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(4319) TAC株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4319)TAC 2021年3月期第1四半期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

 

多田 敏男 社長

TAC株式会社(4319)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表取締役社長

多田 敏男

所在地

東京都千代田区神田三崎町3-2-18

決算月

3月末日

HP

https://www.tac-school.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

192円

18,504,000株

3,552百万円

1.9%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

5.00円

2.6%

22.16円

8.7倍

295.67円

0.6倍

*株価は8/7終値。発行済株式数、DPS、EPSは21年3月期第1四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

20,440

713

692

490

26.49

4.00

2018年3月(実)

20,951

833

735

442

23.93

5.00

2019年3月(実)

20,474

340

409

309

16.74

8.00

2020年3月(実)

20,331

162

260

103

5.58

5.00

2021年3月(予)

20,350

690

684

410

22.16

5.00

*単位:百万円、円。予想は会社予想。数値は発生ベース。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

TACの2021年3月期第1四半期決算概要等についてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期第1四半期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

今回のポイン

  • 21年3月期第1四半期は前年同期比減収、減益。現金ベース売上高は前年同期比16.4%減の41億42百万円。新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、出版事業以外は減収。発生ベース売上高は同8.0%減の51億5百万円。粗利率は同0.7%上昇したが粗利額は同6.5%の減少。営業費用の抑制などで販管費も同6.3%減少したが、発生ベース営業利益は同7.0%減の5億12百万円となった。当期純利益は同3.3%増の3億50百万円。前年同期は特別損失に特別功労金1億55百万円を計上。

     

  • 業績予想に変更は無い。21年3月期通期の現金ベース売上高は、前期比0.2%減の203億50百万円、発生ベース売上高は前期比0.1%増の203億50百万円、営業利益は同325.6%増の6億90百万円を予想。売上高は前期並みも、コスト削減により粗利率は2.2%改善し販管費率も0.3%低下。大幅増益を見込んでいる。配当は前期と同じく5.00円/株を予定。予想配当性向は22.6%。

     

  • 新型コロナウイルス感染拡大の影響に関して、会社側は「短期的にはマイナス方向に作用する可能性が高い」と考えており、当第1四半期の売上高は出版事業以外減収で、ここ数年内でも、最低水準となった。「売上前期並・大幅増益」という通期予想達成には、売上・利益ともに構成比が大きい第2四半期(7‐9月)の動向がカギを握る。

     

  • WEBを中心とした通信形態による講座の充実、オンラインやeラーニング研修需要の取り込み、インターネット経由での書籍売上の増加など、同社が想定の下で取り組んでいる施策がどれだけ効果を生み出すのかを注目したい。

1.会社概要

「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。

 

企業グループ(連結子会社9社、持分法適用関連会社1社、非連結・持分法非適用子会社1社)

会社区分

セグメント

会社名

業務内容

連結子会社

個人教育事業

(株)TAC総合管理

太科信息技術(大連)有限公司

(株)オンラインスクール

教室用ビルの契約・メンテナンス業務等

大連オペレーションセンター(事務・教材視聴チェック等)

インターネットを通じての会員制教育事業

法人研修事業

(株)LUAC

保険関係の企業研修事業

出版事業

(株)早稲田経営出版

(株)TACグループ出版販売

「Wセミナー」ブランドの出版事業

出版事業に関する営業・宣伝等

人材事業

(株)TACプロフェッションバンク

人材紹介・派遣・求人広告事業

(株)医療事務スタッフ関西

医療事務系労働者派遣、レセプト作成業務

(株)クボ医療

レセプト点検業務、レセプト整理業務など

持分法適用関連会社

 

(株)プロフェッションネットワーク

実務家向けWeb情報誌の発行

非連結・持分法非適用子会社

 

泰克現代教育(大連)有限公司

日本式簿記・情報処理教育の企業研修

*2020年6月末。

 

【1-1沿革】

1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士試験講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種(現・国家総合職)・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。2014年6月には医療事務分野への進出を狙い、M&Aを実施。

 

【1-2強み】

(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応
同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み、高い生産性を実現していることも強みとなっている)。

 

(2)積極的な講座開発と充実したラインナップ
同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。

 

(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性
サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。

 

【1-3 ROE分析】

 

2013/3期

2014/3期

2015/3期

2016/3期

2017/3期

2018/3期

2019/3期

2020/3期

ROE(%)

35.5

21.9

4.9

4.8

10.3

8.6

5.7

1.9

 売上高当期純利益率(%)

