ブリッジレポート
(4847) 株式会社インテリジェント ウェイブ

プライム

ブリッジレポート:(4847)インテリジェント ウェイブ 2020年6月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

井関 司 社長

株式会社インテリジェント ウェイブ(4847)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

井関 司

所在地

東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー

決算月

6月

HP

https://www.iwi.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

746円

26,304,293株

19,623百万円

11.3%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

9.00円

1.2%

27.37円

27.3倍

242.23円

3.1倍

*株価は2/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

非連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年6月(実)

7,205

731

750

513

19.48

6.00

2017年6月(実)

8,469

702

766

547

20.78

7.00

2018年6月(実)

10,603

547

573

377

14.36

7.00

2019年6月(実)

10,443

921

953

683

25.99

9.00

2020年6月(予)

10,600

1,000

1,040

720

27.37

9.00

* 予想は会社予想。単位は百万円、円。

 

 

株式会社インテリジェント ウェイブの2020年6月期第2四半期決算の概要と今後の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年6月期第2四半期決算概要
3.2020年6月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/6期上期は前年同期比1.4%の減収、同37.1%の営業増益。プロダクトソリューション事業の売上が増加したものの、大型開発案件終了の影響等で金融システムソリューション事業の売上が同1.9%減少した。ただ、金融システムソリューション事業は、ユーザー企業の増加でクラウドサービスの売上が増加する中、ソフトウェア開発が順調に推移し、期初予想を上回った。利益面では、ソフトウェア開発が順調に進んだ事による売上総利益率の改善で、人件費や採用教育費を中心にした販管費の増加を吸収した。

     

  • 通期予想に変更はなく、前期比1.5%の増収、同8.5%の営業増益予想。3Q(1-3月)は自社製パッケージの減収が響き連結ベースで減益が見込まれるが、通期では、開発案件の積み上げと利益率の高いハードウェア更改案件の取り込みで業績予想の達成を目指す。営業利益は10億円の大台に乗る見込み。配当は1株当たり9円の期末配当を予定。

     

  • プロダクトソリューション事業では、サーバーセキュリティ製品によるトータルソリューションが成果をあげており、下期は販売を一段と強化する。報道によると、三菱電機では、防衛関連の情報で不正アクセスと情報の流出懸念が生じており、NECも、社内ネットワークに不正侵入された可能性があると言う。加えて、オリンピック開催に伴う日本を標的としたサイバー攻撃の激化も確実視されており、改めてセキュリティに対する意識が高まってる。事業環境は良好だ。

     

1.会社概要

クレジットカード決済等のオンラインシステムに利用される金融フロントシステムで国内シェアNo.1のソフトウェア開発会社。金融フロントシステムは、店舗の端末や銀行の店外CD/ATM・海外ATM等をクレジットカード会社や銀行等のネットワークに接続して取引データの受渡しを行う。“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“システムを止めないためのノンストップ技術”、及び“高度なセキュリティ技術”を技術基盤とし、カード不正利用検知システムや証券関連の情報集配信システムでも豊富な実績を有する。地銀やノンバンク等向けに金融フロントシステムやカード不正利用検知システムのクラウドサービスも伸びている。営業面では、筆頭株主として議決権の50.61%を保有する大日本印刷(株)及びそのグループ企業との連携が強みとなっている。

 

【経営理念: 次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する 】

ネットワークゲートウェイ専門会社として、社員一人ひとりが、進取の気性を持った技術者集団としてあり続ける事で、次世代の新たなキラーシステムを創出し、次の30年を見据えた成長の軌跡を描いていく。そのためには、性別や国境にとらわれない多様な価値観が生み出すエネルギーが必要不可欠というのが同社の考え。また、常に新しい事に挑戦し、働きがいのある企業風土を作りあげる事で、社会における同社の企業価値も高めていく。
クレジットカードのオンライン決済が広く普及していなかった時代、同社は業界に先駆けて、大量の通信データを正確かつリアルタイムで処理するネットワークゲートウェイシステムを確立した。その後も、各種の認証機能や不正検知機能等、様々なアプリケーションを提供し続けた事で、決済インフラシステムのデファクトスタンダードとして圧倒的な国内シェアを獲得してきた。キャッシュレス社会の推進を背景に、同社の事業機会は拡大を続けている。同社に受け継がれている「止まらないシステム」を追求する思想は、IT基盤の構築やセキュリティ機能の向上を支える技術と深く結びついており、今後、あらゆる業界に幅広く浸透していく、というのが同社の考え。
企業は、社会に貢献する事がなければ存在価値がない。同社は、これまでに培ってきた技術力を進化させ、安全でストレスなく情報を取得できる仕組みを築きあげる事で、ユーザーを通じて社会全体から信頼される会社を目指している。

