ブリッジレポート
(3747) 株式会社インタートレード

スタンダード

ブリッジレポート:(3747)インタートレード 2020年9月期決算

ブリッジレポートPDF

 

西本 一也 社長

株式会社インタートレード(3747)

 

 

企業情報

市場

東証2部

業種

情報・通信

代表者

西本 一也

所在地

東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル3階

決算月

9月

HP

https://www.itrade.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

480円

7,185,600株

3,449百万円

6..2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

2.74円

175.2倍

126.29円

3.8倍

*株価は12/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2017年9月(実)

2,017

-458

-459

-334

-

0.00

2018年9月(実)

1,892

-335

-334

-338

-

0.00

2019年9月(実)

1,791

-413

-411

-408

-

0.00

2020年9月(実)

2,195

19

-83

50

7.05

0.00

2021年9月(予)

2,391

149

58

19

2.74

-

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

(株)インタートレードの2020年9月期決算の概要と2021年9月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年9月期決算概要
3.2021年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/9期は前期比22.6%の増収、営業利益0.1億円(前期は4.1億円の損失)。通販部門の売却によりヘルスケア事業の売上が減少したものの、「Spider」を中心とする金融ソリューション事業及び経営統合管理プラットフォーム「G‐MAN@e²」を中心とするビジネスソリューション事業の売上が伸びた。利益面では、コスト削減が進む中、通販部門の売却によりヘルスケア事業の収益性が改善し、営業損益が4期ぶりに黒字転換。持分法投資損失の計上で経常損益は赤字となったが、特別利益の計上で最終黒字を確保した。

     

  • 21/9期予想は前期比8.9%の増収、営業利益1.4億円。受注済みの大口案件が売上計上される金融ソリューション事業が増収をけん引する。利益面では、「サイレントエストロゲン」の成分同定・作用機序の解明に取り組む(株)インタートレードヘルスケアの先行投資が続くものの、売上の増加で吸収して、営業利益は前期の0.1億円から1.4億円へ拡大。持分法投資損失を織り込んだものの、経常損益も黒字転換が見込まれる。

     

  • 20/9期は4期ぶりに営業損益が黒字転換し、21/9期は営業利益が拡大する見込み。成長軌道への回帰に向け、今後は、ブロックチェーン、AI、IoT、5G等の革新的な技術を「Spider」に取り込みサービスの範囲を広げていく考え。革新技術をあらゆる産業や社会に取り入れることで実現する新たな未来社会の姿「Society 5.0」や「Fintech」に積極的に関与していくことで、主力の金融分野を伸ばすと共に非金融分野で新たな需要を取り込んでいく。

     

1.会社概要

証券ディーリングシステム等の開発・保守を中心とする金融ソリューション事業を主力とし、グループ経営管理パッケージソフト等を手掛けるビジネスソリューション事業及びハナビラタケ関連のサプリメントや化粧品等の生産・販売を手掛けるヘルスケア事業を展開している。
グループは、同社の他、経営統合管理プラットフォーム「GroupMAN@IT e²」(ビジネスソリューション事業)の開発・保守等を手掛ける(株)ビーエス・ジェイ(出資比率66.7%)、ハナビラタケの生産・加工とハナビラタケ関連製品のカタログ通販やWeb通販を手掛ける(株)インタートレードヘルスケア(同100%)の連結子会社2社、暗号資産関連事業を手掛ける(株)デジタルアセットマーケッツ、JIA(7172)等との合弁会社で、フィンテック関連技術によるソリューションや製品・サービスの開発及び販売を行う(株)イーテア(出資比率21%)の持分法適用関連会社2社。

 

【経営理念】

・ お客様視点での行動
・ 好奇心と勇気
・ 迅速な判断と誠実な対応
・ 「人」と「人とのつながり」を大切に

 

「製品及びサービスの価値向上のため、勇気と情熱を持って挑戦する。そのためには、サービスを利用しているお客様と同じ視点、質の高い行動、迅速かつ誠実な対応が必要」というのが同社の考え。これにより真の信頼関係を築き、ハード、ソフト両面で本来のサービスを実現していく。「世界中のお客様が、私たちが作ったモニターを覗き込んでいる。モニターから、あらゆる国の様々な商品が取引できるようになり、世界中のニュース・情報がリアルタイムに表示され、投資のための分析・シミュレーション・資産管理をすることができる」。いつの日か、世界中のお客様と今まで歩んできた歴史を語り合う、それが同社の夢だ。

