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(6046) 株式会社リンクバル

東証マザーズ

ブリッジレポート:(6046)リンクバル 2019年9月期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

吉弘 和正 社長

株式会社リンクバル(6046)

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表取締役社長

吉弘 和正

所在地

東京都中央区入船2-1-1 住友入船ビル12F

決算月

9月末日

HP

https://linkbal.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

398円

19,500,000株

7,761百万円

36.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(倍)

0.00円

-

17.55円

22.7倍

110.62円

3.6倍

*株価は11/14終値。発行済株式数、ROE、DPS、EPS、BPSは2019年9月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年9月(実)

2,144

294

311

189

9.74

0.00

2017年9月(実)

2,652

464

494

313

16.09

0.00

2018年9月(実)

2,769

735

738

458

24.22

0.00

2019年9月(実)

2,719

1,026

1,028

632

33.92

0.00

2020年9月(予)

2,804

527

527

327

17.55

0.00

*予想は会社側予想。18年11月1日付で1:6の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。

 

株式会社リンクバルの2019年9月期決算概要、2020年9月期業績予想などをお伝えします。

 

目次

1.会社概要
2.2019年9月期決算概要
3.2020年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:成長戦略>
<参考2:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 19年9月期の売上高は前期比1.8%減の27億19百万円。他社イベント掲載への戦略的転換によりイベントECサイト運営サービスの売上高は同4.0%減収。WEBサイト運営サービスはリンクバルIDの規模拡大により、同29.1%の大幅増収となった。売上総利益は同7.0%増の24億50百万円。他社イベント掲載数増加など事業構造の戦略的転換により売上総利益率は7.4ポイント上昇し、90.1%となった。一方、業務内製化による外注費の減少などで販管費は同8.4%の減少。この結果、営業利益は同39.5%増の10億26百万円と大幅な増益となった。

     

  • 20年9月期の売上高は前期比3.1%増の28億4百万円の予想。両事業とも増収。参加者数、リンクバルIDの着実な拡大を見込む。営業利益は同48.5%減の5億27百万円の予想。中期的な新規顧客開拓や新規サービス立ち上げに向け積極的な投資を実施するため、販管費は同6億74百万円、約5割増加する計画。

     

  • 2020年9月期は中長期の成長に向けた投資期間と位置付けており、新規顧客獲得・顧客基盤の強化および新規サービス開発に積極的に注力する。前期のように10億円台の営業利益を実現できる体制はできてきたと会社側は認識しており、これまでは利益を意識して投資を抑え気味としてきたが、今期からは今後の成長基盤作りを優先する。

     

  • 今期は大幅減益予想であるが、今期からは成長基盤強化のための積極投資を行うためである点を投資家としては改めて留意しておく必要がある。

     

  • ただ、イベント参加者数及びイベント掲載数の伸び率、特に参加者数伸び率は前期1桁台に低下した点は、気になるところではある。会社側の見解はこれまでの伸び率が相当に高かったということだが、今期のイベント参加者数及びイベント掲載数計画は非開示であるものの、今期からの積極的な投資で新規ユーザーおよび潜在ユーザーの開拓、既存顧客のリピート率向上がいつごろから数字として表れてくるのかを注目していきたい。

     

1.会社概要

国内最大級のコト消費ECサイト「machicon JAPAN」を運営。独身男女向けの恋活・婚活イベントのみならず、人と人とのつながりを提供。
「machicon JAPAN」のほか、オンラインで恋活・婚活をするためのデーティングアプリ「CoupLink」や恋愛専門情報メディア「KOIGAKU」、カップル専用アプリ「Pairy」、学生と人事のマッチングアプリ「人事トーク」などを運営。
同社サービスが利用可能なリンクバルID会員数は20~30代を中心に約187万人。強固なユーザー基盤を源泉とした集客力は同社の強力な競争優位性である。
国内コト消費市場への本格展開、WEBサイト運営サービスの強化、海外コト消費市場の創造・開拓により更なる成長を目指している。

 

 

【1-1 上場までの沿革】

10代の頃から起業意欲が旺盛であった吉弘 和正氏は米国カリフォルニア大学を卒業し、不動産投資やプライベート・エクイティ業界での従事後、英国オックスフォード大学でMBA(経営学修士)を取得。2008年に、米国のプライベート・エクイティを専門とする投資顧問の日本法人立ち上げのために帰国した。

