ブリッジレポート
(3254) 株式会社プレサンスコーポレーション

東証1部

ブリッジレポート:(3254)プレサンスコーポレーション 2020年3月期決算

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土井 豊 社長

株式会社プレサンスコーポレーション(3254)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

不動産業

代表取締役社長

土井 豊

所在地

大阪市中央区城見1-2-27 クリスタルタワー

決算月

3月末日

HP

https://www.pressance.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,315円

65,198,961株

85,736百万円

21.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

未定

-

未定

-

1,791.63円

0.7倍

*株価は6/10終値。各数値は20年3月期決算短信より。新型コロナウイルス感染拡大やその収束時期による影響度合いを現時点で合理的に算定することが困難なことから今期通期予想は未定。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年3月(実)

78,990

14,057

13,798

9,194

152.31

15.00

2017年3月(実)

101,083

15,645

15,414

10,526

178.99

21.15

2018年3月(実)

134,059

20,362

19,858

13,757

232.58

29.40

2019年3月(実)

160,580

27,118

26,531

18,296

296.43

40.50

2020年3月(実)

224,011

32,609

31,985

21,892

347.45

39.00

2021年3月(予)

-

-

-

-

-

-

*単位:円、百万円。新型コロナウイルス感染拡大やその収束時期による影響度合いを現時点で合理的に算定することが困難なことから今期通期予想は未定。
*2016年10月1日付で1:4の株式分割を実施。EPS、DPSは遡及して再計算。 
*当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

株式会社プレサンスコーポレーションの2020年3月期決算概要などをお伝えします。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年3月期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.経営改革(再発防止策)について
5.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 20年3月期の売上高は前期比39.5%増の2,240億円。主にワンルームマンションが売上拡大に寄与した。原価の上昇と商品構成比の変化により、売上総利益率は3.8ポイント低下したが、売上総利益は同20.2%増加。営業利益は同20.2%増の326億円。販管費は同20.1%増の205億円。販売委託手数料、ファミリーマンション広告費、人員増に伴う人件費など、売上に先行して発生する費用が増加したが増収で吸収し、2桁の増収増益。過去最高の売上・利益を更新した。売上、利益とも期初予想を上回った。

     

  • 一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により市況の見通しが不透明な中、土地仕入れからマンション完成、代金回収までに約2年から3年を要し、その間に土地仕入れおよび建築に係る支出が先行して発生する事業の特徴を考慮し、手元資金を厚く確保することを優先するため、期末配当予想を期初の26円/株から13円/株に修正し、年間合計も52円/株から 39円/株へ修正した。

     

  • 21年3月期については、新型コロナウイルス感染拡大の影響度合いおよび収束の時期を見通すことが難しく、経済および市場の先行きが不透明なため業績予想を合理的に算定することが困難であることから上期予想のみの開示とし、通期予想は未定とした。また、前述のように手元資金を厚く確保することを優先するため、2018年5月に発表した配当方針を取り下げ2021年3月期以降の配当方針および配当に関する数値目標を「未定」に変更した。今期配当予想は中間、期末ともに未定である。

     

  • 新型コロナウイルス感染拡大の影響は現時点では不透明であり、投資家としては四半期の業績開示を待つしかない状況だが、随時、営業面などでの定性情報も期待したい。

     

  • 一方これまで近畿、東海中心の事業展開であったのが、オープンハウスとのアライアンスによってエリア拡大のチャンスも見えてきた点は大きな前進であろう。現在両社間ではシナジー発揮に向け様々な話し合いを行っているとのことで、どれだけのスピート感で具体的な成果を生み出すか注目したい。

     

1.会社概要

「不動産に高付加価値を創造する」というビジネスモデルの下、近畿圏、東海・中京圏を中心にファミリー向け及びワンルームマンションを企画・開発・分譲・管理する独立系マンションディベロッパー。分譲マンション供給戸数は近畿圏で10年連続、東海・中京圏で8年連続第1位。全国でも3年連続で第2位にランクインされる。豊富な供給実績と高いシェア、強力な営業力、優れた商品力などが大きな強み。

 

