ブリッジレポート
(7199) プレミアグループ株式会社

東証1部

ESG Bridge Report:(7199)プレミアグループ vol.1

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柴田 洋一 代表取締役社長

プレミアグループ株式会社(7199)

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他金融業(金融・保険業)

代表取締役社長

柴田 洋一

所在地

東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー19階

決算月

3月

HP

https://www.premium-group.co.jp/

 

財務情報

営業収益

税引前利益

当期利益

総資産

純資産

ROA

ROE

17,825百万円

3,463百万円

2,383百万円

68,156百万円

7,211百万円

5.5%

38.3%

*2021年3月期実績。IFRS適用。当期利益は親会社株主に帰属する当期利益。純資産は親会社の所有者に帰属する持分。ROAは資産合計税引前利益率。ROEは、親会社所有者帰属持分当期利益率。

 

目次

1.会社概要
2.トップインタビュー
3.課題・マテリアリティと取り組み
4.中期経営計画「VALUE UP 2023」概要
5.財務・非財務データ
<参考>
(1)ESG Bridge Reportについて
(2)「ROESGモデル」について

1.会社概要

ファイナンス事業の中核企業であるプレミア(株)、故障保証事業の中核企業であるプレミアワランティサービス(株)、オートモビリティサービス事業の中核企業であるプレミアモビリティサービス(株)をはじめ、国内外15社以上のグループ会社により中古車の購入に伴うクレジットサービスや故障保証(ワランティ)サービス等自動車関連サービスを展開。
プレミアグループ(株)は持株会社としてグループの経営管理及びそれに付帯又は関連する業務等を行っている。

 

【1-1. 沿革】

大手ファイナンス会社でオートローンを手掛けていた柴田洋一氏は、自動車と金融の親和性の高さと今後の成長性を確信していた。
顧客であった(株)ガリバーインターナショナル(現 (株)IDOM)からの要請を受け入社。2007年、(株)ガリバーインターナショナルの孫会社となるプレミア(株)の前身(株)ジー・ワンクレジットサービスを設立して、サービスの提供を開始した。
しかし、(株)ガリバーインターナショナルを取り巻く事業環境の変化の中で同事業の中止が決まり、SBIグループや丸紅グループへと株主が異動した。
そうした中でも、柴田社長の交渉力により最大の競争優位性である金融機関の系列ではない「独立系」という強みを守りながら、希望通りの資本政策を実現し、2016年にプレミアグループ(株)を持株会社とするホールディング体制へ移行。独立系としての豊富な商品ラインナップ、オート・ファイナンスに関する高度な知識とノウハウを武器に業績は順調に拡大し、2017年、東証2部に上場、続いて2018年には東証1部に市場変更した。

 

【1-2. 企業理念】

(ミッション)

「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」

*ファイナンス機能とサービス機能をさらに向上させ、それをグローバルに展開していくことにより、豊かな社会を作り上げていく

 

「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」

*やる前から「できない、無理だ」と諦めずに、突き抜けた発想と強い志を持ってイノベーションを促進し、自ら次のステージを切り開いていく

 

このミッションの具現化と、将来にわたりミッションを継承する人財の育成の両立により、企業価値の中長期的な向上を図っていく事を経営方針としている。

 

【1-3. 事業内容】

取引先である中古車販売会社や自動車整備工場等に対して、グループで「ファイナンス」、「故障保証(ワランティ)」、「オートモビリティサービス(自動車パーツ販売や整備工場向けの業務管理ソフトウェア販売、自動車の整備・鈑金等)」等を提供。タイ、インドネシア及びフィリピンでも現地法人を通じてオートファイナンスや故障保証事業等を展開している。
事業セグメントは「クレジット関連事業」の単一セグメントだが、サービス別に「ファイナンス事業」、「故障保証事業」、「オートモビリティサービス事業」の3事業に区分して収益の状況を開示している。

 

(1)ファイナンス事業
自動車購入に伴う融資(オートクレジット)を中心に、太陽光発電システム等の購入に伴う融資(エコロジークレジット)、ショッピングクレジット等も取り扱っている。また個人向けオートリースの提供や、債権回収の委託業務も行っている。

 

(同社資料より)

 

2020年3月期のクレジット取扱高は前期比31.3%増の1,774億円。9期連続で増加した。上場による知名度向上、営業力の強化、加盟店に対する複合的なサービス展開、大型加盟店との取引が増加要因である。一方、2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、前期比6.2%減の1,664億円にとどまったが、市場回復とともに取扱高も回復を見せている。
2021年3月期末のクレジット債権残高は12.5%増の3,614億円。創業以来2ケタ成長が続いている。一方で同期末の延滞債権残高率(3か月超)は0.91%と低位で推移している。
同クレジット債権は、個人向けで平均残高117.3万円と小口であり、リスクが細かく分散している点が特徴。
債権回収に当たっては、クレジット利用者へ早期にアプローチするほか、SMSなどを活用することでデフォルトの最小化や回収プロセスの効率化を図っている。また、2020年4月にはサービサー会社である中央債権回収(株)がグループ入りし、債権回収能力は一段と向上した。