 

そして、2011年に起こった東日本大震災後、全国で自粛機運が強まっている中、地域活性化イベントであり今で言う「街コン」が実施されているのをメディアで目にする。
MBA在籍中の起業家プロジェクトにおいてポータルサイトの可能性を実感していた吉弘氏は「街コン」情報を全国に発信すべく、2011年6月、ポータルサイト「machicon JAPAN」を立ち上げた。
ただ、当初はビジネスというより地域活性化のためのボランティアの意味合いが強かったと言う。サイト作成・Webデザインなどを独学でゼロから勉強し、休日を利用してサイトを作成。自ら街コンを企画・集客するなど一人で運営を行っていたが、2011年11月、TVを始めとしたマスメディアで「machicon JAPAN」が一斉に取り上げられて状況は一変する。

 

ほぼ毎晩ゴールデンタイムで放送されたことから、社会の注目を一気に集めた「machicon JAPAN」は街コンの公式サイトとして認知され、サイトのユーザー数は急増し、製品・サービスのプロモーションを図りたいという様々な企業からの問い合せも増加した。
ポータルサイトとしての大きな可能性を感じ、改めて起業意欲を大いに刺激された吉弘氏は「日本全国に街コンを普及させたい」との思いから、街コン運営のノウハウを提供する「街コン応援プロジェクト」を立ち上げた。
ここまでは吉弘氏ほぼ一人で運営して来たものの、急増する街コン参加希望者や街コン主催者、業務提携を依頼する大手企業からの引き合いに対し適切な対応を行う必要があることから、2011年12月、株式会社リンクバルを設立した。

 

コンテンツ量の多寡が価値決定の最大要因であるポータルサイトにおいて、自社企画イベントを積極的に掲載するとともに、他社主催イベントの掲載にも注力する一方、大手企業とのコラボレーションによって認知度及び信頼性の向上も進み、掲載イベント数およびイベント参加者数は飛躍的に増加し、売上・利益も順調に拡大。
2015年4月、東証マザーズに上場した。

 

【1-2 経営理念】

「コト消費ECサイト」を運営し、以下のようなミッション、ミッションステートメントを掲げている。

ミッション

世界をつなぐ。

ミッションステートメント

「アイデア×テクノロジー」で新しい価値を創出し、顧客満足と企業成長を追求し続けます。

 

吉弘社長は「国内最大のコト消費ECサイトを目指す」ことを様々な機会を捉えて社内で繰り返し伝え、全社への浸透を図っている。

 

【1-3 市場環境】

「国内最大のコト消費ECサイト」を目指す同社を取り巻く市場環境を理解するためには、「コト消費の拡大」と「EC市場拡大に伴い高まるWEBサイトの役割」の2点を押さえておく必要がある。

 

(1)コト消費の拡大
内閣府が毎年実施している「国民生活に関する世論調査」によれば、「心の豊かさ」を重視する国民の割合は1980年代前半に「物質的豊かさ」を重視する割合を逆転した後、その差は拡大を続け直近では約6割の国民が「心の豊かさ」を重視している。

 

また、同じく内閣府調査「形態別国内最終消費支出及び財貨サービス別の輸出入」によれば、財およびサービスに対する支出の推移を見ると、サービス支出の構成比はこの20年で上昇傾向にある。

 

 

 

(2)EC市場拡大に伴い高まるWEBサイトの役割
経済産業省の電子商取引に関する調査によれば、日本の「BtoC」関連EC市場は2010年以降、年率11.3%の成長を見せ、2017年の市場規模は2010年の倍以上となった。
EC化率(商取引中のECの割合)はまだ5.79%と低いものの、市場規模の拡大とともに上昇していくことは間違いないであろう。

 

 

分野別の推移を見ると、市場規模は物販系分野が最も大きいもののここ数年の成長率はサービス系分野が2桁の伸びを見せトップとなっている。

 

 

EC市場の成長には「豊富な情報量」、「優れた利便性」、「安心・安全を担保する高度な信頼性」などを消費者に提供するWEBサイトが不可欠であり、こうした条件を備えたWEBサイトの評価の高まりおよび成長は国内外の事例から明らかである。

 

