ブリッジレポート
(9423) 株式会社フォーバル・リアルストレート

スタンダード

ブリッジレポート:(9423)フォーバル・リアルストレート 2020年3月期第2四半期決算

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吉田 浩司 社長

株式会社フォーバル・リアルストレート(9423)

 

 

企業情報

市場

東証JASDAQ

業種

情報・通信

代表取締役社長

吉田 浩司

所在地

東京都千代田区神田神保町3-23-2 錦明ビル

決算月

3月

HP

https://www.realstraight.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

97円

23,422,800株

2,272百万円

38.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

1.40円

1.4%

2.56円

37.9倍

12.83円

7.6倍

*株価は11/29終値。発行済株式数、DPS、EPSは20年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年3月(実)

925

32

32

32

1.40

0.00

2017年3月(実)

1,146

45

46

73

3.15

1.00

2018年3月(実)

1,281

56

56

68

2.93

1.20

2019年3月(実)

1,517

68

68

100

4.29

1.40

2020年3月(予)

-

75

75

60

2.56

1.40

*単位:円、百万円。予想は会社予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。

 

フォーバル・リアルストレートの2020年3月期第2四半期決算概要等についてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年3月期第2四半期決算概要
3.2020年3月期業績予想
4.主な取り組み
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 20年3月期第2四半期の売上高は前年同期比12.8%増の8億37百万円。売上の内訳は、不動産仲介等の売上高が同29.6%増の86百万円、内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高が同11.1%増の7億51百万円と両事業とも好調だった。利益面では、不動産仲介で大型案件の成約があり、粗利率は同1.3%上昇。粗利額も同15.8%増加。人件費中心に販管費も同13.7%増加したがこれを吸収し、営業利益は同48.5%増の33百万円となった。

     

  • 20年3月期の通期業績予想に変更は無い。営業利益、経常利益ともに前期比10.1%増の75百万円の予想。6期連続の増益を見込んでいる。引き続きオフィス環境関連業務の収益拡大を図るべく、集客強化・成約率向上・顧客接点増加のための取り組みを強化していく。特に前期実績を上げた「比較的経験年数の少ないスタッフが小型物件を、経験豊富なスタッフが中大型物件を手掛ける営業戦略」を今期も積極的に推進する。配当は、前期と同じく1.40円/株を予定している。予想配当性向は54.7%。

     

  • 20年3月期第2四半期は両部門とも好調で、2桁の増収増益となった。通期予想に対する進捗率も、営業利益で44.0%。売上高に関しては予想を開示していないが、売上、利益ともにほぼ計画通りに進んでいるということだ。空室率低下、家賃上昇という事業環境に変化はない中、通期予想に対しどれだけ積み上げていくかを注目したい。

     

1.会社概要

【1-1 事業内容】

「私たちはつねに経営視点でオフィスの成長ストーリーを描き実現するための方法をご提案することでお客様の成長に伴走していきます。」という考えの下、企業のオフィス移転をトータルにサポート。
不動産仲介(物件探し)から、内装・レイアウト設計、ネットワーク環境やOA 環境構築、オフィス機器・什器の手配、引越手配、更には旧オフィスの退去計画までを一貫してサポートしている。

 

(同社資料より)

 

【1-2 事業セグメント】

セグメントはソリューション事業の単一セグメント。
売上高は不動産仲介等の売上高および内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高の2つで構成されている。

 

 

【1-3 ビジネスモデルと強み】

・不動産情報をドアノックツールとしてオフィス移転需要を掘り起こし、その際に発生するコンサルティングを含めた、内装工事、OA・ネットワーク機器の更新、各種サービスの取次、更には旧オフィスの原状回復等の需要を取り込んでいく。

 

・通常、不動産仲介を行った顧客とは仲介時限りの取引関係となってしまうのに対し、OA・ネットワーク機器の新規導入や定期的な更新の提案などを行う同社は、仲介後もそうした顧客基盤をベースにストック型収益を上げることが可能である。また、そうした顧客接点を通じて顧客企業の増床・移転ニーズを他社に先駆けて吸い上げることもできる。

 

・需要の掘り起こしはWeb サイトを中心に、電話によるアウトバンドの営業も展開。引き合いがあれば、営業担当者にIT コンサルタントが同行して、不動産仲介物件だけでなく、オフィス移転後のIT コンサル、内装、各種サービスの取次、引っ越し、退去後の原状回復等の提案を行う。

