ブリッジレポート
(9416) 株式会社ビジョン

プライム

ブリッジレポート:(9416)ビジョン 2020年12月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

佐野 健一 社長

株式会社ビジョン(9416)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

佐野 健一

所在地

東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー

決算月

12月

HP

https://www.vision-net.co.jp/ir/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

882円

47,079,756株

41,524百万円

21.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

-

-

226.80円

3.9倍

*株価は5/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年12月(実)

14,843

1,290

1,298

812

16.70

-

2017年12月(実)

17,554

1,788

1,795

1,208

24.76

-

2018年12月(実)

21,503

2,484

2,499

1,529

31.40

-

2019年12月(実)

27,318

3,325

3,358

2,226

46.05

-

2020年12月(予)

-

-

-

-

-

-

* 会社予想は未定。単位は百万円、円。
* 2019年10月、1株を3株に分割(EPSを遡及修正)。

 

 

株式会社ビジョンの2020年12月期第1四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.新型コロナウイルス感染症に対する対応
3.2020年12月期第1四半期決算概要
4.2020年12月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:ESG・SDGsにおける取り組み>
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 20/12期1Q(1-3月)は前年同期比7.4%の減収、同50.2%の営業減益。コスト削減系商材及び移動体通信機器(テレワーク対応用等)の好調もあり、情報通信サービス事業の売上が同9.3%増加したものの、2020年2月中旬以降、アウトバウンド・インバウンド共にレンタル件数が大幅に減少し、グローバルWiFi事業の売上が同17.9%減と落ち込んだ。

     

  • 「新型コロナウイルス感染拡大による事業活動への影響が見込まれ、現時点では連結業績予想の合理的な算出が困難である」として20/12期業績予想をいったん取り下げ、未定とした。算定が可能になった時点で、速やかに公表する考え。

     

  • 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が旅行業界を直撃しており、国内外の多くの航空会社や旅行会社が1-3月期に赤字計上を余儀なくされた。こうした中、同社は、国内WiFiの売上を伸ばす等でグローバルWiFi事業の地力を発揮すると共に、改めて情報通信サービス事業を有する強みを示した。また、優れた財務体質も有する。引き続き厳しい事業環境が予想されるものの、過度に悲観する必要はない。国内WiFiの販売、働き方の変化に対応した商品・サービスの提供、更にはテレワーク・スタートアップ企業支援サービスといった時宜にかなった取り組みの進捗に注目していきたい。

     

1.会社概要

「世の中の情報通信産業革命に貢献します」と言う経営理念の下、世界200以上の国と地域で利用可能な定額制WiFiルーターのレンタルを行うグローバルWiFi事業と、情報通信関連のディストリビュータとして、固定通信、移動体通信、ブロードバンド等の事業活動に必要な通信インフラ環境やオフィス機器を扱う情報通信サービス事業を展開している。
国内外の連結子会社19社とグループを形成しており、国内子会社は、請求業務の代行や固定電話サービスの加入取次ぎ等を行う(株)メンバーズネット、ブロードバンドサービスの加入取次ぎを手掛けるベストリンク(株)など7社。海外は、グローバルWiFi事業の海外拠点となる、韓国、ハワイ(米国)、香港、シンガポール、台湾、英国、上海(中国)、フランス、イタリア、カリフォルニア(米国)、ニューカレドニアの現地法人とシステム開発及びデータベース構築のオフショア拠点であるベトナムの現地法人の計12社。

 

【コーポレートスローガン - More vision, More success(より先見性のある選択で、より多くの成功を) -】
情報通信技術が目まぐるしく進化していく時代はビジネスとコミュニケーションのチャンスに溢れており、同社は情報通信サービスのあらゆる分野において№1ディストリビュータの地位を継続している。この事について、同社は「顧客視点に立ち、最良の価値を提供できたから」と自負している。情報通信の未来を、すべての人たちの未来のために。同社は自らが新しいサービスの創り手となって、顧客がもっと安心して、もっと便利に、もっと効率良く利用できるように取り組んでいく事で多くの夢の実現を応援していく考え。

 

【ビジョングループ経営理念- 世の中の情報通信革命に貢献します -】
「世の中の情報通信産業革命を積極的に推進し個人のライフスタイル、そして企業のビジネススタイルをイノベーションし、クライアント企業とエンドユーザーを効率的、効果的につなぐディストリビュータ企業として、永久にベンチャースピリットを忘れず従業員の無限なる向上心や夢・思いがステークホルダーに貢献できているか確認しあい妥協しない集団であり続け、人類と社会の進歩発展に貢献したい」という決意が込められている。

