ブリッジレポート
(4391) ロジザード株式会社

グロース

ブリッジレポート:(4391) ロジザード 2019年6月期決算

ブリッジレポートPDF

 

金澤 茂則 社長

ロジザード株式会社(4391)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

情報・通信

代表取締役社長

金澤 茂則

所在地

東京都中央区日本橋人形町3-3-6

決算月

6月

HP

https://www.logizard.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,129円

3,185,966株

6,782百万円

21.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

47.75円

44.6倍

327.31円

6.5倍

*株価は9/3終値。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年6月(実)

1,010

76

74

46

18.57

0.00

2017年6月(実)

1,073

89

87

56

21.91

0.00

2018年6月(実)

1,347

147

140

96

37.01

0.00

2019年6月(実)

1,454

238

233

159

50.16

0.00

2020年6月(予)

1,553

218

218

152

47.75

0.00

* 予想は会社予想。単位は百万円、円。

 

 

ロジザード株式会社の2019年6月期決算の概要と今後の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年6月期決算概要
3.中期経営計画(20/6期~22/6期)
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/6期は「人手不足解決のための省力化と自動化」、消費者の多様化するニーズと小売業者の販売機会拡大ニーズに応える「O2O(Online to Offline)対応」をテーマに、AI物流ロボット連携、店舗在庫・売上をクラウドで管理する「ロジザードZERO-STORE」の開発、及びリピート通販対応・後払い機能追加など新たなECトレンドへの対応に取り組んだ。数値面では、売上高14.5億円(前期比7.9%増)、営業利益2.3億円(同61.9%増)と、売上・利益共に過去最高を更新。売上面では、契約の積み上げ効果とレンタル機器の需要増でクラウドサービスが同16.4%増と増収をけん引。利益面では、クラウドサービスが前期と同水準の高い利益率を維持する中、開発・導入サービスの利益率が改善した。

     

  • 「人手不足解決のための省力化・自動化対応」、「O2O対応」、そして「新たなECトレンドへの対応」、をテーマとする中期経営計画(20/6期~22/6期)がスタートした。従来のサービス展開による増収基調を維持しつつ、「ロジザードZERO」と「ロジザードZERO-STORE」及びその他のサービスとの連携オプション等により上積みを図る考え。最終の22/6期に売上高21億円(19/6期比45%増)、営業利益5.2億円(同2.2倍)を目指している。また、上場に伴う増資で低下したROEを20%超へ引き上げたい考え。

     

  • 中期経営計画の初年度となる20/6期予想は、売上高15.5億円(前期比6.8%増)、営業利益2.1億円(同8.3%減)。保守的な予想である事も確かだが、中期経営計画の達成に向けた踊り場の期との位置付け。クラウドサービスの源泉である新規顧客獲得力の向上のため、エンジニア及び営業人員の拡充と教育に加え、前期リリースした「ロジザードZERO-STORE」を中心にしたマーケティングを積極展開していく。

     

1.会社概要

「お客様の物流を止めない」、「システムを超えたサービスを提供」、それがロジザードのバリュー。倉庫や配送センターで商品の保管・入出荷業務を支援する在庫管理システム及び店舗商品の在庫管理システムをクラウドで提供しており、入出荷や在庫管理の作業効率を上げるハンディターミナルやバーコード関連機器のレンタル及び販売も行っている。

 

2001年に日本で初めて倉庫管理システム(WMS)のクラウドサービスを開始し、以来、ターゲットとするEC企業や3PL企業の業務効率化・IT化を支援してきた。既存顧客の売上に新規顧客の売上が積み上がるストック型の収益モデルを確立すると共に、明確なターゲット設定と「短納期×低価格×高サービス」による差別化でEC市場や宅配便の伸びを上回る成長を実現している。グループは、同社の他、中国現地法人の100%子会社龍騎士供応鏈科技(上海)有限公司。

 

【社是】

01

知恵と知識を共有する世界に開かれた情報システムを作ろう。

02

先進の物流システムと安心サービスで安全な物流環境を作ろう。

03

次世代のソフトウェア開発に創造と革新の精神で取り組もう。

 