4.66

3.98

1.06

1.07

2.40

2.11

1.51

0.51

 総資産回転率(回)

1.17

1.16

0.98

0.93

0.94

0.96

0.95

0.97

 レバレッジ(倍)

6.59

4.79

4.68

4.81

4.60

4.27

4.00

3.81

 

収益性およびレバレッジの低下でROEは3期連続の低下となった。今期の売上高当期純利益率は2.0%に上昇し、ROEは7.3%まで回復すると同社では見込んでいる。

 

2.2021年3月期第1四半期決算概要

売上高について
各講座の受講者は受講申込時に受講料全額を払い込む必要があり(同社では、前受金調整前売上高、あるいは現金ベース売上高と呼ぶ)、同社はこれをいったん「前受金」として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月毎に売上に振り替えられる(同社では、前受金調整後売上高、あるいは発生ベース売上高と呼ぶ)。損益計算書に計上される売上高は、「発生ベース売上高(前受金調整後売上高)」だが、その決算期間のサービスや商品の販売状況は現金ベース売上高(前受金調整前売上高)に反映され(現金収入を伴うためキャッシュ・フローの面では大きく異なるが、受注産業における受注高に似ている)、その後の売上高の先行指標となる。このため、同社では経営指標として現金ベース売上高(前受金調整前売上高)を重視している。

 

季節的特徴について
同社の四半期毎の業績推移は次のとおり。なお、現金ベース売上高(前受金調整前売上高)は受講申し込み金額を集計した売上高を、発生ベース売上高(前受金調整後売上高)は受講申し込み金額を教育サービス提供期間に対応して配分した後の売上高を、それぞれ表している。
同社が扱う公認会計士や税理士などの主な資格講座の本試験が春から秋(第1~第3四半期)に実施されることや、公務員講座など大学生が主な顧客となる講座の申し込みは春から夏(第1~第2四半期)に集中する等の特徴があるため、第4四半期は申し込み(現金ベース売上高)がその他の四半期に比べて少なくなりやすい傾向がある。一方、賃借料や講師料、広告宣伝費などの営業費用は毎月一定額が計上されるため四半期ごとの偏重は無い。

 

(1)連結業績

 

20/3期1Q

構成比

21/3期1Q

構成比

前年同期比

現金ベース売上高

4,955

89.3%

4,142

81.1%

-16.4%

発生ベース売上高

5,547

100.0%

5,105

100.0%

-8.0%

差引売上総利益

2,421

43.7%

2,265

44.4%

-6.5%

販管費

1,870

33.7%

1,752

34.3%

-6.3%

営業利益

551

9.9%

512

10.0%

-7.0%

経常利益

649

11.7%

513

10.1%

-21.0%

四半期純利益

338

6.1%

350

6.9%

+3.3%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

減収、減益
現金ベース売上高は前年同期比16.4%減の41億42百万円。新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより、出版事業以外は減収。発生ベース売上高は同8.0%減の51億5百万円。
粗利率は同0.7%上昇したが粗利額は同6.5%の減少。営業費用の抑制などで販管費も同6.3%減少したが、発生ベース営業利益は同7.0%減の5億12百万円となった。当期純利益は同3.3%増の3億50百万円。前年同期は特別損失に特別功労金1億55百万円を計上。

 

(2)セグメント別動向

セグメント別現金ベース売上高

 

20/3期1Q

構成比

21/3期1Q

構成比

前年同期比

個人教育事業

2,882

58.2%

2,303

55.6%

-20.1%

法人研修事業

1,171

23.6%

894

21.6%

-23.6%

出版事業

757

15.3%

829

20.0%

+9.5%

人材事業

153

3.1%

122

3.0%

-20.3%

内部売上高または振替高

-9

-

-7

-

-

連結売上高

4,955

100.0%

4,142

100.0%

-16.4%

*単位:百万円

 

セグメント別現金ベース営業利益

 

20/3期1Q

構成比

21/3期1Q

構成比

前年同期比

個人教育事業

-229

-

-596

-

-

法人研修事業

325

27.8%

174

19.5%

-46.3%

出版事業

103

13.6%

245

29.6%

+138.5%

人材事業

38

24.8%

17

14.7%

-52.8%

内部売上高または振替高

-277

-

-291

-

-

連結営業利益

-40

-

-449

-

-

*単位:百万円。

 

