ブリッジレポート
(3912) 株式会社モバイルファクトリー

東証1部

ブリッジレポート:(3912)モバイルファクトリー 2019年12月期決算

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宮嶌 裕二 社長

株式会社モバイルファクトリー(3912)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

宮嶌 裕二

所在地

東京都品川区東五反田1-24-2

決算月

12月

HP

https://www.mobilefactory.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,670円

8,832,295株

14,749百万円

32.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

78.44~101.81

16.4~21.3倍

286.20円

5.8倍

*株価は02/03終値。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年12月(実)

2,072

611

611

411

43.64

27.00

2017年12月(実)

2,437

736

722

511

54.18

17.00

2018年12月(実)

2,978

849

848

585

63.37

-

2019年12月(実)

3,190

1,109

1,109

773

86.53

-

2020年12月(予)

3,295~3,546

1,004~1,303

1,002~1,300

692~899

78.44~101.81

-

*予想は会社予想。単位は百万円、円。
*2017年7月、1株を2株に分割(2016年12月期EPSを遡及修正)。

 

株式会社モバイルファクトリーの2019年12月期決算の概要と2020年12月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年12月期決算概要
3.2020年12月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/12期は前期比7.1%の増収、同30.7%の営業増益となり、売上高・営業利益共に過去最高を更新した。コンテンツサービスの売上が減少したものの、位置ゲーム「ステーションメモリーズ!(駅メモ!)」を中心とするソーシャルアプリサービスの売上が同15.2%増加。広告宣伝費を中心に販管費が減少し、営業利益率も改善した。株主還元として、100万株、12億円を上限に自己株式の取得を実施する(2020年2月3日〜2020年6月30日)。

     

  • 20/12期予想は売上高32億95百万円~35億46百万円(前期比3.3%増~11.2%増)、営業利益10億04百万円~13億03百万円(同9.5%減~17.4%増)。夏までにトークンを絡めた(ブロックチェーン技術を使った)新作位置ゲームと「Uniqys トークンマーケットプレイス(後述)」のリリースが予定されている。新作の寄与が読み難いこと等から、業績予想をレンジで開示した。

     

  • この2年ほど、同社はブロックチェーン関連の開発に経営リソースを割いてきたが、進捗状況がイメージし難かったこと等で、その取り組みは十分に評価されてこなかった。しかし、今期はブロックチェーン技術を絡めた新作ゲームのリリースを予定している。新作ゲームで収益をあげることができ、そこからの横展開である「Uniqys トークンマーケットプレイス」において実績をあげることができれば、同社に対する評価が一変するのではないだろうか。新作ゲームを通してブロックチェーン技術に基づくトークンの面白さを認知させることができるか、注目していきたい。

     

     

1.会社概要

位置情報連動型ゲーム(以下、位置ゲーム)を主力とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスが二本柱。
「ブロックチェーン技術による非中央集権型経済へのシフトは、社会インフラの大変革を起こす可能性があり、エンターテイメント業界においても例外ではなく、将来性が期待される分野である」との考えの下、2018年以降、次世代のインターネットとして期待が高まるブロックチェーン技術を活用した、分散型アプリケーション(DApps:Decentralized Applications)の普及を目指すプロジェクト「Uniqys Project(ユニキス・プロジェクト)」を進めている。ユーザーにはブロックチェーン技術を用いたアプリDAppsが身近になる環境を、開発者には手軽にDAppsを開発できる環境を、それぞれ提供することで、トークンエコノミーの第一人者として自らのポジションを確立したい考え。

 

グループは、同社の他、「駅メモ!」及び「駅奪取」の配信を行う(株)ジーワンダッシュ、及びブロックチェーン事業を手掛ける(株)ビットファクトリーの2社(共に100%子会社)。

 

1-1 経営理念

経営理念は「わたしたちが創造するモノを通じて世界の人々をハッピーにすること」。ブランドメッセージとして、「感動を持ち歩け。」を掲げている。“感動”とはコンテンツの質&受け手の感受性、“持ち歩け”とはモバイル&能動的。サービスの提供者として、社員ひとりひとりが率先して「感動」との出会いを増やしていくこと。そして、感動体験を共有し、社内全体で感受性を磨いていくこと。更に、共有する感動体験をステークホルダーに対し伝搬していくことである。

 

 