【社訓】

出荷絶対

お客様の出荷は絶対である。お客様、ましてや荷物を待つ人に迷惑をかけることがあってはならない。

不断至上

お客様に待つという作業をさせてはならない。お客様の作業が進むようあらゆる手を尽くせ。

連鎖連結

自己完結主義は棄てよ。お客様、お取引先、製品のすべてを大量に連鎖連結するよう知恵をしぼれ。日日より大きく繋げようとする努力こそが己と社業を大きくする。

服務光速

技術、営業、間接とも社業の全てが顧客サービス。己の仕事は1日でも早く完了せよ。後行程への余裕の確保が真のサービスを実現すると心得よ。

計算先考

考えたらまず計算せよ。計算が成り立てば方法論を確立させよ。計算の成り立たない仕事は己も誰もが徒労という不幸を背負う。

本質求道

顧客の要求の本質を追求し製品とサービスに反映せよ。それは先に繋がるのか、差別化できるのか問いつづけよ。本質的仮説は手間と費用をかけても世に証明するのが我が社の責務と心得よ。

 

1-1 事業内容

事業は、在庫管理システム事業の単一セグメントだが、在庫管理システムの提供やシステムで利用するハンディターミナル(端末機器)のレンタル・サポートに伴う月額利用料を受け取るクラウドサービス、カスタマイズやクラウドサービスの導入支援の開発・導入サービス、及びクラウドサービス関連の機器やサプライ品の販売を行う機器販売サービスの3区分で収益を開示している。
8割以上がECによる出荷で、クライアントは、アパレル、被服雑貨、化粧品・美容の構成比が大きいが、食品系や医薬品系を除いた通販取扱商材の構成比と類似している。

 

クラウドサービス
在庫管理・店舗在庫管理等のシステムやAPI連携オプション(他社製品との機能連携オプション)の利用料、及び在庫管理システムで利用するハンディターミナルレンタル料(バッテリー無償交換、故障時は代替機即日交換)が売上として計上されている。

 

倉庫在庫管理システム「ロジザード ZERO」
入荷から出荷まで、倉庫内の一連の作業を支援する機能と、作業と同時に更新される在庫情報を管理する機能を備えている。入庫から、出荷、返品、更には庫内での棚移動を含め、全ての在庫の動きをバーコードとそれを読み取るハンディターミナルにより物理的に管理する事で、「入出荷処理」、「棚卸」、「ロケーション管理」等を行う事ができ、「正確な在庫管理」、「誤出荷の防止」、及び「倉庫内業務の効率化(標準化)」を実現する。基本構成での提供はもちろん、顧客の利用条件や利用形態に合わせたカスタマイズにも対応する事で幅広いニーズを取り込んでいる。

 

同社の在庫管理システムには、2001年に提供を開始した「ロジザード PLUS」と2012年に提供を開始した後継バージョン「ロジザード ZERO」があるが、現在、「ロジザード PLUS」は継続利用のみで新規の販売は行っていない。「ロジザード PLUS」がアパレル業界(アパレルメーカー・通販及び3PL)向けに開発されたのに対して、「ロザード ZERO」はEC通販を手掛ける幅広い企業(メーカーや流通業者、及び3PL)を対象にしている。アパレル商材の倉庫・在庫管理をメインターゲットとして提供を開始した「ロジザード PLUS」は、食品や機械・部材等の在庫管理には不向きであり、顧客の要望に応えきれなかった。このため、「ロジザード ZERO」には、業種・業態にとらわれず、あらゆる在庫の管理が行えるように、賞味期限、ロット管理、シリアル(製品、商材の番号)管理等の機能が追加された事に加え、海外での利用を想定して、日・英・中(簡体字・繁体字)・タイの5言語対応とした(現在、中国、台湾、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールで利用されている)。加えて、「ロジザード ZERO」では、複数の企業の在庫管理業務を受託する3PL企業向けに、複数の企業及び複数の拠点を同一システムで管理するための機能も実装している。

