ブリッジレポート
(6033) 株式会社エクストリーム

グロース

ブリッジレポート:(6033)エクストリーム 2020年3月期決算

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佐藤 昌平 社長CEO

株式会社エクストリーム(6033)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表者

佐藤 昌平

所在地

東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル

決算月

3月

HP

https://www.e-xtreme.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,657円

5,454,534株

9,038百万円

40.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

-

-

517.00円

3.2倍

*株価は05/29終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

3,289

436

433

278

56.51

23.00

2018年3月(実)

3,261

295

298

174

34.60

14.00

2019年3月(実)

6,286

945

851

560

104.48

21.00

2020年3月(実)

7,161

1,379

1,295

966

177.69

36.00

2021年3月(予)

-

-

-

-

-

-

* 会社予想は未定。単位:百万円、円。2016年8月、2018年11月、1株を2株に分割(EPSは遡及修正、DPSは分割前の実額)。

 

 

(株)エクストリームの2020年3月期決算の概要と2021年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.新型コロナウイルス感染症の影響と対策
3.2020年3月期決算概要
4.2021年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/.3期は前期比13.9%の増収、同45.9%の営業増益。全てのセグメントで売上が増加し、収益性も改善。売上・利益共に過去最高を更新し、「ラングリッサー」効果の継続で利益は期初予想を大幅に上回った。ただ、「ラングリッサー」は投入地域が一巡し、今後のロイヤルティ収益は緩やかに減少する見込み。このため、「各事業セグメントにおいて、更なる収益力強化のための施策を進めていく」としている。配当は15円増配の36円を予定している(配当性向20.3%)。

     

  • 前20/3期業績への新型コロナウイルス感染症の影響はなかったが、足元では、ソリューション事業において新規営業・既存契約更改等の商談の停滞が発生しており、受託開発事業においても、新規案件の提案が停滞しているようだ。このため、「今後の受注契約への影響規模を見通すことが困難な状況である」として、21/3期業績予想を未定とした。株主還元については、引き続き配当性向20%を目安として配当による還元を実施していく予定であり、「21/3期業績予想の開示が可能となった段階で速やかに公表する」としている。

     

  • 「ラングリッサー」効果がピークアウトしつつあるが、その一方で、ソリューション事業において、「数から質」への転換が着実に進んでおり、2月以降、単価の上昇を通して売上が急増している。また、離職率の引き下げによる技術者の確保で、案件数も伸びている。加えて、非エンタメ系の売上の増加に象徴されるように新規の顧客開拓も進んでいる。一方、受託開発事業では、オフショア開発拡大のための布石を打った。今後、スマートフォンアプリ開発案件、クラウドプラットフォーム構築、CRM構築・導入・運用等での強みを活かした受注拡大が期待される。

     

1.会社概要

クリエイティブな開発スキルを有するデジタルクリエイター(プログラミングやグラフィックの開発スキルを持ったクリエイター&エンジニア)のプロダクションである。法人向けにゲーム・スマートフォンアプリ・Web・IT企業等へソフトウェア開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供するソリューション事業、法人向けにスマートフォンアプリ開発案件、クラウドプラットフォーム構築、CRM(Customer Relationship Management)の構築から導入・運用等、案件を持ち帰り形式にて受託・納品する受託開発事業、及び同社が保有するゲーム・キャラクター等の知的財産を活用し、様々な事業を展開するコンテンツプロパティ事業を展開している。
グループは、同社の他、連結子会社(株)EPARKテクノロジーズ(出資比率58.3%)、オフショア開発拠点を活用したITサービスの開発等を行う(株)エクスラボ(同100%)、(株)エクスラボの100%子会社ALTPLUS VIETNAM Co.,Ltd.、及び持分法適用関連会社(株)EPARKペットライフ(同23.8%)。(株)EPARKテクノロジーズは飲食店・病院・美容院・時間貸駐車場・エステサロン等の順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の基幹システム開発・保守を手掛けており、(株)EPARKペットライフはペットサロン・動物病院のポータルサイトを運営(予約・送客サービス)している。

 

【企業コンセプトと行動指針】

企業コンセプトは、「まじめに面白いをる会社。未来の楽しいをる会社。」。行動指針を、「スピード×クオリティ×チャレンジ」としている。スピード。常にフルスピードを意識する。今日できる事は今日やる。今出来る事は今やる。後回しにしない。クオリティ。妥協せず常に最高のクオリティを目指す。量は質に転嫁する。多くのアイデア、多くの成果、多くの挑戦など、多くを生み出すことが、クオリティの高いものに結実する。全ての成果はお客様のためにある。お客様が満足するクオリティを目指す。チャレンジ。失敗を恐れずに前に踏み出す。現状に満足せず、常に改善を心がける。

