ブリッジレポート
(3486) 株式会社グローバル・リンク・マネジメント

プライム

ブリッジレポート:(3486)グローバル・リンク・マネジメント 2020年12月期決算

ブリッジレポートPDF

 

金 大仲 社長

株式会社グローバル・リンク・マネジメント(3486)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

不動産業

代表者

金 大仲

所在地

東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号 渋谷マークシティウエスト21階

決算月

12月

HP

https://www.global-link-m.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

852円

7,735,140株

6,590百万円

16.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

35.00円

4.1%

180.99円

4.7倍

579.01

1.5倍

*株価は3/4終値。各数値は2020年12月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年12月(実)

17,167

1,108

1,092

696

108.17

45.00

2018年12月(実)

22,644

1,209

1,132

755

101.79

12.50

2019年12月(実)

25,086

1,564

1,364

867

114.78

12.50

2020年12月(実)

26,840

1,365

1,028

686

90.24

35.00

2021年12月(予)

34,000

1,770

1,500

1,400

180.99

35.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2017年10月、1株を100株に分割。2018年6月及び10月、1株を2株に分割(EPSのみ遡及修正)。2021年12月期より非連結決算。

 

(株)グローバル・リンク・マネジメントの2020年12月期決算の概要と通期の見通しについてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年12月期決算概要
3.2021年12月期業績予想
4.今後の成長方針
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20年12期の売上高は前期比7.0%増の268億40百万円。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、区分販売戸数および海外販売戸数が大幅に減少した一方、1棟販売の増加およびプロパティマネジメント事業の安定収益の下支えにより増収を確保した。営業利益は同12.7%減の13億65百万円。増収ではあったが、区分・海外販売の減少やコロナ禍での1棟販売の一時的な収益性低下で粗利率は2.1ポイント低下し、粗利額が同6.5%減少。販管費も減少したが吸収できなかった。修正計画に対しては、売上はほぼ計画通り、非レジデンス分野の早期売却および海外販売が伸張し利益は計画を上回った。

     

  • 21年12月期の売上高は前期比26.7%増の340億円、営業利益は同29.6%増の17億70百万円と大幅な増収増益予想。前期のコロナ禍での仕入・販売環境継続を想定しているが、オンライン販売の推進による区分販売の効率的な販売拡大、セールスミックスの変化により、営業利益率ベースで収益性の向上を見込んでいる。第1四半期の子会社吸収による特別利益計上(4億円)を予定し、最終利益14億円の達成を目指している。配当は前期と同じ35円/株を予定。予想配当性向は19.3%。

     

  • 2020年9月に、独立系投資運用グループであるスターアジアグループと共に、私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」を組成。2020年10月には、スターアジアグループと共同で不動産ファンドのアセットマネジメント業務を主な業務内容とする合弁会社「SAGLアドバイザーズ株式会社」を設立し、運用を開始した。

     

  • 厳しい事業環境の中でも、中計(20/12期~22/12期)の目標である22/12期売上高450億円の達成を目指すうえで、大きなカギを握る私募ファンドの組成の成果がどの程度のスピードで成長加速に寄与してくるのかを注目したい。

     

  • 一方足元では、オンライン販売を拡大し、区分販売の顧客獲得コストの大幅な低下を図るということだが、今期の売上高営業利益率は前期比0.1ポイントの改善予想にとどまっている。収益性・生産性のさらなる改善で利益を上積みすることができるのかも注視していきたい。

     

1.会社概要

東京23区内を中心に「アルテシモ」ブランドの投資用マンションを開発・販売しており、事業用地の仕入れから、企画、設計、販売、更には販売後の賃貸管理・建物管理までをワンストップで手掛けている。「アルテシモ」は、転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の「3チカ」を特徴としており、高い入居率を誇る。尚、「アルテシモ」とは、「ARTESSIMO(ART[芸術]+issimo[最上級])」という成り立ちの、現代イタリア語を基に同社が考えた造語。現代的で心地良い空間を提供するという想いが込められている。

 

【経営理念・企業ビジョン】

経営理念 : 不動産を通じて豊かな社会を実現する
設立以来、経営理念として掲げてきた、「お客様の豊かさに貢献する」想いと合わせて、社会課題を解決緩和し、持続的な企業価値向上と豊かな社会の実現を目指していく。