 

・オフィスの移転には、通常、不動産会社、運送会社、内装工事会社、更には旧オフィスを管理する不動産会社(退去に伴う敷金の返金等で問題が生じる事が少なくない)等、多くの関係先と関わる必要があるが、同社と契約すれば、窓口を一本化でき、仮にトラブルが発生したとしても、同社が責任をもって対応する。

 

・不動産仲介の際に、引っ越し業者の紹介や取り次ぎをする不動産会社はあるが、内装工事やオフィス移転に際して更新する情報機器等に関するコンサルから手配・セッティングまで対応できる不動産会社はほとんどない。

 

・これまでは一人の営業社員が「不動産仲介」および「内装設計・OA機器販売等」の両方を担当していたが、2019年3月期より担当をそれぞれに分けることとした。
顧客にとっては窓口が一つの方が利便性は高いという面はあるものの、効率的な成約件数増を図るとともに顧客との関係を深化させるためには担当制を導入し、それぞれの業務に特化することが適切であると判断した。

 

【1-4 ROE分析】

 

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

ROE(%)

38.3

51.9

33.8

38.0

 売上高当期純利益率(%)

3.53

6.43

5.36

6.62

 総資産回転率(回)

3.32

3.14

2.76

2.66

 レバレッジ(倍)

3.27

2.57

2.29

2.16

 

安定的に高いROEを実現・維持している。
自己資本が積み上がりレバレッジが低下する中で、収益性を改善した結果としての高ROEは大いに注目されよう。

 

2.2020年3月期第2四半期決算概要

(1)連結業績

 

19/3期2Q

構成比

20/3期2Q

構成比

前年同期比

売上高

743

100.0%

837

100.0%

+12.8%

売上総利益

371

50.0%

429

51.3%

+15.8%

販管費

348

46.9%

395

47.3%

+13.7%

営業利益

22

3.1%

33

4.0%

+48.5%

経常利益

22

3.1%

33

4.0%

+48.5%

当期純利益

23

3.1%

16

2.0%

-28.6%

*単位:百万円。

 

増収増益
(事業環境)
大手不動産会社の調べによると、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)のオフィスビル市場においては、2019年9月末時点の平均空室率は1.64%と、前年同月比0.69%低下。一方、東京都心5区の2019年9月末時点における平均賃料は21855円/坪と前年同月比で1,417円(6.93%)上昇した。

 

(業績概要)
売上高は前年同期比12.8%増の8億37百万円。引き続き顧客企業の移転時における、不動産物件の仲介から内装工事、各種インフラの整備やオフィス機器・什器の手配までをトータルにサポートするソリューション事業を中心に事業活動を進めた。
売上の内訳は、不動産仲介等の売上高が同29.6%増の86百万円、内装工事及びそれに付随するサービスに関する売上高が同11.1%増の7億51百万円と両事業とも好調だった。

 

利益面では、不動産仲介で大型案件の成約があり、粗利率は同1.3%上昇。粗利額も同15.8%増加。人件費中心に販管費も同13.7%増加したがこれを吸収し、営業利益は同48.5%増の33百万円となった。

 

(2)売上高の内訳

 

19/3期2Q

構成比

20/3期2Q

構成比

前年同期比

不動産仲介等

66

9.0%

86

10.4%

+29.6%

内装工事及び付随サービス

676

91.0%

751

89.6%

+11.1%

連結売上高

743

100.0%

837

100.0%

+12.8%

*単位:百万円

 

◎不動産仲介
同社では数年前より人員増を積極的に進めてきたが、比較的経験年数の少ないスタッフが小型物件を、経験豊富なスタッフが中大型物件を手掛ける営業戦略が奏功し件数は堅調に増加。

 

◎内装工事やOA機器・什器の販売
不動産仲介における大型物件増加に伴い、同サービスにおいても件数が増加、単価も上昇している。

 

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

◎主要BS

 

19年3月

19年9月

 

19年3月

19年9月

流動資産

555

505

流動負債

295

236

現預金

390

304

仕入債務

117

103

売上債権

153

188

負債合計

295

236

固定資産

95

76

純資産

355

345

投資その他の資産

84

66

利益剰余金

223

207

資産

650

582

負債純資産

650

582

*単位:百万円

 