【個人教育事業】
減収・営業損失拡大

減収

公認会計士講座、公務員(国家一般・地方上級)講座、税理士、中小企業診断士、司法試験、社会保険労務士等

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う営業時間の短縮等による影響の他、公認会計士講座においては、短答式試験の実施が5月から8月に延期されたことで主に受験経験者を対象とした上級講座の申し込み時期が8月以降にずれ込んだ。
営業費用は講師料の減少等で前年同期比6.8%減。

 

【法人研修事業】
減収・減益

減収

大学内セミナー、コンテンツ提供、提携校、委託訓練等

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、研修内容の縮小や実施時期の延期 ・中止が発生。
講師料、営業のための人件費など営業費用は前年同期比14.9%減。

 

【出版事業】
増収・増益

増収

宅地建物取引士、行政書士、FP、電験、司法試験、司法書士等

 

新型コロナウイルスの感染拡大によりECサイトを通じた書籍購入が増加。
外注費等の制作費用が増加した一方、返品調整引当金の純繰入額が減少したこと、効率的な販促活動に努めたことなどにより営業費用は同10.9%の減少。

 

【人材事業】
減収・減益
会計系人材事業は、人材紹介及び人材派遣は増収だったが、広告が奮わず全体では減収。
医療系人材事業は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い歯科やクリニック等の利用減少によりレセプト作成等の業務量が減少したが、2年に1度行われる診療報酬の改定に伴って発生する業務の依頼や営業強化に取り組んだことにより増収。

 

(3)分野別動向

分野別発生ベース売上高

 

20/3期1Q

構成比

21/3期1Q

構成比

前年同期比

財務・会計分野

918

16.6%

892

17.5%

-2.8%

経営・税務分野

1,001

18.1%

930

18.2%

-7.1%

金融・不動産分野

1,155

20.8%

1,126

22.1%

-2.5%

法律分野

361

6.5%

354

6.9%

-1.7%

公務員・労務分野

1,437

25.9%

1,284

25.2%

-10.6%

情報・国際分野

371

6.7%

311

6.1%

-16.0%

医療・福祉分野

80

1.4%

79

1.6%

-1.2%

その他

220

4.0%

123

2.4%

-43.8%

連結売上高

5,547

100.0%

5,105

100.0%

-8.0%

*単位:百万円

 

【マーケット概要】
同社が取り扱う各種資格試験の2019年申込者は251万2千人と、前年の251万4千人を下回り、3年連続の減少となっているが、2010年から2014年までの大幅な減少後は、安定的に推移している。

 

【分野別概況】
全分野で減収。

 

(財務・会計分野)
簿記検定講座は6月の日商簿記試験が中止となったことで3級から2級、2級から1級へのステップアップを目指す講座申し込みが減少。

 

(公務員・労務分野)
公務員講座は近年の民間の良好な採用状況のもと申し込みが減少傾向にある中、主な受講生層である大学生において大学が一定期間休校になっていたことも影響し、申し込みが減少。

 

(医療・福祉分野)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い歯科やクリニック等の利用減少によりレセプト作成等の業務量が減少したが、2年に1度行われる診療報酬の改定に伴って発生する業務の依頼や営業強化に取り組んだことにより微減収。

(4)受講者数の動向

 

20/3期1Q

構成比

21/3期1Q

構成比

前年同期比

個人受講者数

48,396

62.8%

36,373

55.6%

-24.8%

法人受講者数

28,727

37.2%

29,055

44.4%

+1.1%

合計

77,123

100.0%

65,428

100.0%

-15.2%

*単位:人

 

分野別受講者数

 

21/3期1Q 受講者数

構成比

前期比

財務・会計分野

9,622

14.7%

-29.5%

経営・税務分野

7,066

10.8%

-31.8%

金融・不動産分野

16,733

25.6%

-3.8%

法律分野

2,164

3.3%

-25.8%

公務員・労務分野

20,796

31.8%

-10.8%

情報・国際/医療・福祉/その他分野

9,047

13.8%

-4.6%

合計

65,428

100.0%

-15.2%

 

講座別(個人・法人合算)動向
<増加>
マンション管理士講座、公務員(国家総合・外務専門職)講座、情報処理講座等。

 

<減少>
簿記検定講座、公認会計士講座、社会保険労務士講座、公務員(国家一般・地方上級)講座等。
法人受講者は、通信型研修が増加した一方、大学内セミナー、提携校は減少。

 

(5)財政状態とキャッシュ・フロー

◎主要BS項目

 

20年3月末

20年6月末

 

