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(3486) 株式会社グローバル・リンク・マネジメント

東証1部

ブリッジレポート:(3486)グローバル・リンク・マネジメント 2020年12月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

金 大仲 社長

株式会社グローバル・リンク・マネジメント(3486)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

不動産業

代表者

金 大仲

所在地

東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号 渋谷マークシティウエスト21階

決算月

12月

HP

https://www.global-link-m.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

599円

7,608,340株

4,557百万円

25.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

35.00円

5.8%

78.86円

7.6倍

509.40円

1.2倍

*株価は9/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2016年12月(実)

11,605

596

529

328

51.36

-

2017年12月(実)

17,167

1,108

1,092

696

108.17

45.00

2018年12月(実)

22,644

1,209

1,132

755

101.79

12.50

2019年12月(実)

25,086

1,564

1,364

867

114.78

12.50

2020年12月(予)

27,000

1,300

1,000

600

78.86

35.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2017年10月、1株を100株に分割。2018年6月及び10月、1株を2株に分割(EPSのみ遡及修正)。

 

 

(株)グローバル・リンク・マネジメントの2020年12月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年12月期第2四半期決算概要
3.2020年12月期業績予想
4.今後の方針
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/12期上期は前年同期比12.5%の増収、同29.7%の営業減益。金融機関の融資業務縮小による区分販売の進捗の遅れ、海外投資家向け販売の停止、更には非レジデンス販売の延期等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたものの、1棟販売が大きく伸びた他、土地売却もあり、売上が増加した。ただ、売上構成の変化で原価率が上昇する中、前期の不動産取得に関わる租税公課及びオフィス拡張に伴う地代家賃の増加が負担になった。

     

  • 通期予想は前期比7.6%の増収、同16.9%の営業減益予想。2Qのコロナ禍の影響を踏まえ、区分販売と非レジデンス分野の計画を引き下げる一方(非レジデンス分野では2物件の販売計画を取り下げ)、1棟販売の計画を引き上げた。販売計画全体では、期初の800戸から760戸に修正。1棟販売ではコロナ禍が販売単価にも及んでおり、販売単価の想定も引き下げた。期末配当は期初発表の通り、35円を実施する予定。

     

  • 9月に自社出資の私募ファンドを組成する。中計(20/12期~22/12期)の目標である22/12期売上高450億円の達成に向け、ファンドを活用して1棟販売を伸ばす考え。自社ファンドの組成は、ファンド向けの販売が増加し始めた前期に議論が始まり、コロナ禍の前には具体的な検討が始まっていたようだ。また、ファンド組成に当たってのパートナーであるスターアジアグループも、レジデンスの安定した需要と同社が開発する“3チカ”マンションの資産性に着目してスピーディに判断してくれたと言う。コロナ禍でも1棟販売の需要は堅調だが、販売単価への要求は厳しい。このため、4%程度の利回り確保を念頭に商品開発され、99%超の入居率を維持している「アルテシモ」のグループ外への売り急ぎはせず、自社ファンドの活用で収益性と資金効率を追求する考え。今後の展開に期待したい。

     

     

1.会社概要

東京23区内を中心に「アルテシモ」ブランドの投資用マンションを開発・販売しており、事業用地の仕入れから、企画、設計、販売、更には販売後の賃貸管理・建物管理までをワンストップで手掛けている。「アルテシモ」は、転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の「3チカ」を特徴としており、高い入居率を誇る。賃貸管理・建物管理を手掛ける連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズ(議決権の100%所有)と共にグループを形成している。
尚、「アルテシモ」とは、「ARTESSIMO(ART[芸術]+issimo[最上級])」という成り立ちの、現代イタリア語を基に同社が考えた造語。現代的で心地良い空間を提供するという想いが込められている。

 

【経営理念・企業ビジョン】

経営理念 : 不動産を通じて豊かな社会を実現する
設立以来、経営理念として掲げてきた、「お客様の豊かさに貢献する」想いと合わせて、社会課題を解決緩和し、持続的な企業価値向上と豊かな社会の実現を目指していく。

 

企業ビジョン : 「不動産ソリューション」×「IT」により新しいサービスを創造し、世界都市東京からGlobal Companyを目指す

 

1-1 事業内容

事業は、同社が手掛ける不動産ソリューション事業と連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズが手掛けるプロパティマネジメント事業に分かれる。

 