現預金の減少等で資産合計は前期末比68百万円減少の5億82百万円。仕入債務、未払金の減少等で負債合計は同59百万円減の2億36百万円。
利益剰余金の減少で純資産は同9百万円減の3億45百万円。
この結果自己資本比率は前期末より2.7ポイント上昇し48.9%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

19/3期2Q

20/3期2Q

増減

営業CF

82

-52

-134

投資CF

8

-1

-9

フリーCF

90

-53

-144

財務CF

-27

-32

-5

現金・現金同等物

336

304

-32

*単位:百万円

 

売上債権の増加、未払金の減少等で営業CF、フリーCFはマイナスに転じた。
財務CFのマイナス幅はほぼ変わらず。
キャッシュポジションは低下した。

 

3.2020年3月期業績予想

◎連結業績予想

 

19/3期

構成比

20/3期(予)

前期比

進捗率

売上高

1,517

100.0%

-

-

-

営業利益

68

4.5%

75

+10.1%

44.0%

経常利益

68

4.5%

75

+10.1%

44.0%

当期純利益

100

6.6%

60

-40.2%

26.7%

*単位:百万円

 

業績予想に変更はない。2桁増益で、6期連続の増益を予想。
業績予想に変更はない。営業利益、経常利益ともに前期比10.1%増の75百万円の予想。6期連続の増益を見込んでいる。

 

低空室率、賃料堅調という事業環境に今期も大きな変化はないと認識している。
そうした事業環境の下、オフィス環境関連業務の収益拡大を図るべく、集客強化・成約率向上・顧客接点増加のための取り組みを強化していく。
特に前期実績を上げた「比較的経験年数の少ないスタッフが小型物件を、経験豊富なスタッフが中大型物件を手掛ける営業戦略」を引き続き積極的に推進する。
配当は、前期と同じく1.40円/株を予定している。予想配当性向は54.7%。

 

 

4.主な取り組み

持続的に売上、利益を拡大させるための主な取り組みは以下の通り。

 

①人員の増強
同社では着実な売上増のためには不動産仲介を担当する営業社員の増強が必要と考え、年間6名程度を目途に新卒社員の採用を続けている。状況に応じて中途採用も行っているが、現在のところ新卒採用は順調に進んでいる。

 


 

前述のように、前期より、経験の浅い社員は小型物件、経験豊富な社員は中大型物件を手掛けることとした結果、成約件数は着実に増加している。営業社員増強がこの成果に繋がっている。

 

また内装に係る設計部門においても内製化を進めている。外注は時間もコストもかかるため、フレキシブルかつスピーディーな対応のために良い人材がいれば採用を行っていく考えだ。

 

②WEBを中心とした集客強化・確実な顧客化
不動産仲介を伸長させるには集客数の増大およびその後の確実な顧客化が必要だが、この点でも様々な取り組みを進めている。

 

Web サイトを中心としたインバウンドにおいては掲載情報量に加え、近年は情報の質の高さも集客の重要な要素となっているため、写真や説明文章の制作については専門のカメラマンやライターを採用するケースを増やしている。
360度カメラを用いてWebサイト来訪者の関心を高めるといった工夫も行っている。

 

また、集客した見込み先の顧客化確率をアップさせるため、問い合わせ対応や物件情報の収集・整理を担う営業推進部を設置した。役割分担を明確化し、成約率向上を図る。

 

③人材育成
最も重要な経営資源の一つ、人材の育成について積極的な投資を行っている。
宅建(宅地建物取引士)を手始めに、二級建築士や一級建築士など、より高度な資格の取得もバックアップしていく考えだ。

 

5.今後の注目点

20年3月期第2四半期は両部門とも好調で、2桁の増収増益となった。
通期予想に対する進捗率も、営業利益で44.0%。売上高に関しては予想を開示していないが、売上、利益ともにほぼ計画通りに進んでいるということだ。
空室率低下、家賃上昇という事業環境に変化はない中、通期予想に対しどれだけ積み上げていくかを注目したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

4名、うち社外0名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2019年7月3日

 

基本的な考え方
当社は、経営の透明性及び健全性の確保、向上に努めることは、企業の当然の責務であると認識しております。企業価値の向上と競争力強化のためには、常に組織の見直し及び職務権限の明確化を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう取り組んでおります。また、意思決定の迅速化のために、取締役会の機能充実を図るとともに、監査役及び監査役会による監視、内部統制の体制についても強化しております。

 

<実施しない原則とその理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

 

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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