1-1 事業内容

事業は、クレジットカードや証券等の金融業界やシステム開発会社を主な顧客として、ソフトウェア開発、自社製・他社製パッケージ及びハードウェアの販売、更には保守等を手掛ける金融システムソリューション事業と、業種・業界にとらわれず幅広く自社製・他社製パッケージを中心にしたソリューションを提供しているプロダクトソリューション事業に分かれる。19/6期の売上構成比は、それぞれ89.4%、10.6%。

 

金融システムソリューション事業
カード系(金融系)と証券系(非カード系)のビジネスに分かれる。金融系は、クレジットカード会社や銀行、大手システム開発会社等を主な顧客とし、自社開発のパッケージソフト「NET+1」や「ACEPlus」を用いたシステム開発を行っている。「NET+1」を用いたシステムは、店舗の端末や銀行の店外CD/ATM・海外ATM等をクレジットカード会社や銀行等のネットワークに接続して取引データの受渡しを行うためのもの(ネットワーク接続機能、決済の前提となるカード認証機能、加盟店の業務を管理する機能等を有する)。専用ハードと共に提供される。この分野で圧倒的なNo.1ブランドであり、大手クレジットカード会社のネットワークへの接続で7割のシェアを有する。

 

「ACE Plus」は、偽造カード・盗難カード利用などクレジットカードや銀行口座の不正利用の検知を目的とした不正検知システムであり、こちらも豊富な実績を有する(シェア6~7割)。この他、「NET+1」のオンライン接続機能を切り出したアプライアンス製品として「OnCore」を提供している。「OnCore Switch」は低コストかつ短時間で導入できる強みから、カード決済の清算業務(クリアリング)用途やスマートフォン決済時のATM接続・ネットワーク接続用途での導入が増えている。
一方、証券会社を顧客とする証券系では、金融系で培った“リアルタイム処理が可能な高度なネットワーク技術”、“ノンストップ技術”、及び“セキュリティ技術”を活かして、高速情報基盤システム(証券取引所等から提供される市況データや気配値等を素早く社内の各端末に配信するシステム)等の開発を行っている。
上記の他、アクワイアリング業務、「ACEPlus」、「OnCore Switch」のクラウドサービスも提供しており、ユーザー企業の獲得が順調。大日本印刷(株)及びそのグループ企業の顧客資産とネットワークやセキュリティ分野での強みを活かしてサービス(開発)領域の拡大にも取り組んでいる。

 

プロダクトソリューション事業
当事業は、カードや証券等の業界に捉われず、全ての業界・企業を顧客対象とし、顧客の業務に使用されるPC 端末(エンドポイント)のセキュリティ対策製品を主な事業領域としている。具体的には、「NET+1」「ACE Plus」等で培ったネットワーク技術やセキュリティ技術をベースとした情報漏洩対策システム「CWAT(シーワット)」(パソコン等の端末から、コピー、印刷、ネットワーク経由等による情報の内部からの持ち出しを監視)を中心に、内部情報漏洩対策、脆弱性対策、及び外部攻撃対策について、監視・検出・診断・認証と防止・阻止の切り口からソリューションを提供している。
当事業は売上や利益の数字に表れないメリットも大きい。優れたセキュリティ関連製品を扱う事で得られる最新の情報や蓄積される技術・ノウハウ、海外の有力ベンダーとの提携により広がるワールドワイドのネットワーク、更には全ての業界・企業を顧客対象とする事による顧客層の広がりとビジネスチャンスの拡大等、目に見えない部分での貢献も大きい事業である。

 

1-2 進化3Way

Road to 10B : 売上高100億円超の継続と営業利益10億円達成
次世代育成・確立 : 育て上手な会社になる
風土改革 : 進取の気性と働きやすさ

 

