ブリッジレポート
(2317) 株式会社システナ

プライム

ブリッジレポート:(2317)システナ 2021年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

逸見 愛親

会長

 

三浦 賢治

社長

株式会社システナ(2317)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

逸見 愛親、三浦 賢治

所在地

東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階

決算月

3月

HP

https://www.systena.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,074円

96,843,688株

200,853百万円

25.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

20.00円

1.0%

51.29円

40.4倍

249.20円

8.3倍

*株価は11/16終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

46,255

3,693

3,407

2,197

22.42

36.00

2018年3月(実)

54,320

5,170

5,147

3,542

36.32

46.00

2019年3月(実)

59,742

6,902

6,706

4,584

47.00

16.00

2020年3月(実)

64,552

8,163

7,871

5,471

56.22

20.00

2021年3月(予)

62,227

7,634

7,370

4,967

51.29

20.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年6月、1株を4株に分割(EPSを遡及修正)。

 

(株)システナの2021年3月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期第2四半期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21/3期上期は前年同期比6.7%の減収、同10.4%の営業減益。リモート営業、テレワークによるITサポートやソフトウェア開発支援等により稼働率90%以上を目標として事業活動を推進した。テレワーク関連需要の取り込み等はあったものの、前年同期のWindows7搭載PCの更新需要の反動や、ソリューションデザイン事業やフレームワークデザイン事業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたため売上が減少。新卒の積極採用による人件費の増加が負担になった。

     

  • 通期予想に変更はなく、前期比3.6%の減収、同6.5%の営業減益。下期は、新卒社員の戦力化等でソリューションデザイン事業が伸び、先延ばしとなったプロジェクトが始動するフレームワークデザイン事業も増収に転じる。両事業は稼働率の向上で収益性の改善も進む見込み。一方、上期に高付加価値案件の受注が好調だったITサービス事業の見通しは保守的なものにとどまっている。期末配当は10円を予定しており、2Q末配当と合わせて年20円となる。

     

  • 通期予想に対する進捗率は、売上高47.1%(通期実績ベースの前年同期48.7%)、営業利益48.2%(同50.3%)。わずかに前年同期の実績を下回っているが、リモート営業・テレワーク環境が整備されると共に新卒社員の有償化の目途が立ったことで、巻き返しに向けた体制が整ってきた。下期は感染第3波が懸念されるものの、テレワーク関連サービス、RPA、AI、セキュリティ、クラウド、遠隔操作、更には利益率の高い自社プロダクツ等、コロナ禍を逆手に取った商材で攻勢をかける。

     

1.会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社9社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

 

 

【経営目標 - 日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える! 】
経営目標実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という、相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

 

 

【目標とする経営指標】
目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)として、24/3期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円(営業利益率15%)、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。

 

1-1 事業内容

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、海外事業及び投資育成事業に分かれる。

 

ソリューションデザイン事業
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発や検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。

 

フレームワークデザイン事業
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システムや対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。以前は業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めていたが、業務自動化(RPA)、クラウド、データ分析、音声認識、画像認識などの新規事業が売上高の4割を占めるところまで育ってきており、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

 

ITサービス事業
システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

 

ソリューション営業事業
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

 

クラウド事業
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや2017年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.(キャンバスドット)」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

 

海外事業
米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。

 

投資育成事業
戦略子会社(株)ONE Tech Japanが、AI、IoT、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている他、(株)GaYaがスマートフォン向けゲームコンテンツの開発・大手SNSサイトへの提供及び他社が開発・リリースしたゲームの運営受託を手掛けている。

2.2021年3月期第2四半期決算概要

2-1 上期連結業績

 

20/3期 上期

構成比

21/3期 上期

構成比

前年同期比

売上高

31,411

100.0%

29,304

100.0%

-6.7%

売上総利益

7,128

22.7%

6,928

23.6%

-2.8%

販管費

3,019

9.6%

3,245

11.1%

+7.5%

営業利益

4,109

13.1%

3,683

12.6%

-10.4%

経常利益

3,961

12.6%

3,723

12.7%

-6.0%

親会社株主帰属利益

2,680

8.5%

2,511

8.6%

-6.3%

* 単位:百万円

 

前年同期比6.7%の減収、同10.4%の営業減益
売上高は前年同期比6.7%減の293.0億円。ITサービス事業でのテレワーク支援需要の取り込み等はあったものの、前年同期のWindows7搭載PCの更新需要の反動でソリューション営業の売上が減少した他、ソリューションデザイン事業やフレームワークデザイン事業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。

