ブリッジレポート
(6094) 株式会社フリークアウト・ホールディングス

グロース

ブリッジレポート:(6094) フリークアウト・ホールディングス 2019年9月期第3四半期決算

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本田 謙 社長 Global CEO

株式会社フリークアウト・ホールディングス(6094)

 

 

会社情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表取締役社長 Global CEO

本田 謙

所在地

東京都港区六本木6-3-1

決算月

9月末日

HP

https://www.fout.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,308円

15,760,360株

20,614百万円

0.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00円

-

-

-

319.12円

4.0倍

*株価は08/23終値。発行済株式数は直近期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年9月(実)

4,217

96

95

65

5.23

0.00

2016年9月(実)

5,792

358

561

394

30.72

0.00

2017年9月(実)

12,019

601

1,208

842

64.12

0.00

2018年9月(実)

14,745

-532

307

25

1.94

0.00

2019年9月(予)

19,000

100

200

未定

未定

0.00

* 予想は会社予想。単位は百万円。2016年9月1日付で1:2の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。

 

 

株式会社フリークアウト・ホールディングスの2019年9月期第3四半期決算概要などを報告します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年9月期第3四半期決算概要
3.2019年9月期業績見通し
4.各事業の進捗
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 最適な消費者に最適なタイミングで最適なメッセージを伝えたいという広告主の課題を、AI(人工知能)を用いた先端テクノロジーで解決するマーケティング・テクノロジー・カンパニー。広告主や広告代理店が、広告主の利益を最大化するために効率的にインターネット広告を買い付け、配信するプラットフォーム「DSP(デマンドサイド・プラットフォーム)」の運営やOEM提供を行う「DSP事業」が事業の中心。「最大級のデータ保有量」、「良質な広告掲載面の確保」、「優れたアルゴリズム構築のための積極的な投資」などが大きな強み・特長。広告に留まらず様々な分野でテクノロジーによって「人に人らしい仕事を」提供し、創造的な社会づくりに貢献する事を経営理念としている。

     

  • 19/9期第3四半期累計は前年同期比46.7%増収、経常損失6億25百万円(前年同期は2億86百万円の利益)、EBITDAは82.3%減。国内は伸び悩んだが、海外でPlaywireの新規連結に伴い大幅増収。利益面では成長のための先行投資やM&A先での赤字発生、収益化に向けての一部拠点の撤退・縮小に伴う費用が発生し、減益となった。

     

  • 大幅増収ながらEBITDAは大幅減、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億円超の赤字となった。しかし、来期に向けて事業は着々と進展している印象を持っている。海外では新規連結のPlaywireが好調に推移、足元も大幅な増収増益基調かつ、来期はフルに寄与する。こうした中、台湾子会社の改善が進んでいる。一部海外拠点の撤退・縮小に伴う費用や損失を計上するが、赤字事業からの撤退で来期は利益を押し上げる要因となりそう。国内では大手顧客と契約し来期の貢献が見込まれる。また、2Qに国内外の広告事業を統合しているが、今後本格的にその成果が表れるだろう。伊藤忠商事との資本業務提携についても、徐々に収益貢献することが期待される。中期計画最終年度にあたる来20/9期はEBITDA30億円を目指している。一方、決算内容などを受けて株価は大幅に下落、中期計画達成を前提としたEV/EBITDA倍率は11倍程度にとどまり、高成長の同社としてはかなり割安感のある株価水準に来ている。

     

1.会社概要

最適な消費者に最適なタイミングで最適なメッセージを伝えたいという広告主の課題を、AI(人工知能)を用いた先端テクノロジーで解決するマーケティング・テクノロジー・カンパニー。
広告主や広告代理店が、広告主の利益を最大化するために効率的にインターネット広告を買い付け、配信するプラットフォーム「DSP(デマンドサイド・プラットフォーム)」の運営やOEM提供を行う「DSP事業」が事業の中心。
「最大級のデータ保有量」、「良質な広告掲載面の確保」、「優れたアルゴリズム構築のための積極的な投資」などが大きな強み・特長。
広告に留まらず様々な分野でテクノロジーによって「人に人らしい仕事を」提供し、創造的な社会づくりに貢献する事を経営理念としている。

 

【1-1 沿革】

日本よりも1年ほど先行して米国でRTB(Real-Time Bidding)という、インターネット広告の表示回数ごとに入札形式で広告枠を自動的に売買する配信手法が一般化していたころ、日本でもこの手法を導入して広告分野におけるGame Changeを起こすことを目指してエンジニアでありヤフー株式会社で広告ビジネスに携わった経歴を持つ代表取締役Global CEO本田謙氏が2010年10月、同社を設立。グーグル株式会社で同じくエンジニアとして広告製品を担当していた代表取締役社長 佐藤 裕介氏も創業に参画し、2011年1月、日本国内で初めてRTB技術の商用化を実現した。
新しいプロダクトに対する感度が高いという広告業界の特性もあり、リリース直後から利用する企業は多数に上ると同時に顧客の満足度も高く、売上、利益は順調に拡大。2014年6月、設立から4年弱で東証マザーズに上場した。
2017年1月には意思決定のスピードアップやよりダイナミックな事業展開を目指し持株会社体制に移行した。