単に目標数値を追うのではなく、人材育成・育成システムの確立及び風土改革と一体となった売上高・利益の成長を目指している。このため、採用した人材は教育研修で磨きをかける。具体的には、経営層、部長クラス、課長クラス、リーダークラス、入社2~3年目、新人、と階層別研修制度を整備し、技術職(専門分野の必要スキル)、イノベーション力、人間力を3本柱に次世代人材の育成に力を入れている。社員1人ひとりが働きやすい環境の整備にも取り組んでいる。残業時間の上限規制や年次有給休暇年5日の取得義務化と言った法制度対応はもちろん、同社独自の施策として、テレワーク、裁量労働制、勤務間インターバル制度を導入している。この他、2019年6月には、本社内のリフレッシュスペースを増床し社員に朝食の無料支給を開始した他、7月には営業部門でフリーアドレスを導入した。
また、常に新しい事に挑戦し、働きがいのある企業風土を作りあげる事で企業価値を高めていく。この一環として、メンター制度やフリーエージェント制度を導入している他、従業員満足度調査を定期的に実施している。

 

2.2020年6月期第2四半期決算概要

2-1 上期連結業績

 

19/6期 上期

構成比

20/6期 上期

構成比

前年同期比

期初予想

予想比

売上高

5,039

100.0%

4,967

100.0%

-1.4%

5,000

-0.7%

売上総利益

1,197

23.8%

1,333

26.9%

+11.4%

- 

-

販管費

928

18.4%

965

19.4%

+3.9%

- 

-

営業利益

269

5.3%

368

7.4%

+37.1%

340

+8.2%

経常利益

281

5.6%

360

7.2%

+27.8%

360

+0.0%

親会社株主帰属利益

204

4.1%

237

4.8%

+15.8%

250

-5.2%

* 単位:百万円

 

前年同期比1.4%の減収、同37.1%の営業増益
売上高は前年同期比1.4%減の49億67百万円。他社製品を中心にプロダクトソリューション事業の売上が同3.6%増加したものの、前年同期の売上を押し上げた大型開発案件の影響(前年同期の売上に5億68百万円寄与)を吸収できなかった金融システムソリューション事業が同1.9%の減収となった。ただ、同事業の減収は業績予想に織り込み済み。ストック型ビジネスであるクラウドサービスの売上が増加する中、ソフトウェア開発が順調に推移し、期初予想をわずかに上回った。

 

営業利益は同37.1%増の3億68百万円。売上の増加とソフトウェア開発が順調に進んだ事による売上総利益率の改善(26.9%と3.1ポイント改善)で、人件費(35百万円増)や採用教育費(16百万円増)を中心にした販管費の増加を吸収した。最終利益が同15.8%の増加にとどまったのは、税負担率の上昇(27.3%→34.1%)による。

 

セグメント別売上・利益

 

19/6期

上期

構成比・

利益率

20/6期

上期

構成比・

利益率

前年同期比

期初予想

予想比

金融システムソリューション

4,614

91.6%

4,527

91.1%

-1.9%

4,500

+0.6%

プロダクトソリューション

424

8.4%

440

8.9%

+3.8%

500

-12.0%

連結売上高

5,039

100.0%

4,967

100.0%

-1.4%

5,000

-0.7%

金融システムソリューション

317

6.9%

493

10.9%

+55.5%

430

+14.8%

プロダクトソリューション

-48

-

-125

-

-

-90

-

連結営業利益

269

5.3%

368

7.4%

+36.8%

340

+8.2%

* 単位:百万円

 

 

 

2-2 セグメント別動向

金融システムソリューション事業

 

19/6期 上期

構成比

20/6期 上期

構成比

増減

自社製パッケージ・クラウド

425

9%

569

13%

+144

ソフトウェア開発(大型案件)

2,791(568)

60%

2,574(0)

57%

-217

ハードウェア等

1,398

30%

1,381

31%

-17

売上高

4,614

100%

4,527

100%

-87

営業利益

317

7%

493

11%

+176

* 単位:百万円

 