 

企業ビジョン : 「不動産ソリューション」×「IT」により新しいサービスを創造し、世界都市東京からGlobal Companyを目指す

 

1-1 事業内容

事業は、同社が手掛ける不動産ソリューション事業とプロパティマネジメント事業に分かれる。

 

15/12

16/12

17/12

18/12

19/12

20/12

構成比

不動産ソリューション事業

7,085

9,723

15,035

20,281

22,611

24,212

90.2%

プロパティマネジメント事業

1,597

1,882

2,131

2,362

2,474

2,628

9.8%

連結売上高

8,682

11,605

17,167

22,644

25,086

26,840

100.0%

不動産ソリューション事業

246

555

1,040

1,065

1,377

1,153

4.8%

プロパティマネジメント事業

36

40

68

144

187

211

8.1%

連結営業利益

282

596

1,108

1,209

1,564

1,365

5.1%

* 単位:百万円

 

不動産ソリューション事業
投資用不動産であるコンパクトタイプ(25~50㎡)のマンションを自社ブランド「アルテシモ」として、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家に提供している。長期に渡り資産価値が継続する不動産を提供するため、20年連続で転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の3チカ物件に特化している。晩婚化や高齢化等による人口構造の変化に伴い、単身者や少人数世帯のコンパクトタイプのマンション需要は底堅く、同社はこうした社会の変化を捉え、「アルテシモ」の供給強化に取り組んでいる。

 

事業用地の仕入れについては、土地仲介会社からの土地情報を基に仕入れるケースや開発事業者から仕入れるケースに加え、税理士や弁護士等の士業との提携による不動産セミナー「相続・土地所有者共同開発セミナー」を開催し、土地所有者へ直接アプローチしてマンション経営のノウハウを提供する事で事業化につなげている。

 

マンションの設計及び建築については、コンパクトマンションを手掛けている設計事務所や建設会社に外注しているが、マンションの企画は「アルテシモ」仕様の基準を設け、同社自身が行っている。

 

販売先は、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家。また、「アルテシモ」に適さない土地を仕入れ、戸建てやファミリーマンション業者へ売却するケースや、土地の企画売却を行う事もある。

 

販売後は、販売した物件のマンション管理組合から、マンション管理組合運営業務と物件管理サービスを受託する。
マンション管理組合運営業務はマンション管理組合に代わってマンション管理組合の運営を行うもの。今後は2021年2月に設立した合弁会社「株式会社G&GCommunity(ジーアンドジーコミュニティ)」に順次移管する計画。
また、プロパティマネジメント事業(後述)として、賃貸管理サービスの提供も行っている。

 

プロパティマネジメント事業
オーナーからの委託を受けて不動産経営に関する様々な業務を代行している。具体的には、自社ブランド「アルテシモ」に対するマスターリース・サブリース(一括借り上げ・転貸)業務及び管理代行業務を行っており、マスターリース・サブリース業務では、「アルテシモ」のオーナーに対して一定期間賃貸物件を借り上げ、契約で定めた賃料を支払い、入居希望者に転貸する。一方、管理代行業務では、オーナーに代わり、家賃の集金や入居・退去に関わる各種契約管理業務を行っている。

 

マスターリース・サブリース契約は、オーナーが長期にわたり安定した家賃収入を確保できるよう最大限の配慮がなされている。
具体的には、契約期間最大35年間、原則7年毎の賃料改定とし、賃料が下がる場合でも、下げ幅を最大5%に制限している。また、外部環境の変化や法制度・税制度の変更その他契約締結後の事情の変更が認められる場合、協議の上、マスターリース・サブリース賃料を改訂できる事としているが、この場合も、下げ幅を最大5%としている。解約については、6カ月の予告期間をもって双方からの解約が可能になっている。
2020年12月までは、連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズが同事業を担ってきたが、グローバル・リンク・マネジメントが今後の成長のカギと位置付ける自社出資ファンド向け案件への販売による管理戸数の急拡大を見据え、2021年1月1
月に同子会社を吸収合併した。

 

2.2020年12月期決算概要

2-1 連結業績

 

