,613

+6,757

*単位:百万円。

 

仕入債務の増加等で営業CFのプラス幅は拡大。前期にあった子会社株式の取得による支出が無くなったことなどで投資CFはプラスに転じた。フリーCFのプラス幅は拡大。
長期借入による収入が減少し財務CFのマイナス幅は拡大。
キャッシュポジションは上昇した。

 

3.2020年3月期業績見通し

(1)業績見通し

 

19年3月期

構成比

20年3月期(予)

構成比

前期比

売上高

1604.2

100.0%

1630.0

100.0%

+1.6%

売上総利益

507.2

31.6%

525.0

32.2%

+3.5%

販管費

448.2

27.9%

445.0

27.3%

-0.7%

営業利益

58.9

3.7%

80.0

4.9%

+35.7%

経常利益

66.9

4.2%

83.0

5.1%

+23.9%

当期純利益

35.7

2.2%

57.0

3.5%

+59.2%

*単位:億円。予想は会社側発表

 

増収増益、利益率も上昇
売上高は前期比1.6%増の1,630億円の予想。前期減収だったインテリアセグメントは増収へ。売上総利益は増収率を上回る同3.5%増で粗利率は0.6ポイント上昇。海外セグメントの収益改善を進める。
営業利益は前期比35.7%増の80億円の予想。
配当は前期比0.5円増配の57.00円/株を予定。予想配当性向は61.5%。

 

(2)セグメント別動向

 

19/3月期

構成比

20/3月期(予)

構成比

前期比

売上高

 

 

 

 

 

インテリア事業

1195.0

74.5%

1,265.0

77.6%

+5.9%

エクステリア事業

161.2

10.0%

155.0

9.5%

-3.9%

照明器具事業

42.2

2.6%

-

-

-

海外事業

209.2

13.0%

215.0

13.2%

+2.8%

調整額

-3.5

-

-5.0

-

-

合計

1604.2

100.0%

1,630.0

100.0%

+1.6%

*単位:億円

 

営業利益

19/3月期

構成比

20/3月期(予)

構成比

前期比

インテリア事業

61.7

5.2%

85.0

6.7%

+37.7%

エクステリア事業

5.9

3.7%

4.0

2.6%

-32.7%

照明器具事業

0.6

1.5%

-

-

-

海外事業

-9.6

-

-7.2

-

-

調整額

0.2

-

-1.8

-

-

合計

58.9

3.7%

80.0

4.9%

+35.7%

*単位:億円。海外事業の営業利益はのれん償却後。

 

◎インテリア事業
販管費増の一部を値上げで転嫁してきたが、今後は価格の維持および販売数量やシェア回復を目指し、更なる改善を図る。
また、他社の攻勢に押された形の壁装材の量産商品用見本帳を見直し、シェアの回復を図る。

 

◎海外セグメント
のれん償却前営業利益でも1.8億円の損失見込みであり、今期も収益改善が最大の課題と認識している。
経営体制の強化、新規設備導入によるコスト競争力強化などに取り組む。

 

4.中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の進捗状況

ここまでの中期経営計画の進捗状況は以下の通りである。

 

機能強化
①機能とサービス
即デリバリー(当日午前10時までに受注すれば13~14時には出荷可能)、1日平均6万点の大量受注、多数・多様な庫内加工が可能、大量出荷など、同社の強みを維持・強化するには優れたITシステムの導入が不可欠であり、数年前から随時導入し、前期に新基幹システムが稼働を開始した。
導入直後はやや混乱もあったが、現在ではスムーズに稼働。
業界において同社規模の投資が可能な会社は他にはないということで、今回のITシステムによる事業基盤の強化は、同社の競争優位性を更に強固にすると考えられる。

 

②営業体制
低シェア地域への注力や地域に根差した営業活動の強化に取り組んだ。
新たに開設したサンゲツ沖縄は、ショールーム、ロジスティクスセンター含め本格稼働を開始した。
また、サンゲツ中国四国支社を岡山から広島に移転した。

 

営業体制全般では、個人プレーからチームプレーへと体制を見直したほか、営業と営業推進(営業バックオフィス)の統合を進めた。
また、顧客へのアドバイスをより付加価値の高いものとするため、ショールームでのインテリアアドバイザー制度をスタートし、専門性の高い契約社員を活用することとした。
加えて、2019年3月、サンゲツヴォーヌでカーテンEC事業「WARDROBE sangetsu」をスタートさせた。

 

③ロジスティクス
◎拠点配置
持続性・効率化・拡張可能性に配慮した拠点配置を進めている。

 