 

1-1 事業内容

グローバルWiFi事業
海外の通信会社と提携して、海外への渡航者に現地のインターネットサービスを安価で利用できるWi-Fiルーターをレンタルする「グローバルWiFi」及び訪日外国人等へ日本国内で利用できるWi-Fiルーターをレンタルする「NINJA WiFi」といったサービスを提供しており、進出先(韓国、台湾、カリフォルニア)において、海外to海外の渡航者向けサービスにも取り組んでいる。
WiFiルーターについては、クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術(クラウドWiFi)を搭載したWi-Fiルーターの期末レンタル数がレンタルされている端末全体の90%以上を占めている(通信キャリアによっては対応できない国もあり90%程度が上限)。

 

(同社資料より)

 

 

強み ①割安な定額制、②最多エリア、③快適、④安心・安全、⑤サポート拠点、及び法人営業力 ⇒ No.1クラスの顧客数
「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」のサービス上の強みは、①国内携帯会社の海外パケット定額プランとの比較で最大89.9%のコストメリット(渡航先によっては1日のレンタル料金が300円から)を有し、②カバレッジは業界最多クラスの200以上の国と地域。また、③世界中の通信事業者との提携による高速通信、④セキュア24時間365日世界47の拠点、⑤業界最多クラスの空港カウンター設置拠点数。また、事業としては、安定した需要が見込める法人の利用が約30%~40%を占めている事も強みであり、この結果、シェアナンバーワンクラスの利用者数を誇る。

 

 

店舗スマート化戦略(テンスマ)と超直前オンライン受注体制の整備
国内では有人カウンターの拡充に加え、①自動受渡しロッカー(Smart Pickup)、②多言語対応・決済機能のセルフレジKIOSK端末(Smart Entry)、更にはQRコード活用受付カウンターである③即時お客様識別カウンター(Smart Check)の設置による店舗スマート化戦略を進めている。レンタル件数(受渡件数)やオプションサービス(補償サービス、付帯品等)の増加への対応強化はもちろんだが、海外へ渡航する日本人・訪日外国人旅行客にとって、より便利に、より快適で、より安心して利用できる店舗への進化に向けた取り組みの一環でもある。

 

(同社資料より)

 

同社においては、店舗スマート化戦略により、ユーザータッチポイントの強化やユーザーに応じサービスレベルの最適化が可能になる(リピーター層等の説明が不要なユーザーの待ち時間をなくし、説明が必要なユーザーには空港スタッフが応対する)。空港カウンターの増設や拡張が難しい中、自動受渡しロッカー(Smart Pickup)の増設により人員を増やすことなく、限られたスペースを有効活用してスループットの向上とコスト削減につなげていく考え。

 

尚、店舗スマート化戦略、クラウドWiFi、及び顧客データベースを連携させる事で「“超”直前オンライン受注体制」が整備され、出発当日客へのサービス提供が可能になった(データベースと連携させる事で空港カウンター店舗目の前でのWEB申込への即時対応が可能になった)。

 

 

 

情報通信サービス事業
新設法人、ベンチャー企業、及び外食チェーン等の多店舗展開企業を主要ターゲットとして、連結子会社ベストリンク(株)を中心に、全国15か所の営業所、及びパートナー企業との連携の下、ビジネスフォン、固定電話・加入電話・ヒカリ電話の取次ぎ、法人携帯、OA機器・セキュリティ製品(UTM)等の販売・保守、ホームページ制作、更には事業者向け新電力サービスの取次ぎ等のサービスを提供している。

 

主要ターゲットでもある新設法人(設立後6ヶ月以内の企業)の開拓に強みを有し、法務省のデータ(2018年全国法人登記件数116,208社)を基にすると、国内で新規設立される法人の約7~8社に1社と取り引きがある計算。独自のWebマーケティング(インターネットメディア戦略)で集客し、CRM(顧客関係・取引継続)戦略により、継続的収益の最大化(ストックビジネス化)、高生産性追加販売(アップセル・クロスセル)につなげている。

 