19/12期

構成比

20/12期

構成比

前年同期比

期初計画比

修正計画比

売上高

25,086

100.0%

26,840

100.0%

+7.0%

-10.5%

-0.6%

売上総利益

4,183

16.7%

3,909

14.6%

-6.5%

-

-

販管費

2,618

10.4%

2,543

9.5%

-2.8%

-

-

営業利益

1,564

6.2%

1,365

5.1%

-12.7%

-28.1%

+5.1%

経常利益

1,364

5.4%

1,028

3.8%

-24.7%

-35.7%

+2.8%

当期純利益

867

3.5%

686

2.6%

-20.9%

-31.4%

+14.4%

* 単位:百万円。修正予想は20年8月発表。

 

増収減益、修正計画は上回る
売上高は前期比7.0%増の268億40百万円。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、区分販売戸数および海外販売戸数が大幅に減少した一方、1棟販売の増加およびプロパティマネジメント事業の安定収益の下支えにより増収を確保した。
営業利益は同12.7%減の13億65百万円。増収ではあったが、区分・海外販売の減少やコロナ禍での1棟販売の一時的な収益性低下で粗利率は2.1ポイント低下し、粗利額が同6.5%減少。販管費も減少したが吸収できなかった。
修正計画に対しては、売上はほぼ計画通り、非レジデンス分野の早期売却および海外販売が伸張し利益は計画を上回った。

 

 

2-2 セグメント別動向

 

19/12期

構成比・利益率

20/12期

構成比・利益率

前期比

不動産ソリューション事業

22,611

90.1%

24,212

90.2%

+7.1%

プロパティマネジメント事業

2,474

9.9%

2,628

9.8%

+6.2%

連結売上高

25,086

100.0%

26,840

100.0%

+7.0%

不動産ソリューション事業

1,377

6.1%

1,153

4.8%

-16.2%

プロパティマネジメント事業

187

7.6%

211

8.1%

+12.7%

連結営業利益

1,564

6.2%

1,365

5.1%

-12.7%

販売戸数

702

-

703

-

+0.1%

期末管理戸数

2,245

-

2,413

-

+7.5%

* 単位:百万円

 

◎不動産ソリューション事業
増収減益。
新型コロナの影響で区分販売および海外販売売上が大きく減少したが、1棟販売売上の増加で吸収し増収となったが、コロナ禍の影響で区分販売が第2四半期以降に低調となり、第3四半期の1棟販売の収益性低下を招き減益。

 

販売の状況
*同事業の主要KPIであるレジデンス販売戸数は、1棟販売が順調に進捗したことにより1棟販売戸数が大幅に増加したが、区分・海外販売戸数の大幅減少が影響し、全体では前年並みの販売戸数となった。
*区分販売はオンラインセミナーを中心に徐々に回復傾向にある。
*海外販売はコロナ禍の影響で能動的なアプローチを停止している中でも第4四半期に販売が積み上がり、予想を上回った。
*コロナ禍の影響で第3四半期までは収益性が低下したが、第4四半期(10-12月)に入り1棟販売の収益性が回復したことに加え、海外販売が増加し、第4四半期の売上高利益率(セグメント利益)は10%を超えた。

 

(販売戸数の状況)

 

19/12期

20/12期

前期比

修正予想比

1棟販売(戸)

229

455

+226

-35

同 棟数(棟)

5

13

+8

-1

区分販売(戸)

394

219

-175

-47

海外販売(戸)

79

29

-50

+25

うち中古販売(戸)

44

59

+15

-

合計(戸)

702

703

+1

-57

 

区分販売においては緊急事態宣言以降に接触型の販売方針を転換し、早期にセミナーのオンライン化を進めた。その結果、4月以降のセミナー申込者・参加者数は前年対比で増加し、効率的な集客が徐々に浸透した。
販売件数は緊急事態宣言を契機に大幅に減少したが、オンラインセミナーの浸透に伴い、オンライン経由の販売が大きく伸長した。

 

(同社資料より)

 

*竣工計画・契約の状況
1棟販売は本郷3丁目PJの工事遅延が発生したことで、決済完了は予定竣工数14棟の内、13棟(455戸)となった。
区分販売分としては248戸(内、新築189戸、中古59戸)の決済を完了し、来期に88戸を持ち越した。

 