 

2010年

10月

同社設立

2011年

1月

日本初のRTB技術を用いたDSP「Freak Out」をリリース

2012年

5月

スマートフォン向けサービスを開始

2013年

6月

合弁会社(現連結子会社)「(株)インティメート・マージャー」設立

2013年

10月

YouTubeにホスティングされた動画を利用した動画広告配信サービスを提供開始

12月

LINE株式会社と合弁会社M.T.Burn株式会社を設立

2014年

6月

東証マザーズに上場

6月

M.T.Burn(株)がネイティブ広告プラットフォーム「AppDavis(現 Hike)」をリリース

2016年

1月

M.T.Burn(株)の「Hike」とRTB接続を開始

5月

モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」をリリース

2017年

1月

持株会社体制へ移行し商号を「株式会社フリークアウト・ホールディングス」へ変更

3月

Gardia(株)設立、Fintec領域へ参入

2019年

1月

国内・海外広告事業を統合

5月

M.T.Burn(株)を解散

 

【1-2 経営理念など】

『Give People Work That Requires A Person.』、『人に人らしい仕事を』を経営理念として掲げている。

 

沿革にあるように、インターネット広告のリアルタイム取引を日本で初めて事業化し、広告取引を人間の手作業からコンピュータ間の取引に変えていくことを目指したのが創業の経緯。

 

テクノロジーによって、広告主は消費者一人ひとりとコミュニケーションを取ることが可能になり、従来のマス広告では不可能だった真の 1to1 マーケティングに近づく。
また同時に、広告業に従事する「人」たちは、取引に関する雑務から解放され、より人間らしいコミュニケーションのプランニングや、共感を起こすメッセージの作成など、クリエイティブな仕事に集中できるようになる。

 

同社は、「コンピュータにできることはコンピュータに任せることで、余剰労働力(人が創造的な仕事と向き合う時間)をつくること。」が使命であると考えている。
広告分野に留まらずあらゆる分野において、自社の高度なテクノロジーによって、人に人らしい仕事を提供し、より創造的な社会作りに貢献する事が同社の目指す姿である。

 

【1-3 インターネット広告市場概要】

同社の事業内容を理解するためには、広告主やメディアのニーズと広告市場の変化、テクノロジー、メインプレーヤーといった「インターネット広告」運営を取り巻く環境、構成要素等について一定の知識を有していることが欠かせない。以下、主要ポイントについて概要を説明する。

 

≪広告市場の変化≫
従来の広告市場、特にテレビや新聞といったマスメディアを利用した広告ビジネスにおいては、サプライサイドであるメディアや広告代理店にとっては在庫の独占性や排他性が事業展開するうえで最も重要な要素であった。
大手広告代理店は限りのあるTVのスポット枠をほぼ完全に押さえることで広告主に対する価格リーダーシップを握り、メディアとともに大きな利益を生み出してきた。
ところがTVや新聞によるマス広告は、右肩上がりの経済成長の終焉と、従来のメディアと比較した際のコストの安さや双方向性を大きな特徴とするインターネット広告の登場によりその需要は縮小する傾向にある。

 

日本の総広告費用が過去10年間でほぼ横ばいの中、2005年には3,777億円であったインターネット広告費は地上波テレビの2割弱、新聞の4割弱であったが、年平均成長率12%超で拡大を続け、2018年には1兆7,589億円となり、地上波テレビの1兆7,848億円に迫る規模となっている。 (「電通 日本の広告市場 2018」より)

 

一方で、より効果的な広告を求める広告主のニーズはますます増大しており、いかにして「最適な消費者に」、「最適なタイミングで」、「最適なメッセージ」を届けるかが大きな課題となっている。

 

こうした中、「アドエクスチェンジ」と呼ばれる、広告枠のオープンなマーケットプレイスが登場してきた。これは、広告主、メディア、広告代理店などが広告枠を自由に売買することができるまさに「市場」であり、広告主にとっては、より高い広告パフォーマンスを求めて最適な広告枠を買うことが極めて重要になってくるわけだが、それを実現するためのカギとなるテクノロジーの一つが、同社が日本国内で初めて商用化を実現した「RTB」である。

 

≪RTBによる広告枠のリアルタイム取引≫
RTB(Real-Time Bidding : リアルタイムビッディング)とは、インプレッション(広告の表示回数)ごとに入札形式で広告枠を自動的に売買する配信手法。

 