例えば、回線の取次であれば、サービスが解約されない限りキャリアから手数料を受け取る事ができ、複写機等であれば継続的に保守料を得る事ができる。そして、カスタマー・ロイヤリティ・チームが継続的にフォローしていく事で、顧客の成長と共に増加する回線や機器の需要取り込み、成長ステージに応じた最適なサービスの提供(アップセルやクロスセルによる生産性の高い追加販売)で収益が積み上がっていくストック型ビジネスモデルを確立している。ターゲット層を、成長予備軍から、成長過程の企業へも展開させつつ、ストック型ビジネスモデルを進化せていく。

 

1-2 成長戦略

グローバルWiFi事業では、顧客基盤・事業基盤の、拡大(市場開拓=各ステージの成長、世界展開)、拡充(収益性向上)、及び活用(ビジネス展開=旅行関連サービスプラットフォーム)に取り組み、情報通信サービス事業では、チャネル、商品・サービス、及びビジネスモデルの強化に取り組む。

 

 

グローバルWiFi事業
日本政府観光局によると、2019年の訪日外国人旅行者(インバウンド)は約3,188万人、日本から海外へのアウトバウンドは2,008万人。また、海外から海外へのグローバル渡航者に至っては14億人を超える(同社資料より。出所:国連世界観光機関公表資料)、同社試算による市場規模は9兆円超。
高い成長を続けている同社だが、シェアは、海外利用(アウトバウンド:日本⇒海外)が17.3%、国内利用(インバウンド:海外⇒日本、日本人含)が3.1%、日本市場内(アウトバウンド+インバウンド)で8.6%、とシェアアップの余地が大きい。ユーザーの新規開拓に加え、リピーターの積み上げや法人需要の取り込みで、更なる利用率の向上に取り組んでいく考え。また、並行して、コスト抑制・生産性向上により事業基盤を強化して収益性も高めていく。
中長期的には、「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の顧客基盤を活用して新ビジネス「旅行関連サービスプラットフォーム」を育成していく。

 

 

情報通信サービス事業
法務省のデータによると、2019年の全国法人登記件数は116,208社。政府による積極的な創業・企業支援により増加傾向が続いており、同社は15年の実績を持つWebマーケティングのノウハウを活用した集客により川上戦略を展開していく。
また、本店支店の移転登記数(総数)は144,597件(登記申請の必要のない事業所等の移転数除く)。追加及び移転時の変更手続き等をカバーすると共に、カスタマー・ロイヤリティ・チーム(CLT)の高度なオペレーションによるクロス・アップセリングを展開していく。
また、創業以来25年で構築したビジネスモデルや法人営業力(仕組、ノウハウ、多彩な販売チャネル)をグローバルWiFi事業等全ての事業に活かしていく(Vision Hybrid Synergy modelの展開)。

 

(同社資料より)

 

2.新型コロナウイルス感染症に対する対応

社内SNS及びテレビ会議システムを活用し、時間・場所に捉われず迅速な情報共有、意思決定を行うことで影響を最小限に抑えている。

 

 

2-1 従業員の安全確保と事業運営・その他

従業員の安全を確保するべく、従業員の健康管理(感染予防徹底)、ウイルス感染対策のグループ全体への周知、時差出勤の推奨、及び不要不急の国内外の出張制限を実施している。このうち、従業員の健康管理(感染予防徹底)では、日常の健康管理、全事務所の出入口へのアルコール消毒液・次亜塩素酸水の設置及び利用、加湿器の利用、マスク着用、手洗い・うがい、風邪等体調不良時の出勤停止、会議室の除菌、社内外のミーティング時のテレビ会議システムの活用等を実施している。また、事業運営・その他の施策として、テレワーク用ノートPC調達、テレワークでの営業体制整備(リモート営業の推進)、新入社員のリモート研修、最大のリスクを想定した対応、テレワーク支援商材の開発・販売、収束後の事業活動を見据えた取り組みを実施しており、この他、各種経費の見直しも行った。

 

 

2-2 グローバルWiFi事業への影響及び対応

海外渡航者の減少に伴いレンタル件数が大幅に減少しており、アウトバウンド事業、インバウンド事業共にレンタルは厳しい状況にある(日本政府観光局:JNTOの発表によると、3月単月の海外渡航者数(前年同月比)は、アウトバウンドが85.9%減、インバウンドが93.0%減)。

 

