ブリッジレポート
(7199) プレミアグループ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(7199)プレミアグループ 2021年3月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

柴田 洋一 社長

プレミアグループ株式会社(7199)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他金融

代表者

柴田 洋一

所在地

東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー

決算月

3月

HP

https://www.premium-group.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,087円

12,760,588株

26,631百万円

27.4%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

45.00円

2.2%

148.38円

14.1倍

411.21円

5.1倍

*株価は11/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移(IFRS)

決算期

営業収益

税引前利益

当期純利益

親会社所有者帰属利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

7,900

1,297

848

847

70.56

-

2018年3月(実)

9,065

1,979

1,293

1,293

107.44

85.00

2019年3月(実)

10,759

2,097

1,391

1,388

113.08

85.00

2020年3月(実)

14,016

2,604

1,452

1,466

112.33

44.00

2021年3月(予)

17,140

2,865

1,891

1,894

148.38

45.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2017年8月、1株を100株に分割。2019年4月、1株を2株に分割(EPSを遡及修正)。

 

プレミアグループ(株)の2021年3月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期第2四半期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.今後の注目点
参考:ESG・SDGsに対する取組み
参考:コーポレート・ガバナンスについて

 

今回のポイント

  • 21/3期上期は営業収益が前年同期比26.0%増加したものの、一過性の要因で税引前利益は同34.4%減少。前年同期は会計上の変更に伴う収益の計上等、一過性の利益押し上げ要因が19.2億円あったが、この上期は5.4億円に減少した。この要因を除く本業にかかる税引前利益は同29.3%増。取扱高は、国内トップの市場シェアを有する故障保証事業がほぼ前年同期並みを維持したものの、ファイナンス事業は営業自粛の影響や前年同期の消費税率引き上げ特需の反動で同15.5%減。BSにストックされている将来収益は280.0億円(前年同期は240.2億円)。

     

  • 通期予想に変更はなく、営業収益171.4億円(前期比22.3%増)、税引前利益28.6億円(同10.0%増)。通期予想に対する進捗率は、営業収益48.9%、税引前利益69.8%と、収益・利益共に順調に推移している。下期のマーケット成長率は前年比マイナスの見込みだが、同社は前年同期と同水準の取扱高を想定しており、更なる上積みを目指していく。期末配当は1株当たり22.5円を予定しており、上期末配当22.5円と合わせて年45.0円(前年同期は44.0円)となる見込み。

     

  • 上期はコロナ禍の逆風が吹く中でマネジメント力の高さを示した。2Q(7-9月)は新車登録台数や中古車登録台数が回復傾向を示す中、同社の取扱高は前年同期比22.6%減と1Qの11.6%減から悪化したが、シェアを伸ばす時期ではないと考え、利益を確保することを優先した結果である。実際に、1Qは約110件の延滞債権・支払猶予債権が発生したが、2Qは27件に減少し、債権の粗利率(管理会計上の利益)も改善した。下期は、債権の質を維持しつつ前年同期と同水準の取扱高を目指している。提携銀行を増やし、キャッシュポジションも高い位置をキープする等、体制は整っている。収益の上積みに期待したい。

     

     

1.会社概要

ファイナンス事業(クレジット、サービサー、リース)、故障保証事業、及びオートモビリティサービス事業(自動車整備、ソフトウェア販売、部品販売)、の3つの事業をグループで手掛けている。日本を中心に、タイ、インドネシア、タンザニア、ロシアにも展開しており、同社は持株会社としてグループの経営管理及びそれに付帯又は関連する業務等を行っている。

 

グループ企業は、ファイナンス事業の中核企業であるプレミア(株)、故障保証事業の中核企業であるプレミアワランティサービス(株)、オートモビリティサービス事業の中核企業であるプレミアモビリティサービス(株)をはじめ、国内外に15社以上の子会社を保持。。

 

【ミッションと経営方針】

同社グループは、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」、「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」をミッションとして掲げ、その具現化と、将来にわたりミッションを継承する人財の育成の両立により、企業価値の中長期的な向上を図っていく事を経営方針としている。

 