15/12

16/12

17/12

18/12

19/12

構成比

不動産ソリューション事業

7,085

9,723

15,035

20,281

22,611

90.1%

プロパティマネジメント事業

1,597

1,882

2,131

2,362

2,474

9.9%

連結売上高

8,682

11,605

17,167

22,644

25,086

100.0%

不動産ソリューション事業

246

555

1,040

1,065

1,377

88.0%

プロパティマネジメント事業

36

40

68

144

187

12.0%

連結営業利益

282

596

1,108

1,209

1,564

100.0%

* 単位:百万円

 

 

不動産ソリューション事業
投資用不動産であるコンパクトタイプ(25~50㎡)のマンションを自社ブランド「アルテシモ」として、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家に提供している。長期に渡り資産価値が継続する不動産を提供するため、20年連続で転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の3チカ物件に特化している。晩婚化や高齢化等による人口構造の変化に伴い、単身者や少人数世帯のコンパクトタイプのマンション需要は底堅く、同社はこうした社会の変化を捉え、「アルテシモ」の供給強化に取り組んでいる。

 

事業用地の仕入れについては、土地仲介会社からの土地情報を基に仕入れるケースや開発事業者から仕入れるケースに加え、税理士や弁護士等の士業との提携による不動産セミナー「相続・土地所有者共同開発セミナー」を開催し、土地所有者へ直接アプローチしてマンション経営のノウハウを提供する事で事業化につなげている。

 

マンションの設計及び建築については、コンパクトマンションを手掛けている設計事務所や建設会社に外注しているが、マンションの企画は「アルテシモ」仕様の基準を設け、同社自身が行っている。

 

販売先は、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家。また、「アルテシモ」に適さない土地を仕入れ、戸建てやファミリーマンション業者へ売却するケースや、土地の企画売却を行う事もある。

 

販売後は、販売した物件のマンション管理組合から、マンション管理組合運営業務と物件管理サービスを受託する。マンション管理組合運営業務として、マンション管理組合に代わってマンション管理組合の運営を行う事務管理業務を行っている。また、プロパティマネジメント事業(後述)として、連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズが賃貸管理サービスを提供している。

 

プロパティマネジメント事業
連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズが、オーナーからの委託を受けて不動産経営に関する様々な業務を代行している。具体的には、自社ブランド「アルテシモ」に対するマスターリース・サブリース(一括借り上げ・転貸)業務及び管理代行業務を行っており、マスターリース・サブリース業務では、「アルテシモ」のオーナーに対して一定期間賃貸物件を借り上げ、契約で定めた賃料を支払い、入居希望者に転貸する。一方、管理代行業務では、オーナーに代わり、家賃の集金や入居・退去に関わる各種契約管理業務を行っている。

 

(株)グローバル・リンク・パートナーズの標準のマスターリース・サブリース契約は、オーナーが長期にわたり安定した家賃収入を確保できるよう最大限の配慮がなされている。具体的には、契約期間最大35年間、原則7年毎の賃料改定とし、賃料が下がる場合でも、下げ幅を最大5%に制限している。また、外部環境の変化や法制度・税制度の変更その他契約締結後の事情の変更が認められる場合、協議の上、マスターリース・サブリース賃料を改訂できる事としているが、この場合も、下げ幅を最大5%としている。解約については、6カ月の予告期間をもって双方からの解約が可能になっている。

 

2.2020年12月期第2四半期決算概要

【新型コロナウイルス感染症拡大の影響と現状・対応策】

影響
第1四半期半ば(2月)に海外投資家向け販売を停止し(3棟の販売を予定していた)、第2四半期(4-6月)は金融機関の融資業務縮小の影響で区分販売が難航した。加えて、テナント需要の激減と投資マインドの悪化を踏まえ、非レジデンス(ホテル・商業テナントビル)の販売を延期した。このため、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は売上・利益の両面で大きかったが、セミナーを全て非対面のオンラインセミナーに切り替えたことで販売フローのオンライン化が一気に進んだ他、全社員のテレワーク化を推進した結果、業務の効率化も進んだ。
尚、販売フローのオンライン化では、営業活動・資金確定手続きの全面的なオンライン化が完了し、5月には、IT重説の社会実験登録事業者となり(国土交通省が不動産取引における対面原則の見直しを目的に推進する「個人を含む売買取引におけるIT 重説の社会実験」の実証実験事業者として登録)、第3四半期からオンライン販売の実績を積み上げていく考え。

 

 