我が国における「コト消費の拡大」という持続性の高いトレンドの上で、高成長が見込まれるサービス系EC分野において重要な役割を果たすWEBサイトを目指すリンクバルを取り巻く市場環境、事業環境は同社にとって極めてポジティブなものである。

 

【1-4 事業内容】

(1)サービス内容
報告セグメントは「インターネット運営事業」の単一セグメント。
サービス別ではイベントECサイト運営サービスとWEBサイト運営サービスの二つ。売上の90%以上をイベントECサイト運営サービスが占める。

 

 

①イベントECサイト運営サービス
コト消費コンテンツを掲載するECサイト「machicon JAPAN」を運営している。

 

(同社資料より)

 

「machicon JAPAN」は、2011年6月に「街コン」の公式サイトとして、街コンを全国に普及することを目的に創られた街コンイベント専門の情報ポータルサイト。
これまでは、主に独身男女の出会いの場を提供してきたが、より広い市場での展開を視野に、ワンストップ型の「コト消費ECサイト」を目指していく。
「machicon」は、「match:ぴたりと調和する」と「connect:つなぐ」を合わせた言葉で、今後は人と人、人と世界をつなぐ、「machicon JAPAN」として、更なる発展・成長を目指す。

 

(特長)

19年9月期のイベント掲載数は年間24万件、イベント参加者数は121万人。国内最大級のコト消費ECサイト「machicon」を運営。

会員は20-30歳代が中心。男女比率はおおよそ44%対56%。

参加者は豊富なコト消費コンテンツを比較検討し、WEB上で申し込み、会員登録、決済をワンストップで行うことができる。

安心で質の高いイベントのみを選択して掲載し、参加者の満足度を最大化するとともに、健全なイベント運営を行うことが重要と考えているため、「machicon JAPAN」の運営開始からほどない2012年4月には「認定返金保証制度」を開始している。万が一イベントが開催されない場合でも、「machicon JAPAN」の認定したイベントに関しては、「machicon JAPAN」が責任を持って参加費の返金を保証している。

創業以来、「恋活・婚活」、主に独身の男女の出会いの場を提供してきたが、現在では、人と人、人と世界をつなぐ「machicon JAPAN」として「友達作り」、「自分磨き」など、異性との出会いを目的としたイベントのみならず共通の趣味を持つ友達との出会いの場の提供、出会い以外で自身を高める活動のサポートのためのコンテンツなど、より広いコト消費コンテンツを提供している。そうした目的から2017年9月にオープンした日本全国の体験、アクティビティ、遊び、地域の観光体験を掲載する予約サイト「体験ジャパン」では、海の体験(ダイビング、パラセーリングなど)、モノづくり体験(アクセサリー作り、陶芸など)、日本文化体験(座禅、江戸切子など)といった様々な体験やアクティビティ機会を掲載している。

コト消費イベント情報を掲載するほか、街コン開催希望者に対し、街コンに関する統計情報、運営方法、集客方法、顧客満足度向上施策など同社のノウハウを提供するコンサルティングも行っている。

また、企業の依頼に基づいて、「machicon JAPAN」の会員やサイト来訪者、イベント参加者を対象とした商品やサービスのプロモーションを行っている。

 

 

(事業構造の戦略的転換に着手)
従来は自社企画ベントが中心であったが、掲載情報量の最大化を目指しつつ、NO. 1サイトである「machicon JAPAN」の集客力を活かして他社企画イベントの掲載を拡大させている。
下のグラフのように、2018年9月期には売上高ベースで他社イベントが自社イベントを上回り、19年9月期は8割以上を他社イベントが占めている。

 

 

この事業構造の戦略的転換=他社企画イベントの掲載拡大は収益性向上の面からも同社にとって大きな意味を持っている。
自社イベントを企画、調整、実施する工数を減少させることで収益性は大幅に向上。また、人的リソースを各サイトのUI(ユーザーインターフェース:操作のしやすさ)、UX(ユーザーエクスぺリエンス:製品やサービスを使用することで得られるユーザー体験)の向上に注力し、WEBサイトの価値向上に繋げている。

 

 

こうした事業構造の戦略的転換に本格的に取り組んだ19年9月期の売上高経常利益率は、前期比約11ポイントアップの37.8%と大きく上昇した。今期は積極的な投資を実施するため同利益率は低下するが、この事業構造の戦略的転換により今後も高い収益性を維持する見込みである。

 

 