1-1 事業内容

中古車小売店等に対して、グループで「オートクレジット」、「故障保証(ワランティ)」、「自動車整備サービス(自動車の検査及び故障修理)」、「ソフトウェア(自動車整備システム)の開発・販売」等を提供しており、現地法人を通じてタイ及びインドネシアでもオートファイナンスや故障保証事業等を展開している。事業セグメントは「クレジット関連事業」の単一セグメントだが、サービス別に「ファイナンス事業」、「故障保証事業」、「その他事業(オートモビリティ事業、海外事業等)」の3事業に区分して収益の状況を開示している。

 

 

ファイナンス事業
主要子会社であるプレミア(株)の事業領域であり、自動車購入に伴う融資(オートクレジット)を中心に、太陽光発電システム等の購入に伴う融資(エコロジークレジット)等も取り扱っている。クレジット債権の大半は銀行との提携ローン(提携ローン方式:後述)のためオフバランス(貸借対照表に記載されない)。個人事業主が法人名義で購入するケース等では、個人を対象とする提携ローンが使えないため同社の自己資金を使い、自社債権としてオンバランスされる。この場合、「立替払方式」として、形式上「提携ローン方式」と区別しているが、クレジット利用者が払う分割払手数料及び同社の調達コスト控除利益は同額。
尚、貸借対照表の貸方に計上される金融保証契約がクレジット事業の将来収益(未実現収益)を表しており、回収すると営業収益として計上される。

 

提携銀行は、住信SBIネット銀行(株)、オリックス銀行(株)、楽天銀行(株)、GMOあおぞらネット銀行(株)の4行。「提携ローン方式」では、同社がクレジット利用者の審査を行い、クレジット代金・販売促進費を加盟店に支払い、その約10日後に提携銀行からクレジット代金を受け取る。同社は、ローンの連帯保証人となり、ローンの回収を代行し、分割手数料と共にクレジット利用者から受け取る。債権については、大半の債権に損害保険をかけているため、貸し倒れが生じた場合は、対象債権が保険でカバーされ同社に損失は生じない。このため、保険料を毎期営業費用に計上しており、保険料は貸倒状況によって変化する。

 

 

故障保証事業
同社グループが提供する故障保証とは、クレジット利用者が同社グループの提携先販売店(中古車小売店等)を通じて自動車を購入し、一定の保証料を前払いする事で、購入した自動車に故障が発生した際、予め定めた保証の提供範囲内において、無償で修理が受けられるサービス。提携先販売店が故障保証商品を同社から仕入れて、自動車購入者に販売する。故障保証は、故障車両の走行距離、経過年数及び修理内容といったデータを蓄積し分析する事で、より適切な故障保証商品の設計やプライシングが可能になる。同社グループは、プレミアワランティサービス(株)が保有する約100万台の故障保証契約台数(累計)をはじめとする修理ビッグデータの蓄積によって高精度の商品設計とプライシングを実現している。
尚、損害保険会社が提供する保険は事故等に対応するものだが、故障保証で保証されるのは自然故障。保証部位は最大397項目にのぼり、約1,000種類の商品を提供している。故障保証は中古車購入に対する不安を払拭するもので、保証期間に基づく保証料(故障保証代金)を前金で一括して受け取る。

 

故障保証商品は、自社ブランドの「プレミアの故障保証」「EGS保証」、これらをカスタマイズした「OEM商品」に分かれる。OEM商品は、(株)リクルートマーケティングパートナーズが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」を利用する提携先が「カーセンサー」に掲載した車両に付保される「カーセンサーアフター保証」と、中堅~大手中古車ディーラー向けに対応車種や対応保証範囲をカスタマイズした(5類型、約1,000種類の商品を提供)その他OEM商品に分かれる。

 

修理対応力については、修理の受付対応等を行うコールセンターへ整備士の資格を有する社員を配置し、契約者や整備工場と直接対応する体制を整えている。このため、故障保証の適用にあたって正確かつ迅速な対応が可能であり、契約者の安心感につながっている。また、故障保証の適切な適用や、リサイクル・リビルド部品の利用、直営の整備工場の保有、FAINESの閲覧等を通じて、修理コストの削減及び不必要な修理の未然防止を可能にしている(FAINESとは、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が整備事業者に対して提供する、整備マニュアルや故障整備事例等の情報データベース)。