1-1 (株)EPARKと資本業務提携

2018年5月に順番予約サイト「EPARK(イーパーク)」の運営主体である(株)EPARKと資本業務提携(第三者割り当てにより5.51%の出資を受けた)すると共に、その孫会社で「EPARK」の基幹システムの開発・保守を手掛ける(株)EPARKテクノロジーズを子会社化した(出資比率58.3%)。(株)エクストリームと(株)EPARKはパートナーシップ体制を構築し、(株)EPARKテクノロジーズが(株)エクストリームの連結子会社として「EPARK」の基幹システムの開発を担っていく。

 

この資本業務提携の目的は、①「EPARK」基幹システムの安定的・継続的な開発業務の受託による収益の安定、②同社グループにおける受託開発サービスの高付加価値化、③グループ間における技術人材の交流によるスキルアップ、更には④知名度の高いサービスの開発を担う事によるグループの技術人材採用マーケットでの知名度向上。これらの相互作用も顕在化させ、同社グループの成長基盤の確立や企業価値の向上につなげていく考え。

 

尚、「EPARK」とは、登録会員約2,000万人、提携店舗数約10万店舗の人気施設の予約・順番受付サイト。PC、スマートフォン等から無料で利用でき、飲食・歯科・病院・薬局・リラクゼーションサロン・ヘアサロン・駐車場といった様々なジャンルで、予約・順番受付が可能。三井アウトレット、ららぽーとを中心に各種商業施設での導入も進んでいる。

 

 

1-2 事業の概要

事業は、ソリューション事業、受託開発事業、及びコンテンツプロパティ事業に分かれる。各事業の概要は次の通り。

 

20/3期 セグメント別売上高・利益

 

売上高

構成比

営業利益

利益率

ソリューション事業

3,593

50.2%

833

23.2%

受託開発事業

2,447

34.2%

15

0.6%

コンテンツプロパティ事業

1,252

15.6%

1,166

93.1%

調整額

-133

-

-636

-

合計

7,161

100.0%

1,379

19.3%

* 単位:百万円

 

 

ソリューション事業
ゲーム・スマートフォンアプリ・WEB・IT企業等に対し、ソフトウェア(プログラミングやグラフィック等)開発サービスを派遣契約または請負契約にて提供する。持続的に強化・拡充していく事ができる自社養成システム(研修・教育システム)を有し、登録型派遣会社とは異なり、タレント性や独自スキルを持った人材を柔軟に供給する事ができる事が強みである(⇒ 競合他社が少ない)。充実した研修・教育制度の下、社員はデバイスの流行廃りに左右されない技術を維持し、同社は社員の技術力を企業として担保している。また、クリエイター&エンジニアは営業マンとしての側面も持ち、常駐先での取引拡大にも貢献している。

 

 

顧客分布の推移

 

17/3期 4Q

18/3期 4Q

19/3期 4Q

20/3期 4Q

エンタメ系顧客

66.2%

62.6%

60.0%

51.0%

 スマーフォンアプリ

71.0%

73.9%

75.6%

81.4%

 家庭用ゲーム

12.1%

13.7%

11.7%

9.8%

 オンラインゲーム

7.4%

8.0%

10.3%

7.4%

 遊戯機器

2.1%

2.7%

1.0%

1.0%

 業務用ゲーム他

3.0%

1.7%

1.5%

0.4%

非エンタメ系顧客

33.8%

37.4%

40.3%

49.0%

 IT

58.1%

65.2%

59.6%

53.9%

 Web

41.9%

34.8%

40.4%

46.1%

 

20/3期は売上規模を拡大させつつ、エンタメ系と非エンタメ系の比率がほぼ同水準となった。ゲーム等のエンタメ開発で培った視覚表現力、演出力等のクリエイティブな開発スキルをネットビジネス・WEBサービス事業者等へ応用して展開できるようになってきたことが要因だ。ゲーム等のエンタメ市場も深堀りしていくが、市場が大きいWEB系顧客への提案を更に強化・推進していく。

 

 

受託開発事業
子会社(株)EPARKテクノロジーズが手掛けるEPARKプラットフォームに関わる各種開発・保守、(株)エクストリームのテックファンド事業本部とベトナムのオフショア子会社を活用して開発を行う(株)エクスラボによるナショナルクライアントからのシステム開発・保守・追加案件等の受託開発(持ち帰り型の開発)を手掛けている。ナショナルクライアント向けでは、ビッグデータ分析での分析基盤の設計開発及び分析、AIを活用したシステム開発、リアルタイムコミュニケーションを実現する技術を活用した映像配信プラットフォーム開発、遠隔地にある設備をデバイス上の操作でオペレーション支援システムの開発等を手掛けている。