 

2021年3月期末の加盟店社数は同6.0%増の23,907社と順調に拡大している。
新規加盟店獲得活動と併せて既存加盟店において故障保証などその他商品の販売も推進し、稼働率向上にも注力している。またコンタクトセンター(アウトバウンド営業) を活用し、加盟しているが未稼働の先への稼働促進も並行して実施している。

 

 

 

 

クレジット債権の大半は銀行との提携ローン(提携ローン方式:後述)のためオフバランス(貸借対照表に記載されない)である。中小企業の代表者が法人名義で購入するケースやクレジット総額が一定額以上となるケースなど、銀行の融資条件を満たさないものについては同社グループの自己資金を使い、自社債権としてオンバランスされる。この場合、「立替払方式」として、形式上「提携ローン方式」と区別しているが、クレジット利用者が払う分割払手数料及び同社の調達コスト控除後利益は同程度である。
なお、貸借対照表の貸方に計上される金融保証契約がクレジット事業の将来収益(未実現収益)を表しており、クレジットが支払われると営業収益として計上される。

 

提携金融機関は、住信SBIネット銀行(株)、オリックス銀行(株)、楽天銀行(株)、GMOあおぞらネット銀行(株)の4行。
「提携ローン方式」では、プレミア(株)がクレジット利用者の審査を実施後、クレジット代金・販売促進費を加盟店に支払い、その約10日後に提携銀行からクレジット代金を受け取る。同社は、クレジット契約の連帯保証人となり、クレジット代金の回収を代行し、分割手数料と共にクレジット利用者から受け取る。債権については、大半の債権に取引信用保険をかけているため、貸倒が生じた場合でも対象債権が保険でカバーされ同社に損失は生じない。このため、保険料を毎期営業費用に計上しており、保険料は貸倒状況によって変化する。

 

(2)故障保証(ワランティ)事業
同社グループが提供する故障保証とは、クレジット利用者が同社グループの加盟店(中古車小売店等)を通じて自動車を購入し、一定の保証料を前払いする事で、購入した自動車に故障が発生した際、予め定めた保証の提供範囲内において、無償で修理が受けられるサービス。

 

(同社資料より)

 

2020年3月期の故障保証取扱高は前期比45.5%増の43.6億円。EGS(株)の子会社化も寄与したが、プレミア(株)の取扱高は同14.2%増の34.2億円と創業以来2桁成長が続いている。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、前期比3.1%増の45.0億円(2021年1月20日付で故障保証事業に関するプレミア(株)の権利業務を承継する吸収分割を行い、以降はプレミアワランティサービス(株)の実績)にとどまった。
クレジットとのクロスセルなど加盟店に対する複合的なサービス展開、収益力アップに向けた自社商品「プレミアの故障保証」やOEM商品「カーセンサーアフター保証」など主力商品の改定も取扱高増加に寄与した。

 

2021年3月末の加盟店数は21,517社と2万社を超えた。全国主要都市に営業店を設置し、オートクレジット加盟店と同様、中古車小売店を中心とした自動車販売業者に対し新規加盟店を開拓している。

 

 

 

提携先販売店を通じ、同社グループのプレミアワランティサービス(株)の故障保証商品を自動車購入者に提供する。故障保証は、故障車両の走行距離、経過年数及び修理内容といったデータを蓄積し分析する事で、より適切な故障保証商品の設計やプライシングが可能になる。同社グループは、プレミアワランティサービス(株)が保有する約100万台の故障保証契約台数(累計)をはじめとする修理ビッグデータの蓄積によって高精度の商品設計とプライシングを実現している。
なお、損害保険会社が提供する保険は事故等に対応するものだが、故障保証で保証されるのは自然故障。保証部位は最大397項目にのぼり、様々な保証範囲や保証期間の約1,000種類の商品を提供している。故障保証は中古車購入に対する不安を払拭するもので、保証期間に基づく保証料(故障保証代金)を前金で一括して受け取る。

 

故障保証商品は、自社ブランドの「プレミアの故障保証」「EGS保証」、これらをカスタマイズした「OEM商品」に分かれる。
OEM商品は、(株)リクルートマーケティングパートナーズが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」を利用する提携先が「カーセンサー」に掲載した車両に付保される「カーセンサーアフター保証」と、中堅~大手中古車ディーラー向けに対応車種や対応保証範囲をカスタマイズしたその他OEM商品に分かれる。

 

修理対応力については、修理の受付対応等を行うコールセンターへ自動車整備士の資格を有する従業員を配置し、契約者や整備工場と直接対応する体制を整えている。このため、故障保証の適用にあたって正確かつ迅速な対応が可能であり、契約者の安心感につながっている。
また、故障保証の適切な適用や、リサイクル・リビルド部品の利用、直営の整備工場の保有、FAINES(※)の閲覧等を通じて、修理コストの削減及び不必要な修理の未然防止を可能にしている。

 

※FAINES
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が整備事業者に対して提供する、整備マニュアルや故障整備事例等の情報データベース

 