 

【1-1 事業概要】

事業は、証券会社等を顧客とし証券業務向けフロントパッケージシステムの設計・開発・販売を手掛ける金融ソリューション事業、一般事業会社を顧客とし法人向けパッケージシステムの設計・開発・販売を手掛けるビジネスソリューション事業、消費者に対してサプリメント等の健康商材や化粧品の開発・販売及び健康関連商品の仕入販売を行うヘルスケア事業。
20/9期の売上構成比は、金融ソリューション事業73%(19/9期70%)、ビジネスソリューション事業18%(同14%)、ヘルスケア事業9%(同16%)。

 

金融ソリューション事業
東京証券取引所の総合取引参加者に導入されている証券ディーリングシステム「Prospect」、外国為替証拠金取引システム「fortissimo」、取引所外取引システム「ITMonster」に加えarrowhead、ToSTNeT、J-GATEなど各取引所との接続システム「J1」、アルゴリズムプログラム等の売買執行シミュレーションとチューニングが可能な「MEX&MSRⅢ」、トレーディングシステム上で、リアルタイム系、チャート系、ヒストリカル分析系などインテリジェンストレーディングに必要な様々な情報を提供する「DPSS」、この他、ミドルウェアや通信ソフト等の設計・開発・販売を行っている。

 

近年では上記のプロダクトのノウハウを活かし、かつブロックチェーン技術を活用したソリューション「Spider」に力を入れている。「Spider」は、同社が設立から20年間に渡り提供してきた複数の金融商品取引業務向けパッケージシステムの機能をコンポーネント化してライブラリとして整備し、必要な機能(コンポーネント)をピックアップ、或いは融合させる事で、ユーザの業務に沿ったシステムを構築する事ができる。
「Spider」はLINE証券株式会社(東京都品川区、代表取締役Co-CEO:落合紀貴・米永吉和)が提供する「LINE」上で取引ができるスマホ投資サービス「LINE証券」に導入されている。今後、あらゆる金融関連業務に対応可能なライブラリ型ソリューション「Spider」を軸として、金融機関や事業会社のビジネス拡大に貢献していく考え。

 

ビジネスソリューション事業
自社開発の経営統合管理プラットフォーム「Gr-MAN@IT e²」及び「Gadics MAN@IT」を中心としたパッケージサービス、保守・運用中心のシステムエンジニア派遣サービス(SES:System Engineering Service)、及びシステムの設計・開発・構築やマルチベンダー・マルチプロダクト・マルチビジネスを特徴とするシステム総合支援サービス等を行うサポートセンターサービスを3本柱とし安定収益の確保を目指している。連結子会社(株)ビーエス・ジェイが「e²」の開発・保守等を手掛けている。

 

企業は、会計、人事/給与、設備、資材等の複数の業務システムを導入しているが、業務毎にベンダーが異なるケースや同じ業務でも、親会社と子会社でベンダーが異なるケースが多い。この場合、企業内やグループ内で経営情報の統合管理、言い換えると、各システムのデータ連携によるグループ全体の経営分析ができず、多くの企業が高価な投資が必要な連携用のシステムを別途構築している(大手システム会社は自社製でないシステムと自社システムの接続に対して非常に消極的)。これに対して、「GroupMAN@IT e²」は柔軟性の高いインターフェイス「FLEX I/O」を備えているため、ベンダーやシステムが異なる場合でも、データ連携が可能だ。
一方、「Gadics MAN@IT」は機能ではなく、「バーチャルエンジニア」として低価格でパソコン等の運用管理を、「収集」、「判断」、「実施」、「確認」の4つの視点からクラウドベースでサポートする。

 

ヘルスケア事業
ハナビラタケの栽培から手掛け、自社ブランドのハナビラタケ関連製品(サプリメント、健康食品、化粧品)の販売、OEM供給、ハナビラタケ由来成分を使った化粧品原料販売等を国内外で展開している。(株)インタートレードがマーケティングを含めて事業全般を統括し、(株)インタートレードヘルスケアがハナビラタケの生産・加工、ハナビラタケ関連製品のWeb通販を手掛けている。また、研究により、ハナビラタケ由来成分の免疫賦活機能について科学的根拠に基づくエビデンス取得にも取り組んでいる。尚、2013年に実施したヒト臨床試験において、ハナビラタケ「LB-Scr」の、Ⅱ型糖尿病、Ⅰ型アレルギー性疾患、及び肝機能指標(γ-GTP、GOT、GPT)への有効性や肌質変化への有効性が確認されている事に加え、有害事象等の検証により、安全で副作用がない事も確認されている。