現状・対応策
販売を予定していた海外投資家向けの3棟は国内投資家向け1棟販売に計画を変更して売り切る考え。金融機関の融資業務縮小は、緊急事態宣言下の業務縮小で金融機関の対応数が減少したことが要因だが、7月以降は、平時の状態に戻っている。金融機関の融資姿勢については、現在はもちろん、緊急事態宣言下でも特段の変化はなかった。非レジデンスについては、5月にホテル(日本橋箱崎町プロジェクト)が竣工したが販売を延期した。投資用マンションへコンバージョンする考えで、来期の販売を計画している。8月に竣工予定の商業テナントビル(西麻布プロジェクト)は賃貸付けを行った後に販売する考えで、販売時期は未定。コロナ前に賃貸付けを完了していたが、コロナ禍でキャンセルが相次いだと言う。

 

 

その他
不動産ソリューション事業では、1週間程度の工事延期が2件あったものの、現在は平時と同様に進捗しており、事業用地の仕入れに際しての金融機関の融資姿勢にも特段の変化はない。また、法人・ファンドの購入意欲の減退もなく、1棟販売予定先の購入見合わせは、現在発生していない。プロパティマネジメント事業では、第2四半期末の入居率が99.23%と引き続き高水準を維持している。4月から入居者募集を開始した新規物件についても平時と同様の賃貸状況である。一方、団扇事業は渡航制限の発令により、留学生の流入が停止しており、外国人留学生に対し日本への留学・進学情報の提供にとどまっている。

 

 

2-1 上期連結業績

 

19/12期 上期

構成比

20/12期 上期

構成比

前年同期比

売上高

8,864

100.0%

9,972

100.0%

+12.5%

売上総利益

1,455

16.4%

1,560

15.7%

+7.2%

販管費

1,203

13.6%

1,383

13.9%

+15.0%

営業利益

252

2.8%

177

1.8%

-29.7%

経常利益

173

2.0%

23

0.2%

-86.4%

親会社株主帰属利益

111

1.3%

3

0.0%

-96.9%

* 単位:百万円

 

前年同期比12.5%の増収ながら、同29.7%の営業減益
売上高は前年同期比12.5%増の99.7億円。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で区分販売が計画を下回ったものの、順調に進捗した1棟販売と土地売却で吸収した。
利益面では、仕入原価の上昇により売上総利益率が0.7ポイント低下する中(0.7億円の減益要因)、事業拡大に伴う販管費の増加が負担となり、営業利益が1.7億円と同29.7%減少。支払利息の増加や税負担率の上昇で最終利益は3百万円と同96.9%減少した。
尚、販管費の増加要因は、租税公課の増加1.0億円、地代家賃の増加0.7億円。

 

 

2-2 セグメント別動向

 

19/12期 上期

構成比・利益率

20/12期 上期

構成比・利益率

前年同期比

不動産ソリューション事業

7,639

86.2%

8,673

87.0%

+13.5%

プロパティマネジメント事業

1,224

13.8%

1,299

13.0%

+6.1%

連結売上高

8,864

100.0%

9,972

100.0%

+12.5%

不動産ソリューション事業

157

2.1%

58

0.7%

-63.0%

プロパティマネジメント事業

95

7.8%

119

9.2%

+25.1%

連結営業利益

252

2.8%

177

1.8%

-29.7%

販売戸数

225戸

 -

234戸

 -

+4.0%

期末管理戸数

2,218戸

 -

2,381戸

 -

+7.3%

* 単位:百万円

 

不動産ソリューション事業は、販売戸数が9戸増の234戸(通期計画760戸に対して30.8%の進捗率)と微増に留まったものの、期初から計画していた土地売却(1件、約10億円)が寄与し、売上高が86.7億円と前年同期比13.5%増加した。利益面では、コロナ禍による販売戸数の伸び悩みで事業拡大に伴う販管費の増加を吸収できなかった。一方、プロパティマネジメント事業は、管理戸数が2,381戸と同7.3%(163戸)増加したこと、及び増収効果による売上総利益率の改善で同6.1%の増収・同25.1%の増益となった。

 

 

不動産ソリューション事業

 

19/12期 上期

20/12期 上期

進捗率

通期計画

1棟販売

33戸

116戸

23.7%

490戸

同 棟数

1棟

3棟

21.4%

14棟

区分販売

187戸

114戸

42.9%

266戸

うち中古販売

44戸

42戸

-

-

海外販売

5戸

4戸

100.0%

4戸

合計

225戸

234戸

30.8%

760戸

 