RTBが登場するまで一般的であった「純広告取引」は、ディスプレイ広告(ウェブサイトに表示される画像やFlash、動画などを用いた広告)の枠を、メディアや広告代理店がインプレッション保証や期間保証を付けてパッケージ販売するいわばコースメニュー。
これに対してRTBは、ディスプレイ広告を1インプレッションごとにアクセスしてきたユーザーの属性を解析し、「特定の属性を持ったユーザーへの広告」として1インプレッションごとに入札方式で売買を行なうシステムである。

 

RTB技術の活用により、広告主は従来の特定サイトの広告枠を予め決定された価格で購入する純広告や、検索キーワードに関連した検索連動型広告では難しかった潜在的な消費者層の開拓や、興味・関心をもってもらうための効果的な広告配信による認知施策が可能となる。

 

(RTBの流れ)

インターネットユーザーが広告枠のあるウェブサイトに来訪した瞬間に、広告枠を管理するアドエクスチェンジやSSP、あるいはアドネットワーク(※)などから、複数のDSP事業者に来訪ユーザーの情報と広告枠情報(入札リクエスト)が送信される。

各DSP事業者はデータベースを解析し、入札を実行する。

広告枠のオークションの結果、競り勝ったDSP事業者は広告枠の配信を行う。

同社では、オークションが成立した瞬間にSSP等から広告枠を仕入れ、広告枠の入札価額に一定のマージンを載せて販売価額を決定し、広告枠の配信を行う。

(※)アドネットワーク : 複数の媒体サイトの広告枠を束ねてネットワーク化し、広告販売や広告配信を一元的に管理して収益化を実現するもの。
「RTB」には広告枠の需要サイドのシステムである「DSP」と、供給サイドのシステムである「SSP」が主要プレーヤーとして登場する。

 

(DSP 「Demand Side Platform : デマンドサイド・プラットフォーム」とは?)
広告主や広告代理店が、広告主の利益を最大化するために効率的にインターネット広告を買い付け、配信するプラットフォーム。

 

具体的には、広告主や広告代理店が、RTB技術を活用し独自のアルゴリズムにより、アドエクスチェンジやSSP、あるいはアドネットワークなどに対して、ユーザーの広告1インプレッションごとに最適な自動入札取引・広告配信を行うプラットフォームである。
広告主はあらかじめDSPを通じて広告を見て欲しい対象者の属性、入札の上限額を決めておき、広告主の要望にマッチするユーザーが見つかった場合は瞬時(およそ0.05秒程度)に入札が行われ、最も高い価格を提示した広告が媒体に配信される。

 

RTBが登場するまでは、広告主は、ターゲットであるユーザーが閲覧すると思われるサイトを想定して、特定の広告枠を予め決められた価格で買い付けていた。しかし、DSPを用いることにより、広告主は広告を配信したいユーザーをリアルタイムで判断し、入札による適切な価格で広告を配信することができるため、広告主は広告の費用対効果を高めることが可能である。

 

同社は自社開発のDSPである「Red」や「FreakOut」の販売やOEM供給を行う「DSP事業」をメインビジネスとしている。
常に最適なユーザーに広告を配信し、最適な価格で入札を行うには、極めて高度なアルゴリズムを構築し、大量のデータを元に機械学習を繰り返すことで「より賢いAI(人工知能)」に磨き上げていく必要があるが、同社はその点で強力な競争優位性を有している。(詳細は【1-6 特徴・強み】を参照)

 

(SSP 「Supply Side Platform : サプライサイド・プラットフォーム」とは?)
メディア側から見た広告効果の最大化を支援するシステム。メディアが広告枠を管理及び販売する際に使用するプラットフォームであり、DSPのリアルタイムな入札に対応する技術を有している。

 

このように、RTB技術をベースにして従来の純広告では困難であった最適化を自動かつ瞬時に行う費用対効果に優れた広告は「運用型広告」と呼ばれ、インターネット広告全体を上回るスピードで成長を続けている。
2018年には日本のインターネット広告の65.5%が運用型広告となっている。

 

(電通「日本の広告2018」を基に当社作成)
(※)運用型広告:膨大なデータを処理するプラットフォームにより広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法の事。検索連動型広告や一部のアドネットワークが含まれるほか、新しく登場してきたDSP、アドエクスチェンジ、SSPなどが典型例。枠売り広告、タイアップ広告、アフィリエイト広告などは運用型広告に含まれない。

 

また、同社が日本国内で商用化したRTBは、市場規模は米国の10分の1以下であるが、急成長を遂げている。

 

このように、他の媒体と比べて高い伸びを見せるインターネット広告の中でも特に伸長著しいRTB技術をベースとした「運用型広告」が同社のフィールドであり、旺盛な需要を確実に取り込んで業容を拡大させている。

 

加えて、後述するように同社では東南アジアを中心とした海外事業の拡大にも積極的に取り組んでいるが、東南アジアにおいても台湾を筆頭に各国において広告市場におけるデジタル広告費の割合は上昇傾向にあり、マーケットは継続的に拡大している。