 

利益面では、稼働率の低下や新卒の積極採用に伴う人件費の増加等で営業利益が36.8億円と同10.4%減少したが、投資有価証券売却益の計上や持分法投資損失の減少等で経常利益は37.2億円と同6.0%の減少にとどまった。

 

2-2 セグメント別動向

 

20/3期 上期

構成比・

利益率

21/3期 上期

構成比・

利益率

前年同期比

ソリューションデザイン

11,373

36.2%

11,664

39.8%

+2.6%

フレームワークデザイン

2,804

8.9%

2,515

8.6%

-10.3%

ITサービス

4,117

13.1%

4,553

15.5%

+10.6%

ソリューション営業

12,407

39.5%

10,086

34.4%

-18.7%

クラウド

682

2.2%

655

2.2%

-4.0%

海外

55

0.2%

91

0.3%

+65.7%

投資育成

109

0.3%

86

0.3%

-20.4%

調整額

-137

-0.4%

-349

-1.1%

-

連結売上高

31,411

100.0%

29,304

100.0%

-6.7%

ソリューションデザイン

2,153

18.9%

1,774

15.2%

-17.6%

フレームワークデザイン

503

17.9%

387

15.4%

-23.0%

ITサービス

564

13.7%

700

15.4%

+24.1%

ソリューション営業

810

6.5%

745

7.4%

-8.0%

クラウド

111

16.3%

104

16.0%

-6.3%

海外

-24

-44.4%

7

7.6%

-

投資育成

-8

-8.0%

-35

-41.1%

-

調整額

-

-

-

-

連結営業利益

4,109

13.1%

3,683

12.6%

-10.4%

* 単位:百万円

 

ソリューションデザイン事業
売上高116.6億円(前年同期比2.6%増)、営業利益17.7億円(同17.6%減)。「キャッシュレス」、「GIGAスクール構想」、「EC」をキーワードとした受注が堅調に推移する中、「モビリティ」、「AI」、「IoT」等、成長分野の新規開拓を積極的に進めた結果、売上が増加したものの、新卒社員の増加(前年同期比2.5倍)や新拠点開設等の先行投資が負担となった。

 

フレームワークデザイン事業
売上高25.1億円(前年同期比10.3%減)、営業利益3.8億円(同23.0%減)。既存金融分野は、生損保、銀行の保守開発プロジェクトが体制維持で進んだものの、新型コロナウイルス感染拡大により、新規案件の引き合い減少、延伸、中断が解消されなかった。引き続き新規業務系開発、基盤構築(クラウド)を中心にWebセミナー等を活用しWeb営業に注力した。一方、新規サービス分野においては、受注拡大に向け、業務自動化(RPA)ソリューションのサービスを拡充すると共に、展示会中心の営業からWebセミナー等を活用したWeb営業に変更し推進した。

 

ITサービス事業
売上高45.5億円(前年同期比10.6%増)、営業利益7.0億円(同24.1%増)。顧客のテレワークを支援する「PMO」や「ITサポート」等、顧客の働き方にマッチしたサービスの提供により、高付加価値なスポット案件の取り込みに成功した。また、テレワークを推進する「ITトレーニング」を営業フックに新規顧客の開拓も進んだ。

 

ソリューション営業
売上高100.8億円(前年同期比18.7%減)、営業利益7.4億円(同8.0%減)。システムインテグレーションがVDI環境構築案件やHCI案件を中心に拡大した他、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値なワンストップサービス案件も増加したものの、前年同期のWindows7搭載PCの更新需要の反動を吸収できなかった。

 

クラウド事業
売上高6.5億円(前年同期比4.0%減)、営業利益1.0億円(同6.3%減)。テレワークにより働き方改革を進める企業からデータドリブンな業務にシフトするべく「Canbus.」の引き合いが増加した他、テレワーク常態化に向けたグループウェアの見直しに伴い、「Cloudstep」の受注も増加した。この他、「G suite」をプラットフォームとした開発やSIの引き合いも増加したが、新型コロナウイルス感染拡大で需要は総じて低調だった。

 