 

2.2021年3月期第2四半期決算概要

2-1 上期連結業績(IFRS)

 

20/3期 上期

21/3期 上期

前年同期比

営業収益

6,659

8,386

+26.0%

その他収益

2,095

625

-70.2%

営業費用

5,742

6,944

+20.9%

税引前利益

3,052

2,001

-34.4%

親会社所有者帰属利益

1,845

1,313

-28.8%

* 単位:百万円

 

前年同期比26.0%の増収ながら、営業費用の増加で税引前利益が同34.4%減少
営業収益は前年同期比26.0%増の83.8億円。ストック(将来収益)の戻し入れによりファイナンス事業(同27.4%増)及び故障保証事業(同9.1%増)が増加する中、オートモビリティサービス事業(自動車整備・ソフトウェア販売・部品販売)が2.1倍に拡大した。

 

税引前利益は同34.4%減の20.0億円。一過性の損益が前年同期の19.2億円から5.4億円に減少する一方、子会社の増加等で営業費用が前年同期の57.4億円から69.4億円に増加した。ただし、一過性の要因を除く本業にかかる税引前利益は同29.3%増の14.5億円(前年同期は11.2億円)と順調に増加している。

 

 

一過性の損益

20/3期 上期

21/3期 上期

会計上の変更等

2,055

負ののれん

594

デリバティブ評価益

101

デリバティブ評価益

2

先行投資費用

-144

マスク等の寄付

-30

ECL過年度分変動損益

-87

本社移転費用

-22

合計

1,925

合計

545

* 単位:百万円

 

 

営業費用の内訳

 

20/3期 上期

21/3期 上期

前年同期比

増加要因

支払保証料

853

981

+15.0%

クレジット取扱高の増加(債権残高の増加)

故障保証原価

1,222

1,359

+11.2%

故障保証事業の拡大

人件費

1,561

2,010

+28.8%

2Q末社員数596名(前2Q末比132名増)

使用権資産減価償却費

186

353

+89.8%

本社移転に伴う賃料の増加

システム運営費・業務委託料

433

525

+21.2%

-

支払手数料

367

416

+13.4%

-

租税公課

235

347

+47.7%

-

その他経費

884

1,168

+32.1%

今期より部品原価(1.5億円)を計上

買取債権減損損益

-

-216

-

今期よりサービサーにかかる費用を計上

営業費用合計

5,742

6,944

+20.9%

 

* 単位:百万円

 

人件費以下の各費用項目の増加は、子会社の増加に伴うもの。3社のグループインにより販管費が20.9%(約4.3億円)増加したが、3社除く販管費は前年同期比13.4%の増加にとどまる。

 

 

2-2 事業別動向

営業収益の内訳

 

20/3期 上期

構成比

21/3期 上期

構成比

前年同期比

ファイナンス事業

4,588

68.9%

5,843

69.7%

+27.4%

故障保証事業

1,784

26.8%

1,945

23.2%

+9.1%

オートモビリティサービス事業

287

4.3%

598

7.1%

+108.3%

営業収益合計

6,659

100.0%

8,386

100.0%

+26.0%

* 単位:百万円

 

ファイナンス事業
取扱高
取扱高は778億円と前年同期比15.5%減少し、想定していた同13.9%から下振れした。取扱高の減少は内部要因と外部要因があり、内部要因は、コロナ禍による営業自粛からの回復が遅れたこと、及び債権内容の「質」を重視して、審査レベルを落とさず、収益率(粗利額:管理会計上の利益)の維持・向上に努めたこと。外部要因は、新車登録台数の落ち込みによる中古車卸売相場の高騰が中古車小売に影響したこと、及び前年同期は消費税率引き上げ等の特殊要因があったこと。
特殊要因を除く取扱高は同0.9%減と前年同期並み。尚、「質」を重視した審査により、クレジット粗利(管理会計上の利益)は取扱高の減少率同15.5%を下回る同14.4%にとどまった。