対応
「グローバルWiFi for Bizテレワークプラン」の拡販に取り組むと共に、コロナ後を見据えた新技術の開発に取り組んでいる。過剰人員については、情報通信サービス事業等へのジョブローテーションを実施している。出荷センターでは、端末・その他商品のアルコール除菌を強化・徹底している他、情報通信サービス事業等の他事業の出荷センターとしても活用することで外注費の削減につなげている。一方、空港カウンターでは、一部店舗休止及び営業時間短縮、マスク着用、ユーザー及びスタッフ用アルコール消毒液配備等の施策を講じている。加えて、店舗スマート化戦略(テンスマ:スマートピックアップ+SIM自販機の無人店舗の増設等)を1年前倒しで進めている。この他、コスト削減の取り組みとして、固定費用が発生するSIMを休止及び解約した他(全体の8割程度は従量課金制のSIMだが、2割程度のSIMは固定費用が発生する)、広告費を削減した(リスティング費用がほぼ0円に)。

 

 

2-3 情報通信サービス事業への影響及び対応

第1四半期において特段の影響はなかったが、非常事態宣言により企業活動が制限されたため、第2四半期以降、影響が生じる可能性がある。

 

対応
テレワーク商材及びコスト削減商材や、安定収益源となり、収益性も高い月額制商品及び自社サービスの販売を強化すると共に、サプライチェーンリスクを軽減するべく、モバイル(携帯電話)、OA機器(コピー機、ビジネスフォン)等の在庫及び保管場所を確保した。この他、次亜塩素酸水及び対応機器等のウイルス対策商品の法人向け販売を開始した他、オンライン商談システムを活用した営業や訪問営業の最小化施策等、ロケーションにとらわれない営業スタイルへの取り組みも開始した。
このうち、テレワーク商材及びコスト削減商材の強化では、WEB会議・オンライン商談システム「meet in」の販売や電話代行サービス「tele receptionist <テレレ>」の提供を開始した。また、テレワーク未導入企業支援の一環として、ビジネス向けSNSツール「JANDI」及び「VWS勤怠・ワークフロー」を無償提供している(6月末迄)。この他、オンライン商材のパッケージ化(コールシステム+オンライン商材等)商品の販売を開始した。コスト削減商材では、新電力「ハルエネ」加入取次ぎ等が好調であると言う。

 

3.2020年12月期第1四半期決算概要

3-1 第1四半期(1-3月)連結業績

 

19/12期

1Q(1-3月)

構成比

20/12期

1Q(1-3月)

構成比

前年同期比

売上高

6,470

100.0%

5,989

100.0%

-7.4%

売上総利益

3,797

58.7%

3,252

54.3%

-14.4%

販管費

2,817

43.6%

2,764

46.2%

-1.9%

営業利益

980

15.1%

488

8.1%

-50.2%

経常利益

980

15.2%

496

8.3%

-49.4%

親会社株主帰属利益

669

10.3%

116

1.9%

-82.6%

* 単位:百万円

 

前年同期比7.4%の減収、同50.2%の営業減益
売上高は前年同期比7.4%減の5,989百万円。グローバルWiFi事業は、国内WiFiの需要増により国内のレンタル件数が増加したものの、2020年2月中旬以降、アウトバウンド・インバウンド共にレンタル件数が大幅に減少。新型コロナウイルス感染症に伴う、海外渡航・各種イベントの中止により「ProDrivers(プロドラ)」の利用も減少した。一方、情報通信サービス事業は、コスト削減系商材及び移動体通信機器(テレワーク対応用等)の好調もあり、アップセル・クロスセルにより順調に売上が増加した。
尚、「ProDrivers」は、2020年3月にドライバー及び車両を自社保有する運営から提携先へ送客する運営に変更した(事業譲渡が決定している)。

 

営業利益は同50.2%減の488百万円。グローバルWiFi事業の原価率が約4.5ポイント上昇したことに加え、情報通信サービス事業も、仕入原価が発生する移動体通信機器(携帯電話)の販売増加により原価率が上昇したため、連結売上総利益が同14.4%減少。広告費(リスティング費用等)、業績連動賞与引当、荷造運送費、旅費交通費、消耗品費等、各種費用の見直し・圧縮に努め、販管費は同1.9%減少した。
減損損失185百万円など特別損失215百万円を計上したことで最終利益は116百万円と同82.6%減少した。

 

 

 

18/12-1Q

2Q

3Q

4Q

19/12-1Q

2Q

3Q

4Q

20/12-1Q

売上高

4,922

4,933

5,961

5,686

6,470

6,467

7,610

6,770

5,989

売上総利益

2,930

2,888

3,579

3,251

3,797

3,698

4,474

3,719

3,252

販管費

2,194

2,388

2,679

2,903

2,817

2,988

3,194

3,364

2,764

営業利益

736

499

900

348

980

710

1,280

354

488

* 単位:百万円

 