【1-1沿革】

1997年10月に不動産販売を行う事を目的とし同社の前身である(株)日経プレステージが設立される。1998年には初の自社ブランドマンションである「プレサンス難波東」を販売。2000年には初の自社開発物件である「プレサンス心斎橋EAST」を販売するなど着実に実績を積み上げ、2002年、商号を現在の「株式会社プレサンスコーポレーション」に変更。
近畿圏から事業エリアを拡大し、2003年には東海エリアで初めての自社開発物件である「プレサンス名古屋城前」の販売を行うなど業容は順調に拡大し、2007年12月に東京証券取引所市場第2部に上場した。
2008年に東京支店を開設し、首都圏での事業展開も開始。着実な事業拡大であったため、同年発生したリーマンショックの影響を大きく受ける事も無く成長を続け、2013年10月、東証1部にステップアップした。

 

【1-2 企業理念】

「一隅を照らす」

 

「一隅を照らす」とは、「一人一人が自身の置かれたその場所で精一杯努力し、他の人々のためにも働くことでまわりを明るく照らす。それがひいては社会全体を明るく照らし、世界の人々の平和や幸福の実現に結びつく。」という比叡山延暦寺(滋賀県)を開創し天台宗を開いた伝教大師・最澄上人の教え。

 

「一隅を照らす」精神で価値ある不動産を

私たちは、マンションづくりのプロフェッショナルとして、お住まいになる方に「より快適で価値のあるマンション」をお届けすることが使命であると考えます。その確固たる精神で、お客様のニーズを的確にとらえ、グループ一丸となって10年20年先を見据えた付加価値の高いマンションをお届けいたします。

「一隅を照らす」が導く「三方良し」の精神

私たちは、マンションづくりに誠心誠意取り組むことで、お客様のライフクオリティ向上に寄与することができ、あらゆるステークホルダーの皆さまと良好な信頼関係を築くことができると信じております。これは売り手良し、買い手良し、世間良しという「三方良し」の精神にも適うものです。

「一隅」を照らすから「社会」を照らすへ

私たちは、良質なマンションを創造し続けることで、地域社会の活性化を実現し、便利で快適に暮らせる街づくりの一翼を担いたいと考えております。それにより、社会の持続的発展に大きく寄与できる存在になることを目指してまいります。

(同社HPより)

 

また、「一人一人が、自身が置かれたその場所で精一杯努力すること」に大きな価値を見出しており、「凡事徹底」という考え方を全社の行動指針としている。

 

【1-3 市場環境など】

◎良好な市場環境

人口減少が進む日本であるが、利便性を求める居住ニーズの高まりから、都市中心部における人口は増加傾向にある。首都圏で不動産価格が高騰しているが、同社のメイン事業領域である近畿圏および東海・中京圏では、依然として一般的な所得層でも十分購入可能な価格帯で推移している。

 

また、こうした外部環境に加え、2018年に他社で発覚した不正融資問題の結果、顧客および金融機関は信頼の置ける不動産業者を選別する傾向にあり、立地や価格、品質といった「商品の優位性」と、ブランド力・知名度、購入後もしっかりとした賃貸管理を提供するアフターフォロー、実績・販売規模といった面で強力なアドバンテージを有する同社のワンルームマンション販売は更に加速し、シェアは一段と上昇していると見られる。

 

◎供給戸数で高シェア
同社資料(出所:不動産経済研究所)によれば、2019年年間の近畿、東海・中京におけるマンション供給数はそれぞれ18,042戸、4,650戸。同社は両地域でそれぞれ3,825戸、804戸を供給し、近畿圏では10年連続、東海・中京圏では8年連続でシェアNo.1となっている。また全国では供給戸数5,305戸で、3年連続の第2位である。

 

2019年 地域別分譲マンション供給ランキング

近畿圏 (シェア21.2%)

東海・中京 (シェア 17.3%)

順位

企業名

戸数

順位

企業名

戸数

1

プレサンスコーポレーション

3,825

1

プレサンスコーポレーション

804

2

エスリード

2,121

2

日商エステム

598

3

住友不動産

744

3

住友不動産

441

4

近鉄不動産

704

4

三井不動産レジデンシャル

340

5

日商エステム

646

5

野村不動産

275

 

全国 (シェア 7.5%)

順位

企業名

戸数

1

住友不動産

5,690

2

プレサンスコーポレーション

5,305

3

野村不動産

3,941

4

三菱地所レジデンス

3,365

5

三井不動産レジデンシャル

2,365

(株式会社不動産経済研究所の資料に基づきプレサンスコーポレーション算出・作成。)