販売
緊急事態宣言発出に伴う、相対での営業活動自粛や金融機関の融資業務縮小の影響で、区分販売が73戸減少したが、1棟販売が83戸増加した(この他、海外販売が1戸減)。四半期別では、区分販売が第1四半期に82戸を販売したものの、第2四半期はコロナ禍で32戸に減少した。1棟販売は第1四半期に1棟46戸を、第2四半期は2棟70戸を、それぞれ販売した。
区分販売については、コロナ禍で3月にセミナー参加者が前年同期月比40%に落ち込んだが(1月130.0%、2月113.5%)、4月のオンラインセミナー開始以降、セミナー開催数の増加もあり、セミナー参加者が前年同月を上回って推移している(4月136.4%、5月126.0%、6月134.2%)。このため、4月以降、新規投資家を中心に見込み客の獲得が進んでいる。一方、相対を中心とする紹介・リピーターの販売はコロナ禍で減少している。

 

(同社資料より)

 

竣工計画・契約
20/12期の竣工は、ホテルからのコンバージョン1棟を加えた21棟(うち1棟販売14棟)を計画している。ホテルからのコンバージョン物件の販売は来期になるが、第1四半期と第2四半期に竣工物件を1棟ずつ取得しており、この2棟を今期の販売計画に加えた。通期で14棟の引渡しを計画している1棟販売については、上期に3棟引渡しを完了しており、残り11棟中、10棟についても既に売買契約を締結済みである(このうち8棟を9月に自社出資の私募ファンドに引渡し予定)。

 

非レジデンス
ホテル(日本橋箱崎町プロジェクト)は5月末に予定通り竣工したが、レジデンスへコンバージョンを行い、来期の販売を目指している。一方、商業テナントビル(西麻布プロジェクト)は8月末に竣工予定だが売却時期は未定。賃貸付けの後に売却する考えだが、2021年開発予定の2案件(土地)も含めて、早期の売却を考えている。

 

 

プロパティマネジメント事業
下期引渡し予定の自社出資私募ファンド向け販売分の上積みにより、第2四半期に賃貸管理戸数が大幅に増加した。緊急事態宣言下でも都心単身世帯の賃貸需要は不変であり、入居率は引き続き99%超の高水準で推移した。

 

(同社資料より)

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年12月

20年6月

 

19年12月

20年6月

現預金

1,887

1,378

短期有利子負債

5,224

10,382

販売用不動産

1,360

7,129

未払金

39

984

仕掛販売用不動産

11,773

14,197

未払法人税等

347

53

流動資産

15,581

23,216

流動負債

6,276

11,976

有形固定資産

164

271

長期有利子負債

5,930

8,022

無形固定資産

73

102

固定負債

6,028

8,129

投資その他

339

295

純資産合計

3,853

3,780

固定資産

577

670

負債純資産合計

16,158

23,886

* 単位:百万円

 

 

第2四半期末の総資産は前期末との比較で77.2億円増の238.8億円。たな卸資産が大幅に増加(81.9億円増の213.2億円)し、この資金調達に伴い、有利子負債も増加(72.5億円増の184.0億円)した。ただ、第3四半期に予定している私募ファンドへの物件売却で、たな卸資産が減少し資金を回収する予定であり、有利子負債の削減に充当する考え。自己資本比率15.8%(前期末23.8%)。

 

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/12期 上期

20/12期 上期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-2,578

-7,529

-4,950

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-13

-224

-211

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-2,592

-7,753

-5,161

-

財務キャッシュ・フロー

2,130

7,139

+5,009

+235.1%

現金及び現金同等物期末残高

1,570

1,205

-365

-23.2%

* 単位:百万円

 

 

3.2020年12月期業績予想

3-1 連結業績

 

19/12期 実績

構成比

20/12期 予想

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

25,086

100.0%

27,000

100.0%

+7.6%

30,000

-10.0%

営業利益

1,564

6.2%

1,300

4.8%

-16.9%

1,900

-31.6%

経常利益

1,364

5.4%

1,000

3.7%

-26.7%

1,600

-37.5%

親会社株主帰属利益

867

3.5%

600

2.2%

-30.8%

1,000

-40.0%

* 単位:百万円

 

前期比7.6%の増収、同16.9%の営業減益予想
第2四半期のコロナ禍の影響を踏まえ、区分販売と非レジデンス分野の販売計画を引き下げる一方、1棟販売の販売計画を引き上げた。

 

レジデンス分野では、第2四半期の緊急事態宣言下での区分販売の販売計画未達分を反映して、販売計画を期初の800戸から760戸に修正した。また、コロナ禍が1棟販売の販売単価にも及んでおり、販売単価の想定も修正した。非レジデンス分野では、期初に計画していた2物件の販売計画を取り下げた。