 

引き続き、債権内容の「質」を重視した審査を継続する他、契約書ペーパレス化、自動審査の高度化、更には加盟店向けポータルサイトのリリース等、DXを推進する。また、自動車販売店向け会員制サービス「PFS Premium Club」(有料)の会員募集を開始した。今期末の会員店舗数の目標を100店としており、新たなマネタイズ確立を目指している。

 

クレジット債権残高
第2四半期末のクレジット債権残高は前年同期末比14.5%増の3,336億円。取扱高の落込みにより債権残高の伸びが鈍化する中、コロナ禍での裁判所の業務停止(4-5月)により長期延滞債権の回収活動に遅れが生じたため、延滞債権残高率が0.92%と前年同期の0.83%から上昇した。今期グループインした中央債権回収(株)と共同で回収業務を行っている。

 

クレジット加盟店社数
第2四半期末のクレジット加盟店社数は前年同期末比9.5%増の23,322社。毎期10%前後増加しており、コロナ禍でもこのペースを維持した。営業自粛の影響で第2四半期累計(4-9月)の新規加盟店契約社数は同22.8%減少したが、新規加盟店の開拓を再開した第2四半期(7-9月)は同42.7%増と巻き返した。
下期は、新規開拓よりも新規加盟店の稼働促進に軸足を移す。一方、既存加盟店については複合取引提案を継続していく。また、コンタクトセンター(アウトバウンド営業)による未稼働先への稼働促進を並行して進めていく。この他、各種サービスの一元提供による加盟店の利便性向上を目的に、加盟店向けポータルサイト「P-Gate」をリリースした。

 

故障保証事業
取扱高は前年同期比0.1%減の22.4億円。ファイナンス事業と同様に、新車供給量の減少による中古車卸売相場高騰が中古車小売に影響したことや前年同期の消費増税特需といった外部要因に加え、コロナ禍による営業活動自粛からの回復の遅れもあったが、圧倒的なシェアを強みに小幅な減少にとどまった。特殊要因を除く前年同期比は7.8%増。会社別では、EGSの取扱高が4.9億円と同5.7%増加したものの、プレミアの取扱高が17.5億円と同1.7%減少した。
引き続きクレジット等、他商材とのクロスセルにより、加盟店に対する複合的なサービス展開を進めていく。この他、加盟店やユーザーの商品理解・認知度向上のため、商品説明動画を用いた営業を開始した他、会員数の拡大に向け、自動車販売店向け会員制サービス「PFS Premium Club」にて限定プランの展開を予定している。

 

統括子会社プレミアワランティサービス(株)を設立
故障保証事業を展開する国内外のグループ会社を統括するプレミアワランティサービス(株)を設立した。プレミアグループ(株)の傘下に、プレミア(株)が統括するファイナンスビジネス、プレミアモビリティサービス(株)が統括するモビリティサービスビジネス、及びプレミアワランティサービス(株)が統括する故障保証、の3つのユニットによる事業体制が整った。3社がリンクすることで相互に活性化しながらビジネスを推進していく。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

20年3月

20年9月

 

20年3月

20年9月

現金及び現金同等物

6,286

9,468

金融保証契約

22,063

23,088

金融債権

20,011

21,554

借入金

16,421

19,618

その他の金融資産

6,408

7,905

その他の金融負債

6,340

5,488

有形固定資産

3,092

3,464

未払法人所得税

386

561

無形資産

5,950

5,950

その他の負債

5,999

6,591

のれん

3,958

3,958

負債合計

52,891

57,114

持分法投資

1,224

1,262

親会社所有者帰属持分

5,242

6,320

保険資産

2,965

3,334

資本合計

5,312

6,397

資産合計

58,203

63,541

負債・純資産合計

58,203

63,541

* 単位:百万円

 