 

※ ロケーション管理とは、倉庫等の保管場所を一定のルールで区画し採番されたロケーション毎に在庫を管理する手法。入出庫作業ではロケーション毎にリアルタイムに在庫を更新し、在庫推移や移動の履歴を管理する事で高精度の在庫管理が可能になる。
※ 3PL(third party logistics)企業とは、荷主企業に代わって最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し実行する企業。

 

百貨店やショッピングモールの店舗在庫・売上をクラウドで管理する「ロジザードZERO-STORE」
「ロジザードZERO-STORE」(「POSぴたRBM」をリニューアル)は店舗における在庫管理に主眼を置き、複数の店舗に点在する在庫や売上データの本部での一括管理を可能にするシステム。従来のPOSシステムは高価な専用POSレジ端末と本部管理システムをつないでネットワークを構築する必要があり、一定の初期費用が発生するため、店舗数の少ない小売業(数店舗~数十店舗)では導入のハードルが高かった。これに対して、「ロジザードZERO-STORE」は、専用機器ではなく、スマートフォン経由で利用するクラウドサービスのため導入が容易で低コスト。商品の入荷時や顧客の購入時にバーコードを読み取る事で、正確でタイムリーな売上・在庫情報を一元管理できる。更に、「ロジザード ZERO」及び「ロジザードZERO-STORE」の在庫情報を連携させる事で、物理的に別々の場所にある店舗と倉庫の在庫情報を一元管理できる。

 

自社の持つ顧客情報や在庫情報を一元管理し、あらゆるチャネルを連携させながら商品を販売する「オムニチャネルリテイリング(後述)」が注目を集めているが、同社サービスを連携させた在庫情報の一元管理は、オムニチャネル戦略をとる顧客のニーズにも対応している。
尚、オムニチャネルリテイリングとは、実店舗やオンラインストア等、あらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合する事、及びそうした販売統合チャネルの構築によって、どのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現する事である。

 

オムニチャネル支援システム「ロジザード OCE」
現在、オムニチャネル支援システム「ロジザード OCE」の開発を進めている。「ロジザード OCE」は、欲しい商品を好きなチャネルで選び、欲しいタイミング、都合にあった場所で商品を受け取る事を可能にするための在庫マッチングエンジン(購入者が望む受取方法に対して最適な場所別在庫情報に基づく在庫の確保及び出荷作業指示情報を提供する)。同社のサービスであれば、「ロジザード ZERO」と「ロジザードZERO-STORE」を連動させる事で共有された在庫情報を活用して最適解を導出し、他社製の在庫関連サービスや、管理システム、倉庫在庫管理システム、POSシステム、基幹システム等と接続する事が可能なため、同社の在庫管理サービスを導入していなくても導入が可能だ。

 

開発・導入サービス
クラウドサービスの顧客に対して、ニーズに合わせた画面、帳票、インターフェイス等の機能カスタマイズのための開発サービス及びクラウドサービスの利用開始時の各種設定作業や作業者への教育サービスを提供している。

 

「ロジザード ZERO」 現場業務支援の概念図

 

(同社資料より)

2.2019年6月期決算概要

2-1 19/6期のテーマと施策実施状況

 

(同社資料より)

 

2030年には644万人の労働人口不足になると言われており、自動化・省力化は避けて通れない。また、消費者の多様化するニーズと小売業者の販売機会拡大ニーズ。いずれも同社にとってビジネスチャンスであり、このチャンスを捉えるべく、19/6期は「人手不足解決のための省力化と自動化」と「O2O対応」をテーマとして掲げ、AI物流ロボット連携、店舗在庫・売上をクラウドで管理する「ロジザードZERO-STORE」の開発、及びサブスクリプションのトレンドを踏まえたリピート通販対応や後払い販売への対応(機能追加)など新たなECトレンドへの対応に取り組んだ。

 

2-2 連結業績

 