 

(同社資料より)

 

【1-4 事業内容】

事業セグメント
事業セグメントは、「DSP事業」、「DMP事業」、「その他事業」の3つ。

 


 

① DSP事業
◎ビジネスモデル
SSP・アドエクスチェンジおよびメディアを通じて広告枠を仕入れ、広告主・広告代理店に対してインターネット広告枠を提供。一部広告代理店に対してはDSPプラットフォームのOEM提供を行っている。

 

(会社側資料より)

 

◎主要プロダクト、サービス
広告主の自社サイトのアクセスデータ、広告配信データ、会員データ、購買データなどのビッグデータを同社が開発した解析ソフトウェアにより分析するプライベートDMP「MOTHER」を用いて、DSP「Red」、「FreakOut」による広告配信効果の最大化を追求している。

 

「Red」、「FreakOut」は広告主にとって有望な見込顧客にターゲティングするために、多様な配信手法を備えている。
具体的には、「知らない人(潜在層)」には知ってもらうための「オーディエンス拡張」等の配信手法を用いた潜在層ターゲティング、「既に知っている人(興味層)」には欲しいと思ってもらうための「キーワードマッチ」等の配信手法を用いた興味関心層ターゲティング、「欲しいと思った人(顕在層)」にはコンバージョン(購入、資料請求、会員登録など実際の行動)してもらうための「リターゲティング」等の配信手法を用いた顕在層ターゲティングを行い、消費者の行動プロセスに応じてターゲティングした広告配信を実施している。

 

プロダクト、サービス

概要

Red

生活者のインターネット利用シーンがPC からスマートフォンへ移行していることをふまえ、スマートフォン領域における広告効果の最大化を目指し、最先端の広告配信最適化技術の適用、優良な独自広告枠在庫の確保を実現したモバイル特化型のマーケティングプラットフォーム。2016年5月リリース。

(特徴)

・ 最先端の独自機械学習エンジンを搭載

・ LINE アプリの広告枠の独占的な買付

・ Hike SSP のモバイル・インフィード広告枠への独占的な買付

・ 業界最大級、数百億インプレッション規模のモバイル・インフィード広告枠在庫の確保

・ 月間 1,300億インプレッションに及ぶ業界最大級のモバイル広告枠在庫の確保

 

モバイルメディア上で、広告主が効率的にターゲット顧客にリーチすることを可能にするプラットフォームを日本、東南アジア、中近東エリアなどグローバルに展開していく。

Red for Publishers

プレミアムメディア(大規模なトラフィックを有する媒体)や広告主を対象として、販売支援、オペレーション支援、開発支援、プロジェクト管理面から独自の広告プラットフォーム立ち上げを支援する技術および、それに付帯するサービスパッケージ。2017年9月リリース。

媒体社は広告配信による収益最大化を「Red for Publishers」に委ね、本来リソースを注ぐべきコンテンツの充実や集客に専念することが可能となる。

広告主も、優良な媒体社の広告枠へDSP「Red」が優先的に接続されることによって、従来からの「Red」の目的であった広告価値の最大化のさらなる追求が可能となる。

 

マネタイズとしてはDSPとしての売上に加え、プレミアムメディアから受領する「広告配信システム利用料」。後者は100%が粗利となるため収益貢献大。

Freakout

2010年、国内初のDSPとして開発された。ブランド認知促進から販売促進までさまざまな目的に利用されている。

Poets(ポエット)

コンテンツ UI と親和性の高い広告フォーマットを活用した、ユーザー体験を損なわずに広告体験を提供することができるプレミアムアドプラットフォーム。

ダイレクトレスポンスでの広告効果が最大限に期待できる、厳選されたメディアのみを保有しているため、広告主はコンテンツに馴染むフォーマットにより、目標 KPI に合わせた高い広告効果を得ることができる。また、媒体社に対しては、Red for Publishers の広告配信技術を活用し、高額買付けの広告主をマッチングする。

トレーディング

デスクサービス

広告主のオンラインマーケティングにおける成果向上を目的としたサービス。

新たなマーケティング技術を活用したオンラインマーケティング戦略の立案から、高度化・複雑化する広告運用支援までを行っている。

 

② DMP事業
DMPとは「Data Management Platform (データ・マネジメント・プラットフォーム)」の略で、広告主がもつ自社サイトへのアクセスデータ、広告配信データ、会員データなどのデータを管理及び解析し、メール配信や分析調査などの様々なデータ活用チャネルと連携して利用可能にする、データ統合管理ツールのこと。
クライアント企業や広告代理店のデータマーケティングの最適化を実現するため、メディア企業や調査会社などデータプロバイダーから多様かつ膨大なデータを集め、DMPで蓄積・解析を行い、独自性の高い膨大なパブリックデータDMPの提供、大規模ポータルサイトのDMP構築支援、最適なマーケティングチャネルでの自社データの活用のコンサルティングサービス等を提供している。 