 

◎同業他社
主要同業他社と同社を様々な角度から比較してみた。

コード

企業名

売上高

経常利益

総資産

販売用

不動産(A)

仕掛販売用

不動産(B)

有利子負債

1925

大和ハウス工業

4,380,209

367,669

4,627,388

795,396

212,850

1,040,877

1928

積水ハウス

2,415,186

213,905

2,634,748

884,118

94,827

579,107

3231

野村不動産HD

676,495

73,077

1,801,273

234,973

298,787

870,000

3254

プレサンスコーポレーション

224,011

31,985

310,779

27,074

217,964

158,988

3289

東急不動産HD

963,198

67,499

2,487,369

287,345

366,591

453,558

8804

東京建物

323,036

44,611

1,564,049

151,004

98,216

922,051

8830

住友不動産

1,013,512

220,520

5,317,623

351,368

286,254

3,440,908

8877

エスリード

61,638

8,000

80,494

12,320

40,119

22,347

8897

タカラレーベン

168,493

11,201

195,448

23,861

46,102

114,023

 

コード

企業名

 

たな卸資産

構成

(A÷B)

自己資本比率

有利子負債

依存度

 

売上高経常利益率

ROE

時価総額

予想

PER

PBR

1925

大和ハウス工業

373.7%

37.3%

22.5%

8.4%

14.1%

1,812,167

17.1

1.0

1928

積水ハウス

932.3%

48.1%

22.0%

8.9%

11.5%

1,445,600

10.3

1.1

3231

野村不動産HD

78.6%

30.5%

48.3%

10.8%

9.1%

411,595

-

0.7

3254

プレサンスコーポレーション

12.4%

37.1%

51.2%

14.3%

21.1%

86,258

-

0.7

3289

東急不動産HD

78.4%

23.5%

18.2%

7.0%

6.7%

418,221

16.1

0.7

8804

東京建物

153.7%

24.0%

59.0%

13.8%

8.2%

315,030

9.8

0.8

8830

住友不動産

122.7%

24.4%

64.7%

21.8%

11.3%

1,508,240

11.5

1.2

8877

エスリード

30.7%

58.6%

27.8%

13.0%

11.3%

23,414

-

0.5

8897

タカラレーベン

51.8%

25.9%

58.3%

6.6%

10.9%

45,980

-

0.8

*単位:百万円、倍。業績の比較数値は前期実績。時価総額、PER、PBRは2020年6月3日終値ベース。野村不動産HD、プレサンスコーポレーション、エスリード、タカラレーベンは今期予想未定。

 

他社と比較すると、売上規模は決して大きくないながらも、完成在庫(販売用不動産)の少なさ、高い収益性および資本効率が目を引く。

 

 

【1-4 事業内容】

事業セグメントは、投資型分譲マンションであるワンルームマンションおよび実需向け居住型分譲マンションであるファミリーマンションの企画・開発・分譲・管理を中心とした「不動産販売事業」と、ワンルームマンションの賃貸管理事業、賃貸事業、建物管理事業などを手掛ける「その他」の2セグメント。

 

◎商品構成
同社が手掛けるマンションの概要は以下の通り。
物件平均価格はワンルームで約1,900万円、ファミリーで約3,700万円となっている。

タイプ

住戸専用面積

間取り

特長

選定基準

ワンルーム

約20~50㎡

1ROOM~1LDK

都心型

主要駅より徒歩5分圏内

利便性に富む立地

(大学、専門学校、企業、商業施設等)

ファミリー

約50~100㎡

1LDK~4LDK

都心および都市周辺型

主要駅より徒歩10分圏内

環境性に富む立地

(小・中学校区、企業、商業施設等)

混在

約20~100㎡

1ROOM~4LDK

都心および都市周辺型

主要駅より徒歩5分圏内

ワンルームタイプに近い基準

 

 

(2020年3月期の販売実績)

タイプ

金額

構成比

戸数

構成比

ワンルームマンション

67,255

30.0%

3,479

42.6%

ファミリーマンション

78,587

35.1%

2,109

25.8%

一棟販売

27,299

12.2%

1,532

18.8%

ホテル販売

19,292

8.6%

793

9.7%

その他住宅販売

4,726

2.1%

248

3.0%

その他不動産販売

18,364

8.2%

-

-

不動産販売附帯事業

1,158

0.5%

-

-

不動産販売事業 合計

216,684

96.7%

8,161

100.0%

その他

7,327

3.3%

-

-

合計

224,011

100.0%

8,161

100.0%

 