*非レジデンスの状況
成長方針を軌道修正し、非レジデンスの開発を停止している。
保有パイプラインの内、2021/12期に竣工予定であった西麻布PJ(土地)を第4四半期に売却した。
その他、日本橋箱崎町PJ(2020年5月竣工)はレジデンスへのコンバージョンの方針ではあるが、投資家からホテルとしての引き合いがあり、そのまま販売の可能性を残しているほか、円山町PJ(商業テナントビル、21年12月期竣工予定)は、土地の状態での販売を開始している。

 

◎プロパティマネジメント事業
増収増益。
第2四半期に自社出資ファンド向け物件の竣工が相次ぎ、賃貸管理戸数増に寄与した。期末の管理戸数は2,413戸で前期末の2,245戸から大きく増加。
入居率は都心単身世帯の旺盛な賃貸需要が継続し、第3四半期まで99%超の高水準で推移していたが、第4四半期に大口法人のサブリース契約解消が発生したため、期末には98%中盤に低下した。

(同社資料より)

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

◎財政状態

 

19年12月

20年12月

 

19年12月

20年12月

流動資産

15,581

18,101

流動負債

6,276

9,373

現預金

1,887

2,272

短期有利子負債

5,224

7,396

販売用不動産

1,360

4,415

未払金

39

1,162

仕掛販売用不動産

11,773

10,711

固定負債

6,028

5,177

固定資産

577

927

長期有利子負債

5,930

5,068

有形固定資産

164

257

負債合計

12,304

14,550

投資その他の資産

339

552

純資産合計

3,853

4,478

資産合計

16,158

19,029

負債純資産合計

16,158

19,029

 

 

 

有利子負債残高

11,154

12,464

* 単位:百万円

 

パイプラインの順調な積み上げによる販売用不動産の増加などで資産合計は前期末比28億71百万円増加し190億29百万円。仕入拡大のため短期有利子負債、未払金の増加で負債は同22億45百万円増加。
新株発行などで純資産は同6億25百万円増加し、44億78百万円。
自己資本比率は前期末より0.3ポイント低下し23.5%となった。

 

◎キャッシュ・フロー(CF)

 

19/12期

20/12期

前期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-3,299

-394

+2,904

投資キャッシュ・フロー(B)

-262

-586

-323

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-3,561

-981

+2,580

財務キャッシュ・フロー

3,348

1,196

-2,152

現金及び現金同等物期末残高

1,819

2,035

+215

* 単位:百万円

 

3.2021年12月期業績予想

3-1 業績(非連結)

 

20/12期 実績

構成比

21/12期 予想

構成比

前期比

売上高

26,840

100.0%

34,000

100.0%

+26.7%

売上総利益

3,909

14.6%

4,964

14.6%

+27.0%

販管費

2,543

9.5%

3,194

9.4%

+25.6%

営業利益

1,365

5.1%

1,770

5.2%

+29.6%

経常利益

1,028

3.8%

1,500

4.4%

+45.9%

当期純利益

686

2.6%

1,400

4.1%

+104.0%

* 単位:百万円。販管費は同社資料を基にインベストメントブリッジが計算。21/12期より非連結決算に移行。20/12期の数値は連結決算。

 

大幅な増収増益予想
売上高は前期比26.7%増の340億円、営業利益は同29.6%増加の17億70百万円の予想。
コロナ禍の下での仕入・販売環境の継続を想定しているが、オンライン販売の推進による区分販売の効率的な販売拡大、セールスミックスの変化により、営業利益率ベースで収益性の向上を見込んでいる。
第1四半期の子会社吸収による特別利益計上(4億円)を予定し、最終利益14億円の達成を目指している。
配当は前期と同じ35円/株を予定。予想配当性向は19.3%。

 

3-2 セグメント別動向

 

20/12期

構成比・利益率

21/12期

構成比・利益率

前期比

不動産ソリューション事業

24,212

90.2%

31,300

92.1%

+29.3%

プロパティマネジメント事業

2,628

9.8%

2,700

7.9%

+2.7%

連結売上高

26,840

100.0%

34,000

100.0%

+26.7%

不動産ソリューション事業

1,153

4.8%

1,540

4.9%

+33.5%

プロパティマネジメント事業

211

8.1%

230

8.5%

+8.7%

連結営業利益

1,365

5.1%

1,770

5.2%

+29.6%

* 単位:百万円

 