北海道、首都圏、中部の各LC(ロジスティクスセンター)における新設・統合を完了させ、沖縄LCを新規に開設した。
また、東北、中国四国、九州LCでは設備更新を完了した。
今後は、2か所に分散し老朽化・狭小という課題のある関西LCの拠点見直しをモデルケースとして、長期的なサービスの維持向上のための設備の自動化・システム化を実行する計画だ。

 

◎自社配送体制の強化
路線便運賃値上げに対応した自社配送体制の強化に取り組んでいる。

 

ロジスティクス業務の3PL化を前提に2017年度より高卒採用を中止していたが、コストおよび持続性を総合的に検討した結果、変更を方針し委託をやめ自社運営体制を構築することとした。
このため、庫内加工・配送業務を主に担当する専門職掌制度をスタートさせた。

 

各地域での特性に応じた自社配送便の再構築を進めている。
まず東北地域で、東北地区の大手配送業者及びエリア配送業者など地場の運送会社と協力し共配による物流網を構築。東北LCから各県主要都市14か所、主要地域拠点29か所への自社配送が可能となった。
この取り組みも、同社のスケールがあればこそであり、他社との大きな差別化要因である。
今回のケースを実例として他地域での構築にも取り組んでいく。

 

④商品力強化
ワンプライス、低価格で選びやすさを重視したオーダーカーテン見本帳「Simple Order」が好調だ。
大型家具量販店にも比肩する価格を武器に売上を拡大しており、ファブリック事業の回復をけん引している。

 

⑤海外セグメント
◎米国 Koroseal社
収益性の改善に向けて以下取り組んでいる。

 

1.Louisvilleに所在する2工場を2019年9月に統合するとともに、新設備(壁紙製造設備)を導入し、コスト競争力を強化する。

 

2.急速に伸張するデジタル印刷壁紙の設備を増強する。

 

3. ヨーロッパ有力非住宅向け壁紙メーカー「VESCOM」商品の取り扱いを開始した。

 

4. サンゲツから経営幹部社員を派遣するほか、経理部門へも社員を派遣する。

 

◎中国 山月堂
日系顧客に加え、中国系顧客が拡大している。また、壁装材に加え床材取引も伸長している。
累損を一掃した前期に続き、更なる収益の拡大を目指している。

 

◎東南アジア Goodrich社
想定よりも収益貢献が遅れている。サンゲツとの協業による新見本帳の発売を行ったほか、商品開発担当を始めとした幹部社員の若返りを進めている。
また、効率化とシナジー効果発現を目的として、山月堂とGoodrich上海の事務所を統合。共有ショールームを新設した。

 

⑥業態転換への取組み
2019年4月、リノベーション事業部を新設した。
住宅リフォーム市場は横這いが続く中、非住宅リニューアル市場は着実な拡大が続いており、デザイン提案力、施工管理力、各種施工力により、非住宅リニューアル市場での事業拡大を目指している。

 

➆人的資源
係長レベルの全社員占める女性社員比率、管理職である課長レベルの全社員に占める女性社員比率は2019年4月1日でそれぞれ、33.9%、12.0%。管理職に占める女性社員比率は2020年度で15%を目指している。
障がい者雇用率実績は法定雇用率の2.2%を上回る2.41%。今後は、職域拡大を推進し、雇用率3.0%を目指す。

 

⑧ESG/ガバナンス
より透明で・公正な経営体制の構築を進めている。
2019年6月20日開催の第67回定時株主総会で新たに1名の社外取締役が選任され、監査等委員を兼ねる取締役と業務執行取締役の比率は前年度の5:5から5:2となり、社外取締役が多数となった。
また、独立社外取締役と社内取締役の比率は前年度の4:6から4:3へと、独立社外取締役が上回ることとなった。

 

⑨自己株取得と株主還元
2019年3月期は246万株、53億円の自己株取得を行った。
また総配当額35億円との合計である総還元額は88億円で、総還元性向は245.5%。前期の234.0%に続き積極的な株主還元を実施した。

 

5.今後の注目点

期初予想には達しなかったものの、第3四半期までの2.0%増収、9.4%営業減益が、通期では2.6%増収、17.1%増益となり、第4四半期(1-3月)は最後の積み上げがしっかりとできたようだ。
一方、今期は中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」の最終年度となるが、海外事業の収益改善の遅れなどから残念ながら策定時の売上、利益目標には今一つ足りない見通しである。

 

ただ、同社が重視しているキャッシュフロー経営の指標CCC (Cash Conversion Cycle)は着実に低下を続け、こちらは75~60日という目標達成の可能性が高い。
安田社長によれば、基幹システムの導入、拠点の新設・統合や自社配送体制の強化を含めたロジスティクスの構築などの投資は、他社が容易に実施することは難しく、他に先駆けて戦略的投資をほぼ完了させた同社の競争優位性は益々強力なものとなろう。

 