*単位:百万円
*一棟販売は、マンション一棟またはその一部をマンション販売業者に卸売する形態。
*その他住宅販売は、中古住宅流通事業、戸建分譲事業等、新築マンション以外の住宅の販売。
*その他不動産販売は、商業用店舗、開発用地等の住宅以外の不動産の販売。
*不動産販売附帯事業は、床コーティング等引渡後オプション工事、及び不動産売買の仲介手数料等。

 

 

◎事業エリア
自社ブランドマンションの販売を開始した1998年11月以降2020年3月末までの累計販売戸数は、近畿圏、東海・中京圏中心に全国で781棟、52,862戸となっている。

 

 

プレサンス梅田北オール(大阪市/ワンルームマンション)

 

プレサンスグラン泉(名古屋市/ファミリーマンション)

 

プレサンス レジェンド 堺筋本町タワー (大阪市/ファミリーマンション)

 

 

都府県など

棟数

戸数

大阪府

354

24,577

愛知県

187

12,215

京都府

80

4,115

兵庫県

76

5,640

滋賀県

12

1,601

沖縄県

21

1,105

東京都

21

1,336

広島県

5

410

福岡県

3

170

その他

22

1,693

合計

781

52,862

*1998年11月から2020年3月末までの累計販売状況

 

今後は、近畿圏、東海・中京圏におけるブランド力、市場シェアを更に向上していく。

 

【1-5 特長と強み】

➀豊富な供給実績と高いシェア
前述の様に、同社は本社所在地の近畿圏のみならず、東海・中京圏において分譲マンション供給実績で連続No.1であることに加え、全国レベルでも第2位にランクイン(2019年)という実力を有している。
高いシェアは、スケールメリットによる建築コストの低減や土地情報の収集力向上などの大きなメリットをもたらしている。

 

②販売力の強さ
「マンション完成までに完売」を営業基本方針とし実践している。ワンルームマンションの販売において、同社では、営業部門全体で1物件を集中的に販売している。同一条件の物件を全員で販売することにより、社内競争が促され、営業員の士気向上に繋がっている。また自社開発の同一ブランドのみを販売していることから、営業スタッフは物件の仕様や特長について細かい点まで熟知しているため、顧客の信頼も高い。加えて、セミナーの開催など様々な手法で、潜在的なユーザーの掘り起こしに力を入れており、需要や市況変化への対応力が高い。
さらに、成長力の源泉は何をおいても人材だ。そのため人材教育には大変力を入れている。同社の強みである販売力の強さは、同社の教育力の現れでもある。
新入社員を一日でも早く戦力化する事が重要だが、そのために新入社員は先輩社員と常に行動を共にし、先輩社員のお客様への電話対応、資料作成、訪問時の会話など、成約に至るあらゆるシーンを繰り返し、繰り返し目で見て、耳で聞き、実践して成果が出る体験を積み重ねる。こうした成功体験の積み重ねによって、新入社員であっても、一人でクロージングできるまで自ずと短期間で成長していく。これらの要因により、早期完売と安定した売上を実現している。

 

③優れた商品力
「立地」、「設備」、「価格」の3点において購入者に対し高い満足度を提供している。
「立地」においては利便性を重視し、都心部の主要駅からワンルームマンションは徒歩5分圏内、ファミリーマンションは徒歩10分圏内の物件を厳選する。
「設備」においては高級感、快適性、機能性を重視し、浴室換気乾燥機付きユニットバス、ガス温水式床暖房、防音サッシ、遮音フローリング等を装備して物件に高い付加価値を加えている。
「価格」については、高級感を持たせながらもリーズナブルな販売価格設定によって、高いコストパフォーマンスを実現している。この様な取り組みにより、同社物件は長期にわたる高い資産価値・ブランド価値を有している。

 

 

(同社資料より)

 