 

 

③ その他の事業
持株会社体制への移行に伴い17年9月期より新設されたセグメント。国内外のグループにおける新規事業、及び経営管理が含まれる。

 

【1-5 グループ企業】

持株会社である株式会社フリークアウト・ホールディングスの下、グループを形成している。

 

海外事業においてはFreakOut Pte.Ltd. (本社:シンガポール)をヘッドクォーターとして、ネイティブ広告プラットフォーム事業を中軸とするグローバル展開を推進してきた。
2015年に、東南アジア初のネイティブ広告プラットフォームをリリース以降、各国上位のメディアを中心に提携先を拡大し、現在では海外で700社を超える広告主に利用されている。
2017年7月には香港市場に参入したほか、シンガポール、タイ、インドネシアに続く東南アジアの新拠点として、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インド、イランに現地法人を設立したほか、M&Aも積極的に推進し、各国のプレミアムメディアと提携。ネイティブ広告プラットフォームをアジア、中東で提供している。18/9期にはロシア、アラブ首長国連邦、オーストラリアでも事業を開始した。アジア中心にグローバル16カ国にてサービスを提供する。また19/9にも数拠点の展開を計画している。

 

【1-6 特長と強み】

前述のように、常に最適なユーザーに広告を配信し、最適な価格で入札を行うには、極めて高度なアルゴリズムを構築し、大量のデータを元に機械学習を繰り返すことでより「賢いAI(人工知能)」に磨き上げていく必要があるが、同社はその点で強力な競争優位性を有している。加えて、良質な広告掲載面を有している点も大きな強みとなっている。

 

① 最大級のデータ保有量
RTB技術を日本国内で初めて商用化したこともあり、データ保有量は国内最大規模となっている。
どんなに優れたAIを開発したとしても、大量のデータを使って機械学習を繰り返し行わないと実用的で効果の高いAIには成長しない。
「日本で一番スマートフォン所有者のことを知っている」同社は、全国6,000万人のモバイルユーザーのうち、5%、300万人の正確なデータがあれば、残り5,700万人の年齢や性別による思考、行動はほぼ正確に類推することが可能ということで、広告主に対し高い顧客満足度を提供している。

 

② 良質な広告掲載面を確保
一方、RTBの登場によってオープンな環境でのプラットフォームの「賢さ」が優位性である時期がある程度続くと、技術の格差・優劣が相対的に縮小し、特にモバイルの世界でどれだけ良質な掲載面を確保しているかという「掲載面の品質とその独占性」が再び有力な競争条件となってきた。

 

③ 優れたアルゴリズム構築に向けた積極的な投資
ターゲティング広告においては入札金額が高ければ落札はできる。売上規模拡大を目指す同社としては、できるだけ多くの広告枠を買いたいが、パフォーマンスが悪ければ広告主から評価されず、継続的な取引も難しくなってしまう。
そこで、高く買ったとしても結果としてはリーズナブルであったと判断してもらえるような結果を生むことが極めて重要である。
この課題に対し同社では「クリック率予測モデル」、「コンバージョン率予測モデル」を開発し、広告主に対する提案力を高めており、加えてこれらモデルの正確性を一段と向上させるために常に投資を行っている。
同社のデータ・サイエンスチームは日本の、特に中堅企業クラスではトップレベルの能力を有しているとのことで、積極的な投資の蓄積が継続的かつ高いパフォーマンスの提供に結び付いている。

 

④ 優秀な人材の獲得
ある雑誌の調査における『「東大・京大生」人気企業ランキング』において、同社は名だたる大手IT企業、外資系金融機関、世界的メーカーに伍して前年の107位から79ランク上がって28位にランキングされた。
インターン制度を積極的に活用し学生との接点を増やしているのに加え、広告がメイン事業ではあるが、今後は新規分野としてHR tech、Fintechといった幅広いフィールドで活躍できる可能性がある事、エンジニアとして業界でも著名な優秀なエンジニアと一緒に働くことが出来る事を魅力と感じているということだ。
また、チャレンジを最大に評価するインセンティブ制度も学生からの人気が高い要因の一つであると会社側は考えている。

 

【1-7 伊藤忠商事との資本業務提携】

昨年12月に伊藤忠商事との資本業務提携を発表した。以下、内容を要約。

 

✔本資本業務提携の内容

 

・業務提携について
伊藤忠商事が保有する膨大な有形・無形のアセットと、同社のテクノロジー基盤をかけあわせることで、デジタルマーケティング領域における新規サービスの共同開発やアジアを中心とした海外事業の拡大など、広範囲にわたる提携を行う。

 