 

 

販売戸数計画

 

19/12期

20/12期 修正計画

増減

期初計画

計画差

1棟販売

229戸

490戸

+261戸

406戸

+84戸

同 棟数

5棟

14棟

+9棟

9棟

+5棟

区分販売

394戸

266戸

-128戸

320戸

-54戸

海外販売

79戸

4戸

-75戸

74戸

-70戸

合計

702戸

760戸

+58戸

800戸

-40戸

レジデンス供給棟数

15棟

20棟

+5棟

20棟

0棟

 

尚、区分販売の販売計画は緊急事態宣言の効力がなくなった6-7月の区分販売の動向を考慮した上で策定したものだが、緊急事態宣言が再度発令され、第2四半期と同様に金融機関の融資業務が縮小された場合は下振れする可能性がある。
その一方で、非レジデンス2件、及び来期のパイプラインとして保有している商業テナントビル2件(土地)の売却が前倒しで実施される可能性があることに加え、海外販売が回復する可能性もあり、これらの場合は上振れ要因となる。海外販売については、オンラインで海外投資家に販売するチャネルに同社の物件を紹介したところ、大きな反響があったと言う。また、国内在住の外国人投資家からの問い合わせも増えているようだ。

 

 

3-2 配当は期初発表の通り35円を実施

中長期の経営目標に対する変更は生じていないため、配当は、期初の発表通り、1株当たり22.5円増配の35円の期末配当を実施する予定。

 

尚、基本方針として、配当性向は22/12期まで30%を目標としており、配当の他に、株主優待として、100株以上の株主にクオカードを贈呈している。

 

 

4.今後の方針

4-1 コロナ禍を見据えた成長戦略の軌道修正

現在進行中の中期経営計画「ステージ1」(20/12期~22/12期)では、「首都圏においての投資用不動産業界リーディングカンパニー」を目指して、既存事業の拡大・強化と商品ラインナップの拡充により、過去3年の実績を上回る成長率の実現を目指している。最終期となる22/12期の計数目標として、売上高450億円(年平均20%成長)、経常利益30億円(年平均30%成長)、供給戸数1,100戸(年平均20%増加)を掲げており、既存事業の拡大・強化では、レジデンスでの首都圏投資用不動産年間供給戸数“No.1”を、商品ラインナップの拡充では非レジデンス分野での売上高50億円に向けた取り組みを進める計画だった。

 

 

22/12期 当初計画

 

22/12期 修正計画

不動産ソリューション事業

420

420

レジデンス(1棟販売)

156

264

レジデンス(区分販売)

156

156

レジデンス海外販売

61

-

非レジデンス

47

-

プロパティマネジメント事業

30

30

売上高合計

450

450

* 単位:億円

 

しかし、商品ラインナップ拡充の一環として取り組んでいた非レジデンス分野はコロナ禍でテナント需要が激減し、物件の販売先である投資家の投資マインドも極端に悪化した。このため、非レジデンス分野は開発を停止し、23/12期から始まる次期中期経営計画「ステージ2」(~25/12期)に先送りし、事業環境の改善を待つこととした。そして、非レジデンス分野を埋めるべく、次期中計で取り組みとしていたファンド事業を前倒しで進める。当面はレジデンス分野へ経営資源を集中し、レジデンス分野を中心に成長を加速させる考え。
当初の22/12期計画では、海外販売61億円、非レジデンス47億円、合計108億円を計画していたが、修正計画では海外販売及び非レジデンスの売上は見込まず、この減収分を1棟販売でカバーする。このために、「ステージ2」から開始する計画だった自社出資の私募ファンドの組成を前倒しした。自社ファンドの活用で1棟販売を加速させ、計画の達成を目指している。

 

 

4-2 私募ファンド組成による成長加速

2020年9月に、独立系投資運用グループであるスターアジアグループと共に、私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」を組成する。ファンドの組成は1棟販売の強化を目的とするもので、コロナ禍による厳しい事業環境下での成長に向けて、2023年以降に計画していたファンド組成を前倒しで進めるもの。私募ファンドは22/12期末までに運用資産総額600 億円を目指しており、6月2日に不動産流動化事業に関する合意書を締結し、8月7日に物件情報の提供ならびに物件取得に係る優先交渉権付与に関するパイプライン契約を締結した。

 