売上の上位3社は、大日本印刷(以下、DNP)、大手システム開発会社、大手カード会社。DNP向けはスマートフォン決済や決済プラットフォーム等で11億14百万円と1億77百万円増加。大手システム開発会社向けは、カード会社のシステム更改に伴うもので、「NET+1」を中心としたネットワークゲートウェイ(ネットワーク接続及びハードウェア販売)で5億96百万円と4億32百万円増加。カード会社向けは、QRコード決済や消費増税対応等のフロントシステムで2億36百万円と67百万円増加した。この他、ユーザー企業の増加でクラウドサービスが増加し(2億85百万円→3億90百万円)、大型案件終了の影響5億68百万円(第1四半期3億11百万円、第2四半期2億57百万円)をほぼ吸収した。
利益面では、前年同期は前の期からの不採算案件への最終対応で利益水準が低かった事やクラウドサービスの損益改善で営業利益率が6.9%から10.9%に改善した。

 

プロダクトソリューション事業

 

19/6期 上期

構成比

20/6期 上期

構成比

増減

自社製品 CWAT

192

45%

135

31%

-57

他社製品

232

55%

304

69%

+72

うちパッケージ

230

54%

303

69%

+73

うちハードウェア等

2

0%

1

0%

-1

売上高

424

100%

440

100%

+16

営業利益

-48

-

-125

-

-77

* 単位:百万円

 

前年同期に大手インフラ企業にPC数十万台分のライセンスを販売した影響で情報漏洩対策システム「CWAT」の売上が減少したものの(この影響を除くと堅調な推移)、他社製品の売上増で吸収した。他社製品では、Trapsが減少したものの、多様化しつつある企業のサイバーセキュリティ対策の需要に応えるべく、サイバー攻撃に対する複数の製品を組み合わせたトータルソリューションが成果をあげている(イスラエルillusive networks社製高度標的型攻撃対策ソリューション「Deceptions Everywhere」、米ayehu(アエフ)社製IT運用自動化ソリューション「Ayehu NG」、ReSeC Technologies社製のゼロデイ攻撃マルウェア無害化ソリューション「RESEC」等)。ただ、相対的に利益率の高い「CWAT」の売上減少が響き、営業損失が増加した。

 

四半期売上高の推移

 

19/6-1Q

2Q

3Q

4Q

20/6-1Q

2Q

自社製パッケージ

103

38

342

29

98

82

クラウドサービス

126

158

174

178

178

211

ソフトウェア開発(うち大型案件)

1,311(311)

1,479(257)

1,354

1,522

1,251

1,322

保守

268

273

287

295

301

305

ハードウェア・他社製パッケージ

329

525

295

242

414

361

金融システムソリューション事業合計

2,140

2,474

2,453

2,269

2,243

2,283

自社製品 CWAT

80

110

93

201

71

61

他社製品(うちパッケージ)

116(115)

115(115)

102(102)

281(201)

101(100)

202(202)

プロダクトソリューション事業合計

197

227

196

485

173

266

* 単位:百万円

 

2-3 受注動向

 

上期の受注高は54億18百万円と前年同期(59億70百万円)比9.2%(5億52百万円)減少したが、これは前年同期(第1四半期)にクラウドサービスの受注があったため。クラウドサービスは通常複数年の契約のため、受注時に複数年分の受注を計上する。クラウドサービス以外の業務については順調に推移している。第2四半期(10-12月)は、ソフトウェア開発、クラウドサービス共に、前年同期比及び第1四半期比で受注が増加した。

 

 

第2四半期末の受注残高は57億86百万円と前年同期末(53億66百万円)比7.8%(4億20百万円)増加した。前年同期の受注残高には大型の開発案件の一部が含まれていたが、ソフトウェア開発、クラウドサービス共に増加し、この影響を吸収した。足元も基調は変わらず順調であり、上期の業績予想に対しては十分な残高が確保できていると言う。

 

2-4 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年6月

19年12月

 

19年6月

19年12月

現預金

3,254

2,498

仕入債務

332

444

売上債権

1,455

1,513

未払法人税等

359

86

たな卸資産

640

847

賞与・役員賞与引当金

318

247

流動資産

6,054

5,589

前受金

1,428

1,400

有形固定資産

540

543

退職関連引当金

475

500

無形固定資産

1,341

1,422

負債

3,659

3,271

投資その他

2,095

2,258

純資産

6,372

6,542

固定資産

3,977

4,224

負債・純資産合計

10,032

9,814

* 単位:百万円

 