最終年度となる今期は、次の中計に向けた発射台作りという意味で、どこまで売上、利益を中計目標に近づけることができるのかが重要となる。カギは何といっても海外事業の収益性改善をどこまで進めることができるかということになろう。
シェアを落とした壁装材の回復とともに、推移を注目したい。

 

 

<参考1:中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」概要>

◎ビジョン
「社是:誠実」、「ブランド理念:Joy of Design」のもと、中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」においては、「多様な商品と機能と高い専門性を持ち、国内外で強固な市場を持つ企業グループ構築をする。」ことを目指していく。

 

PはPersonal。専門性を持ったプロ人材となる。社外との強い人的関係を結ぶ。
LはLocal。各地域での強固な市場ポジションを確立する。
GはGlobal。商品・デザインのグローバル化。

 

◎2019年度(最終年度)目標

目標

ROE  8~10%

付随目標

売上高 1,650~1,750億円

当期純利益 80~100億円

自己資本 1,050~1,000億円

CCC 75~60日

 

前中計に引き続き、全てのステークホルダーとの共調を志向しながら資本効率性の向上に注力する。
売上高目標の内訳は、以下の通り。

 

インテリア事業

1,220~1,260億円

エクステリア事業

155~160億円

照明事業

50億円

海外(北米、中国、東南アジア)

225~280億円

合計

1,650~1,750億円

*照明事業は2019年4月に譲渡。

 

◎テーマ
基本方針として「内装材事業(企画・調達・物流・販売)の地理的拡大、機能強化」を掲げ、以下の5つの基本施策を推進する。

 

(1)成長の為の事業戦略
①安定的かつ基礎的収益源である日本市場において、バリューチェーンでの機能強化・取組領域の拡大により収益の安定的成長を実現
「国内外有力サプライヤーとのアライアンスを通じた材料・原料を含めた商品開発・調達」、「インテリアコーディネーション提案・施工力の強化」、「代理店との連携・協業強化」、「社内営業体制の見直し」などを進める。

 

②成長力のある海外市場での活動を強化、地理的な展開を拡大するとともに商品面・機能面での拡充を実行
北米(米国・カナダ)、アジア(中国・東南アジア)を重点注力市場と位置付け、各市場でのローカルな物流・営業体制を拡充・強化する。

 

③デザインのグローバル化、製造メーカーのグローバル化に呼応し、グローバルな商品の企画・調達体制を構築
日本・米国・中国のローカル拠点間の連携を深め、「海外有力メーカーとの国内外での連携」や「ヨーロッパデザイン・和のデザインの共同展開や商品の共同マーケティング」に取り組む。

 

④地域での事業を担う関係会社・機能を担う関係会社・専門市場を担う関係会社を統合的に経営し、トータルシナジーを生む為の連結経営体制を強化
事業シナジーの最大化や収益管理体制の明確化のために主管部制度を導入するほか、管理部門による横断的なチェック・サポート体制を構築する。
連結経営課を新設し、全体管理や牽制機能を持たせる。
加えて、実効性を上げるために定期的なモニタリングや対話制度も導入する。

 

⑤次期中期経営計画を睨み業態の転換の試行を重ねる。
現在のグループ各社の経営資源や特長をより一層活用してシナジーを追求するために、業態転換の試行・検討を進める。

 

(2)人的資源の強化
真のプロフェッショナル育成のために、グループ各社および本体各組織において、①プロ人材の育成、②能力主義の徹底、③ダイバーシティの推進、④働き方改革、⑤健康経営の推進に取り組む。

 

(3)収益管理体制の強化
①販売管理費の削減と管理の徹底
Chief Cost Controllerを任命する。販管費管理手法を整備する。サンゲツ単体では総人員を縮小する。

 

②グループ各社へのCCC 管理の導入
連結ベースでのデュポン分析によるROEおよびCCCの目標を設定し、進捗をフォローする。

 

③サンゲツ各事業部・各支社での経営管理指標の明確化と進捗管理
各支社社員数ベースでの売上・総利益目標を設定する。

 

(4)ESG/CSR 方針
➀E:環境
☆サンゲツグループの事業全体の環境負荷を把握し、地球温暖化防止や持続可能な資源循環に向けての体制を構築する。
・CO2ゼロエミッションに向けた計画の立案など。

 

➁S:社会
☆グループ各社の多様な従業員の活躍を支援するとともに社会的弱者の就労支援
・女性管理職比率15%以上を達成する。(17年3月期実績 10.6%)
・障がい者雇用率目標3%実現(現在2.3%)、など
☆サプライチェーンにおける社会的責任の推進

 

☆社員が主体的となった社会貢献活動の拡大
・児童養護福祉施設の内装工事支援(目標 20件以上/年)

 