◎不動産ソリューション事業
(売上高の推移)

 

19/12期

20/12期

21/12期(予)

前期比

1棟販売

6,847

14,634

18,800

+28.5%

区分販売・海外販売合計

14,300

7,424

11,200

+50.9%

その他

1,463

2,153

1,300

-39.6%

売上高合計

22,611

24,212

31,300

+29.3%

*単位:百万円

 

 

 

(販売戸数の推移)

 

19/12期

20/12期

21/12期(予)

前期比

1棟販売(戸)

229

455

601

+146

同 棟数(棟)

5

13

15

+2

区分・海外販売(戸)

473

248

394

+146

販売戸数合計(戸)

702

703

995

+292

 

*販売戸数は1棟販売、区分販売との大幅増を計画している。
*2021/12期の供給戸数は前期の716戸を上回る757戸まで順調に増加している。商業テナントビルの残り2プロジェクトについては、2021/12期での販売を計画している。
*1棟販売用の竣工計画15棟の内、7棟が契約済みである。区分販売用の竣工計画は、第1四半期:1棟、第2四半期:3棟、第3四半期:2棟、第4四半期:1棟の合計7棟。

 

3-3 トピックス

◎分譲マンション総合管理のための合弁会社を設立
2021年2月、分譲マンション総合管理を主な業務内容とする合弁会社「株式会社G&GCommunity(ジーアンドジーコミュニティ)」を、株式会社合人社計画研究所(広島県広島市)と共同で設立した。

 

(株式会社合人社計画研究所 概要)
1980年設立。独立系の分譲マンション総合管理会社として全国規模で事業を展開。グループ受託戸数は24万戸を超えるマンション管理実績と高いノウハウを有する業界最大手の一角。

 

(合弁会社設立の目的、概要)
顧客へのサービス向上、人的リソース不足の解消、価格・品質・立地等、購入者層のニーズに適用する運用商品の提供等が可能になり、両社の一層の企業価値向上を資すると考えた。
資本金は10百万円、出資比率は、グローバル・リンク・マネジメント60%、合人社計画研究所40%。

 

 

4.今後の成長方針

4-1 コロナ禍を見据えた成長戦略の軌道修正

現在進行中の中期経営計画「ステージ1」(20/12期~22/12期)では、「首都圏においての投資用不動産業界リーディングカンパニー」を目指して、既存事業の拡大・強化と商品ラインナップの拡充により、過去3年の実績を上回る成長率の実現を目指している。最終期となる22/12期の計数目標として、売上高450億円(年平均20%成長)、経常利益30億円(年平均30%成長)、供給戸数1,100戸(年平均20%増加)を掲げている。

 

しかし、商品ラインナップ拡充の一環として取り組んでいた非レジデンス分野はコロナ禍でテナント需要が激減し、物件の販売先である投資家の投資マインドも極端に悪化しため、非レジデンス分野は現在開発を全面的に停止している。
当面はレジデンス分野へ経営資源を集中し、レジデンス分野を中心に成長を加速させる考えで、そのための重要な施策が私募ファンドの組成である。

 

4-2 私募ファンド組成による成長加速

2020年9月に、独立系投資運用グループであるスターアジアグループと共に、私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」を組成。
2020年10月には、スターアジアグループと共同で不動産ファンドのアセットマネジメント業務を主な業務内容とする合弁会社「SAGLアドバイザーズ株式会社」を設立し、運用を開始した。2022 年末までに運用資産総額600 億円を目指している。

 

私募ファンド組成による成長加速のポイントは「販売力の強化」「仕入力強化」「安定収益基盤の拡大・加速」「収益性の維持・改善」の4点である。

 

(1)販売力の強化
自社出資の私募ファンドの組成により、エンドユーザーを抱える同社の強みに加え、1棟販売での自社出口を確立し、1棟販売における目標達成を目指す。出口戦略の多様化により、販売価格の最適化や事業リスク低減にも寄与すると考えている。

 

(2)仕入力の強化
こうした自社販路の育成・強化を進めることは、バイイングパワーを確保するとともに、従来のルート以外、同業他社も含め仕入れ機会の拡大にもつながる。