18/6期

構成比

19/6期

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

1,347

100.0%

1,454

100.0%

+7.9%

1,304

+11.5%

売上総利益

591

43.9%

720

49.5%

+21.7%

597

+20.6%

販管費

444

33.0%

482

33.2%

+8.4%

430

+11.9%

営業利益

147

10.9%

238

16.4%

+61.9%

166

+43.0%

経常利益

140

10.4%

233

16.1%

+66.2%

165

+40.8%

親会社株主帰属利益

96

7.2%

159

11.0%

+65.1%

105

+50.7%

*単位:百万円

 

前期比7.9%の増収、同61.9%の営業増益
売上高は前期比7.9%増の14億54百万円。製品開発に開発リソースを割いた影響や前期に大型のカスタマイズ案件があった反動で開発・導入サービスの売上が同7.8%減少したものの、契約の積み上げ効果(18/6期末1,080件⇒19/6期末1,139件)とレンタル機器(ハンディターミナル)の需要増でクラウドサービスの売上が同16.4%増加した(この他、機器販売サービスが同7.6%減少した)。
営業利益は同61.9%増の2億38百万円。クラウドサービスが前期と同水準(54.3%)の高い売上総利益率を維持する中、好採算案件の増加で開発・導入サービスの売上総利益率が39.9%と15.9ポイント上昇した。売上の増加と利益率の改善で売上総利益が同21.7%増と伸びる一方、販管費は8.4%の増加にとどまった。
期初予想との比較では、既存取引先からの追加開発案件の受注が想定以上だった開発・導入サービスが24.0%上振れする等、全てのサービスの売上が期初予想を上回り、収益性も想定以上に改善した。

 

サービス別売上高

 

18/6期

構成比・利益率

19/6期

構成比・利益率

前期比

期初予想

予想比

クラウドサービス

874

64.9%

1,017

70.0%

+16.4%

969

+4.9%

開発・導入サービス

374

27.8%

345

23.7%

-7.8%

278

+24.0%

機器販売サービス

98

7.3%

91

6.3%

-7.6%

56

+63.0%

連結売上高

1,347

100.0%

1,454

100.0%

+7.9%

1,304

+11.5%

クラウドサービス

474

54.3%

552

54.3%

+16.5%

-

-

開発・導入サービス

90

24.0%

137

39.9%

+52.2%

-

-

機器販売サービス

26

27.3%

29

32.8%

+11.5%

-

-

連結売上総利益

591

43.9%

720

49.5%

+21.7%

597

+20.6%

*単位:百万円

 

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

18年6月

19年6月

 

18年6月

19年6月

現預金

313

827

仕入債務

24

24

売上債権

135

167

未払金・未払費用

67

57

流動資産

513

1,044

未払法人税等

34

63

有形固定資産

25

22

有利子負債合計

27

14

無形固定資産

140

189

負債

251

237

投資その他

22

24

純資産

450

1,042

固定資産

188

236

負債・純資産合計

701

1,280

*単位:百万円

 

期末総資産は前期末と比べて5億78百万円増の12億80百万円。マザーズ上場に伴い4億34百万円を調達した事で現預金と純資産が増加した。この他、主力製品「ロジザードZERO」のバージョンアップで無形固定資産(ソフトウェア仮勘定)が増加する一方、株式公開費用の計上に伴い未払金が減少した。自己資本比率81.4%(前期末64.1%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

18/6期

19/6期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

229

197

-32

-14.1%

投資キャッシュ・フロー(B)

-29

-99

-69

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

199

97

-102

-51.1%

財務キャッシュ・フロー

-19

416

+436

-

現金及び現金同等物期末残高

313

827

+513

+163.7%

*単位:百万円

 

税金等調整前当期純利益2億33百万円、減価償却費53百万円、税金費用△47百万円等で1億97百万円の営業CFを確保した。投資CFは無形固定資産の取得によるもので、財務CFはIPOによる。

 

参考:ROEの推移

 