 

 

コンテンツプロパティ事業
ゲーム運営事業や同社が保有するゲームタイトルやキャラクター等の使用許諾を行うライセンス事業を行っている。

 

ライセンス許諾による「ラングリッサー」の海外配信
中国のゲーム会社である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市)を通して、2018年8月に中国でスマートフォン版ゲームアプリ「ラングリッサー」の使用許諾による配信が始まり、同年10月には、台湾、香港、マカオでの配信を開始した。その後、許諾地域が広がり、日本(2019年4月)、韓国、及びロシア(共に同年6月)で配信が開始された。

 

各許諾地域における売上集計作業はライセンス許諾先である天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(中国・北京市)が行っており、同社からの収益報告に一定の時間を要する事と契約上収益に係る報告サイクルが定められている事から、現地での実際の収益計上と(株)エクストリームの収益計上にはタイムラグがある。

 

 

 

 

2.新型コロナウイルス感染症の影響と対策

2-1 20/3期業績に特段の影響はなかった

社員を感染から守りつつ、事業を継続するべく、在宅勤務の導入(現在、社員の8~9割が在宅勤務。在宅常駐手当支給)、イベント中止、対応窓口設置といった施策を講じた。20/3期業績への影響はなく、現状、同社社員の感染報告もない。今後も必要な対応策を継続し、感染予防に努めていく。

 

2-2 今後予想される事業への影響と対策

ソリューション事業
3月末までは特段の影響はなかったが、4月以降については、新規商談及び既存契約更改など商談機会の停滞が想定される。ただ、求職応募者が増加しており、採用面ではチャンスである。
対策として、①可能な限り、テレビ電話会議等で商談機会のロスを減らすと共に、②顧客の案件情報等をスピーディにキャッチアップし、適切なサービス提供先の選別を行う。採用面では、技術人材の獲得競争が一時的に緩やかになっている状況が見られる。これを好機と捉え、積極的に優秀な技術者人材の確保に努める。

 

受託開発事業
受注済みのパイプラインへの影響はないが、提案機会が制限されるため、今後の受注に影響する可能性がある。
対策として、利益率が高い「既存保守案件」をベースに、顧客の要望を先回りした「既存追加案件」を積極的に提案し、商談の停滞が予想される「新規案件」を可能な限り補完する。「EPARK事業」については、EPARK事業そのものの状況を注視する必要がある(開発予算枠の確保)。

 

コンテンツプロパティ事業
新型コロナウイルス感染症による下振れ懸念は現状見られず、運営についても特段の支障は生じていない。スマートフォン版ゲームアプリ「ラングリッサー」については、いわゆる「巣ごもり消費」の影響で2020年1月度の実績は予測を上回る着地となった。21/3期における「ラングリッサー」の収益取り込みは、2020年2月~2021年1月を予定している。

 

2-3 強固な財務基盤を有し、事業継続に不安はない

財政状態

 

19年3月

20年3月

 

19年3月

20年3月

現預金

1,257

1,830

未払金

537

595

流動資産

2,674

3,256

有利子負債

334

456

無形固定資産

164

209

負債

1,423

1,403

投資その他

793

948

純資産合計

2,254

3,085

固定資産

1,002

1,233

負債・純資産合計

3,677

4,489

* 単位:百万円

 

財務体質は流動性に富み、かつ、安定性に優れる。無借金経営で手元流動性比率は3.07ヶ月と潤沢。自己資本比率62.8%。

 

キャッシュ・フロー

 

13/3期

14/3期

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

営業CF

133

35

242

80

404

244

228

1,072

投資CF

-53

-56

-126

-197

-332

-110

-503

-578

フリーCF

80

-20

115

-116

71

133

-275

494

財務CF

39

74

243

-8

285

-74

423

-7

現金等

269

325

688

562

920

977

1,129

1,607

* 単位:百万円

 

データのある13/3期以降、営業CFは黒字を続けており、投資CFは余資運用の定期預金の預け入れ、もしくはM&Aによる。

 

3.2020年3月期決算概要

3-1 連結業績

 