➂G:ガバナンス
☆コーポレートガバナンスの透明性の維持と向上、コンプライアンスの徹底
・株主、投資家、従業員、取引先などあらゆるステークホルダーとのコミュニケーション向上

 

(5)資本政策
①資本効率向上に向けた財務方針
資本市場の状況を鑑みつつ、引き続き自己株式取得と安定的増配を行い自己資本1,050~1,000 億円への削減を目指す。(17年3月期 1,103億円)

 

➁中期経営計画期間中の株主還元政策
・3年間トータルの連結総還元性向は100%超とする。
・長期安定的な増配の基本方針に基づき、安定的増配を継続する。
・株式市場の状況に応じて機動的に自己株式を取得する。

 

以下のような資金調達及び資金配分を計画している。

 

資金創出・調達

 

資金配分

17年3月末現金同等物

300億円

 

成長投資

100~250億円

中計期間中の営業CF

310~380億円

株主還元

250~330億円

中計期間中の借入金

0~220億円

 

期末現金

250~300億円

合計

610~900億円

 

合計

600~880億円

 

 

<参考2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外4名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2019年7月2日

 

<基本的な考え方>
当社は、「誠実」を社是とし、企業価値の向上を図るため全てのステークホルダーとの良好な関係を築き、長期安定的に発展していくことを目指しています。
その実現のため、経営の透明性、迅速性、効率性を基盤としたコーポレートガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
当社は、社外取締役の経営参加による取締役会の監査・監督機能を強化することをねらいとして、監査等委員会設置会社へ移行しています。
このガバナンス体制のもと、更なる企業価値の向上に努めていきたいと考えています。

 

<実施しない主な原則とその理由>
同社はコーポレートガバナンス・コードの各原則を実施している。

 

<各原則に基づく主な開示>

原則

開示内容

【原則1-4. いわゆる政策保有株式】

1.政策保有に関する方針

事業戦略上、新たに関係を強化すべき企業、また、取引先として継続して関係を強化すべき企業などの観点から総合的に判断して中長期的に保有する政策保有株式を決めております。保有株式については毎年、保有にかかるコストとリターンを確認し、中長期的にも保有意義がなくなったと

判断した場合には株式の売却を行う方針であり、それに基づいた運用をしております。取締役会における検証の結果、保有継続を決定した銘柄については、有価証券報告書の「株式の保有状況」欄で開示します。

2.議決権行使の考え方

投資先企業の経営方針を尊重した上で、様々なチャンネルを通じた対話やコミュニケーションを行い、その企業の中長期的な企業価値の向上、株主還元姿勢、コーポレートガバナンスやCSRへの取組みなどを総合的に判断するとともに、議案の内容が当社の保有目的に適合するか、又、当該企業の価値向上につながるかを個別に精査した上で賛否の判断をしています。

【原則5-1. 株主との建設的な対話に関する方針】

 

当社は株主との建設的な対話を促進し、透明性の高い情報開示と対話を心掛け、良好な関係の構築を目指し、以下の通り、積極的にIR活動を実施しています。

・当社のIR活動は、社長執行役員が統括しています。

・株主との対話を合理的に推進し且つ機動的なIR活動を実践するために、広報IR課を設置しています。

・国内・海外機関投資家、アナリストとの対話は要望に応じて社長執行役員、担当役員、広報IR課が面談しています。

・IR活動は広報IR課を専門部局としますが、各事業本部、財務経理部、社長室経営企画課などの各部門が連携し、より実効性の高い情報提供に努めています。

・決算発表、投資家向け決算説明会、証券取引所などが主催する個人投資家向けIRイベントに参加し説明会を開催しています。

・2017年より株主総会後の7月中旬に当社品川ショールームにおいて株主向け会社説明会を実施し、主に関東地区の個人株主様への会社説明の機会を設けています。本説明会には取締役全員が出席し、社長執行役員が会社説明を行っています。2018年9月、2019年3月に監査等委員である取締役と機関投資家による、主にガバナンスに関するIRmeetingを開催しました。

・各イベント等で使用した説明用資料や対話の様子をウェブサイトに公表しています。(必要に応じて英語版も公表)

・各年度において統合報告書を作成し、ウェブサイトには日本語版と英語版を公表しています。

・直接的な対話やウェブサイト上の資料を通じて、株主に対し当社の経営戦略、事業環境、事業進捗、財務情報などに関して理解を深めて戴ける活動を実践しています。

・株主や投資家との対話を通じて得られたご意見は広報IR課を通じて経営の改善に役立てています。

・インサイダー情報の管理の取扱いについては、内部者取引等管理規定(インサイダー取引防止規定)に基づき、未公表の重要事実の管理を徹底し、適切に対応しています。

 

 

 

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

Copyright(C) 2019 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.