事業の拡大で第2四半期末の総資産は635.4億円と前期末との比較で53.3億円増加した。将来収益(繰延収益)は前年同期末比16.5%増の280.0億円(前年同期末240億円、前期末263.9億円)。内訳は、クレジット230.9億円、故障保証47.1億円、その他2.0億円。
尚、9月にGMOあおぞらネット銀行(株)とオートクレジットに係る提携ローン契約を締結した。同行は4行目の提携銀行。安定的な資金調達と共に、資金調達コストの削減、金利変動のリスクヘッジ、商品力の強化等が期待される。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

20/3期 上期

21/3期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-2,968

1,771

+4,739

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-821

-749

+72

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-3,789

1,022

+4,811

-

財務キャッシュ・フロー

4,389

2,160

-2,229

-50.8%

現金及び現金同等物期末残高

6,787

9,468

+2,681

+39.5%

* 単位:百万円

 

取扱高の伸びが鈍化したことによる運転資金の減少で17.7億円の営業CFを確保した。投資CFは有形・無形固定資産の取得等によるもので、財務CFは借入金の借入及び返済や配当金の支払い等による。

 

 

2-4 外部環境と同社の状況

 

第1四半期

第2四半期

外部環境

新車登録台数

-31.8%

-17.2%

中古車登録台数

-8.2%

+1.6%

同社状況

オートクレジット取扱高

-11.6%

-22.6%

オートクレジット粗利率

+8.4%

+22.3%

支払猶予債権(発生件数/発生金額)

110件/172百万円

27件/37百万円

キャッシュポジション

(2020年9月末現在)

現金及び現金同等物

10,236百万円

9,468百万円

短期借入枠

13,000百万円

13,000百万円

内部留保

(2020年9月末現在)

利益剰余金

4,090百万円

4,620百万円

将来収益

27,161百万円

27,994百万円

 

 

3.2021年3月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

20/3期 実績

構成比

21/3期 予想

構成比

前期比

営業収益

14,016

100.0%

17,140

100.0%

+22.3%

税引前利益

2,604

18.6%

2,865

16.7%

+10.0%

当期純利益

1,452

10.4%

1,891

11.0%

+30.2%

親会社所有者帰属利益

1,466

10.5%

1,894

11.1%

+29.3%

 

通期予想に変更はなく、営業収益171.4億円(前期比22.3%増)、税引前利益28.6億円(同10.0%増)
通期予想に対する進捗率は、営業収益48.9%、税引前利益69.8%と、収益・利益共に順調に推移している。下期のマーケット成長率は前年比マイナスの見込みだが、同社は前年同期と同水準の取扱高を想定しており、更なる上積みを目指していく。

 

営業収益は将来収益(繰延収益)の実現と、2020 年4月に連結子会社化した中央債権回収(株)の寄与により、171.4億円と前期比22.3%増加する見込み。利益面では、子会社の増加に伴う人件費の増加等を織り込んだものの、中央債権回収(株)の買収に伴う、負ののれん発生益の計上や取扱高の減少に連動した営業費用の減少が見込まれて最終利益が18.9億円と同29.3%増加する見込み。

 

期末配当は1株当たり22.5円を予定しており、上期末配当22.5円と合わせて年45.0円となる見込み。

 

3-2 21/3期経営方針

コロナ禍が収束せず、自動車マーケットの大きな伸長が望めないことを前提に今期方針を策定している。このため、既存事業の見通しは保守的だが、中計戦略への投資は慎重な判断のもと継続して実施してく。

 

同社はリスクとして、(1)オートクレジット・故障保証の取扱高減少、(2)性急なシェア拡大の追求による利益率低下・延滞債権増加、(3)不景気による延滞債権増加、及び(4)社内でのウイルス蔓延・クラスターの発生、を挙げている。
(1)オートクレジット・故障保証の取扱高減少への対策として、全商品のWeb申込システム導入、契約書のペーパレス化、加盟店専用ポータルサイト開設等、加盟店向けサービスのDX化を推進する。(2)性急なシェア拡大の追求による利益率低下・延滞債権増加及び(3)不景気による延滞債権増加に対しては、量(シェア)より質(利益・良質債権)を重視する方針の下、クレジット審査力、並びに連結子会社である中央債権回収(株)とのシナジーによる債権回収力を強化する。(4)社内でのウイルス蔓延・クラスターの発生対策としては、社内レイアウトの変更やサテライトオフィスの整備を進めると共に、業務環境のDX化(ペーパレス、印鑑レス、在宅勤務環境の整備等)を進めている。