海外事業
売上高91百万円(前年同期比65.7%増)、営業利益7百万円(前年同期は24百万円の損失)。ONE Tech社及びONE Tech Japan社とのサービス化企画・共同営業により、米日の様々な企業からAIやIoT(LoRa)を使った独自サービスの引き合い・受注が増加した他、複数のシリコンバレー日系企業からスタートアップ企業の要素技術を使ったPoCの受注が増加した。この他、CCPA施行に合わせて、StrongKey社のセキュリティサービスの営業展開も進めた。この結果、コロナ禍による厳しい事業環境ではあったが、単月黒字が定着してきた(前期下期以降、黒字を継続)。
尚、CCPAとは、California Consumer Privacy Actの略で、消費者に自身の個人情報の取扱いをコントロールする権利を与えるためのカリフォルニアの州法。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

20年3月

20年9月

 

20年3月

20年9月

現預金

14,925

16,926

仕入債務

5,868

3,890

売上債権

13,883

10,962

未払金・未払費用

1,858

1,797

たな卸資産

1,126

783

未払法人税

1,430

1,247

流動資産

30,840

29,984

賞与引当金

1,239

1,079

有形固定資産

836

866

有利子負債

1,550

1,550

無形固定資産

303

310

負債

13,000

10,464

投資その他

3,976

3,768

純資産

22,955

24,465

固定資産

5,115

4,945

負債・純資産合計

35,956

34,930

* 単位:百万円

 

第2四半期末の総資産は前期末の比較で10.2億円減の349.3億円。運転資金の減少で売上債権が減少する一方、現預金が増加した。負債・純資産では、仕入債務等が減少する一方、純資産が増加した。自己資本比率69.1%(前期末63.0%)。

 

キャッシュ・フロー

 

20/3期 上期

21/3期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

1,666

3,774

+2,108

+126.5%

投資キャッシュ・フロー(B)

-363

-1,201

-838

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

1,303

2,573

+1,270

+97.5%

財務キャッシュ・フロー

-926

-976

-50

-

現金及び現金同等物期末残高

14,544

16,808

+2,264

+15.6%

* 単位:百万円

 

税前利益37.2億円、法人税等の支払い△12.9億円等で37.7億円の営業CFを確保した。投資CFは有形無形固定資産の取得や定期預金の増加及び投資有価証券の取得等によるもので、財務CFは配当金の支払い等による。

 

3.2021年3月期業績予想

3-1 連結業績

 

20/3期 実績

構成比

21/3期 予想

構成比

前期比

売上高

64,552

100.0%

62,227

100.0%

-3.6%

営業利益

8,163

12.6%

7,634

12.3%

-6.5%

経常利益

7,871

12.2%

7,370

11.8%

-6.4%

親会社株主帰属利益

5,471

8.5%

4,967

8.0%

-9.2%

* 単位:百万円

 

前期比3.6%の減収、同6.5%の営業減益予想
通期業績予想に変更はなかった。下期は、新卒社員の戦力化等でソリューションデザイン事業が伸び、先延ばしとなったプロジェクトが始動するフレームワークデザイン事業も増収に転じる見込み。一方、上期に高付加価値案件の受注が好調だったITサービスは保守的な見通しにとどまっている。ソリューションデザイン事業やフレームワークデザイン事業は稼働率の向上で収益性の改善も進む見込み。

 

期末配当は、1株当たり10円を予定しており、第2四半期末配当と合わせて年20円となる。

 

3-2 セグメント別見通しと取組み

 

20/3期

構成比・利益率

21/3期

構成比・利益率

前年同期比

ソリューションデザイン

22,914

35.5%

24,059

38.7%

+5.0%

フレームワークデザイン

5,771

8.9%

5,667

9.1%

-1.8%

ITサービス

8,650

13.4%

9,282

14.9%

+7.3%

ソリューション営業

25,887

40.1%

22,000

35.4%

-15.0%

クラウド

1,404

2.2%

1,327

2.1%

-5.5%

海外

147

0.2%

158

0.3%

+7.2%

投資育成

213

0.3%

334

0.5%

+56.5%

調整額

-437

-0.6%

-600

-1.0%

-

連結売上高

64,552

100.0%

62,227

100.0%

-3.6%

ソリューションデザイン

4,059

17.7%

4,106

17.1%

+1.1%

フレームワークデザイン

1,057

18.3%

1,010

17.8%

-4.5%

ITサービス

1,264

14.6%

1,116

12.0%

-11.7%

ソリューション営業

1,622

6.3%

1,199

5.5%

-26.1%

クラウド

209

14.9%

190

14.3%

-9.2%

海外

-16

-11.2%

-22

-13.9%

-

投資育成

-33

-15.7%

35

10.5%

+204.6%

調整額

-

-

-

連結営業利益

8,163

12.6%

7,634

12.3%

-6.5%

* 単位:百万円

 