15/6期

16/6期

17/6期

18/6期

19/6 期

ROE

25.28%

18.24%

18.23%

24.41%

21.32%

売上高当期純利益率

5.88%

4.62%

5.28%

7.16%

10.95%

総資産回転率

1.80回

2.05回

2.04回

2.16回

1.47回

レバレッジ

2.39倍

1.93倍

1.69倍

1.58倍

1.33倍

*ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残

 

3.中期経営計画(20/6期~22/6期)

3-1 社会的背景

2030 年に予想される 644 万人の労働人口不足を見据えた自動化・省力化投資。また、消費者の多様化するニーズと小売業者の販売機会拡大ニーズを背景に2017年度から2022年度にかけて年率5.4%成長が続くとみられているオムニチャネルコマース市場(シンクタンクの調査によると、5年間で市場が約53兆円弱から約68兆円に拡大する見込み。下記グラフ参照)。

 

同社は上記の社会的背景を踏まえて、「人手不足解決のための省力化と自動化」、「O2O(Online to Offline)対応」、及び「新たなECトレンドへの対応」をテーマに施策を進めていく。

 

(同社資料より)

 

3-2 中期経営計画のテーマと施策

 

(同社資料より)

 

19/6期は、人手不足解決のための省力化・自動化対応として、株式会社ギークプラス(千葉県印西市、代表取締役社長:佐藤智裕)のAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)と「ロジザードPLUS」のAI物流ロボット連携を進めた。また、O2O(Online to Offline)対応では、店舗在庫管理システム「POSぴたRBM」を、百貨店やショッピングモールの店舗在庫・売上をクラウドで管理する「ロジザードZERO-STORE」としてリニューアルした。更に、リピート通販対応や後払い機能の追加等、「ロジザードZERO」の新たなECトレンドへの対応を進めた。

 

後払い機能の追加
2019年4月、株式会社ネットプロテクションズ(東京都千代田区、代表取締役社長:柴田 紳)の提供する後払い決済サービス「NP後払い」との連携により、(株)ネットプロテクションズの後払い決済サービス「NP後払いWiz」が「ロジザードZERO」に標準オプションとして利用できるようになった(請求書同梱オプション)。「NP後払い」は、購入者が請求書を使ってコンビニ・銀行・郵便局で支払できる決済サービスである。
通常の支払いであれば、買い上げ明細書と同時に請求書を発行できるが、後払いの場合、買い上げ明細書と後払い請求書を各システムから個別に帳票を出力して帳合いする必要があった。しかし、今回、「ロジザードZERO」と後払い決済サービス「NP後払い」が連携した事で、一体型帳票を「ロジザードZERO」から発行する事ができるようになった。出荷検品時に買い上げ明細書と後払い請求書が検品対象となるため誤出荷の防止につながる。

 

また、6月には、ヤマトフィナンシャル株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:尾方 直美)の提供する後払い決済「クロネコ代金後払いサービス」との連携も実現し、一体型帳票の発行が標準で利用可能になった。

 

自動倉庫への対応(「人手不足解決のための省力化・自動化対応」) -  AI物流ロボットとの連携 -
2019年2月、自動倉庫への対応を進めるべく、(株)ギークプラスが提供するピッキングシステムと「ロジザードZERO」の連携を開始した。「ロジザードZERO」の指示を受けて、(株)ギークプラスが販売するAI物流ロボット「EVE」が商品保管棚を作業ステーションまで自動的に運ぶため、作業スタッフはピッキング作業の必要がなく、作業効率を飛躍的に向上させる事ができる。また、商品知識や作業経験のないスタッフでも、ベテランスタッフと同様の作業効率を実現できる。一般的に作業効率がAI物流ロボット導入前の3~6倍にもなると言われているが、業務をこなす中でAIが学習するため、使い込む事で一段と効率が上がっていく。

 