④圧倒的な情報収集力
マンションディベロッパーにとって、業容拡大のための重要なポイントは、良質なマンション用地情報を、仲介業者、金融機関などから他社に先駆けて収集することができるか、である。
リーマンショックで同業他社が多くの完成在庫を抱えて新たな土地の仕入に踏み切れなくなった際、財務状況が良好だった同社は、好機と捉えて積極的な仕入れ活動を展開した。仲介会社等にとっては、不況期でも仕入を積極的に行う同社の存在は極めて重要であった。

 

また、大手ディベロッパーに比べると、意思決定のスピードが迅速である点も仲介会社等にとっては大変魅力的であったため、「取引のメリットが大きい会社」と評価され、「新しい土地情報はまずプレサンスへ」という関係性が構築された。リーマンショックの影響が鎮静化した後でも、この関係はより強固なものとなっており、同社競争力の高さの一因となっている。

 

⑤安定した収益力
2007年12月に上場した同社はこれまでに、最初に期初予想を発表した2009年3月期以降、2020年3月期まで12回の決算を発表してきた。売上高、経常利益の期初予想と実績の乖離を検証すると、売上高未達は数回あるが、経常利益に関しては未達が1度も無い。
不動産市況に大きく影響されることなく安定・継続して収益を上げてきた点も同社の大きな特長といえよう。

 

 

【1-6 ROE分析】

 

13/3期

14/3期

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

ROE(%)

18.5

18.2

18.9

19.4

19.2

20.8

22.1

21.1

 売上高当期純利益率(%)

12.64

12.15

11.82

11.64

10.41

10.26

11.39

9.77

 総資産回転率(回)

0.74

0.75

0.74

0.70

0.65

0.62

0.59

0.73

 レバレッジ(倍)

1.98

2.01

2.17

2.38

2.83

3.25

3.30

2.95

 

堅調な需要の下、販売が好調で高水準の売上高当期純利益率を継続していることに加え、レバレッジを効かせた効率的な資金調達により高いROEを実現している。
過去3年間の営業利益、ROE、時価総額の3つの指標で一定の基準を満たしているため、2015年8月に「JPX日経インデックス400」(※1)銘柄に選定された。また、2015年12月には新指数「JPX日経中小型株指数」(※2)銘柄にも指定された。今後も高ROEの維持に注力する考えだ。

 

※1 JPX日経インデックス400
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」400銘柄で構成される株価指数。
※2 JPX日経中小型株指数
時価総額や売買代金で中小型株の範囲を決め、過去3年間のROEと営業利益累計額を使って順位を決定。複数の独立社外取締役がいる・英訳資料を作成している、といった定性条件等も加味して投資魅力の高い会社200銘柄で構成される株価指数。

 

2.2020年3月期決算概要

(1)連結業績概要

 

19/3期

構成比

20/3期

構成比

前期比

期初予想比

売上高

160,580

100.0%

224,011

100.0%

+39.5%

+7.1%

売上総利益

44,201

27.5%

53,124

23.7%

+20.2%

-2.1%

販管費

17,082

10.6%

20,515

9.2%

+20.1%

-5.7%

営業利益

27,118

16.9%

32,609

14.6%

+20.2%

+0.2%

経常利益

26,531

16.5%

31,985

14.3%

+20.6%

+1.8%

当期純利益

18,296

11.4%

21,892

9.8%

+19.7%

+1.7%

単位:百万円

 

増収増益。過去最高の売上・利益を更新。
売上高は前期比39.5%増の2,240億円。主にワンルームマンションが売上拡大に寄与した。
原価の上昇と商品構成比の変化により、売上総利益率は3.8ポイント低下したが、売上総利益は同20.2%増加。
営業利益は同20.2%増の326億円。販管費は同20.1%増の205億円。販売委託手数料、ファミリーマンション広告費、人員増に伴う人件費など、売上に先行して発生する費用が増加したが増収で吸収し、2桁の増収増益。過去最高の売上・利益を更新した。売上、利益とも期初予想を上回った。

 

一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により市況の見通しが不透明な中、土地仕入れからマンション完成、代金回収までに約2年から3年を要し、その間に土地仕入れおよび建築に係る支出が先行して発生する事業の特徴を考慮し、手元資金を厚く確保することを優先するため、期末配当予想を期初の26円/株から13円/株に修正し、年間合計も52円/株から 39円/株へ修正した。

 

 