ソリューションデザイン事業
売上高240.5億円(前期比5.0%増)、営業利益41.0億円(同1.1%増)。選択と集中により、付加価値の高い事業分野への創出を目指しており、施策として、成長分野への積極展開、トータルソリューションへのシフト及びサービス強化による新規開拓を挙げている。

 

成長分野への積極展開
「モビリティ」、「5G」、「GIGAスクール構想」、「AI」、「IoT」、「DX」等、成長分野での新規開拓に取り組む。

 

トータルソリューションへのシフト
企画から運用まで顧客のサービスを全行程で支援するトータルソリューションにシフトする。従来の、設計、開発、評価から、企画、運用にもサービス範囲を広げることで高付加価値化を図る。

 

サービス強化による新規開拓
OSS及びテレワーク関連のサービス提供や、アライアンスの強化による新規開拓に取り組む

 

フレームワークデザイン事業
売上高56.6億円(前期比1.8%減)、営業利益10.1億円(同4.5%減)。コロナ禍で市場動向が不透明ではあるが、既存事業の継続・横展開と新規事業でのサービス拡充に取り組む。加えて、営業方法の見直しも進める。

 

既存事業の継続・横展開
保険・金融システム、業務システム、基盤構築を軸としたプロジェクトの継続・横展開を進める。

 

DXをキーワードとした案件の積極受注
DXに伴う基幹システム刷新・基盤構築案件の受注に向けたノウハウ蓄積・営業ルートの確立に取り組む。

 

All Systena連携、メーカー代理店を軸とした新規事業の展開
RPA、AI、セキュリティ、クラウド、遠隔操作等、サービスの拡充と本部間・メーカー・代理店との連携強化により、ライセンス販売・導入支援サービスの受注拡大に取り組む。

 

緊急事態宣言(外出自粛)への対応
緊急事態宣言等の再発出に備え、時差出勤、シフト勤務、テレワーク及び遠隔サポートを推進する。対面営業(展示会・セミナー)からWeb営業(Webセミナー・会議)へのシフトを進める。

 

ITサービス事業
売上高92.8億円(前期比7.3%増)、営業利益11.1億円(同11.7%減)。施策として、高付加価値分野への経営資源シフト、新商材・新サービス拡充による新規開拓の強化及び顧客のビジネス影響に合わせたサービス提供を挙げている。

 

高付加価値分野への経営資源シフト
「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」といった人員動員型サービスの提供で培ったノウハウをもとに、付加価値の高い「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」、「DX関連サポート」、「クラウド導入・サポ―ト」といったサービス単位の請負型業務を展開し、より顧客のビジネス展開に直結したサービスに注力する。

 

新商材・新サービス拡充による新規開拓の強化
新たな市場、ニーズに対応した商材を強化とインサイトセールス等の活用により、サービスの創出・展開を促進し顧客数と売上の拡大を図る。また、テレワーク推進等のソリューションを提供するべく、各ベンダーとのアライアンスにも力を入れる。

 

顧客のビジネス影響に合わせたサービス提供
世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワーク促進。従来の常駐型中心のワークスタイルからリモートでのサービス提供も含め柔軟に対応できる体制を構築する。

 

ソリューション営業
売上高220.0億円(前期比15.0%減)、営業利益11.9億円(同26.1%減)。上期はWindows7のサポート終了に伴う特需が終息する中、コロナ禍で営業活動の縮小を余儀なくされ、強い逆風下でのスタートとなった。ただ、顧客基盤は拡大しており、この顧客基盤を活かし既存事業の拡大に取り組むと共に、成長分野への展開を進める。

 

ソリューション領域拡大への投資
サービスメニューの拡充に取り組むと共に、プロフィット部門への営業展開を進める。

 

ハイブリッド環境への取り組み強化
ハイブリッド環境への対応とクラウドパートナーとのアライアンスを強化する。

 

サービスの拡販による収益力の強化
All Systenaの全てのサービスをワンストップで提供していく。

 

クラウド事業
売上高13.2億円(前期比5.5%減)、営業利益1.9億円(同9.2%減)。DXやテレワーク常態化に向けた業務改善、社内インフラ整備で引き合いが増加している。「Canbus.」を中心とした自社サービスへの積極的な先行投資を行い、事業の拡大を目指す。

 