・資本提携について
同社は、業務提携の実効性をより高めること、及び同社成長に向けての資金調達と自己資本の増強を目的として、本第三者割当増資により、伊藤忠商事に対して同社の普通株式 2,577,400株を割り当てる。また、同時に本田社長は、保有する同社株式の一部(258,300株)を市場外の相対取引により伊藤忠商事に対して譲渡する旨を伊藤忠商事と合意している。なお、譲渡価格は、当資本業務提携に係る取締役会決議の直前営業日(18年12月14日)までの直前1ヶ月間の当社普通株式の普通取引の終値単純平均値である1,550円(小数点以下を四捨五入)となっている。譲渡は2019年1月9日付で実行される。伊藤忠商事は、第三者割当増資及び譲渡の実施により、同社の普通株式2,835,700株を取得し、同社の総議決権数に対する所有議決権数の割合は18.00%となる。

 

✔第三者割当増資後の大株主及び持株比率(%)

募集前(2018年9月30日現在)

 

募集後 

 

本田謙

39.58%

本田謙

31.46%

ドイツ証券株式会社

5.10%

伊藤忠商事株式会社

18.00%

日本トラスティ・サービス

信託銀行株式会社(信託口)

4.39%

ドイツ証券株式会社

4.27%

YJ1号投資事業組合

4.33%

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)

3.67%

BBH(LUX) FOR FIDELITY FUNDS PACIFIC FUND

4.28%

YJ1号投資事業組合

3.62%

 

 

2.2019年9月期第3四半期決算概要

(1)連結業績

 

18/9期 3Q累計

構成比

19/9期 3Q累計

構成比

前年同期比

売上高

10,570

100.0%

15,504

100.0%

+46.7%

売上総利益

2,858

27.0%

4,045

26.1%

+41.5%

販管費

3,167

30.0%

4,541

29.3%

+43.4%

営業利益

-308

-

-496

-

-

経常利益

286

2.7%

-625

-

-

EBITDA

723

6.8%

128

0.8%

-82.3%

当期純利益

60

0.6%

-1,025

-

-

*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
*単位:百万円

 

前年同期比46.7%の増収、EBITDAは82.3%減
3Q累計(10~6月)の売上高は前年同期比46.7%増の155億4百万円。30%を超える高い売上成長が続いている。3Q(4~6月)では前年同期比74.6%増収、2Q(1~3月)との比較で38.9%増収。Playwireの新規連結が寄与し過去最高の売上を更新した。また、海外売上が国内売上を上回った。
国内広告 DSP等(関連取扱額TOPメディア)の売上が大幅に減少。

 

売上高の推移

(同社資料より)

 

営業損失は4億96百万円(前年同期は3億8百万円の損失)。売上総利益率は前年同期比0.9p縮小し26.1%、販管費率も同0.7p縮小し29.3%となった。販管費は人件費を中心に増加している。

 

販管費の推移

(同社資料より)

 

営業外では持分法による投資利益が前年同期6億73百万円から2億7百万円に減少した。また、為替差損が前年同期52百万円から2億12百万円に増加した。経常損失は6億25百万円(前年同期は2億86百万円の利益)となった。
EBITDAは前年同期比82.3%減の1億28百万円。M&Aに伴う一過性コストやM.T.Burnの持分法投資利益の減少に伴うもの。セグメント別の四半期毎の推移は以下の通り。2Q(1~3月)の赤字から3Q(4~6月)は黒字に転じている。Fintech等新規事業(本社費含む)が手数料の調整により黒字に転じた。

 

セグメント別/地域別のEBITDAの推移

(同社資料より)

 

関連会社整理損失引当金を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する四半期当期純損失は10億25百万円(前年同期は60百万円の利益)となった。

 

国内外の定性的状況
≪国内広告事業≫
例年4月から6月は非常に落ち込む傾向があるが、今回はそれに加えて関連取扱額トップメディアの売上がさらに一段下落し、ほぼゼロとなった。その影響が大きく、大幅な減益となった。モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」は引き続き順調に推移した。また、ネイティブアドプラットフォーム「poets」も順調に売上・利益ともに成長している。
また、かなりのトラフィックを持つメディアの広告配信プラットフォームのパートナーとして、同社が正式に選定された模様。来期以降に向けて、かなりポジティブな影響が今後出てくるという。

 

≪海外広告事業≫
3Q(4~6月)は合計すると売上高で31億円、EBITDAベースで▲0.3 億円の赤字。Playwireが2Qから売上貢献している。EBITDAに大きく貢献しているのがPlaywire、次いで自社先行拠点であるタイ、インドネシア、台湾、M&A先(その他)となる。一方、ヘッドクォーターのシンガポールの赤字幅は減少しているが、自社の投資中拠点と3Qから連結開始したThe Studio by CtrlShftを含むadGeekグループが赤字の要因となっている。

 

(同社資料より)

 

(2)財政状態

 

18年9月

19年6月

 