販売力・仕入力の強化
自社出資の私募ファンドの組成により自社販路の育成・強化が進むことはもちろんだが、販路の強化・拡大は仕入れの強化にもつながる。販売力を活かし、新たな仕入れルートの開拓に取り組んでいく考え。

 

安定収益基盤の拡大・加速
従来のファンド向け1棟販売の場合、販売先のAM(アセットマネジメント)会社がPM(プロパティマネジメント:賃貸経営管理業務)会社を選ぶため、これまで同社の賃貸管理は1棟もなかったが、今後は私募ファンド組み入れ物件の70%程度を同社のPM部門が賃貸管理業務受託を目指す。このため、今後は物件の販売が管理戸数増につながり、プロパティマネジメント事業の成長加速が期待できる。安定収益基盤の強化・拡大が進む見込みだ。

 

収益性の維持・改善
自社販路の早期育成を進める過程で、一時的に売上総利益ベースで1棟販売の収益性が低下する見込みだが、中長期的には、仕入競争力の向上による仕入単価抑制や販売価格の最適化を進めることで収益性の改善が期待できる。また、管理戸数の増加でプロパティマネジメント事業の収益性改善も期待できる。

 

(同社資料より)

 

 

中長期の成長イメージ

(同社資料より)

 

先ずは既存事業でレジデンスの拡大を強化して、当初の予定どおり「新築投資用不動産供給戸数No.1」を早期に達成したい考え。

 

5.今後の注目点

海外販売と非レジデンスの計画を一旦取り下げたが、自社出資の私募ファンドの活用による1棟販売の拡大で、中計(20/12期~22/12期)の目標である22/12期売上高450億円の達成を目指すことになった。コロナ禍でも1棟販売の需要は堅調だが、販売単価への要求は厳しい。このため、自社ファンドの組成には、4%程度の利回り確保を念頭に商品開発され、99%超の入居率を維持している「アルテシモ」のグループ外への売り急ぎはせず、自社ファンドの活用で収益性と資金効率を追求する、という面もある。ただその一方で、一時的に売上総利益ベースでの1棟販売の収益性低下を想定する等、慎重に事業を進めていこうという姿勢もうかがえる。突然の自社ファンド組成だったが、ファンド向けの販売が増え始めた前期に社内での議論が始まり、コロナ禍の前には具体的な検討が始まっていたようだ。また、スターアジアグループも、レジデンスの安定した需要と同社が開発する“3チカ”マンションの資産性に着目してスピーディに判断してくれたと言う。今後の展開に期待したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

8名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年3月26日)
基本的な考え方
当社は経営の効率化、経営環境の変化に対する柔軟な対応を図り、迅速に意思決定をすることにより企業価値を向上させることがステークホルダーとの協働につながると考えております。そのためには、経営の健全性と透明性を高めることが必要であり、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。

 

 

<実施しない主な原則とその理由>
<補充原則4-1-3 最高経営責任者(CEO)等の後継者育成計画>
当社では、最高経営責任者たる社長を含む経営陣幹部が比較的若く、持続的成長のためにその力量を十分に果たしていると判断しており、当面、経営陣の後継者育成に関して具体的な計画はございません。ただし、取締役に対するトレーニングを通じて将来の最高経営責任者を含む将来の経営陣幹部を育成するとともに、「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第28条第4項にも記載しておりますとおり、代表取締役等の後継者候補の育成のためにも、次代を担うべき優秀な人材の確保・育成が最重要事項であると位置づけ、その育成(実施施策の監督を含む)に努めております。

 

<開示している主な原則>
<原則1-7 関連当事者取引に関する方針>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第14条において、取締役、従業員などの当社関係者がその立場を利用して当社や株主の利益に反する取引を行うことを防止するため、取締役が利益相反取引や競業取引を行う場合の承認手続や報告体制、その他当社グループ及び株主の利益等を害することが無いようにするための取締役会等での付議や承認等の検討体制について開示しております。

 

<原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第27条において、社外取締役候補者の指名にあたっては、その独立性については、東京証券取引所の定める独立役員の要件に則り判断することとしております。また、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与いただけるよう、率直・活発で建設的な議論への貢献が期待できる人物であることを、社外取締役に必要な資質と考えております。

 

<原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第33条において、株主・投資家にとって有益と判断する情報の積極的開示のほか、株主総会の場その他の機会を通じてコミュニケーションに努め、かつ、株主・投資家間において実質的な情報格差が生じないよう具体的な体制整備及び取り組みについて方針を定めております。

 

 

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