 

尚、ヘルスケア事業は、景気に左右されやすい主力のシステム分野と一線を画し、リスク分散としての他業種での収益確保を目指している。そして、生産から加工、販売、研究を自社グループ内で一貫して行う事で安全性を担保している。

2.2020年9月期決算概要

2-1 連結業績

 

19/9期

構成比

20/9期

構成比

前期比

予想

予想比

売上高

1,791

100.0%

2,195

100.0%

+22.6%

2,450

-10.4%

売上総利益

647

36.2%

631

28.7%

-2.6%

- 

-

販管費

1,060

59.2%

611

27.9%

-42.3%

- 

-

営業利益

-413

-

19

0.9%

-

17

+13.8%

経常利益

-411

-

-83

-

-

-60

-

親会社株主帰属利益

-408

-

50

2.3%

-

-24

-

* 単位:百万円

 

営業損益が黒字転換
売上高は前期比22.6%増の21.9億円。通販部門売却の影響でヘルスケア事業の売上が同34.2%減少したものの、主力の金融ソリューション事業が「Spider」の受注で同28.6%増、ビジネスソリューション事業も「G‐MAN@e²」の大規模拡張案件の受注で同59.7%増と、それぞれ伸びた。

 

利益面では、開発の効率化や内製化によるコスト削減の進展に加え、通販部門の売却によるヘルスケア事業の収益性改善もあり、営業損益が黒字転換した。助成金収入の減少と持分法損益の悪化で経常損失となったものの、持分変動益1.0億円等を特別利益に計上したことで0.5億円の最終利益を確保した。

 

予想との比較では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で商談が長期化し、計画通りの受注に至らなかったことや、ヘルスケア事業において、連結子会社である(株)インタートレードヘルスケアの通販部門を売却したことが影響し、売上が予想を下回った。一方、利益面では、想定以上にコスト削減が進んだこと、及び不採算だった通販部門の売却により、営業利益が上振れした。持分法適用会社である(株)デジタルアセットマーケッツの持分法投資損失(1.0億円)を計上したことで経常損失が予想を上回ったが、(株)デジタルアセットマーケッツの第三者割当増資に伴う持分変動利益(1.0億円)を計上したため、最終損益は大幅に上振れした。

 

 

2-2 セグメント別動向

 

19/9期

構成比・利益率

20/9期

構成比・利益率

前期比

金融ソリューション

1,251

69.9%

1,609

73.3%

+28.6%

ビジネスソリューション

246

13.8%

393

17.9%

+59.7%

ヘルスケア

293

16.4%

193

8.8%

-34.2%

連結売上高

1,791

100.0%

2,195

100.0%

+22.6%

金融ソリューション

20

1.6%

369

23.0%

+1,737.7%

ビジネスソリューション

18

7.7%

52

13.3%

+175.6%

ヘルスケア

-167

-

-118

-

-

調整額

-284

-

-283

-

-

連結営業利益

-413

-

19

0.9%

-

* 単位:百万円

 

金融ソリューション事業
売上高16.0億円(前期比28.6%増)、セグメント利益3.6億円(前期は0.2億円)。資本増強に伴い連結子会社から持分法適用会社に変更された(株)デジタルアセットマーケッツから、社内で研究開発を進めてきた「Spider」を受注したことで売上・利益が増加した。

 

ビジネスソリューション事業
売上高3.9億円(前期比59.7%増)、セグメント利益0.5億円(前期は0.1億円)。経営戦略等の意思決定に必要なデータマネジメントに有効なプロダクト「G-MAN@ e²」の大規模拡張案件を受注したことで売上が大きく伸びた。利益面では、売上の増加に加え、利益率の高い案件が多かったことで利益率が改善した。

 

ヘルスケア事業
売上高1.9億円(前期比34.2%減)、セグメント損失1.1億円(前期は1.6億円の損失)。同社が生産するサイレント型エストロゲン活性を有する「ITはなびらたけ」関連の、商品、OEM、原料販売等に経営資源を集中させるべく、(株)インタートレードヘルスケアの通販部門を売却したため売上が減少したが、不採算部門を売却したことでセグメント損失が減少した。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年9月

20年9月

 