19/3期

構成比

20/3期

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

6,286

100.0%

7,161

100.0%

+13.9%

7,020

+2.0%

売上総利益

1,972

31.4%

2,593

36.2%

+31.5%

 -

-

販管費

1,026

16.3%

1,213

17.0%

+18.2%

 -

-

営業利益

945

15.0%

1,379

19.3%

+45.9%

1,050

+31.3%

経常利益

851

13.5%

1,295

18.1%

+52.2%

1,000

+29.5%

親会社株主帰属利益

560

8.9%

966

13.5%

+72.6%

672

+43.9%

* 単位:百万円

 

前期比13.9%の増収、同45.9%の営業増益
3事業そろって売上が増加し、連結売上高は7,161百万円と前期比13.9%増加した。利益面では、事業拡大に向けた先行投資で受託開発事業が減益となったものの、ロイヤルティ収益の増加でコンテンツプロパティ事業の利益が同48.6%増と伸びた他、ソリューション事業の利益も同21.8%増加した。
配当は、前期実績を1株当たり15円、期初の発表を9円。それぞれ上回る36円を予定している。

 

セグメント別売上高・利益

 

19 /3期

構成比.・利益率

20/3期

構成比・利益率

前期比

期初予想

予想比

ソリューション事業

3,159

49.8%

3,593

50.2%

+13.8%

3,700

-2.9%

受託開発事業

2,347

37.3%

2,447

34.2%

+4.3%

2,300

+6.4%

コンテンツプロパティ

807

12.8%

1,252

15.6%

+55.2%

1,020

+22.8%

調整額

-27

-

-133

-

-

0

-

連結売上高

6,286

100.0%

7,161

100.0%

+13.9%

7,020

+2.0%

ソリューション事業

683

21.6%

833

23.2%

+21.8%

740

+12.6%

受託開発事業

59

2.5%

15

0.6%

-74.8%

58

-74.1%

コンテンツプロパティ

785

97.3%

1,166

93.1%

+48.6%

880

+32.6%

調整額

-583

-

-636

-

-

-628

-

連結営業利益

945

15.0%

1,379

19.3%

+45.9%

1,050

+31.3%

* 単位:百万円

 

ソリューション事業はゲーム系顧客依存からの脱却が進んでおり、販路の拡大でWEB系顧客向けの売上が同60.8%増加した。採用は前期実績に届かなかったものの、離職率(当月退職者数÷クリエイター&エンジニア月在籍者数)が2.3%から1.9%(6ヵ月移動平均)に改善する等の成果をあげプロジェクト数を伸ばした。受託開発事業は事業拡大に向けたオフショア強化を目的に、(株)オルトプラスとの合弁会社だった(株)エクスラボを2020年5月に100%子会社化した(エクスラボはオルトプラスの子会社だったALTPLUS VIETNAM Co.,LTD.を2019年7月に子会社化している)。コンテンツプロパティ事業は、スマホアプリ「ラングリッサー」を、日本(2019年4月)、韓国(2019年6月)に投入しロイヤルティ収益が増加した。

 

四半期業績の推移

 

19/3-1Q

2Q

3Q

4Q

20/3-1Q

2Q

3Q

4Q

売上高

1,164

1,474

1,820

1,826

1,675

1,845

1,822

1,817

売上総利益

283

308

651

728

650

716

646

579

販管費

232

243

246

305

303

288

310

312

営業利益

51

65

405

423

347

427

336

267

* 単位:百万円
第3・第4四半期は「ラングリッサー」のロイヤルティ収益が前年同期の実績を下回った。

 

3-2 ソリューション事業の動向

 

 

子会社への人材供給を本格的に開始したため、2020年2月に売上高が急増した。売上構成比は、概ね、エンタメ系50%、WEB系25%、名古屋15%、IT系10%。

 

 

子会社への人材供給開始に伴い、プロジェクト数が、2020年2月以降、復調傾向にある。稼働単価も、2020年2月以降、飛躍的に上昇している。稼働プロジェクト全ての棚卸を行い、適正な利益率となっていないプロジェクトの早期終了、最適な顧客選別等を進めた施策が成果をあげていることが要因である。

 

* プロジェクト稼働数は、人材ソリューションサービス及び受託開発サービスを合算した期中累計から算出。
* 取引先数は、期中において取引(売上)が発生した顧客企業数を1とした通期合算から算出。
* クリエイター&エンジニア数は、期末日または四半期末時点における社外常駐プロジェクトに従事したクリエイター&エンジニア数。

 

採用は下期に入り若干ペースが緩やかなになったため、来期以降を見据えて、応募手法の見直しに着手した。

 

 

3-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年3月

20年3月

 