 

3-2 セグメント別動向

 

19/12期

1Q(1-3月)

構成比

20/12期

1Q(1-3月)

構成比

前年同期比

グローバルWiFi事業

4,075

63.0%

3,347

55.9%

-17.9%

情報通信サービス事業

2,302

35.6%

2,515

42.0%

+9.3%

その他

95

1.5%

126

2.1%

+33.2%

調整額

-3

-

-1

-

-

連結売上高

6,470

100.0%

5,989

100.0%

-7.4%

グローバルWiFi事業

871

68.8%

326

43.4%

-62.5%

情報通信サービス事業

482

38.1%

517

68.8%

+7.3%

その他

-86

-6.9%

-91

-12.1%

-

調整額

-286

-

-264

-

-

連結営業利益

980

-

488

-

-50.2%

* 単位:百万円

 

グローバルWiFi事業
新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本を含む多くの国において海外渡航制限や外出制限などの措置が取られたことにより、世界的に旅行需要は停滞し、1-3月の日本人出国者数、訪日外国人数はそれぞれ、前年同期比39.6%減、51.1%減と大きく落ち込んだ(日本政府観光局:JNTO)。

 

同社においては、2月中旬以降大幅にレンタル件数が減少し、3月単月では前年同月比約90%減少した。4月以降もレンタル件数の見通し(アウトバウンド、インバウンド)が厳しいことから、国内WiFi及び法人向け常備型「グローバルWiFifor Biz」の拡販に集中する一方で、アウトバウンド事業、インバウンド事業は一時的に縮小し、過剰人員については、情報通信サービス事業等へのジョブローテーションを実施している。
また、新技術の開発等についての取り組みは継続しているものの、費用の変動費化(継続)及び固定費用の削減を進め、従量課金契約による通信原価の抑制、空港や物流関連における業務委託の縮小等、コスト削減に努めた。

 

尚、テレワークを導入する企業の増加による国内通信需要の高まりを背景に、国内WiFi事業は売上を伸ばしている。

 

 

情報通信サービス事業
Webサイトからの問い合わせ対応やテレマーケティング営業に順次テレワークを取り入れ、訪問営業はテレビ会議による営業にスタイルを変えていくことで、外出自粛要請による営業機会の損失に対処した。この結果、主要顧客(新設法人・ベンチャー企業)の獲得が順調に進んだことに加え、CRMによる継続取引の積み上げ(ストックモデル)やアップセル・クロスセル戦略による積み上げも進んだ。また、自社サービス(クラウド型ワークフローサービス等)やオンライン商材・サービスの開発及び販売も成果をあげた。

 

 

3-3 財政状態

 

19年12月

20年3月

 

19年12月

20年3月

現預金

8,485

6,864

仕入債務

1,203

1,178

売上債権

2,218

1,841

未払法人税等

634

84

流動資産

11,792

9,965

賞与引当金

280

102

有形固定資産

1,200

1,122

流動負債

4,222

3,058

無形固定資産

666

521

固定負債

46

36

投資その他

1,514

1,529

純資産

10,905

10,044

固定資産

3,381

3,173

負債・純資産合計

15,173

13,138

* 単位:百万円

 

第1四半期末の総資産は前期末との比較で2,034百万円減の13,138百万円。2020年2月に自己株式の取得を実施したため、現預金を中心に資産が減少したものの、無借金経営の下、流動性に富み、安定性に優れた財務体質に変わりはなく、第1四半期の売上高を基にした手元流動性比率は3.4ヶ月(前期末3.7ヶ月)。自己資本比率76.3%(同71.7%)。

 

 

自己株式の取得
2020年2月25日から28日にかけ、909,000株を985,974,100円で取得した(自己株式を除く発行済株式総数の1.89%)。

 

 