第2四半期末の総資産は前期末との比較で2億17百万円減の98億14百万円。季節要因として、現預金、未払法人税等、純資産が減少した。一方、クラウドサービスの拡大で無形固定資産が増加した他、余資運用に伴い投資有価証券が増加した。自己資本比率66.7%(前期末63.5%)。

 

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/6期 上期

20/6期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-4

38

+42

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-244

-405

-161

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-248

-367

-119

-

財務キャッシュ・フロー

-200

-389

-189

-

現金及び現金同等物期末残高

2,390

2,498

+107

+4.5%

 

営業CFは、税引前利益3億60百万円(同2億81百万円)、減価償却費2億91百万円(同2億73百万円)、仕入債務の増加1億円(同△2億78百万円)、たな卸資産の増加△2億06百万円(同△2億08百万円)、法人税等の支払い△3億29百万円(同△60百万円)等で38百万円の黒字となった。
投資CFは、有形・無形固定資産の取得等によるもので、財務CFは、自己株式の取得と配当金の支払いによる

 

3.2020年6月期業績予想

3-1 非連結通期業績予想

 

19/6期 実績

構成比

20/6期 予想

構成比

前期比

売上高

10,443

100.0%

10,600

100.0%

+1.5%

営業利益

921

8.8%

1,000

9.4%

+8.5%

経常利益

953

9.1%

1,040

9.8%

+9.1%

当期純利益

683

6.5%

720

6.8%

+5.3%

* 単位:百万円

 

通期予想は前期比1.5%の増収、同8.5%の営業増益
通期予想に対する進捗率は、売上高46.9%(通期実績ベースの前年同期48.3%)、営業利益36.9%(同29.2%)、経常利益34.6%(同29.5%)、最終利益32.9%(同29.9%)。
売上高は前期比1.5%増の106億円。大型案件終了の影響を受ける上、ハードウェア販売も減少する見込みだが、ソフトウェア開発とクラウドサービスの売上増で吸収する。
営業利益は同8.5%増の10億円。自社製パッケージの減少で第3四半期(1-3月)に前年同期比減益となるものの、通期では、金融システムソリューション事業における順調な開発とクラウドサービスの損益改善、プロダクトソリューション事業におけるトータルセキュリティソリューションの展開による新製品効果で営業利益率が9.4%と0.6ポイント改善する見込み。

 

セグメント売上高・利益

 

19/6期 実績

構成比

20/6期 予想

構成比

前期比

金融システムソリューション

9,336

89.4%

9,400

88.7%

+0.7%

プロダクトソリューション

1,106

10.6%

1,200

11.3%

+8.5%

売上高合計

10,443

100.0%

10,600

100.0%

+1.5%

金融システムソリューション

890

9.5%

960

10.2%

+7.9%

プロダクトソリューション

31

2.8%

40

3.3%

+29.0%

営業利益合計

921

8.8%

1,000

9.4%

+8.6%

* 単位:百万円

 

3-2 20/6期の取り組み

金融システムソリューション事業
下期のポイントは、ハードウェア更改、クラウドサービスの商談の巻取り、及びFARIS(次世代不正検知)の案件獲得。
現在稼働しているFEP(Front End Processing:ネットワークゲートウェイ)用ハードウェアの一部機種のサポートが2021年から2022年にかけて終了する。このため、後継機へ移行する必要があるが、対象となる顧客の一部で今期中の販売が予定されている。加えて、移行作業に伴い、開発業務の受注も見込まれる。
クラウドサービスでは、IOASIS(アクワイアリング業務)を中心に引き合いが増加しており、この引き合いを受注につなげる。また、非対面(ネット利用)でのカードの不正利用の増加に対応した新製品「FARIS」(次世代不正検知)で複数案件の獲得を目指している。

 

クラウドサービス
クラウドサービスは第2四半期にIOASISの5社目が稼働し、現在10社が稼働している。通期で売上高8億円、売上総損益△25百万円を見込んでいるが、足元、売上高・売上総損益共に上振れペースで進んでおり、売上総損益については黒字化の可能性がある。また、IOASISは複数の地方銀行等から引き合いを受けており、来期以降の受注に向け商談が進んでいる。

 

「導入企業稼働状況」

 

 

 

 

 

 