19年3月

20年3月

現預金

1,257

1,830

未払金

537

595

売上債権

1,370

1,299

未払法人税等

264

62

流動資産

2,674

3,256

有利子負債

334

456

無形固定資産

164

209

負債

1,423

1,403

投資その他

793

948

純資産合計

2,254

3,085

固定資産

1,002

1,233

負債・純資産合計

3,677

4,489

* 単位:百万円

 

期末総資産は前期末との比較で811百万円増の4,489百万円。借方では、ラングリッサーのロイヤルティ収益の寄与等によるCFの増加で現預金が増加した他、ALTPLUS VIETNAM Co.,LTD.の持分取得に伴い、のれんが増加した。一方、貸方では、利益剰余金を中心に純資産が増加した。自己資本比率62.8%(前期末54.2%)。

 

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/3期

20/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

228

1,072

+844

+370.0%

投資キャッシュ・フロー(B)

-503

-578

-74

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-275

494

+769

-

財務キャッシュ・フロー

423

-7

-431

-

現金及び現金同等物期末残高

1,129

1,607

+478

+42.3%

* 単位:百万円

 

税前利益1,289百万円(前期848)、持分法投資損益100百万円(同90)、法人税等支払額△504百万円(同△123)等で1,072百万円の営業CFを確保した。投資CFは定期預金の預け入れ及び投資有価証券の取得等によるもので、財務CFは短期借入金の増加及び配当金の支払い等による。

 

 

参考 : ROEの推移

 

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

ROE

15.09%

27.98%

14.62%

34.46%

40.17%

売上高当期純利益率

5.01%

8.47%

5.36%

8.91%

13.50%

総資産回転率

2.61回

2.23回

1.57回

2.18回

1.75回

レバレッジ

1.15倍

1.48倍

1.74倍

1.78倍

1.70倍

* ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ

 

 

4.2021年3月期業績予想

【21/3期業績予想は未定】

前期業績への新型コロナウイルス感染症の影響はなかったが、足元では、ソリューション事業における新規営業・既存契約更改等の商談が停滞しており、受託開発事業にいいても、新規案件提案の停滞が発生していると言う。このため、「今後の受注契約への影響規模を見通すことが困難な状況である」として、21/3期業績予想を未定とした。

 

株主還元については、配当性向20%を目安として配当による還元を実施していく方針に変わりはなく、21/3期業績予想の開示が可能となった段階で速やかに公表する考え。

 

 

 

 

5.今後の注目点

「ラングリッサー」効果がピークアウトしつつあるが、その一方で、ソリューション事業において、取り組みの成果が顕在化してきた。具体的には、「数から質」への転換が着実に進んでおり、2月以降、単価の上昇を通して売上が急増している。また、下期以降、採用が厳しくなったが離職率の引き下げで技術者を確保し、案件数を伸ばしている(2020年2月、3月は求人に対する応募者が増加している)。加えて、非エンタメ系の売上の増加に象徴されるように新規の顧客開拓も進んでいる。一方、受託開発事業では、オフショア開発拡大のための布石を打った。今後、スマートフォンアプリ開発案件、クラウドプラットフォーム構築、CRM(Customer Relationship Management)構築・導入・運用等での強みを活かした受注拡大が期待される。

 

中長期的には、IT技術者の不足が同社のビジネスチャンスになる。経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、今後10年間でIT人材は最大79万人不足する見通し。不足するIT人材の有効活用や最適配置のために流動化が必要であり、企業によるスキルアップ支援も必要と言う。同社は、IT人材の不足でIT人材の確保が難しくなる事業会社に対して人材派遣や受託開発といったアウトソーシングサービスを提供する事で、IT人材の供給と流動化の一翼を担っていく考え。また、IT技術者のスキルアップを支援するべく様々なプログラムを社内に用意している。この他、「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」は、日本の課題として「外国籍IT人材の活用」についても言及しているが、同社は傘下のベトナム子会社を通してオフショア開発の体制整備を進めている。
同社は、アウトソーシングサービスの提供と外国籍IT人材の活用を通して、収益拡大を図りつつ、国内IT産業の発展に貢献していく考えだ。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

4名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2019年06月26日)
基本的な考え方
当社は、企業活動を支えるあらゆるステークホルダーの利益を重要視しており、長期的、継続的また効率的な株主価値の最大化を実現する上でも、コーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題であると認識しております。企業の社会的責任については、株主のみならず、多くのステークホルダー、また直接的な利害関係者でない社会全般に対してもコーポレート・ガバナンスを基盤として会社全体で使命を共有し、事業の根幹たる「お客様を幸せにする」においてたゆまぬ付加価値創造に注力すべく、従業員に対し基本的な心構え・指針となるよう「社内規程」の整備・徹底を図っております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を実施しております。

 

 

 

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