(2)マンション販売事業の動向

◎販売実績

タイプ

戸数

前期比

金額

前期比

期初予想比

ワンルームマンション

3,479

+47.2%

67,255

+56.4%

-5.1%

ファミリーマンション

2,109

+1.5%

78,587

+1.6%

+5.1%

一棟販売

1,532

+74.1%

27,299

+119.1%

+10.5%

ホテル販売

793

-19.1%

19,292

+9.5%

+5.5%

マンション販売事業合計

7,913

+25.6%

192,435

+27.9%

+2.0%

*単位:百万円。一棟販売は、マンション一棟またはその一部をマンション販売業者に卸売する形態。

 

ワンルームマンションはプレサンスTHE神戸(235戸)などの販売が順調に推移し前期比56.4%増だが、期初予想に対しては若干の未達であった。ファミリーマンションは、レジェンド琵琶湖(486戸)などにより大幅に増加した前期実績および期初計画を更に上回った。

 

(3)財務状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS

 

19年3月末

20年3月末

 

19年3月末

20年3月末

流動資産

280,591

296,066

流動負債

82,916

107,318

 現預金

41,990

44,774

 短期有利子負債

54,467

73,084

 販売用不動産

9,603

27,074

固定負債

124,407

86,770

 仕掛販売用不動産

225,302

217,964

 長期有利子負債

123,619

85,903

固定資産

21,350

14,712

負債合計

207,323

194,088

 有形固定資産

15,848

7,640

純資産

94,618

116,690

 無形固定資産

332

254

 株主資本

92,699

115,306

 投資その他の資産

5,170

6,817

負債純資産合計

301,942

310,779

資産合計

301,942

310,779

有利子負債残高

178,087

158,988

*単位:百万円。

 

有形固定資産、仕掛販売用不動産が減少した一方、販売用不動産が増加し、資産合計は前期末と比べ、88億円増加の3,107億円となった。有利子負債の減少等で、負債合計は同132億円減少の1,940億円となった。利益剰余金の増加等で純資産は同220億円増加の1,166億円。この結果、自己資本比率は前期末から6.4ポイント上昇し37.1%となった。

 

有形固定資産の減少は、賃貸不動産のうち12物件を販売用不動産に振替えたもの。
2020年3月末のBS上のたな卸資産(販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計)から建築代金等を控除した取得済のマンション事業用土地代金は、ワンルームマンションで565億94百万円(11,458戸)、ファミリーマンションで692億18百万円(6,970戸)、一棟販売で256億74百万円(5,534戸)と、それぞれ今後の売上確保に十分な土地を既に取得済である。

 

◎キャッシュ・フロー

 

19/3期

20/3期

増減

営業CF

-24,480

23,180

+47,661

投資CF

-2,192

-1,837

+355

フリーCF

-26,673

21,343

+48,016

財務CF

36,735

-19,059

-55,794

現金同等物残高

39,400

41,684

+2,283

*単位:百万円

 

利益増に加え、たな卸資産増加額が前期を下回ったことなどから営業CFおよびフリーCFはプラスに転じた。
長期借入による収入の減少、短期借入金の純減により、財務CFはマイナスに転じた。キャッシュポジションは上昇した。

 

(4)トピックス

◎株式会社オープンハウスと資本業務提携契約を締結
2020年4月、株式会社オープンハウス(東証1部、3288)と資本業務提携契約を締結した。

 

(目的・理由)
オープンハウスグループは、首都圏を中心に、戸建関連事業、マンション事業、収益不動産事業を主要な事業として展開しており、主力事業である戸建関連事業の競争力の強化、外部環境の変化を踏まえた事業ポートフォリオの構築、企業の成長を支える経営基盤の強化に取り組むことで業容の拡大を図っている。特にマンション事業においては、マンション事業の拡大・再成長を取組事項と位置づけ、利便性の高い都心立地で、成長の見込めるコンパクトタイプを中心に開発等を進めている。

 

一方、プレサンスコーポレーションは本社所在地の近畿圏のみならず、東海・中京圏において分譲マンション供給実績で連続No.1であることに加え、全国レベルでも第2位にランクイン(2019年)という実力を有しているが、2019年に前代表取締役社長逮捕という事態が発生した。
こうした状況の下、オープンハウスによる信用補完を得てプレサンスコーポレーションの顧客、株主、従業員、取引先、関係者などステークホルダーの不安を早期に払拭することや、両社の経営資源や経営ノウハウを融合することにより、事業を展開する地域の相互補完、商品ラインナップの拡充等の事業シナジーを発現させることが、両社並びに両社のステークホルダーにとっての利益の最大化に資するものと考え今回の資本業務提携契約を締結することとした。