1-2 事業内容

事業は、位置ゲームを中心とするソーシャルアプリサービスと着メロ等のコンテンツを提供するコンテンツサービスに分かれる。ソーシャルアプリサービスが基本無料アイテム課金制であるのに対して、コンテンツサービスは月額課金制(一部例外)である。19/12期の売上構成比は、ソーシャルアプリサービス81.1%、コンテンツサービス18.9%

 

ソーシャルアプリサービス
「駅メモ!」及び「駅奪取シリーズ」の位置ゲーム2タイトルを、SNSプラットフォーム(GREE、Mobage、コロプラ)やアプリマーケット(App Store、Google Play等)を通して配信している。2011年3月にサービスを開始した「駅奪取シリーズ」は、身近な駅を他人と奪い合う競争要素、実際に訪れた場所が履歴として残るライフログ要素、奪取した駅や路線・称号等を集めるコレクション要素の3要素を有し、2014年6月にサービスを開始した「駅メモ!」は「駅奪取シリーズ」の駅を奪い合ったり収集したりする楽しさを残しつつ、オリジナルキャラクターを育成する楽しさを追及した。

 

コンテンツサービス
主に通信キャリアが運営するサービスを通して着メロ等のコンテンツを提供している。着メロは、自社モデル形式の「最新曲★全曲取り放題」や(株)レコチョク等との協業サービス(OEMモデル形式)の「レコチョクメロディ」等、スマー卜フォンやフィーチャーフォン向けに月額100円(税抜)から300円(税抜)で取り放題というサービス。課金会員数は漸減傾向にあるが、原則内製でもあり、残存者利益を享受しているため収益性は高い。

 

1-3 ブロックチェーン事業(サービスを開発中)

中長期的に市場拡大が期待できるトークンエコノミーの第一人者となるべく、Uniqys Projectを推進している。提供するサービスの総称であるUniqys Networkは、Uniqys SaaS、ブロックチェーンに対応したDApps 専用のモバイルブラウザ「Quragé(クラゲ)」、及びDAppsの開発ツール「Uniqys Kit」を包括し、β版を含めて、一部サービスの提供が始まっている。

 

Uniqys SaaSでは、「Uniqys トークンマーケットプレイス」、仮想通貨を所持していなくてもDAppsを利用できる「Uniqys Transaction Proxy(TxProxy)」、及びモバイル署名管理サービス(特定のブラウザに依存することなくDAppsの利用を可能にする)「Quragé Link」があり、月額課金型などでの提供を検討中。「Uniqys トークンマーケットプレイス」は、例えば、ゲームの一部のアイテムやキャラクターをトークン化し、トークン化したものをユーザーに対して販売する。先ずはゲームアイテム等のトークンから始めるが、中長期的には、動画、記事、写真、楽曲、アート等、非ゲーム分野で様々な権利をトークン化して販売していく考え。

 

尚、トークンとはブロックチェーン技術を用いて発行された所有権証明のための電子的証票。トークンを使うことでデジタルデータそのものにユーザーの所有権を持たせることができる。デジタルデータとは、例えば、ゲームのアイテムやキャラクター等で、その所有権を持ったアイテムやキャラクター等を、買った人、あるいは得た人は、ゲーム内に限らず、オンライン上で売買できる。

 

(同社資料より)

 

2.2019年12月期決算概要

2-1 通期連結業績

 

18/12期

構成比

19/12期

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

2,978

100.0%

3,190

100.0%

+7.1%

3,137

+1.7%

売上総利益

1,664

55.9%

1,742

54.6%

+4.7%

- 

-

販管費

815

27.4%

633

19.8%

-22.4%

- 

-

営業利益

849

28.5%

1,109

34.8%

+30.7%

900

+23.2%

経常利益

848

28.5%

1,109

34.8%

+30.7%

899

+23.4%

親会社株主帰属利益

585

19.6%

773

24.2%

+32.2%

588

+31.5%

* 単位:百万円

 

前期比7.1%の増収、同30.7%の営業増益
売上高は前期比7.1%増の31億90百万円。位置ゲーム「駅メモ!」を中心とするソーシャルアプリサービスの売上が同15.2%増加した。コンテンツサービスの売上は同17.7%減少したものの、想定の範囲内。

 

営業利益は同30.7%増の11億09百万円。システム利用料の増加やUniqys トークンマーケットプレイス及び新作ゲームの開発費等による売上原価の増加で売上総利益が同4.7%の増加にとどまったものの、広告宣伝費の減少で販管費が同22.4%減少し、営業利益率が改善した。

 

尚、同社は第3四半期決算発表時に通期の業績予想を上方修正しており、売上・利益共に修正予想を上回った。修正予想は、売上高31億69百万円、営業利益10億70百万円、経常利益10億69百万円、純利益6億86百万円。