 

また、中計戦略として、オートモビリティサービスの早期確立にも取り組んでいる。具体的には、会員制サービス(整備工場向け会員制サービス「FIXMAN Club」、自動車販売店向け会員制サービス「PFS Premium Club」)の開始と早期拡充、故障保証のWeb申込・管理システム「グローバルワランティプラットフォーム」の開発、パーツ販売事業・車両流通事業の収益化、整備ネットワーク拡大による「FIX MAN」ブランド整備工場の全国展開、といった取組みを進めている。

 

4.今後の注目点

上期は、コロナ禍の逆風が吹く中でマネジメント力の高さを示した。景気悪化による延滞債権・支払猶予債権の増加リスクを念頭に質重視の営業を展開したため取扱高の伸びが鈍化した。特に第2四半期は、新車登録台数や中古車登録台数が回復傾向を示す中で、同社の取扱高は前年同期比22.6%減と第1四半期の11.6%減から悪化したが、今はシェアを伸ばす時期ではないとの考えから、利益確保を優先した結果である。実際、第1四半期に約110件の延滞債権・支払猶予債権が発生したが、第2四半期は27件に減少、粗利率も22.3ポイント改善し、第1四半期の8.4ポイントの改善を大きく上回った。
上期は、事業環境を踏まえて取扱高の伸びを抑え、収益性を高めることに成功したが、下期は、債権の質を維持しつつ前年同期と同水準の取扱高を目指している。提携銀行を増やし、キャッシュポジションも高い位置をキープする等、体制は整っている。収益の上積みに期待したい。

 

参考:ESG・SDGsに対する取組み

同社はESGに対する下記取組みを進めることでSDGsの達成を目指している。

 

E : 環境

資源循環型社会の実現に向け、3R+αビジネスを推進すると共に、太陽光発電の普及促進(ECOクレジット)やペーパレス化により脱炭素の取組みを進めていく。

 

3R+αビジネス

• リサイクルパーツビジネス(Recycle)

• リユースビジネス(Reuse)

• リデュースビジネス(Reduce)

• リペアビジネス(Repair)

 

 

S : 社会

人材育成、ダイバーシティの推進、働き方改革、人権尊重に取り組んでいく。

 

人材育成

• 研修会社設立による社員教育の内製化

• 若年層(新卒・第二新卒)の通年採用による就業機会提供

ダイバーシティの推進

• 女性活躍推進のプロジェクト「Lean in Premium」による啓蒙活動

• 若手管理職の積極登用、外国人の積極採用

働き方改革

• 各地でオフィス移転やレイアウト変更を行い、働きやすい空間・動線を創出

• 有休休暇の取得推進(年2回の長期休暇取得制度)

人権尊重

• 差別やハラスメントのない職場環境実現・事業活動推進のため、階層別の各種研修やコンプライアンス研修の実施

 

 

G : ガバナンス

リスクマネジメントの強化・徹底とコンプライアンスの徹底に加え、独立社外取締役が過半数を占める任意の指名報酬委員会の設置と持続的な企業価値向上のインセンティブとしての株式報酬制度の導入により、ガバナンスを強化する。

 

リスクマネジメント

• グループリスク管理委員会を設置し、海外子会社も含むグループ各社の事業リスクを分析・把握の上、適切に管理

• 事業継続計画(BCP)を定め、非常事態時の損害の最小化と中核事業の継続又は早期復旧を可能とする業務手順の整備、訓練、見直しを適時実施

コンプライアンス

• 行動規範に基づいた自発的な行動を促すため、個人情報保護やインサイダー取引防止など各種研修を実施

• 反社会的勢力排除についての基本方針及び諸規程を定め、厳格に運用

役員人事・報酬

• 独立社外取締役が過半数を占める、任意の指名報酬委員会を設置

• 持続的な企業価値向上のインセンティブのため、株式報酬制度を導入

 