18年9月

19年6月

 現預金

3,174

5,675

 仕入債務

1,494

3,023

 売上債権

2,602

4,380

 短期有利子負債

3,544

3,356

流動資産

8,026

14,532

 流動負債

6,182

11,615

 有形固定資産

265

255

 長期有利子負債

4,920

7,192

 無形固定資産

1,334

3,479

負債合計

11,141

18,846

 投資有価証券

5,157

7,551

純資産

4,495

8,021

 投資その他

6,010

8,600

負債・純資産合計

15,636

26,867

固定資産

7,609

12,335

有利子負債合計

8,464

10,548

*有利子負債=借入金+リース債務
*単位:百万円

 

3Q末の総資産は268億67百万円となり、前期末比112億31百万円増加した。現預金の増加25億円、売上債権の増加17億78百万円、未収入金の増加19億20百万円、投資有価証券の取得による増加23億94百万円、新規連結によるのれんの増加等20億53百万円によるもの。
負債は188億46百万円となり、前期末比77億4百万円増加した。仕入債務の増加15億28百万円、未払金の増加35億27百万円、借入金の増加等20億53百万円によるもの。
純資産は80億21百万円となり、前期末比35億26百万円増加した。これは主に第三者割当増資等による資本金及び資本剰余金の増加37億86百万円によるもの。
自己資本比率は、25.5%(前期末26.9%)となった。

 

3.2019年9月期業績見通し

(1)通期業績予想

 

18/9期 実績

構成比

19/9期 予想

構成比

前期比

売上高

14,745

100.0%

19,000

100.0%

+28.9%

営業利益

-532

-

100

0.5%

-

経常利益

307

2.1%

200

1.1%

-35.0%

EBITDA

843

5.7%

700

3.7%

-17.1%

当期純利益

25

0.2%

未定

-

-

*単位:百万円

 

通期予想に修正なく、19/9期は28.9%増収、EBITDAは17.0%減の見通し
通期予想は修正なし。19/9期は売上高が前期比28.9%増の190億円、EBITDAは同17.1%減の7億円を計画する。
尚、5月27日に関連会社M.T.Burn株式会社の解散を決議。これに伴い将来見込まれる持分法投資利益が減少するため、5月に経常利益・EBITDAの業績予想を修正した。
親会社株主に帰属する当期純利益については、M.T.Burn株式会社の解散に伴う影響について現在精査中であるため、一旦未定としている。
4Qについては、戦略変更に伴う撤退・縮小関連の費用や、減損の発生、また体制変更に伴うセールス活動の鈍化が予想されるが、全ては20/9期を期初から期末まで全力疾走で走り抜ける、というなかでの必要コストになるという考え。自社の投資中拠点については、四半期ごとに厳しく収益性をレビューし、短期で収益が見込めない拠点についてはドラスティックに休眠化・清算含めて対応する予定。

 

(2)中期計画

中期3カ年計画では、2020年9月期に「売上高330億円、EBITDA30億円」を目指している。20/9期に17/9月期実績に対して、売上高で2.8倍、EBITDAで2.1倍という成長を追求する。
国内広告が着実に伸びるのと同時に、海外広告がその成長ドライバーになると考えている。

 

(同社資料より)

 

4.各事業の進捗

◎現在位置、来期に向けて収益性を高める局面
2015年から海外への拡大を積極化し、エリア拡大、M&Aを通じたソリューション拡大と推進してきた。そして今期については、そういった拡大資産を再度レビューしている。うまくいかなかったところは撤退・縮小し、成長トリガーが近い事業同士は組織統合し、資産同士の掛け合わせで相乗効果が期待できるところは事業シナジー形成を加速させていく、といった事業資産の効率活用を進めている。来期に向けて収益性を上げていく、ということをこの下半期の重点テーマとして取り組んでいる。この3Qには、トルコ、アラブ首長国連邦、オーストラリア、ロシアについての事業撤退を決定した。当面は東南アジア及びインド、また東アジアに傾注する方が、全体リソース、マネジメントコスト観点からより合理的であろうということによる撤退。

 

◎Playwireが好調
Playwireの足元の業績は、非常に好調な推移をみせている。昨今、パブリッシャーサイドの事業が、プレイヤーの増加、新しい技術の登場、Googleのルール変更などにも相まって非常に複雑性が高まってきている状況。こうしたマーケットにおいて、Playwireはパブリッシャーの課題のプロダクトのみならず、セールス、オペレーションも含めてフルマネージで一元したサービス提供ができる。価値・評価は米国においても高まりつつある。その結果、1月~6月は売上が前年同期比約1.8倍、EBITDAにおいては5倍と非常に高い成長角度を形成しており、今後も継続した成長が期待できるという。

 