案件毎のシステム連携ではなく、標準機能(オプション)として提供する事を計画している。カスタマイズする事なく、低価格・短納期でAI物流ロボットと連携できるシステム環境を整える事で、AI物流ロボット導入のハードルを下げる狙いがある。また、複数荷主の保管物を同時に管理できる機能を備えている。
この他、今後の利用増が期待できるRFID(Radio Frequency Identification:無線による自動認識技術)の導入も進める。ハンディターミナルが一つ一つバーコードを読み取る必要があるのに対して、RFIDは一括で読み取る事ができるため、大きな業務効率化・省力化効果が期待できる。

 

上海でAI物流ロボットを導入したセンターが稼働
2019年8月、ヤマトホールディング傘下の3PL雅瑪多国際物流有限公司(中国広州、董事長松本光市。以下、YIL)が上海地区で展開する上海ロジセンター(上海市嘉定区)でAI物流ロボットの運用が始まった。人件費の高騰や作業員不足の課題は、中国においても日本と同様に中長期的な対応を必要としている。こうした課題に対処するため、ロジザードが中国子会社を通して中国企業にOEM提供するWMS「e-倉管」と、中国のAGVメーカーである北京极智嘉科技有限公司のAI物流ロボット(日本での販売をギークプラスが担っている)との連携による自動化物流システムである。YILとロジザードの中国子会社が倉庫内の運用を共同で企画し、稼働を実現した。

 

(同社資料より)

 

O2O(Online to Offline)対応

 

(同社資料より)

 

「O2O対応」の一環として、19/6期に店舗在庫管理システム「POSぴたRBM」を、百貨店やショッピングモールの店舗在庫・売上をクラウドで管理する「ロジザードZERO-STORE」としてリニューアルした。「ロジザードZERO-STORE」は、iPhoneやiPadのシンプル操作で、場所や時間を問わず利用できる便利さを維持しつつ、店舗在庫管理のサポート機能を大幅に強化した。20/6期は「ロジザードZERO-STORE」のプロモーションを強化する考え。既に、アパレルや雑貨を扱う実店舗を運営する年商20億円程度の企業での採用が決まっている。また、現在、開発が最終段階にあるオムニチャネル支援システム「ロジザード OCE」のリリースも計画している。「ロジザード OCE」は、欲しい商品を好きなチャネルで選び、欲しいタイミング、都合にあった場所で商品を受け取る事を可能にするための在庫マッチングエンジン(購入者が望む受取方法に対して最適な場所別在庫情報に基づく在庫の確保及び出荷作業指示情報を提供する)。

 

「ロジザード OCE」を介して、「ロジザードZERO」または他社WMSと「ロジザードZERO-STORE」または他社の店舗在庫管理システムを連携させる事で倉庫と店舗で在庫情報を共有し、この情報を活用して最適解を導出する。これにより、消費者は、欲しい商品を好きなチャネルで選び、欲しいタイミング、都合にあった場所で商品を受け取る事ができる。さらに、「ロジザード OCE」に受注管理システムや勘定系システムをつなげることで売上データ等を自動的に反映させることも可能である。

 

販売プロモーションと開発投資
「ロジザードZERO-STORE」や新サービスの拡販に向け、販売プロモーションを積極的に展開していく考えで、WEBマーケティングとセミナーを予定しており、海外での活動も進める。20/6期のWEBマーケティングについては、「ZERO-STORE」を重点的に展開していく。複数の手法を実施して効果を見極め、効果が確認できた手法を集中的に実施していく。セミナーについては、年2回の大型開催と個別テーマ及び地方での開催を予定している。
一方、開発投資については、既存製品のブラッシュアップ、他社製品との連携範囲拡張、及び新機軸の製品企画といった切り口から、製品開発を継続的に進めていく。

 

 

19/6期 実績

20/6期 予想

21/6期 計画

22/6期 計画

広告宣伝費

21,616

44,338

45,858

48,858

投資額

61,132

59,920

51,840

60,800

*単位:千円

 