19年9月

20年9月

現預金

693

527

前受金

72

133

売上債権

203

393

短期有利子負債

319

200

流動資産

1,032

1,034

流動負債

469

486

有形固定資産

26

42

固定負債

3

24

投資その他

154

332

純資産

754

909

固定資産

195

385

負債・純資産合計

1,228

1,420

* 単位:百万円

 

期末総資産は前期末との比較で1.9億円増の14.2億円。売上の増加に伴う売上債権の増加や、増資による連結子会社の持分法適用会社化に伴う投資有価証券の増加等が要因。負債・純資産では、有利子負債が減少する一方、前受金、株主資本が増加した。自己資本比率63.9%(前期末59.4%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/9期

20/9期

増減

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-433

-307

+125

-

投資キャッシュ・フロー(B)

47

-20

-67

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-386

-328

+57

-

財務キャッシュ・フロー

248

262

+14

+5.9%

現金及び現金同等物期末残高

693

527

-165

-23.9%

* 単位:百万円

 

損益が改善したものの、運転資金の増加で営業CFは30億円のマイナスとなった。投資CFは主に敷金及び保証金の差入によるもので、財務CFは、借入金の返済を進めたものの、非支配株主からの払込みによる収入で2.6億円の黒字となった。
この結果、現金及び現金同等物は期首との比較で0.6億円の減少(営業CF+投資CF+財務CF)にとどまったが、(株)デジタルアセットマーケッツの連結子会社から持分法適用会社化への変更に伴う現金等の減少1.0億円により、現金及び現金同等物の期末残高は前期末と比べて1.7億円減少した。

 

参考:ROEの推移

 

16/9期

17/9期

18/9期

19/9期

20/9期

ROE

0.40%

-21.21%

-27.45%

-45.53%

6.19%

売上高当期純利益率

0.30%

-16.59%

-17.86%

-22.78%

2.31%

総資産回転率

1.04回

1.01回

1.16回

1.33回

1.66回

レバレッジ

1.29倍

1.26倍

1.32倍

1.50倍

1.62倍

 

 

3.2021年9月期業績予想

3-1 連結業績

 

20/9期 実績

構成比

21/9期 予想

構成比

前期比

売上高

2,195

100.0%

2,391

100.0%

+8.9%

営業利益

19

0.9%

149

6.2%

+670.1%

経常利益

-83

-

58

2.4%

-

親会社株主帰属利益

50

2.3%

19

0.8%

-61.2%

* 単位:百万円

 

営業利益が前期の0.1億円から1.4億円に拡大
受注済みの大口案件が売上計上される金融ソリューション事業が増収をけん引し、売上高が23.9億円と前期比8.9%増加する見込み。(株)インタートレードヘルスケアの先行投資が続くものの、売上の増加で吸収して、営業利益は前期の0.1億円から1.4億円へ拡大。持分法投資損失を織り込んだものの、経常損益も黒字転換が見込まれる。

 

セグメント別取り組み
金融ソリューション事業では、「Spider」の大口受注案件への対応を進めると共に、既存顧客の保守・エンハンス案件を確実に遂行する。「Spider」の本格的な利益貢献には今しばらく時間を要するが、稼働実績を基に非金融など広範囲にアプローチしていく。ビジネスソリューション事業では、既存ユーザを深耕し、拡張案件の確実な受注・遂行と来期以降の案件の開拓を並行して進めていく。ヘルスケア事業では、機能性食品届出に向けた「サイレントエストロゲン」の成分同定と作用機序の解明に向けた取り組みを進めていく。また、売上拡大に向け、大手取引先に積極的にアプローチしていくと共に、「サイレントエストロゲン」の知名向上にも取り組む。

 

3-2 今後の取り組み

経済は、金融・システム、資源、エネルギー、ヘルスケア、の4セクター周期と言われており、同社は事業安定化のために各セクターをカバーできる体制を目指していく。既に、金融・システムとヘルスケアを事業セグメントとしており、中長期的には、資源やエネルギーを含む非金融分野を新規開拓していく。4セクター全てをカバーすることで安定成長を図る考えだ。

 

(同社資料より)

 

非金融分野の新規開拓とは、いわゆるFintechの展開であり、デジタル技術を介して、様々な業界と金融が関係性を増していくことを念頭に置いている。ブロックチェーン、AI、IoT、更には5Gといった技術の更なる高度化と普及により、同社のビジネスチャンスも広がっていく。

 