 

 

セグメント別動向

 

18/12期

構成比

19/12期

構成比

前期比

位置ゲーム

2,225

74.7%

2,578

80.8%

+15.8%

その他

20

0.7%

9

0.3%

-53.9%

ソーシャルアプリサービス

2,246

75.4%

2,587

81.1%

+15.2%

コンテンツサービス

732

24.6%

602

18.9%

-17.7%

連結売上高

2,978

100.0%

3,190

100.0%

+7.1%

* 単位:百万円

 

ソーシャルアプリサービスでは、「駅メモ!」の配信開始5周年記念イベント(2019年6月)やアプリ版5周年記念キャンペーン(2019年11月)に加え、伊豆急行(静岡県)とのコラボキャンペーン等を実施した他、「駅奪取」も含めて、地方自治体等とのイベント開催により地方創生や地域活性化等を通じた社会貢献にも取り組んだ。この結果、19/12期は11イベントを開催し、約36万人が参加した(15億円程度の経済効果と試算)。

 

一方、コンテンツサービスは自社で運営している各着信メロディサービスの課金会員数が緩やかに減少しているが想定の範囲内。リソースを縮小することで収益性を維持している。

 

 

株主還元
100万株((自己株式を除く発行済株式総数の11.3%)、12億円を上限に、2020年2月3日~2020年6月30日にかけて自己株式の取得を実施する。取得方法は、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付け及び東京証券取引所における市場買付け。

 

2-2 第4四半期(10-12月)連結業績

 

18/12-1Q

2Q

3Q

4Q

19/12-1Q

2Q

3Q

4Q

前年同期比

前四半期比

売上高

576

793

766

842

761

901

735

791

-6.1%

+7.6%

売上総利益

375

428

401

460

418

502

389

432

-5.9%

+11.2%

販管費

239

191

189

194

180

196

114

140

-27.7%

+22.6%

営業利益

135

236

211

265

238

305

274

291

+10.0%

+6.4%

経常利益

135

236

211

265

238

304

274

291

+10.0%

+6.4%

四半期純利益

93

163

146

182

165

176

170

260

+43.2%

+53.0%

売上総利益率

65.1%

54.0%

52.3%

54.6%

55.0%

55.7%

52.9%

54.7%

-

-

販管費率

41.5%

24.2%

24.7%

23.1%

23.7%

21.8%

15.6%

17.8%

-

-

* 単位:百万円

 

駅メモ!アプリ版5周年記念キャンペーン等や年末イベントの寄与で前四半期比7.6%の増収、同6.4%の営業増益
前年同期との比較では、6.1%の減収、10.0%の営業増益。コンテンツサービスの売上減少に加え、広告宣伝費を抑制したためソーシャルアプリサービスの売上もわずかに減少した。ただ、利益面では、第3四半期より戦略的に広告宣伝費を抑制したため販管費が減少し営業増益となった。広告宣伝費の抑制は、目先のDAUの引き上げよりも中長期的なサービス運用を見据えた基盤強化(システムや運用体制の見直し)を一時的に優先した結果である。

 

前四半期との比較では、7.6%の増収、6.4%の営業増益。「駅メモ!」アプリ版5周年記念キャンペーンやコラボキャンペーン等を実施したソーシャルアプリサービスの売上が増加し、コンテンツサービスの売上減少をカバーした。利益面では、変動費であるシステム利用料や広告宣伝費等の増加を増収効果で吸収した。基盤強化が進み、徐々に広告宣伝費を増やせる体制が整ってきた。

 

 

サービス別売上高

 

18/12-1Q

2Q

3Q

4Q

19/12-1Q

2Q

3Q

4Q

前年同期比

前四半期比

位置ゲーム

362

605

589

667

592

745

587

652

-2.3%

+11.1%

その他

8

4

4

2

3

2

2

1

-58.4%

-44.1%

ソーシャルアプリサービス

371

610

593

670

596

748

589

653

-2.5%

+10.9%

コンテンツサービス

204

182

172

172

164

153

146

137

-20.0%

-5.7%

連結売上高

576

793

766

842

761

901

735

791

-6.1%

+7.6%

* 単位:百万円

 

売上原価の内訳

 

18/12-1Q

2Q

3Q

4Q

19/12-1Q

2Q

3Q

4Q

システム利用料

37

190

185

208

186

232

194

205

サーバ費用

15

19

22

18

20

19

21

19

その他

147

154

157

155

134

147

131

133

売上原価

200

365

365

382

342

399

346

358

* 単位:百万円

 