また、システム部門中心に人員を増強する。タイトな採用マーケットが続く事を前提に、各期で5~10名の採用を計画している。これまで、エージェントによる採用が中心だったが、採用フェアへの参加等、採用方法を多様化する。このため、20/6期は採用費の伸びが大きくなるが、21/6期以降は効果があった採用方法に絞り込んでいくため20/6期比で減少する見込み。新規採用者向けの研修に加え、階層別研修、業務別専門研修の実施により人材の育成にも力を入れる。システム部門、営業部門共に、戦力化には一定の期間が必要であり、採用当初はコストが先行する。

 

 

19/6期 実績

20/6期 予想

21/6期 計画

22/6期 計画

人件費

537,050

575,369

624,370

645,571

採用費

2,382

12,531

4,423

4,423

教育訓練費

1,073

4,455

4,228

4,468

合計

540,505

592,355

633,021

654,462

従業員数

78人

88人

95人

100人

内、システム部門

48人

54人

58人

61人

内、営業部門

21人

24人

26人

28人

*単位:千円

 

3-4 数値目標

連結数値計画

 

19/6期 実績

20/6期 予想

21/6期 計画

22/6期 計画

売上高

1,454.0

1,553.8

1,840.4

2,104.6

営業利益

238.1

218.2

341.6

524.0

営業利益率

16.4%

14.0%

18.6%

24.9%

ROE

21.3%

13.6%

18.1%

22.6%

* 単位:百万円
従来のサービス展開による増収基調を維持しつつ、「ロジザードZERO」と「ロジザードZERO-STORE」及びその他サービスとの連携オプション等によりクラウドサービスで上積みを図る。ROEについては、上場時の増資に伴い低下したROEを20%超へ引き上げていく。

 

サービス別売上高

 

19/6期 実績

20/6期 予想

21/6期 計画

22/6期 計画

クラウドサービス

1,017

1,129

1,294

1,517

内、施策に関わる売上

-

(21)

(50)

(94)

開発・導入サービス

345

364

483

524

機器販売サービス

91

59

63

63

合計

1,454

1,553

1,840

2,104

*単位:百万円

 

 

4.今後の注目点

「人手不足解決のための省力化と自動化」、消費者の多様化するニーズと小売業者の販売機会拡大ニーズに応える「O2O対応」、更には「新たなECトレンドへの対応」というテーマの下で、「ロジザードZERO」に対応する多くのオプションを作っていく事が同社の成長戦略である。20/6期は「ロジザードZERO-STORE」の販売が本格化し、「ロジザード OCE」のリリースも予定されている。「ロジザード OCE」を介して、「ロジザードZERO」と「ロジザードZERO-STORE」を連携させる事でユーザーにバリューを提供していく。
また、「人手不足解決のための省力化と自動化」を念頭に、AGVを使った自動倉庫への対応やRFIDの導入も進める。自動倉庫への対応では、上海でAI物流ロボットを導入したセンターが稼働した。2030年には644万人の労働人口が不足すると言う。「人がいなくなってしまう社会だから、何とかしなければならない」というのが同社の考え。ロボット導入等の提案はユーザーを増やすための方法論の一つであり、ベースにあるのは、5年後、10年後に、「こんな事ができるのはロジザードのおかげだ」と言ってもらえるような会社になりたい、という思いだ。成長の途上にある事を踏まえ、当面は無配を続ける考えだが、この思いを遂げる事で企業価値も上がり、株主に恩返しができると考えている。

 

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日: 2018年7月4日)
基本的な考え方
当社グループは、お客様に安心・安全の物流環境を作りという企業理念のもと、株主、取引先、社員等のすべてのストックホルダーから信頼される企業グループであり続けるために、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つと認識しており、そのためには経営の透明性の向上と経営監視機能の強化が不可欠であると認識しています。
今後も会社の成長に応じて、コーポレート・ガバナンスの体制を随時見直し、最適な経営管理体制の構築に努めてまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
基本原則のすべてを実施してまいります。

 

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

Copyright(C) 2019 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

 

 

ブリッジレポート(ロジザード:4391)のバックナンバー及びブリッジサロン(IRセミナー)の内容は、www.bridge-salon.jp/ でご覧になれます。