4.2020年12月期業績予想

4-1 2020年2月発表の業績予想を取り下げ、未定に

新型コロナウイルス感染症の国内及び世界各国における収束時期が不透明であり業績へ与える影響を見通すことが困難だったため、2020年2月に新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を織り込まない20/12期業績予想を公表した。しかし、第1四半期の業績は新型コロナウイルス感染症拡大の抑止・収束に向けた移動制限や自粛による旅行需要急減の影響を大きく受けた。
同社は、新型コロナウイルス感染症による事業への影響が20/12期を通して継続すると想定しており、現在、影響を最小限に抑えるべく、人員の柔軟な異動、変動費化の取り組み、コスト削減等の各取り組みを進めている。しかしながら、今後の事業環境を見通すことが一層困難となったため、20/12期業績予想をいったん取り下げ、未定とすることとした。今後状況の収束に伴い、より合理的な見積が可能になり次第、速やかに業績予想を公表する考え。

 

 

19/12期実績と従来の20/12期予想

 

19/12期 実績

構成比

20/12期 予想

構成比

前期比

売上高

27,318

100.0%

31,396

100.0%

+14.9%

売上総利益

15,690

57.4%

18,256

58.1%

+16.4%

販管費

12,365

45.3%

14,253

45.4%

+15.3%

営業利益

3,325

12.2%

4,003

12.8%

+20.4%

経常利益

3,358

12.3%

4,005

12.8%

+19.2%

親会社株主帰属利益

2,226

8.1%

2,674

8.5%

+20.1%

* 単位:百万円

 

セグメント別売上高・利益

 

19/12期 実績

構成比・利益率

20/12期 予想

構成比・利益率

前期比

グローバルWiFi事業

17,732

64.9%

21,076

67.1%

+18.9%

情報通信サービス事業

8,955

32.8%

9,210

29.3%

+2.8%

その他

637

2.3%

1,108

3.5%

+74.0%

調整額

-7

-

0

-

-

連結売上高

27,318

100.0%

31,396

100.0%

+14.9%

グローバルWiFi事業

3,301

18.6%

3,736

17.7%

+13.2%

情報通信サービス事業

1,363

15.2%

1,497

16.3%

+9.8%

その他

-266

-

-35

-

-

調整額

-1,073

-

-1,194

-

-

連結営業利益

3,325

12.2%

4,003

12.8%

+20.4%

* 単位:百万円

 

 

4-2 20/12期の取り組み

事業環境を踏まえて、国内WiFiの販売強化、働き方の変化に対応した商品・サービスの提供、更にはテレワーク及びスタートアップ企業支援サービスに力を入れる。

 

国内WiFiの販売強化
急増するテレワーク需要を取り込むべく、Webサイト等での販売を強化する。テレワーク用プランの提供を開始した他、海外事業(アウトバウンド)のリソースを国内WiFiへ投下し販売体制も強化した。テレワーク需要の高まりで国内用SIMの需給がひっ迫し、SIMの調達が課題となっているが、独自の仕入ルートを駆使した国内用SIMの在庫確保に努めている。また、クラウドWi-Fiルーターの特性を活かして、海外用に提供していたWi-Fiルーターの国内WiFiへの転用も進めている。クラウドWi-Fiルーターは、クラウド上でSIMを管理する次世代型の通信技術を搭載しているためSIMの挿入・交換作業が不要。1台で世界中の通信回線を利用することができる。

 

働き方の変化に対応した商品・サービスの提供
自社開発し、同社が社内で利用している、「VWSシリーズ(勤怠・ワークフロー)」、「JANDI(会議付きプラン)」といったサービスを無償でユーザーへ提供している(6月30日まで無償)。いずれもクラウドで提供するため、ユーザーはコスト(導入・ランニング)負担を軽減できる。投資(自社開発、企業買収、業務資本提携含む)により、早期にサービスラインナップの拡充を図る考えだ。

 

(同社資料より)

 

 

テレワーク及びスタートアップ企業支援サービス
WEB会議・オンライン商談システム「meet in」の販売と電話代行サービス「tele receptionist <テレレ>」の提供を開始した。
WEB会議・オンライン商談システム「meet in」は、ネット環境があればオンライン商談が可能なシステム。資料・画面共有、契約書捺印、複数人接続名刺交換、録画、アンケートを主な機能としており、商談・ミーティングのオンライン化により、移動時間と交通費を削減できる。
一方、電話代行サービス「tele receptionist <テレレ>」は、「テレワーク導入企業の留守番電話設定だけでは不安」、「営業活動等でオフィス不在時の電話の取りこぼしを防止したい」といった声を踏まえて提供を開始した電話代行サービスである。

 

(同社資料より)

 

4-3 新型コロナウイルス感染症収束後に向けた取り組み

新型コロナウイルス感染症収束後をにらみ、従来からの競争力強化に向けた取り組みも進めていく。

 