「Canbus.」の認知度向上・販促強化に向けた先行投資
アライアンスを強化すると共に、Webプロモーションを通じたブランド戦略を推進する。

 

サービス強化に伴う先行投資
顧客満足度の向上を実現するべく、様々な業務を実現可能にする製品力強化とサポート力向上のための人材を強化する。

 

海外事業
売上高1.5億円(前期比7.2%増)、営業損失22百万円(前期は営業損失16百万円)。施策として、ONE Tech社及びONE Tech Japan社との協業によるAI・IoTサービスの販売拡大、米国日系製造業への技術支援及びStrongKey社製品の米国国内での販売強化を挙げている。

 

ONE Tech社及びONE Tech Japan社との協業によるAI・IoTサービスの販売拡大
サービスの導入実績がある業界へ横展開すると共に、ONE Tech社の独自AI「MicroAI」を用いた機械故障予測IoT(LoRa)ソリューションを展開する。

 

米国の日系製造業への技術支援
取引中の日系企業からの継続案件受注と新規PoC案件の獲得に注力すると共に、ベトナムオフショアを活用してコストダウンを図る。

 

StrongKey社製品の米国国内での販売強化
2020年7月施行のCCPAに合わせて、カリフォルニアにブランチのある企業を対象にセキュリティ商材の販売を強化する。

 

4.今後の注目点

上期は、コロナ禍による一部事業の売上減少や伸び悩み、テレワーク環境の整備コスト及び新卒社員の戦力化の遅れ等で減収・減益となった。通期予想に対する進捗率は、売上高47.1%(通期実績ベースの前年同期48.7%)、営業利益48.2%(同50.3%)、経常利益50.5%(同50.3%)、最終利益50.6%(同49.0%)。売上高と営業利益がわずかに前年同期の実績を下回っているが、リモート営業・テレワーク環境が整備されると共に、新卒社員の有償化の目途が立ったことで、巻き返しに向けた体制が整ってきた。下期は感染第3波が懸念されるものの、テレワーク関連サービス、RPA、AI、セキュリティ、クラウド、遠隔操作、更には利益率の高い自社プロダクツ等、コロナ禍を逆手に取った商材で攻勢をかける。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

9名、うち社外2名

監査役

4名、うち社外4名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年06月24日)
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-3-3 最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立】
当社は創業者でありオーナー経営者でもある代表取締役会長が最高経営責任者として経営の大きな方向性の舵取り行い、代表取締役社長が最高執行責任者として業績等の適切な評価をもって社内を統率する体制を取っております。加えて代表取締役はいずれも独立役員の要件を満たした6名(社外取締役2名と社外監査役4名)の社外役員から牽制を受ける体制になっており、代表取締役を解任するような事態が生じた場合は独立役員からの提言をもとに取締役会にて議論のうえ、決定することで対処できると考えております。このため、現在のところ取締役会は最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立を行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

【補充原則4-10-1 任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会の設置】
当社の取締役9名のうち独立社外取締役は2名であり、取締役会の過半数には達しておりませんが、社外監査役4名とともに社外役員6名全員が東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、各々の独立役員が専門的な知見と豊富な経験を活かし、取締役会における特に重要な事項の審議に当たり、積極的に意見を述べるとともに、適時適切な助言が行われているため、現在のところ、独立した諮問委員会の設置は行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【補充原則4-11-3 取締役会全体の実効性についての分析・評価、その結果の概要】
当社の取締役会は13名で構成され、うち6名が社外取締役または社外監査役かつ東京証券取引所の定めに基づく独立役員であります。取締役会の実効性についての分析・評価を行うにあたり、「取締役会評価のためのアンケート」を用いて、取締役および監査役全員による取締役会の構成及び運営について自己評価を実施するとともに、社外取締役2名および社外監査役4名による社外役員ミーティングでこのアンケート分析結果に対する討議を行いました。アンケートによる自己評価の分析結果および社外役員ミーティングでの討議の結果、当社の取締役会は役員それぞれの知識、経験等を活かし中長期的視点からの継続的成長と株主価値向上に資する議論がなされており、経営の監督に十分な議論が行われていることが確認できましたので、これをもって当社取締役会の実効性は確保されているものと評価いたしました。当社は原則として、取締役および監査役による自己評価を参考にしつつ、取締役会全体の実効性についての分析・評価を毎年実施し、実効性を維持するとともに効果的な議論がなされるよう更なる改善を進めてまいります。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
 当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。https://www.systena.co.jp/ir/management/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

 

 

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