②WEBサイト運営サービス
アプリ「CoupLink」、「Pairy」、「人事トーク」およびWEBサイト「KOIGAKU」を運営している。

 

「オンラインデーティングアプリ」

国内初のイベント参加者をオンラインでマッチングさせる恋活・婚活するためのデーティングアプリ。マッチングした会員同士や同じイベントへの参加者同士でメッセージ交換が可能。実際のイベント参加者が利用していることにより安心度・安全性が高い。

会員登録は無料。有料会員はメッセージなどの機能を無制限に使うことができる。

 

「恋愛専門情報メディア」

恋愛に悩む女性が理想の恋愛を実現するためのコラム記事のほか、多様なコンテンツを提供している。会員登録は無料。

 

 

「カップル専用アプリ」

カップルが予定や思い出などをオンラインで情報共有するためのアプリ。

会員登録無料。

 

 

「学生と人事のマッチングアプリ」

求職中の学生と、求人募集中の企業や採用担当者との出会いをサポートするアプリ。

新卒、短期インターン、長期インターン、アルバイトといった幅広い採用形態に応じた募集内容。学生会員は登録無料。

 

(2)ビジネスモデル

 

(同社資料より)

 

 

*自社企画コンテンツ

参加者から参加料を受領

 

*他社企画コンテンツ

掲載企業から掲載料、送客手数料を受領

 

*企業プロモーション

プロモーション実施企業から協賛金を受領

 

有料会員から会費を受領

 

広告掲載企業から広告料を受領

 

有料会員から会費を受領

 

企業からの課金収入

 

以前は「machicon JAPAN」、「CoupLink」、「KOIGAKU」それぞれのサイトにおいて会員IDを発行していたが、2018年1月に共通会員IDである「リンクバルID」への統合を行った。
この統合を契機にシナジー効果によりID数の増加が加速したほか、「CoupLink」、「Pairy」、「人事トーク」においては「machicon JAPAN」、「KOIGAKU」からの送客によりユーザーを無料で獲得することが可能となるなど、各媒体の収益性向上に結び付いている。

 

【1-5 特長と強み】

(1)国内最大規模のコト消費ECサイト「machicon JAPAN」
同社が創業以来運営している「machicon JAPAN」は、年間24万件以上のコンテンツを掲載し国内最大級である。

 

(2)強固なユーザー基盤による集客力
2011年のローンチ以来積み上げてきた20~30歳代を中心とした180万人を超えるリンクバルID会員を持つ強固なユーザー基盤を源泉とする集客力は同社の強力な競争優位性である。
今後「出会い」以外のコト消費カテゴリーの掲載数を拡大させていく中でもこの強力なユーザー基盤が集客を可能とし、更にその集客力が他社イベント掲載数増加につながるという好循環を構築している。

 

【1-6 ROE分析】

 

16/9期

17/9期

18/9期

19/9期

ROE (%)

19.8

27.5

34.6

36.2

 売上高当期純利益率(%)

8.86

11.80

16.57

23.26

 総資産回転率(回)

1.58

1.59

1.42

1.14

 レバレッジ(倍)

1.42

1.47

1.48

1.36

 

収益性の向上によりROEも上昇を続けている。20年9月期の売上高当期純利益率は積極的な投資により11.66%の予想でROEも低下するが、高水準を維持する見込み。

 

2.2019年9月期決算概要

(1)業績概要

 

18/9期

構成比

19/9期

構成比

対前期比

期初計画比

売上高

2,769

100.0%

2,719

100.0%

-1.8%

-18.7%

売上総利益

2,290

82.7%

2,450

90.1%

+7.0%

-

販管費

1,554

56.1%

1,424

52.4%

-8.4%

-

営業利益

735

26.5%

1,026

37.7%

+39.5%

-0.4%

経常利益

738

26.7%

1,028

37.8%

+39.4%

-0.1%

当期純利益

458

16.6%

632

23.3%

+37.8%

-0.8%

 *単位:百万円

 

減収、大幅な増益
売上高は前期比1.8%減の27億19百万円。他社イベント掲載への戦略的転換によりイベントECサイト運営サービスの売上高は同4.0%減収。WEBサイト運営サービスはリンクバルIDの規模拡大により、同29.1%の大幅増収となった。
売上総利益は同7.0%増の24億50百万円。他社イベント掲載数増加など事業構造の戦略的転換により売上総利益率は7.4ポイント上昇し、90.1%となった。
一方、業務内製化による外注費の減少などで販管費は同8.4%の減少。
この結果、営業利益は同39.5%増の10億26百万円と大幅な増益となった。