コンビニ受取開始

(関東地方にて先行スタート)

職場や自宅の近くにあるセブン・イレブンで受け取ることができるコンビニ受取を開始した。店舗の営業時間内であれば深夜の受け取りが可能なため、出発当日に空港カウンターに並ぶ必要がない。

空港カウンター及びスマートピックアップ

(Smart Pickup)

第1四半期は、羽田空港第2ターミナルにカウンターを新規出店した他、小松空港にスマートピックアップを1機設置した。第1四半期末現在、国内18空港(うち11空港に自動受渡しロッカー設置済)、39ヶ所のカウンター、32機のスマートピックアップ、返却BOXで、受取・返却が可能である。

店舗スマート化戦略

(テンスマ)

①自動受渡しロッカー(Smart Pickup)、②多言語対応・決済機能のセルフレジKIOSK端末(Smart Entry)、更にはQRコード活用受付カウンターである③即時お客様識別カウンター(Smart Check)の設置による店舗スマート化戦略を進めていく。

“超”直前オンライン受注体制

(テンスマ×クラウドWiFi×データベース)

店舗スマート化戦略、クラウドWiFi、及び顧客データベースを連携させる事で「“超”直前オンライン受注体制」が整備され、出発当日客へのサービス提供が可能になった。各取り組みを連携させ、更なる利便性向上につなげていく。

無人型店舗の展開加速

計画を1年前倒しで進めていく。当面の対象空港は、北九州空港とみやこ下地島空港が、この他の増設も予定している。

設置内容:スマートピックアップ+返却BOX(受渡し、返却可能)

無制限プランエリア拡大

無制限プラン対応国は現在74ヶ国。引き続きエリア拡大に取り組んでいく。

旅ナカ(渡航中)サービスの展開

2020年1月より「グローバルWiFi」のオプションサービスとして「ゴープロ」のレンタルを開始した。

安心・安全・快適な渡航をサポートするべく、ユーザーの要望に応え、オプションを含めて、更なる旅ナカサービスの拡充に取り組んでいく。

旅行関連サービスプラットフォーム

「グローバルWiFi」及び「NINJA WiFi」の顧客基盤を活用する新ビジネスとして育成していく。

 

 

5.今後の注目点

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が旅行業界を直撃しており、国内外の多くの航空会社や旅行会社が1-3月期に赤字計上を余儀なくされた。こうした中、同社は苦戦したとはいえ、国内WiFiの売上を伸ばす等でグローバルWiFi事業の地力を発揮すると共に、改めて情報通信サービス事業を有する強みを示した。また、無借金経営で、流動性に富み、安定性に優れた財務体質も有する。
依然として先行きの不透明感は強く、感染第2波のリスクはあるものの、欧米諸国で経済活動再開の動きがあることに加え、国内も39県でも緊急事態宣言が解除された。コロナ禍のピークアウトによる早期の事業環境の改善に期待すると共に、国内WiFiの販売、働き方の変化に対応した商品・サービスの提供、更にはテレワーク及びスタートアップ企業支援サービスといった時宜にかなった取り組みの進捗に注目していきたい。

 

 

<参考:ESG・SDGsにおける取り組み>

「情報通信の未来を、すべての人たちの未来のために」という思いの下に、ESG(Environment = 環境、Social = 社会、Governance = ガバナンス)に配慮した経営と事業戦略を通して、継続的な成長と企業価値向上を目指している。また、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)に代表される社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の発展に寄与すると共に、情報通信産業革命に貢献していく考え。尚、SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標。

 

Environmental

 

同社は、WEBサイトをカーボンオフセットする「グリーンサイトライセンス」、及び、WEBサイトのCO2削減活動として、「グリーン電力」による地球温暖化防止の環境認証を取得している(SDGs7、12、13、15)。また、「一人でも多くの方が震災時に命を繋げる社会の実現」を目指し、情報発信、被災地での支援活動、各種活動への支援を行っている団体である特定非営利活動法人 震災リゲインの活動に賛同し、支援・協同している(SDGs3、11)。

 

Social

 