◎adGeekは改善が進む、来期は収益貢献へ
台湾子会社でマーケティングオートメーション事業を運営するadGeekについては、孫会社のThe Studio by CtlrShiftと合わせて、この2Q、3Qと収益面では非常に足を引っ張る状況だった。adGeek単体については新プロダクトリリースにおける開発人員への先行投資及び新プロダクト拡販に伴っての戦略変更に伴うセールス活動の一時的鈍化が主因。4月以降正式にセールスを開始し、6月あたりからインパクトのある収益貢献を開始している。6月より再度単月黒字化しており、速報値ベースでは7月はさらに収益を伸ばし、6・7月の収益で1月から5月までの赤字をカバーできる程度にまで成長角度をあげている模様。adGeek単体としては、再度、収益安定フェーズに入ってきた。今後は1月に買収を発表した、The Studio by CtrlShiftのターンアラウンドへ注力していくという体制を取り始めている。
The Studio by CtrlShiftは、月を追うごとに徐々に赤字幅も小さくなってきている。adGeek単体の収益化が落ち着いたこともあり、6月以降は役員陣総出で収益化までもっていけるという見通し。7月の速報値ベースでは赤字幅も100万円弱というところまで来ており、4QについてはadGeekと合算して収益化し、20/9期はadGeek、The Sudio共に単体で安定収益化を目指している。

 

◎「Poets」と「Red for publishers」は再成長フェーズへ
国内サプライサイド事業としては、モバイルネイティブアドネットワーク「Poets」と媒体社向けに自社広告プラットフォーム配信インフラを提供する「Red for publishers」がある。重要指標として掲げる流通総額は、17年の「Red for publishers」の立ち上げ以降、着実に成長を続けている19/9期に入ったところから粗利コントロールも意識しながらの再成長フェーズに差し掛かっている。直近では特に「Poets」が伸びてきている。世間では広告表記の問題や、クリエイティブの芸能人著作権問題、フェイクニュースなど、様々なチートが横行してきたなか、創業当初より、審査基準をかなり厳格に、真面目に事業運営してきたことがここにきて収益に跳ね返ってきているという感触を同社では得ている。

 

◎RTB経由での取引の進捗、アジアで成長著しい
海外でも、従来から展開していた静止画フォーマットに加えて、ビデオフォーマットを追加、また静止画、動画共にRTB経由での取引を開始した。米国トレンドを追うように、アジア各国においてもProgrammatic領域の成長が著しく、日本と比較しても、むしろ途上国の方が米国トレンドに追従する傾向がより強くみられる模様。そういった日本市場とは異なるコンテクスト、トレンドに対しても、プロダクト改良を重ねていく体制を、国内・海外の事業統合後によって実現できるようになってきたという。ビデオ及びRTB経由での販売については、2月よりテスト販売を開始、4月から全拠点にてオフィシャルリリース、そして6月からボリュームのある売上が急速に立ち上がってきているところ。来期は通期で大きく事業貢献してくる見通し。
海外自社プロダクト事業について、東南アジア及びインドについては、RTB/ビデオソリューションを中心に据えてブランド市場をとっていく。また日本と市場感の近い台湾、香港、韓国などについては、日本同様に極力中間プレイヤーを排除したアドネットワークモデルでパフォーマンス市場をとっていく戦略。そのいずれにも合致しないエリアに関しては、撤退、縮小を進めていく、という方針にて来期は臨むことになった。

 

5.今後の注目点

大幅増収ながらEBITDAは大幅減、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億円超の赤字となった。しかし、来期に向けて事業は着々と進展している印象を持っている。海外では新規連結のPlaywireが好調に推移、足元も大幅な増収増益基調かつ、来期はフルに寄与する。こうした中、台湾子会社の改善が進んでいる。一部海外拠点の撤退・縮小に伴う費用や損失を計上するが、赤字事業からの撤退で来期は利益を押し上げる要因となりそう。
国内では大手顧客と契約し来期の貢献が見込まれる。また、2Qに国内外の広告事業を統合しているが、今後本格的にその成果が表れるだろう。伊藤忠商事との資本業務提携についても、徐々に収益貢献することが期待される。
同社も来期に焦点を合わせている。中期計画最終年度にあたる来20/9期はEBITDA30億円を目指している。一方、決算内容などを受けて株価は大幅に下落、中期計画達成を前提としたEV/EBITDA倍率は11倍程度にとどまり、高成長の同社としてはかなり割安感のある株価水準に来ている。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日: 2018年2月15日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営の効率化を図ると同時に、経営の健全性、透明性及びコンプライアンスを高めていくことが長期的に企業価値を向上させていくと考えており、それによって、株主をはじめとした多くのステークホルダーへの利益還元ができると考えております。経営の健全性、透明性及びコンプライアンスを高めるために、コーポレート・ガバナンスの充実を図りながら、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制を構築することが重要な課題であると位置付け、会社の所有者たる株主の視点を踏まえた効率的な経営を行っております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。」と記述している。

 

 

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