販管費の内訳

 

18/12-1Q

2Q

3Q

4Q

19/12-1Q

2Q

3Q

4Q

広告宣伝費

139

97

100

92

77

79

18

33

回収代行手数料

15

15

14

14

13

13

12

12

その他

83

78

74

88

88

103

83

94

販管費

239

191

189

194

180

196

114

140

* 単位:百万円

 

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

18年12月

19年12月

 

18年12月

19年12月

現預金

2,142

2,478

未払法人税・消費税等

192

316

流動資産

2,547

2,921

賞与引当金

59

69

有形固定資産

27

23

有利子負債合計

-

-

無形固定資産

7

59

負債

424

613

投資その他

88

136

純資産

2,247

2,528

固定資産

123

220

負債・純資産合計

2,671

3,141

* 単位:百万円

 

期末総資産は前期末との比較で4億69百万円増の31億41百万円。借方では8億30百万円のフリーCFを獲得する等で現預金が増加し、貸方では好業績を反映して純資産が増加した。自己資本比率80.5%(前期末84.1%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

18/12期

19/12期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

940

924

-15

-1.7%

投資キャッシュ・フロー(B)

-11

-94

-82

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

928

830

-97

-10.6%

財務キャッシュ・フロー

-559

-494

+64

-

現金及び現金同等物期末残高

2,142

2,478

+336

+15.7%

* 単位:百万円

 

税引前利益11億09百万円(前期8億48百万円)や法人税等の支払い△2億51百万円(同1億75百万円)等で9億24百万円の営業CFを確保した。投資CFは無形固定資産の取得等によるもので、財務CFは自己株式の取得等による。

 

参考:ROEの推移

 

15/12期

16/12期

17/12期

18/12期

19/12期

ROE

15.61%

24.92%

25.19%

26.17%

32.39%

売上高当期純利益率

10.58%

19.86%

20.97%

19.64%

24.24%

総資産回転率

1.18回

1.03回

1.02回

1.14回

1.01回

レバレッジ

1.26倍

1.22倍

1.18倍

1.17倍

1.32倍

* ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
* 算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残。

 

3.2020年12月期業績予想

3-1 通期業績予想

 

19/12期 実績

構成比

20/12期 予想

構成比

前期比

売上高

3,190

100.0%

3,295~3,546

100.0%

+3.3~+11.2%

営業利益

1,109

34.8%

1,004~1,303

30.5~36.7%

-9.5~+17.4%

経常利益

1,109

34.8%

1,002~1,300

30.4~36.7%

-9.7~+17.2%

親会社株主帰属利益

773

24.2%

692~899

21.0~25.4%

-10.4~+16.3%

* 単位:百万円

 

トークンを絡めた新作ゲームのリリースを予定しており、業績予想をレンジで開示
引き続き、他社IPとのコラボイベントや各地方自治体等とのイベントの実施で「駅メモ!」を中心に位置ゲームの収益拡大に取り組む。また、夏までを目処にトークンを絡めた新作位置ゲームと「Uniqys トークンマーケットプレイス(後述)」のリリースを予定している。新作位置ゲームのリリースに伴い、広告宣伝費を積み増すため、第3四半期以降は販管費の増加が見込まれる(抑制していた広告宣伝費を従来の水準に戻す)。

 

業績予想の上限は「駅メモ!」の堅調な推移と新作ゲームの順調な立ち上がりを想定しており、業績予想の下限は、「駅メモ!」の落ち込みと第3四半期以降に広告宣伝費を積み増す中での新作ゲームの苦戦を想定している。

 

 

ブロックチェーン技術を使った新サービスの開発
同社のブロックチェーン事業はイーサリアム(Ethereum)上でのサービス提供を前提としているが、イーサリアムが2020年中に1.0から2.0へアップデートされることになったため、互換性確認のため関連サービスの開発を一旦停止しアップデートを待つことにした。約2年間、同社は新作ゲームの開発を停止し、開発リソースをブロックチェーン関連の開発に振り向けてきたが、アップデートに伴う待機時間が生じたため、この機を活かしてブロックチェーン関連の開発リソースをトークンマーケットプレイスと位置ゲームに振り向けた。
また、位置ゲームの開発は、新しいタイトルのリリースによるリスク分散体制の整備という意味合いもあるようだ。

 