 

(資本業務提携の内容)
①業務提携の内容
(ⅰ)地域補完
*関東圏におけるプレサンスコーポレーションの事業の確立
オープンハウスの関東圏における不動産ネットワークを活用することにより、プレサンスコーポレーションが主に関西圏で展開している投資用マンション開発分譲事業の関東圏における販売の促進及び事業の拡大を目指す。
*関西圏におけるオープンハウスの事業の確立
プレサンスコーポレーションの関西圏における不動産ネットワークを活用し、プレサンスコーポレーションがグループとして展開している戸建分譲事業と競合しない範囲での情報提供をすることにより、オープンハウスが主に関東圏で展開している戸建分譲事業の関西圏における販売の促進及び事業の拡大を目指す。
*その他地域における提携
その他地域においても、両社の提携可能性を模索し、共同プロジェクトの実施も含め、より広範囲での商品提供を検討する。

 

(ⅱ)商品補完
*商品ラインナップの拡充
投資運用商品のラインナップ拡充の観点から、両社で提供可能な投資用マンション、海外不動産、その他の収益不動産等の投資運用商品を持ち寄り、既存投資家及び潜在投資家に対して、幅広く投資運用商品の提供を行うことで、投資家のニーズに応え、両社のさらなる事業拡大を目指す。
*商品開発の促進
両社の商品開発部門の提携により、顧客の様々なニーズ(通貨分散、相続対策、収益拡大等)にあった商品開発を推進し、共同プロジェクトの実施等により機動的に顧客に商品を供給する。

 

(ⅲ)賃貸・分譲物件の管理・マネジメント
プレサンスコーポレーションが自社開発物件の賃貸管理、物件管理を通じて獲得したストック収益事業における事業基盤及びノウハウを両社で共有することにより、オープンハウスの販売物件においても同様のサービスを提供し、オープンハウスのストック収益事業の育成を目指す。

 

(ⅳ)コスト削減
両社の購買部門において、部材の共通化及び取扱量増加によるコスト削減を目指す。

 

②資本提携の内容
2020年5月、オープンハウスは、プレサンスコーポレーションの筆頭株主及び第二位株主である大株主2名から、プレサンスコーポレーションの株式合計約2,000万株を市場外の相対取引により取得した。
これによりオープンハウスは総議決権数(2020年3月末時点)の31.9%にあたるプレサンスコーポレーション株式を取得。
プレサンスコーポレーションは、オープンハウスの持分法適用関連会社となった。

 

③役員の派遣
両社は、オープンハウスが、プレサンスコーポレーションの非常勤取締役候補者1名(両社で合意した場合は2名)を指名する権利を有することについて合意している。
この合意に基づき、プレサンスコーポレーションは、2020年6月開催予定の定時株主総会において、オープンハウスの指名する候補者1名を取締役候補者に含む取締役選任議案を上程する予定である。

 

3.2021年3月期業績予想

(1)業績予想

新型コロナウイルス感染拡大の影響度合いおよび収束の時期を見通すことが難しく、経済および市場の先行きが不透明なため業績予想を合理的に算定することが困難であることから上期予想のみの開示とし、通期予想は未定とした。
また、前述のように手元資金を厚く確保することを優先するため、2018年5月に発表した配当方針を取り下げ2021年3月期以降の配当方針および配当に関する数値目標を「未定」に変更した。今期配当予想は中間、期末ともに未定である。

 

(上期予想)

 

20/3月期

上期

構成比

21/3月期

上期(予)

構成比

前年同期比

売上高

125,383

100.0%

102,288

100.0%

-18.4%

営業利益

23,669

18.9%

16,080

15.7%

-32.1%

経常利益

23,398

18.7%

15,469

15.1%

-33.9%

四半期純利益

15,660

12.5%

10,665

10.4%

-31.9%

*単位: 百万円。予想は会社側発表。

 

2020年3月末時点の受注残高は1,563億円で前期末の1,865億円から16.2%減少したが、数量ベースではワンルームマンションで1,223戸、ファミリーマンションで2,057戸など高水準を維持している。