18/6期

19/6期

20/6期 1Q

2Q

3Q  

4Q  

IGATES2社目

 

 

 

 

 

 

IGATES1社目

 

 

 

 

 

 

IFINDS3社目

 

 

 

 

 

 

IFINDS2社目

 

 

 

 

 

 

IFINDS1社目

 

 

 

 

 

 

IOASIS5社目

 

 

 

2Qから稼働

 

 

IOASIS4社

 

 

 

 

 

 

* IFINDS:不正検知、IGATES:スイッチング
(会社資料を基に作成)

 

「クラウドサービス業績推移・計画」

 

 

20/6期 1Q

2Q

3Q

4Q

通期

売上高

前期実績

126

158

174

178

637

当期計画

180

205

205

210

800

当期実績

178

211

 

 

 

売上総利益

前期実績

-59

-33

-9

-2

-105

当期計画

-15

-4

-4

-2

-25

当期実績

-8

-0.4

 

 

 

* 単位:百万円

 

新製品「FARIS」(次世代不正検知)
新製品「FARIS」はインターネットショッピング等、非対面でのカードの不正利用の増加に対応したもので(従来の不正検知システム「ACE Plus」は対象をカード会社に絞るとトップシェアだが、店舗での利用を想定して開発された)、AIを利用する事で処理速度と検知精度も向上させた。AIには、6カ月かけて収集した不正取引データを教師データとして深層学習させている。契約形態はサブスクリプションによる複数年の利用料契約を予定しており、現在、実証実験(PoC)終了1社(5月開始)、進行中1社(6月開始)、実施予定1社、提案中1社。PoCが終了している1社については、第3四半期の受注を目指している。
尚、「FARIS」のエンジンである「FES(Fast Event Streamer)」がSMBC日興証券の「AI株価見守りサービス」に採用され、2019年7月26日に同サービスの提供が始まっている。

 

 

プロダクトソリューション事業
今期中の受注に向け、イスラエルillusive networks社製高度標的型攻撃対策ソリューション「Deceptions Everywhere」、米ayehu(アエフ)社製IT運用自動化ソリューション「Ayehu NG」、ReSeC Technologies社製ゼロデイ攻撃マルウェア無害化ソリューション「RESEC」等の新製品の営業活動を強化する。マーケティング活動の一環として、2019年11月26・27日に開催された「サイバーテック東京」(東京都港区、虎ノ門ヒルズフォーラム)に出展し、井関社長が講演を行った。木村弥生総務大臣政務官、小池百合子東京都知事等を迎え、注目度の高い「サイバーテック東京」への出展及び井関社長の講演を新規顧客獲得につなげていく考え。20/6期通期の他社製品の売上は前期との比較で1億53百万円増の7億70百万円を計画しており、大型案件の剥落でCWATの売上減少が見込まれる中、営業利益は前期の31百万円から40百万円に増加する見込み。

 

 

放送業界向け新製品(IPフローモニタリングソリューション)
4K・8Kの大容量映像データを高速かつ正確に送信するハードウェア(高速データ送信機器)であり、放送システムのIP化に対応している。放送事業者と共同開発し、共同特許を出願した。技術的には、高速情報基盤システム(証券取引所等から提供される市況データや気配値等を素早く社内の各端末に配信するシステム)の技術が活かされており、現在、国内に競合する製品はない。
マーケティングの一環として、9月IBC(アムステルダム)、10月NAB Show(ニューヨーク)、11月Inter BEE 2019(幕張)、1月Arista社イベント(ラスベガス)と国内外の各種展示会に積極的に出展しており、4月はNAB Show(ラスベガス)への出展が予定されている。国内ではNHKやBS複数社、海外では、国営放送や米国のMLB・NFL・NBA等、国内外の複数社・団体で実証実験が予定されている。

 

4.今後の注目点

プロダクトソリューション事業では、イスラエル製サーバーセキュリティ製品によるトータルソリューションが成果をあげており(M&Aにより米国企業製品になっているものもある)、下期は一段と販売を強化する。トータルソリューションとは、攻撃を止めるだけでなく、セキュリティ業務の自動化、脅威の無害化等にも対応したソリューションであり、具体的には、攻撃検知、管理者への通知、動作の停止・インシデント対応・解析、攻撃の無効化、フィル無害化、セキュリティ事故発生時の原因究明調査等の機能をトータルで提供する。
改めてセキュリティに対する意識が高まっており、事業環境は良好だ。報道によると、三菱電機では、防衛省が情報保全を求めていた「注意情報」への不正アクセスと情報の流出懸念が生じており、NECでは、何者かによるサイバー攻撃を受け、社内ネットワークに不正侵入された可能性があると言う。また、オリンピック開催に伴う日本を標的としたサイバー攻撃の激化も確実視されている。