 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

7名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外2名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年06月29日)

 

 

基本方針
(1) 株主の権利・平等性の確保
当社は、全ての株主に対して実質的な平等性を確保するため、積極的な情報開示や円滑な議決権行使ができる環境の整備等に努めております。
(2) 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社は、法令・定款の遵守をはじめとしたコンプライアンスの徹底を前提に、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、株主をはじめとする全てのステークホルダーとの協働が必要不可欠であると認識しております。ステークホルダーとの協働を実践するため、当社グループのミッション及びビジョンを定めるほか、代表取締役社長をはじめとする経営陣が自らの言葉で全従業員に対し直接説明を行う機会である「経営方針発表」を毎年開催し、経営陣が先頭に立って、ステークホルダーの権利や立場、企業論理を尊重する企業風土の醸成に努めております。
(3) 適切な情報開示と透明性の確保
当社は、ディスクロージャーポリシーに基づき、市場からの信頼と適切な評価を獲得するため、当社の経営方針や事業戦略、業績及び財務に関わる情報を、公平に、正確に、迅速に、分かりやすく、かつ積極的に提供することを基本方針としております。法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報であっても、株主や投資家の理解の助けになると当社が判断した情報については積極的に開示することとしております。また、情報の開示に当たっては、非財務情報も含め、正確で平易化かつ具体的な記述を行い、利用者にとって有用性の高い記載となるよう努めております。
(4) 取締役会等の責務
当社は、代表取締役社長をはじめとする経営陣や取締役に対する実効性の高い監督を行うとともに、経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、企業戦略等の大きな方向性を示し、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、収益力及び資本効率等の改善を図ってまいります。
(5) 株主との対話
当社は、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を果たすため、常日頃から株主と積極的な対話を行い、株主の意見や要望を適切に反映させ、株主とともに当社グループを成長させていくことが重要であると認識しております。このため当社では、代表取締役社長を中心とするIR体制を整備し、当社グループの経営戦略や経営計画に対する理解を得るため、株主や投資家との対話の場を設けることとしております。更に、株主や投資家からの意見が適宜取締役会に報告され、当社の経営にフィードバックされる体制を構築してまいります。

 

<開示している主な原則>
【原則5-1.株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話には合理的な範囲で前向きに対応してまいります。当社の株主との対話全般は、代表取締役社長が中心となり、面談を行う株主の所有株式数、規模等に応じ、主に代表取締役社長や取締役が対応しております。また、当社は実効性あるIR活動を実施するため、担当取締役が統括する広報・IR部門において実務を行っております。株主との対話を補助すべく、広報・IR部門と経営統括、コーポレート統括、総務、経理及び法務コンプライアンスの各部門が適宜連携する体制を整備しております。株主との対話に関する取組としては、決算説明会や当社ホームページにおける情報開示の実践等のほか、株主が当社グループの現状等に関する理解を深められるよう積極的にIR活動を展開しております。具体的には、機関投資家やアナリストとの対話について、状況に応じて機関投資家向け個別ミーティングやアナリスト説明会等を開催し、主に代表取締役社長又は取締役が直接対話を実施しております。また、個人投資家との対話の場として、証券会社等が主催する個人投資家向け会社説明会やオンラインセミナーに積極的に参加し、個人投資家の前で、代表取締役社長及び取締役が自らの言葉で当社グループの現状等について説明を行う機会を設けております。なお、個人投資家向けのIRイベントは、当社ホームページにおいてそのスケジュールを開示しております(http://ir.premium-group.co.jp/ja/calendar.html)。加えて、日本株市場で一定の取引量を持つ海外投資家に対しても、電話での個別ミーティングや英語翻訳資料の作成、英語版のホームページを通じた情報発信などを実施しております。また、当社は、株主との対話を通じて把握できた意見等について、広報・IR部門が取り纏め、必要に応じて取締役会に報告し、情報共有及び経営改善を図ることとしております。この他、対話に際してのインサイダー情報の管理について、インサイダー取引防止規程に基づき、未公開情報の厳格な管理を実施しております。

 

 

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