 

(3)安定収益基盤の拡大・加速
自社出資私募ファンドへの販売を拡大していくことで、販売戸数を増加させるとともに、ファンドが運用する物件のプロパティマネジメント業務を受託することで、管理戸数の増加を目指し、同業務受託率の安定化を目指す。
アセットマネジメントフィーによる安定収益基盤の多層化も期待している。

 

(4)収益性の維持・改善
自社販路の早期育成を進める過程で、一時的に売上総利益ベースで1棟販売の収益性が低下する見込みだが、中長期的には、仕入競争力の向上による仕入単価抑制や販売価格の最適化を進めることで収益性の改善が期待できる。また、管理戸数の増加でプロパティマネジメント事業の収益性改善も期待できる。

 

4-3 中長期の成長イメージ

*新築投資用不動産供給戸数No1を目指し、投資用不動産リーディングカンパニーの基盤構築を図る。
*中長期での安定的な収益基盤の確立および成長加速を目指し、将来的にはグローバル展開による事業拡大を見据える。

 

(同社資料より)

 

中期経営計画においては「首都圏においての投資用不動産業界のリーディングカンパニーへ」を目標としている。
同計画の達成目標は継続するが、新型コロナウイルス感染拡大により事業環境を踏まえ、当面はレジデンスへの経営資源集中を行うため、事業進捗を踏まえ、影響精査の上、影響額を公表する予定だ。

 

5.今後の注目点

2020年9月に、独立系投資運用グループであるスターアジアグループと共に、私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」を組成。2020年10月には、スターアジアグループと共同で不動産ファンドのアセットマネジメント業務を主な業務内容とする合弁会社「SAGLアドバイザーズ株式会社」を設立し、運用を開始した。
厳しい事業環境の中でも、中計(20/12期~22/12期)の目標である22/12期売上高450億円の達成を目指すうえで、大きなカギを握る私募ファンドの組成の成果がどの程度のスピードで成長加速に寄与してくるのかを注目したい。
一方足元では、オンライン販売を拡大し、区分販売の顧客獲得コストの大幅な低下を図るということだが、今期の売上高営業利益率は前期比0.1ポイントの改善予想にとどまっている。収益性・生産性のさらなる改善で利益を上積みすることができるのかも注視していきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

8名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年9月23日)
基本的な考え方
当社は経営の効率化、経営環境の変化に対する柔軟な対応を図り、迅速に意思決定をすることにより企業価値を向上させることがステークホルダーとの協働につながると考えております。そのためには、経営の健全性と透明性を高めることが必要であり、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
<補充原則4-1-3 最高経営責任者(CEO)等の後継者育成計画>
当社では、最高経営責任者たる社長を含む経営陣幹部が比較的若く、持続的成長のためにその力量を十分に果たしていると判断しており、当面、経営陣の後継者育成に関して具体的な計画はございません。ただし、取締役に対するトレーニングを通じて将来の最高経営責任者を含む将来の経営陣幹部を育成するとともに、「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第28条第4項にも記載しておりますとおり、代表取締役等の後継者候補の育成のためにも、次代を担うべき優秀な人材の確保・育成が最重要事項であると位置づけ、その育成(実施施策の監督を含む)に努めております。

 

<開示している主な原則>
<原則1-7 関連当事者取引に関する方針>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第14条において、取締役、従業員などの当社関係者がその立場を利用して当社や株主の利益に反する取引を行うことを防止するため、取締役が利益相反取引や競業取引を行う場合の承認手続や報告体制、その他当社グループ及び株主の利益等を害することが無いようにするための取締役会等での付議や承認等の検討体制について開示しております。

 

<原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第27条において、社外取締役候補者の指名にあたっては、その独立性については、東京証券取引所の定める独立役員の要件に則り判断することとしております。また、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与いただけるよう、率直・活発で建設的な議論への貢献が期待できる人物であることを、社外取締役に必要な資質と考えております。

 

<原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針>
「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」第33条において、株主・投資家にとって有益と判断する情報の積極的開示のほか、株主総会の場その他の機会を通じてコミュニケーションに努め、かつ、株主・投資家間において実質的な情報格差が生じないよう具体的な体制整備及び取り組みについて方針を定めております。

 

 

 

 

 

 

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