20年3月末

20年6月末

現預金

4,287

4,571

仕入債務

495

481

売上債権

3,860

3,312

返品調整・廃棄損失引当金

813

712

たな卸資産

865

849

前受金

6,176

5,253

流動資産

9,716

9,419

資産除去債務

693

727

有形固定資産

4,746

4,729

有利子負債

5,187

5,165

無形固定資産

300

279

負債

14,775

13,738

投資その他

5,489

5,096

純資産

5,478

5,785

固定資産

10,536

10,104

負債・純資産合計

20,253

19,524

*単位:百万円

 

売上債権の減少等で流動資産は前期末比2億97百万円減少。投資その他の資産の減少などで固定資産は同4億31百万円減少。資産合計は同7億28百万円減少し195億24百万円。
前受金の減少などで負債合計は同10億36百万円減少の137億38百万円。
利益剰余金の増加等で純資産は同3億7百万円増加の57億85百万円。
この結果、自己資本比率は前期末より2.6%上昇し29.6%となった。

3.2021年3月期業績予想

(1)連結業績予想

 

20/3期 実績

構成比

21/3期 予想

構成比

前期比

現金ベース売上高

20,398

100.3%

20,350

100.0%

-0.2%

発生ベース売上高

20,331

100.0%

20,350

100.0%

+0.1%

差引売上総利益

7,750

38.1%

8,210

40.3%

+6.0%

販管費

7,588

37.3%

7,520

37.0%

-0.9%

営業利益

162

0.8%

690

3.4%

+325.6%

経常利益

260

1.3%

684

3.4%

+162.3%

当期純利益

103

0.5%

410

2.0%

+296.8%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想に変更無し。売上は前年並みも大幅増益を予想
業績予想に変更は無い。現金ベース売上高は、前期比0.2%減の203億50百万円、発生ベース売上高は前期比0.1%増の203億50百万円、営業利益は同325.6%増の6億90百万円を予想。
売上は前期並みも、コスト削減により粗利率は2.2%改善し販管費率も0.3%低下。大幅増益を見込んでいる。
配当は前期と同じく5.00円/株を予定。予想配当性向は22.6%。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う校舎の短縮営業や企業研修・学内セミナーの一部延期・中止等による業績への影響を反映していない。今後、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後に新たな業績予想値を集計した結果、業績予想及び配当予想の修正が必要となった場合には、改めて公表する予定である。

 

(2)各種取り組み(前回レポートより)

①新型コロナウイルス関連
新型コロナウイルス感染拡大の影響を業績予想には反映させていないが、以下のような影響があると同社では想定している。

 

個人教育事業

・WEBを中心とした通信形態による受講申し込みの増加

・外出自粛及び営業時間短縮による校舎窓口における受講申し込みの減少

法人研修事業

・オンラインやeラーニング研修需要の増加

・対面型の企業研修需要の減少

出版事業

 

・インターネット経由での書籍売上の増加

・外出自粛による書店における書籍売上の減少

人材事業

・就職説明会などのイベント自粛や企業の採用力低下に伴う求人広告の減少等

 

個人教育事業においては、講座ごとに外部環境や市場(受講生)ニーズが異なるため、各講座において適切に対応するほか、法人研修事業においては、取引先(企業、大学等)の要望(実施方法、実施時期等)に応じた研修やセミナーの開催、eラーニングや通信型研修コンテンツの拡充を図る。
また、出版事業では直販サイト(cyber book store)やAmazon等インターネットを通じた注文への迅速な対応や競合他社との差別化を図った商品力の向上を、人材事業においては取引先(監査法人、会計事務所等)の要望に応じた就職説明会の開催や取引先のニーズに応える人材の早期確保など、各事業への影響を最小限に抑え、コロナ収束後の事業環境を見据えた体制の整備に注力する。

 

同社の講座は、試験が実施されることを前提に講座の企画・運営を行っているため、試験が中止となった場合には、中止となった試験に関する講座の開講が出来なくなるといった影響があるほか、延期後の日程が未定の状況が長く続いたり、来年度以降の試験の実施や資格取得後の就職状況等に関して不安定な状況が長引いたりすると、講座への申し込みを保留する顧客が増える可能性がある。

一方で、資格を保有する専門家は日本社会を支えるインフラとして機能している一面があり、どのような状況下においても一定のニーズがあることに加え、資格取得需要は一般的に不況期に高まることが多いことも考慮すれば、講座への申し込みはさほど変わらない、ないしは、長期的には増加することもあると考えている。

 