健康と福祉、働きがいと経済成長の両立、平等を念頭に、多様な採用チャネルの活用(公正採用、リファラル採用、女性採用、多国籍社員採用、障がい者雇用)、時代環境に則した人事制度や独自の福利厚生制度の導入(時短勤務、シフト制、フレックスタイム制、水分補給手当て:夏季、インフルエンザ予防接種補助金等)、平均年収の継続増加といった施策を進めている(SDGs3、8、10)。また、従業員のライフイベントである出産・育児における、勤務ルールの柔軟化や休暇制度の拡充及び取得促進等に加え、子育てをサポートし、これまで以上に働きやすい環境を作る事を目的に、企業主導型保育事業「ビジョンキッズ保育園」の運営等でより仕事に集中できる環境の整備と育児世代で働く意欲のある人材の雇用に取り組んでいる(SDGs8、11)。上記に加え、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に 国、地域、人種、政治、宗教、境遇を問わず、全てのひとが平等に医療を受ける事ができ、"生まれてきてよかった"と思える社会の実現を目指して活動しているジャパンハートの法人会員として、その活動を支援している(SDGs1、3、10、16)。

 

Governance

 

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格である「ISO/IEC 27001」の認証を取得しており、情報セキュリティ上の脅威から適用範囲内の情報資産を保護するために、情報資産を正確かつ安全に取り扱い、運用、監視、見直し、維持及び継続的な改善に取り組んでいる(SDGs12、16)。また、ステークホルダーから継続的な信頼を得る事が重要であるとの認識の下、ビジネス活動におけるリスクマネジメントを推進し、コンプライアンスを徹底する事により、ガバナンスの更なる強化に努めている他、経営の透明性及び健全性を図るべく、取締役6名中3名を企業経営者等からなる社外取締役とし、監査役4名中全員を公認会計士や弁護士等からなる社外監査役としている(SDGs10、16)。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

6名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外4名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年4月1日)
基本的な考え方
当社グループは、お客様の期待を感動に変えるため、常に自らを磨き、理想を実現させるため、ためらうことなく変革への挑戦を続け、常に多くの人々(ステークホルダー)に支えられていることに感謝し、謙虚な気持ちで事業活動を行っております。この行動規範に従って、法令、社内規則、方針を遵守し誠実に取り組み、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-1-3 取締役会の役割・責務(1)(最高経営責任者等の後継者の計画の監督)】
当社では、最高経営責任者等の選定においては、都度変化する経営環境の中、経営理念や経営戦略に沿った形で、候補者の人格、知識、実績等を勘案して相応と認められる者の中から取締役会で選定する等、十分に議論してまいります。後継者の計画の監督については今後の検討課題といたします。

 

<開示している主な原則>
【原則4-8 独立社外取締役の有効な活用】
当社では、取締役6名のうち3名が独立社外取締役であります。独立社外取締役3名は、それぞれWEBマーケティング、インバウンドビジネス、金融業界、グローバルビジネス等に関する豊富な経験及び企業経営者としての経験を活かし、経営を監視いただくとともに、当社の経営全般に助言を頂戴することによりコーポレート・ガバナンス強化に寄与していただけるものと考えております。

 

【原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質】
会社法及び東京証券取引所が定める基準を参考に選任しております。また、豊富な経験と幅広い見識から、当社の経営全般に助言していただける方を選定しております。

 

【補充原則4-11-1 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役会の構成・選任に関する方針・手続き)】
当社の取締役会は、当社の事業・業務に精通した人材を内部登用した社内取締役と、豊富な経験と幅広い見識を有した人材を社外取締役とすることで、取締役会全体としての知識、経験、能力のバランスや多様性を確保しております。

 

【補充原則4-11-2 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役及び監査役の兼任状況)】
取締役及び監査役は、その役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を取締役及び監査役の業務に振り向けており、兼職については合理的範囲となっております。なお、兼職の状況については株主総会招集通知の参考書類、事業報告、有価証券報告書にて開示しております。

 

【補充原則4-11-3 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件(取締役会の実効性に関する分析及び評価)】
当社の取締役会は、社外取締役及び社外監査役を含めた発言や議論の状況等から、その実効性は保たれていると判断しております。また、各取締役を対象として自己評価のアンケートを実施し、その結果を社外監査役にて確認しており、更なる実効性、機能の向上に努めております。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主等からの対話の申込みに対しては、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で前向きに対応することとしております。現在のところ、社長またはIR担当役員が出席する説明会を年に2回以上開催しているほか、随時国内外の機関投資家とのミーティングや、年に複数回の個人投資家向け説明会等も実施しております。それらの結果については、適宜、取締役会等で、得られた情報等の共有を図っております。なお、インサイダー情報の漏洩防止を徹底しております。

 

 

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