金融ソリューション事業では、「Spider」の提案により、Fintech分野における新たな成長領域を開拓する。超低金利下では金融機関は金利以外の収入を模索し、一般企業(非金融)は金融に関する管理が求められるが、いずれも高度な金融技術が求められる一方、対応できる高度な人材が不足している。加えて、高額なシステムコストも負担になる。同社は「Spider」を提供することで、こうした課題の解決に貢献していく。

 

(同社資料より)

 

ビジネスソリューション事業では、日本の事業会社の基幹システムのレガシー化への対応を進めていく。具体的には、デジタルが進む中で、多くの事業会社の既存システムが事業部門ごとに構築され、全社横断的なデータ活用ができない状況にある。こうしたシステムの複雑化・ブラックボックス化の問題を抱える企業に対して既存システムのブラックボックス化を解消し、新しい活用を提案していく。

 

(同社資料より)

 

ヘルスケア事業では、成分同定・作用機序の解明により「サイレントエストロゲン」をビジネス化し、健康寿命産業に貢献していく。

 

(同社資料より)

 

 

4.今後の注目点

20/9期は4期ぶりに営業損益が黒字転換し、21/9期は営業利益が拡大する見込み。成長軌道への回帰に向け、今後は、ブロックチェーン、AI、IoT、5G等の革新的な技術を「Spider」に取り込みサービスの範囲を広げていく考え。革新技術をあらゆる産業や社会に取り入れることで実現する新たな未来社会の姿「Society 5.0」や「Fintech」に積極的に関与していくことで、安定成長に必要な経済を回す4セクターのうちの足りないピースを埋めていく。
現状では概念的な説明にとどまり、イメージしにくい点が多いが、実績を積み上げていくことで投資家の理解も深まっていくものと思われる。「サイレントエストロゲン」の成分同定・作用機序の解明に取り組むヘルスケア事業の動向と共に注目していきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

5名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年02月27日)
基本的な考え方
当社グループは企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本目標とし、「経営の透明性」「法令遵守」「効率的な経営」の観点から当該基本目標の実現を図ります。代表取締役をはじめとする経営陣は、当社グループを取り巻くステークホルダー(株主、顧客、取引先、従業員等)との良好な関係を維持する役割を負います。そのため、経営状況を把握できる体制を構築及び運用し、法令及び定款を踏まえた適時適切な情報開示を行うことが重要と考えています。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【原則 3-1】情報開示の充実
(3)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
(4)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任、指名についての説明
(3)、(4)、(5)については現時点で具体的内容を公表はしていないものの、以下のとおりの手続き又は手順を社内にて実行しています。

 

(3) 取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続については、当社の取締役及び業務執行役員の報酬は、業績連動報酬を採用しておりませんが、定められた範囲内で、個人及び会社業績等を含め総合的に評価を行い、報酬額を決定しています。
(4)取締役候補は、人格や見識、経験や実績等をもとにその責務を果たすことができる適任者を選任する方針とし、取締役会で決定しております。また、解任については明確な手続きは確立しておりませんが、単年度の目標の達成度や会社の業績を基に、かつ社外取締役や社外監査役の助言をもらいながら取締役会にて審議し、状況により再任しない、あるいは株主総会に諮ることとしております。監査役候補については、経営課題に対する知見、高度な専門知識や倫理感を持っている人材に就任を要請し、監査役会の同意を得た後、取締役会にて決議しております。
(5)取締役会が上記(4)を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明については、原則毎月1回行っている経営会議及び全社会議にて、選任・指名について説明しています。

 

【原則4-8】独立社外取締役の有効な活用
現在、社外取締役は1名のみですが、バランスのとれた戦略策定及び経営への監督を行っていると認識しています。しかしながら社外取締役の増員は視野に入れており、高度な経験又は専門能力を持ち、当社の経営理念に共感する人材との信頼関係を築けた場合は、社外取締役への就任要請を行うことを積極的に検討します。

 

【原則4-9】社外取締役の独立性判断基準及び資質
独自の独立性判定基準は策定していないものの、会社法上の要件や東京証券取引所が定める基準に則って社外取締役を選任しております。社外取締役の貢献は重視しており、都度適切な人数と人材を確保するよう留意します。

 

<開示している主な原則>
【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
当社は、代表取締役社長を中心に、管理部門にてIR業務を行っております。年に1回決算説明会を開催し、同時にその模様を当社ウェブサイトにて公開しています。また、随時個別ミーティングを実施しています。

 

 

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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