 

イベント参加者数は前期比4.5%増121.4万人、イベント掲載数は同33.6%増の24.8万件、2018年1月のリンクバルID開始(IDの統合)により会員数は187万人。
期初計画に対しては、売上高はショート、利益はほぼ計画通りだった。

 

(2)サービス別売上高

 

18/9期

構成比

19/9期

構成比

対前期比

イベントECサイト運営サービス

2,586

93.4%

2,482

91.3%

-4.0%

他社イベント売上

1,670

64.5%

2,086

84.0%

+24.9%

自社イベント売上

887

34.3%

366

14.8%

-58.7%

その他売上

28

1.1%

29

1.2%

+2.1%

WEBサイト運営サービス

183

6.6%

236

8.7%

+29.1%

*単位:百万円。他社イベント売上、自社イベント売上、その他売上の構成比はイベントECサイト運営サービス内での構成比

 

他社イベント掲載を中心とする事業構造の戦略的転換が一段と進行。イベントECサイト運営サービス内での他社イベント構成比は前期比19.5%上昇した。
また、リンクバルIDの規模拡大によりWEBサイト運営サービスも順調に拡大している。

 

(3)トピックス

◎新サービス「人事トーク」をスタート
求職中の学生と、求人募集中の企業や採用担当者との出会いをサポートするアプリ「人事トーク」立ち上げ、「人材マッチングサービス」を開始した。

 

新卒、短期インターン、長期インターン、アルバイトといった幅広い採用形態に応じた募集内容であり、学生会員は登録無料。
求人企業からの課金が収入となる。
人事トークユーザーを潜在顧客と認識し、将来的には他サービスへ送客していく考えだ。

 

◎カップル向けコト消費サービスを提供開始
カップルが予定や思い出などをオンラインで情報共有するためのアプリ「Pairy」をリリースした。
アプリ「Pairy」は、同社のマッチングサービスを利用して成立したカップル向けに、恋人との写真を保存・共有する「アルバム機能」、恋人とのプロフィールを作る「ペアプロフ機能」、恋人との予定を簡単管理できる「カレンダー機能」、デートスポットの検索・登録が便利な「デート機能」、記念日までの日にちカウントが嬉しい「記念日カウント機能」などを提供するもの。

 

マッチング後、カップルが同社サービスから離れてしまうケースもあったためこのアプリによってその課題を解決し、同社が注力しているコト消費領域への送客を狙っている。

 

◎新規事業企画室を新設
更なる成長のためには既存サービスとのシナジーが期待できる新規サービスの立ち上げが必須と考え、2019年10月1日に新規事業企画室を新設した。
自社開発、M&A、協業等様々な手法により積極的に展開していく。

 

3.2020年9月期業績予想

(1)業績概要

 

19/9期

構成比

20/9期(予)

構成比

対前期比

売上高

2,719

100.0%

2,804

100.0%

+3.1%

営業利益

1,026

37.7%

527

18.8%

-48.5%

経常利益

1,028

37.8%

527

18.8%

-48.7%

当期純利益

632

23.3%

327

11.7%

-48.3%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

増収も積極的な投資により減益を予想
売上高は前期比3.1%増の28億4百万円の予想。両事業とも増収。参加者数、リンクバルIDの着実な拡大を見込む。
営業利益は同48.5%減の5億27百万円の予想。中期的な新規顧客開拓や新規サービス立ち上げに向け積極的な投資を実施するため、販管費は同6億74百万円、約5割増加する計画。

(2)サービス別売上高

 

18/9期

構成比

19/9期(予)

構成比

対前期比

イベントECサイト運営サービス

2,482

91.3%

2,543

90.7%

+2.5%

WEBサイト運営サービス

236

8.7%

261

9.3%

+10.3%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

両事業ともユーザー増による増収を見込んでいる。

 

(3)中長期に向けた投資の概要

2020年9月期は中長期の成長に向けた投資期間と位置付けており、下記2点に注力する。
前期のように10億円台の営業利益を実現できる体制はできてきたと会社側は認識しており、これまでは利益を意識して投資を抑え気味としてきたが、今期からは今後の成長基盤作りを優先する。