 

一方、金融システムソリューション事業では、「FARIS」の収益貢献が始まり、「次世代NET+1」の開発も進んでいる。加えて、クラウドが順調にユーザー企業を増やしており、ソフトウェア開発の受注も引き続き堅調。また、放送業界向け新製品は第一号案件の契約を間近に控え、その後に続く案件も目白押しだ。ここ数年、同社は売上が微増となる中で利益を増やしてきたが、来期は売上・利益両面での飛躍が期待できるのではないだろうか。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

10名、うち社外2名

監査役

5名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2019年09月27日)
基本的な考え方
当社は、「次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する」ことを経営理念として掲げています。これまで培ってきた技術力を進化させ、安全でストレスなく情報を取得できる仕組みを築きあげることで、お客様を通じて社会全体から信頼される会社を目指します。また、当社は、常に新しいことに挑戦し、働きがいのある企業風土を作りあげることで、当社の企業価値を高めていきます。併せて社会的責任(CSR)を果たし、株主や顧客、社員、生活者等様々なステークホルダーから信頼されることが、企業価値の向上に不可欠であると認識しており、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実を、重要な経営課題として取組んでいます。的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの監督、監査を可能とする体制を構築、運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるために研修、教育を徹底し、総合的にコーポレート・ガバナンスの充実が図れるように努めています。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-10① 独立した諮問委員会の設置】
当社の社外取締役は取締役会の過半数に達していませんが、取締役の指名及び報酬決議、その他取締役会決議事項については、毎回の取締役会において、独立社外取締役2名により公平、客観的な観点から質疑、助言が行われており、十分な検討と議論を経て決議されています。また、当社では監査役会設置会社として監査役5名、うち独立社外監査役を3名選任しており、全監査役が取締役会に出席して審議の状況を監視、監督しています。当社の組織規模及び取締役会の運営状況から鑑み、現在の取締役会の体制において十分にそのガバナンス機能が発揮されているため、独立した諮問委員会の設置までは不要と判断しています。

 

【原則5-2 経営戦略や経営計画の策定・公表】
当社は、これまで、経営戦略や経営計画の公表に際しては、具体的な施策を開示する等によってわかりやすい説明を行っています。今後におきましても、当社では、把握している当社の資本コストを今後当社が行う事業計画及び収益計画の立案に活用するほか、その説明に際しては、定量的な評価と理解の一助として、こうした指標を用いるよう努めます。

 

<開示している主な原則>
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
方針 : 当社は、株主、投資家のみなさまをはじめ、すべてのステークホルダーに対して、当社の経営方針、事業戦略や財務情報に関する情報を、(1)正確であること(2)公平であること(3)タイムリーであること(4)わかり易いことを原則として、情報発信を行っています。
(体制)
(1)当社は、IR業務を兼務する担当者を設置しています。IR活動を行うにあたっては、代表取締役社長も積極的に対話に臨み、建設的な対話を促進しています。
(具体例)
・個人投資家向けの説明会を定期的に開催(東京、大阪ほか地方都市で開催される個人投資家向け会社説明会への参加)
・機関投資家向けの説明会を定期的に開催(四半期決算及び期末決算発表後の説明会の開催)
・機関投資家との個別面談を随時に実施
・情報開示の充実(事業報告書の発行、コーポレートサイトを通じた情報開示)
・四半期短信、決算短信のサマリー、決算説明資料を英文により開示(海外投資家等の比率の増加に応じて情報開示は継続強化予定)
(2)株主等との対話の内容については、必要に応じ、IR担当者から代表取締役社長に報告することとしています。
(3)当社は、IRポリシーに則り適切な情報開示に努めるとともに、「インサイダー取引防止規程」に従い、インサイダー情報の管理、徹底を図り、漏洩防止に努めています。

 

 

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