3-2 今後の方向性

短期的には、既存サービスの安定成長と新しいユーザー体験の提供、そしてトークンを絡めた新作ゲームのリリースにより、国産「位置ゲームNo.1」を目指す。また、「Uniqys トークンマーケットプレイス」をリリースし、Uniqys トークンマーケットの利用者拡大に取り組む。
中長期的には、DApps利用者の拡大とDApps関連サービスの収益化、そしてUniqys SaaSの利用者拡大により、トークンエコノミーを支える第一人者を目指す。また、長期運用を見据えた運営体制の維持・改善と新しいユーザー体験の継続提供により、位置ゲームの安定成長とコンテンツサービスの維持に努める。

 

 

Uniqys SaaSのパッケージ化によるトークンエコノミーの確立と関連サービスの収益化
長期的には主流になるとみられる分散型(非中央集権型)アプリケーション(DApps:Decentralized Applications)の普及を主導する “Uniqys Project” の方向性は不変だが、2020年に予定されているイーサリアム2.0へのアップデートを見据えて、ロードマップを見直した。具体的には、開発者向けDApps開発ツール「Uniqys Kit」正式版の公開に向けてベータ版を18/12期にリリースしたが、正式版の公開を一旦停止し、ブロックチェーン技術を用いて発行された所有権の証明のための電子的証票「トークン」を生成・販売する場である「Uniqys トークンマーケットプレイス」の開発を優先し、短期でのリリースを目指すこととした。

 

Webサービス「Uniqys トークンマーケットプレイス」は、仮想通貨を所持していなくてもDApps利用を可能にする「Uniqys Transaction Proxy(TxProxy)」、及びモバイル署名管理サービス(特定のブラウザに依存することなくDAppsの利用を可能にする)「Quragé Link」と共に、Uniqys SaaSとして、今後月額課金型などで提供していく考えで、19/12期に開発に着手した。

 

既に説明した通り、20/12期の夏までを目処にトークンを絡めた新作ゲームをリリースする予定だが、同時に「Uniqys トークンマーケットプレイス」もリリースする考え。Uniqys SaaSを展開することで、より多くのステークホルダーの早期獲得を目指している。

 

 

(同社資料より)
* 「Uniqys トークンマーケットプレイス」は、DAppsを検索できるサービス「FinDApps」を発展的に改修したもの。「FinDApps」及び「HL-Report」の既存サービスを包含する。「FinDApps」は、普及の遅れからDApps自体の数が揃わず利用が伸び悩んだ。また、「HL-Report」は、イーサリアム上に保存したレキシトコネクト(サービス終了ゲーム)のイジンやコスチュームを閲覧することができるサービス。
* 「Quragé(クラゲ)」はブロックチェーンに対応したDApps 専用のモバイルブラウザ、「Uniqys Kit」はDAppsの開発支援ツール。

 

 

「Uniqys トークンマーケットプレイス」

 

(同社資料より)

 

「Uniqys トークンマーケットプレイス」は、例えば、ゲームの一部のアイテムやキャラクターをトークン化し、トークン化したものをユーザーに対して販売する。先ずはゲームのトークンから始めるが、中長期的には非ゲーム分野、動画、記事、写真、楽曲、アート等の様々な権利をトークン化して販売する(クラウドファンディングのリターンのトークン化と販売等も考えているという)。そして、トークン化とトークンの販売のデファクトスタンダードを目指す考え。

 

 

トークンとは
同社の資料によると、トークンとはブロックチェーン技術を用いて発行された所有権証明のための電子的証票。正式には、「Non-Fungible token(略してNFT)」と呼ばれており、資産として扱うことができる。同社は、わかり易さにも配慮して、「Non-Fungible token」を「トークン」と呼んでいる。

 

トークンは、ブロックチェーン技術の最大の特徴であり、同社では、「最もインターネット世界に衝撃をもたらすモノ」と考えている。インターネットの世界はコピーされることを前提としており、それが長所でもあり、短所でもあるが、トークンを使うことでデジタルデータそのものに所有権を持たせることができる(コピーが不可能になる)。言い換えると、その所有権を持ったデジタルデータを、買った人、あるいは得た人が、その後、それを売買できる。

 

 

トークンマーケット
既にトークンを使ったゲームがリリースされている他、1,000万円以上の金額で取引されるトークンも存在し、取引額や取引件数を順調に伸ばしていると言う。ただ、現状では、モバイルコンテンツ・美術品等の物的資産や不動産は、デジタルデータとして自由に売買することはできない。デジタルとは別のところで市場が形成されているためだが、ブロックチェーン技術を使うことでそれらをデジタルデータ化し所有権を持たせることができる。その所有権をトークン化することで、オンライン上等での売買が可能になる。