 

(2)新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響(2020年5月末時点)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部の事業活動への影響が顕在化している。
営業活動においては、ワンルームマンションでは外出自粛要請等の影響により、対面での営業活動を抑制していた。
ファミリーマンションではモデルルームへの来場者数が減少している。
加えて、全部門で従業員の在宅勤務や時差出勤等の感染予防策を徹底しているほか、対面での取引先との商談や会議を抑制していた。
なお、建築に関しては中断なく工事を継続している。

 

4.経営改革(再発防止策)の内容

明浄学院との土地取引に係る業務上横領事件への共謀容疑で前社長が逮捕されたことを受け、2019年12月に外部経営改革委員会が設置された。2020年3月には同委員会の調査報告書を受領し、再発防止策骨子を公表。
2020年5月の決算発表に合わせ再発防止策及び進捗状況を公表した。

 

 

それぞれ重要なポイントであるが、特に土地仕入れを含めた営業面における前社長の独断専行が大きな問題であったと認識しており、各種チェック体制の整備に重点を置いているということだ。

 

5.今後の注目点

新型コロナウイルス感染拡大の影響は現時点では不透明であり、投資家としては四半期の業績開示を待つしかない状況だが、随時、営業面などでの定性情報も期待したい。
一方、これまで近畿、東海中心の事業展開であったのが、オープンハウスとのアライアンスによってエリア拡大のチャンスも見えてきた点は大きな前進であろう。現在両社間ではシナジー発揮に向け様々な話し合いを行っているとのことで、どれだけのスピード感で具体的な成果を生み出すか注目したい。

 

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

9名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2019年6月24日
<基本的な考え方>
コーポレートガバナンスとは、株主・顧客・従業員・取引先・地域社会など様々なステークホルダー(利害関係者)との関係における企業経営を律する基本的枠組みと考えており、当社としては次の要素を実践していくことで、その枠組みを形作れると考えております。
そして、これら要素を実践しつつ、株主利益の増大に努めることが最重要の責務と認識しております。

 

(コンプライアンス)
法令遵守という意味で使われており、良好なコンプライアンスの実践は、不祥事等による直接的な損害を回避することの他に、「信頼」「誠実」という企業イメージやブランド価値の向上に結びつき、中長期的な業績向上や企業価値の向上につながるものと認識しております。

 

(リスクマネジメント)
企業の目的達成を妨げる事象や行為等の脅威・リスクに対して、費用対効果を勘案しコントロールしていくことと認識しております。

 

(アカウンタビリティ)
説明責任という意味で使われており、組織において権限者がしたこと、またしなかったことが招いた結果について合理的な説明を行う責務と認識しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則について、すべてを実施しています。
すべての原則について、2018年6月に改訂されたコードに基づき記載しています。

 

<開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則1-4 いわゆる政策保有株式】

(1) 当社は、取引先と良好な関係を構築し、事業の円滑な推進を図るため、取引先の株式を保有することがあります。取引先の株式については、取引関係の強化により、当社の企業価値の向上に資すると判断する限り、保有いたしますが、毎年、保有株式ごとに保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、取引関係の維持強化等の保有目的に沿っているかを基に精査することで保有の適否を検証し、保有意義が乏しい銘柄については、株価等を勘案して売却を検討いたします。

(2) 保有株式に係る議決権は、企業価値の向上につながる意思決定を行っているかということを考慮して、行使することを基本方針としております。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、株主・投資家を重要なステークホルダーとして考えており、持続的な成長と企業価値の向上のため、株主総会等の様々な機会を通し、株主・投資家との間で建設的な対話を行っております。

・ 株主との対話、IR活動については、管理本部担当取締役が統括し、株主との建設的な対話が実現するように努めております。また、株主との円滑な対話のために、経営企画部がIR活動をサポートしております。

・ 株主・投資家との対話の手段としては、証券会社を通じて、株主・機関投資家との個別面談を実施しております。

・ 管理本部担当取締役が、株主・投資家との対話を通じて把握した株主の意見・懸念につきましては、必要に応じて取締役会に報告し、当社の経営に活かしてまいります。

・ 対話に際してのインサイダー情報の管理については、インサイダー取引管理規程に基づいて実施しております。

 

 

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