費用面では、講師及び従業員に係る人件費、全国に展開している拠点を中心とした賃借料、広告費等は固定費であるため、講座申し込みの変動に伴う売上の増減は、ほぼそのまま、営業利益以下の各段階利益に影響を及ぼすことになる。
これらの結果、全体として業績がどのように推移するかについては、現時点で明確に判断するのは難しい状況だが、短期的にはマイナス方向に作用する可能性が高いと、同社では考えている。

 

②コスト構造の抜本的な改革
引続きコストの抜本的な見直し、改革を続ける。

 

◎賃借料
好景気による低い空室率のもと1‐3割の値上げ基調に対し、削減策として床面積の見直しによる減床・移転を2020年3月期には神戸校、横浜校、八重洲校、水道橋校等で実施した。
減床の効果が1年間寄与した場合の賃料減は、2019年3月期で228百万円、2020年3月期で209百万円。
今期以降も値上げ基調が続く場合は、床面積の見直しによる減床を継続して推進し、2023年3月期までに約4億円の減額を見込んでいる。

 

◎人件費
インターネットを通じた受付利用の促進や、校舎窓口におけるITの活用など、ITを利用した効率的な業務遂行を図るほか、営業強化のために売上部門へ人材を重点的に配置する。

 

◎広告宣伝費
紙代は上昇傾向にあり、宣伝媒体がネット中心にシフトしていることから、パンフレットのペーパーレス化や、広告宣伝のネットシフトを進める。

 

減床効果は半年~1年後に現れることから稼働状況に基づいた迅速な判断と実行が必要だが、受講生の学習環境は保ちつつ、利益の出る費用構造への転換を目指す。

4.今後の注目点

新型コロナウイルス感染拡大の影響に関して、会社側は「短期的にはマイナス方向に作用する可能性が高い」と考えており、当第1四半期の売上高は出版事業以外減収で、ここ数年内でも、最低水準となった。
「売上前期並・大幅増益」という通期予想達成には、売上・利益ともに構成比が大きい第2四半期(7‐9月)の動向がカギを握る。
WEBを中心とした通信形態による講座の充実、オンラインやeラーニング研修需要の取り込み、インターネット経由での書籍売上の増加など、同社が想定の下で取り組んでいる施策がどれだけ効果を生み出すのかを注目したい。

 


<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

8名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2020年6月29日

 

<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、少数の取締役による迅速な意思決定の重視という点にあり、当社の社内取締役は、現在6名となっております。一方で、社外取締役を2名配置し、パブリック・カンパニーとして求められる企業統治ないし法令遵守体制について適切に整備するとともに有効に機能するように運用しております。

 

わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッション(profession)とは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・教師等の知識専門家を指していました。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。

 

当社グループは、「社会が必要とするプロフェッションを養成する」及び「個人の成長に深く関わる」ことを経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービスおよび人材育成・供給市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。

 

当社グループのコーポレート・ガバナンスにはこうしたプロフェッションとしての自己規律が組織風土として働いており、当社の取締役自身も「経営のプロフェッション」たらんと律しております。取締役の任期は定款上1年と定め、毎期、株主総会において「経営のプロフェッション」であったかどうか株主によって判定されます。また、取締役報酬も比較的低額に抑えております。委員会設置等設置会社や指名委員会等設置会社は機能分化による統制が効く反面、相当程度の人数が必要となるため、当社の現状の事業規模・収益力を鑑みると、監査役会設置会社が適切であると判断しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

実施しない理由

補充原則1-2(4)

当社の株主構成はその大半が国内の個人株主であり、機関投資家や海外の投資家の割合は限定的なものとなっております。そのため、現時点では議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳は実施しておりません。しかしながら、今後、機関投資家や海外の投資家の割合が高まってきた際には、それらを進めていくことを検討してまいります。

原則1-4、補充原則1-4(1)(2)

当社は、現時点において政策的な目的で保有する上場株式(以下、「政策保有株式」)は保有しておりません。そのため、政策保有株式に係る議決権の行使について適切な対応をするための基準は策定しておりません。

但し、今後、政策保有株式として上場株式を保有する状況になった場合には、政策保有に関する方針の開示、株主総会における政策保有株式に関する説明、政策保有株式に係る議決権の行使に関して、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を踏まえ適切に対応いたします。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>

原則

開示内容

原則5-1

株主を含む投資家の方々からの問い合わせ等に対応するため、専門の部署(IR室)を設置しております。問い合わせ事項に関しては、インサイダーに抵触する恐れが高いと判断される情報を除き、適切に対応することとしております。

 

 

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