 

言い換えると、既存のEコマースで扱うことのできなかった商材の取引を可能にするのが、ブロックチェーンとトークンの技術である。しかも、それは個人に帰属させることが可能なため、「これを使うことでインターネットの世界は今よりも面白くなる」、「トークンを販売する場のパイオニアであれば大きなメリットを享受できる」というのが同社の考え。トークン化とトークン売買のパイオニアとしてのポジションを早期に確立できれば、トークンに興味を持つユーザーが集まる場として認知度を高めることができるため、こうしたユーザーに対するマーケティングの場としての主導的な役割を担うことも可能だ。

 

 

(同社資料より)

 

トークンの売買に興味があったとしても、トークン化(生成)には特殊な技術が必要なため、誰でもトークン化できる訳ではない。しかし、その役割を同社が担うことでトークン売買の敷居を下げる。また、トークンの売買は法的にも会計的にも未成熟な面があるが、同社自身が弁護士や関係省庁との調整の下で法的・会計的な法制対応を進めるため、法人、個人を問わず安心して利用できる。「Uniqys トークンマーケットプレイス」は、トークンマーケットの創造と拡大に向け、この二つの役割を担っていくことになる。

 

4.今後の注目点

この2年ほど、同社はブロックチェーン関連の開発に力を入れてきたが、事業の進捗状況がイメージし難くかったことに加え、同社以外で、ブロックチェーン関連で収益をあげている実例が少なかったこともあり、その取り組みは十分に評価されてこなかった。しかし、トークンというブロックチェーンの技術を絡めた新作ゲームで収益をあげることができ、そこからの横展開である「Uniqys トークンマーケットプレイス」においても実績を挙げることができれば、同社に対する評価は一変するのではないだろうか。また、同社だけでなく、ブロックチェーン関連のビジネスに対する評価も変わるだろう。新作ゲームを通してブロックチェーン技術に基づくトークンの面白さを認知させることができるか、注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2019年08月14日)
基本的な考え方
当社グループは、お客様、株主様、さらには社会全体の信頼と期待に応え、企業価値の極大化のために、法令遵守に基づく企業倫理の確立が最重要課題であると認識しております。そのために、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高め、もって経済社会の発展に寄与していく所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-②】
当社が属するモバイルコンテンツ業界は技術革新が目覚しく、サービス内容等についても日々進化しております。このような環境の中で、中長期計画を公表することは、環境の変化に対応する柔軟性等を損なう可能性があり、その結果当社の成長を阻害する可能性があります。そのため、当社では中長期の経営計画を公表しておりません。

 

【補充原則4-1-③】
当社は、現時点では宮嶌氏の年齢等を踏まえ、最高経営責任者等の後継者に関する具体的な計画立案や取締役会での喫緊の課題としての議論等は実施しておりませんが、経営陣幹部を支える役員や管理職の育成は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための重要な課題であると認識し、組織の持続的成長と発展の牽引役を担う次世代幹部の育成・選抜を目的に、中堅の従業員を対象とした研修を実施しております。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社は、政策保有株式については、事業上の連携強化等、当社の企業価値の維持向上に資すると判断した場合に保有する場合があります。なお、現時点において上場株式を保有しておりません。

 

【原則1-7】
当社は、関連当事者との取引については、その取引を行うことが合理的であるか等を考慮しております。また、取引条件が他の取引と比較して適正であるか等に留意して、取締役会の承認を得ることとしております。

 

【補充原則4-11-③】
当社の取締役会は、取締役会の実効性についての分析及び評価を定期的に行うようにしております。直近の実施事例としては、取締役及び監査役に対してアンケートを実施し、その結果を資料として取締役会にて審議する方法により、実効性評価を行いました。アンケートの分析結果及び審議による評価の概要は以下のとおりであります。
(1) 現状、取締役会での審議内容は妥当であり、取締役会運営について特段の過不足は無い。
(2) 中長期の経営戦略についての議論を現在以上に深めることについては、検討の余地がある。

 

【補充原則4-14-②】
当社は、各取締役・各監査役に対して、当社事業環境の変化に応じて、外部の専門家を招いたセミナーやコンプライアンス研修等を実施し、適宜支援を行っております。

 

【原則5-1】
当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、機関投資家及び個人投資家と積極的な対話を行う体制を整えております。

 

 

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