 

①新規顧客獲得・顧客基盤の強化
新規ユーザーおよび潜在ユーザーの開拓に向け、中長期の成長に寄与する認知広告等を展開する。
サービス改善による既存顧客のリピート率向上を図る。決してリピート率が低下しているわけではないが、マッチング後の利用拡大に加え、独身ユーザーの利用余地はまだまだ大きいと考えている。

 

②新規サービスへの積極的な投資
コト消費領域拡大のための新規サービスを立ち上げ、ブラッシュアップを図るため、自社開発・M&A・協業等様々な手法を検討・実施していく。
また、新規事業開発担当等、積極的な人材採用も行う。

 

4.今後の注目点

今期は大幅減益予想であるが、今期からは成長基盤強化のための積極投資を行うためである点を投資家としては改めて留意しておく必要がある。
ただ、イベント参加者数及びイベント掲載数の伸び率、特に参加者数伸び率は前期1桁台に低下した点は、気になるところではある。会社側の見解はこれまでの伸び率が相当に高かったということだが、今期のイベント参加者数及びイベント掲載数計画は非開示であるものの、今期からの積極的な投資で新規ユーザーおよび潜在ユーザーの開拓、既存顧客のリピート率向上がいつごろから数字として表れてくるのかを注目していきたい。

 

 

国内最大級のコト消費ECサイト「machicon JAPAN」を運営してきた当社は、高い認知度、圧倒的なユーザー基盤、創業以来トップランナーとして培ってきた様々なノウハウや知見など他社には真似のできない強力な競争優位性を備えており、国内だけでなく世界でも類を見ない「国内最大コト消費ECサイト」を目指し、今後も倍々に近い急速な成長を目指していく考えだ。

 

<参考1:成長戦略「コト消費市場における事業展開」>

2011年の設立以来順調に業容を拡大させてきた同社は、更なる成長を目指し「コト消費市場」の本格的な開拓に取り組んでいる。

 

(成長を支える2つのポイント)
同社の今後の成長を支えるポイントは以下の2点である。

 

ポイント1.巨大な「コト消費市場」
【市場環境】で述べたように、家計消費支出は財からサービスへの消費シフトが進み、消費者は「コト消費」への関心を強めている。
また、「BtoC」関連のEC市場が順調に拡大する中で、サービス系の「BtoC」関連EC市場は他分野を上回る成長を見せており、「コト消費のECサイト」の役割は今後ますます高まると予想される。

 

ポイント2.強固な会員基盤と集客力
約187万人のリンクバルIDの会員の年齢別内訳は20-30歳未満が約56%で、次いで30-40歳未満が38%、40-50歳未満が5.6%。
特に、ミドル層向けイベントを拡充したことにより40-50歳代のユーザーは2019年9月期1年間で約5万人増加(構成比は3.7%から5.6%に上昇)した。
強固な会員基盤と集客力は他社にはない同社の大きなアドバンテージである。

 

(成長戦略・方針)
①「ユーザー層の拡大」 × 「コト消費領域の拡大」による市場の創造・開拓
「出会い」をキーワードに恋活・婚活市場を中心に展開してきた同社だが、現在は2軸の拡大によってより巨大な「コト消費市場」への展開を進めている。

 

一つ目の軸はユーザー層の拡大。
現在の20-30歳を中心としたユーザー層に加え、年齢を40-50代のミドル層に広げ、会員基盤を一段と拡大する。

 

もう一つの軸が、領域の拡大。
「出会い」以外のコト消費領域に対象を広げ、更に巨大なコト消費市場の創造・開拓に取り組む。

 

(同社資料より)

 

②新規サービスの立ち上げ
自社開発、M&A、協業など様々な手法を用いて既存サービスとのシナジーが期待できる新規サービスを立ち上げる。そのために2019年10月には新規事業企画室を新設した。

 

(同社資料より)

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成(2019年9月末現在)

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2018年12月21日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営の効率化、健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させる企業経営の推進がコーポレート・ガバナンスの基本であると考え、経営上の重要課題であると認識しております。このため、企業倫理と法令遵守の徹底、経営環境の変化に迅速・適正・合理的に対応できる意思決定体制および業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築して、コーポレート・ガバナンスの充実に取組んでおります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
本欄に記載すべき事由はございません。

 

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