(3)オートモビリティサービス事業
ファイナンス・故障保証以外の、中古車の流通に関連するビジネスを幅広く手掛ける。現状展開しているサービスには、中古車部品の流通を行う「リサイクル(Recycle)パーツビジネス」、引揚げ車両の流通や同社グループ内での活用を行う「リユース(Reuse)ビジネス」、自動車の検査及び故障修理を行う「整備」サービスと自動車の傷や凹み等の修繕を行う「鈑金」サービス等を提供する「リペア(Repair)ビジネス」がある。いずれも環境に配慮した取り組みであり、「新3R」のビジネスとして注力している。
このほか、既存加盟店の中古車販売店及び整備工場を対象とした有料会員制組織を構築し、最終的にお客様へと繋げる「プラットフォーマー」としての成長戦略を掲げ、遂行中である。

 

(4)海外展開について
同社グループは、自動車販売に関連するクレジット、故障保証、整備・鈑金といった国内で培った知見やノウハウをタイ、インドネシア、フィリピンで展開している。
タイでは、オートファイナンスを展開する持分法適用関連会社Eastern Commercial Leasing p.l.c.への経営・事業コンサルティングと並行して、同社との合弁企業Premium Services (Thailand) Co., Ltd.において故障保証事業及び自動車整備事業を展開。インドネシアでは、住友商事(株)及び現地財閥のSinarmasグループとの合弁企業PT Premium Garansi Indonesiaにおいて、故障保証商品の開発、設計に係るコンサルティングを手掛ける。フィリピンでは三井物産(株)及び現地大手財閥のGTキャピタルグループとの合弁企業Premium Warranty Services Philippines, Inc.において、故障保証商品を提供する。

 

【1-4.特長・強み】

以下3点が競争力の源泉である。

 

(1)独立系ならではの複合的な商品ラインナップ
銀行傘下の競合他社は、法律の規制によりオートクレジットやオートリースなど限られたサービスしか提供できないのに対し、独立系である同社グループは、故障保証を始めとした販売店や利用者の様々なニーズに応え、複数の商品やサービスを提供することが可能である。

 

(2)オート・ファイナンスに関する高度な専門性
「自動車」と「金融」に関する深い専門知識が、他にはない充実したサービスを可能にしている。
自動車に関しては、「適正な保証額を設定するために必要な中古車市場の故障率をはじめとするデータ」や「部品価格や修理費用が適正かどうか見極める判断能力」。
「金融」に関しては、「個人の信用調査・債権回収ノウハウ」「オートクレジットに特化することで蓄積された豊富な専門知識をベースとした取引先からの高い信頼」である。

 

(3)全国をカバーする強固な営業ネットワーク
全国主要都市に広がる営業拠点網と独自のコンタクトセンターが全国約2万社におよぶ加盟店との強固なネットワークを形成している。

 

【1-5. 価値創造のフロー】

 

 

プレミアグループは、オート・ファイナンスに関する高度な専門性を始めとした競争優位性をベースに、中古車販売店及び整備工場をネットワークしたプラットフォームを構築。中古車に関連するリサイクルパーツビジネス(Recycle)、リユースビジネス(Reuse)、リペアビジネス(Repair)、故障保証ビジネス(Reduce)の4ビジネスを展開し、循環型社会形成に貢献するとともに、人的資本の強化、持続的な成長を目指している。

 

2.トップインタビュー

●社会的責任、社会的存在意義について

Q.近年、社会全体が持続可能な成長を目指す中で、その重要なプレーヤーの一員である企業の理念、ミッション、社会的存在意義が重視されています。
先ずは社長がお考えになる御社の社会的な責任や存在意義についてお聞かせください。

 

当社では2つのミッションを掲げています。

一つは、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」というものです。

自動車産業自体はある意味成熟産業かもしれませんが、100年に1度という大変革の中、自動運転やEV(電気自動車)の普及、シェアリングなど全く新しい市場が広がっていくことは確実です。我々はそうした変革の波を確実にとらえながら、ファイナンス機能を中心に、しかしそれにとどまることなく、多様化する価値観やライフスタイルに寄り添った付加価値の高いサービスをグローバルに提供することで、誰もが生きる喜びや幸せ、満足を感じながら生きられる世界、豊かな社会の構築に貢献していきます。加えて、循環型社会の形成にも貢献していきます。

もちろん企業ですから当然利益を追求していきますが、それはあくまでもミッションを実現するための手段であり、目的ではない。しっかりと社会に根差した存在でなくてはならないという点を強く意識しています。

 

 

(同社提供)

 

もう一つが「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というものです。
企業が持続的に成長していくためには、やる前から「できない、無理だ」と諦めずに、突き抜けた発想と強い志を持ってイノベーションを促進し、自ら次のステージを切り開いていくような人財を育成することが必要です。そしてそうした人財を育成することは、当社のためのみではなく、従業員自身のためでもあります。人間的な成長を実現できる場を提供することも当社の社会的な役割、存在意義であると考えています。

 

●ESGについての認識、考え方

Q.今伺った御社の責任や存在意義とESGの関係性についてお聞かせください。

 

私たちが取り扱っているオートクレジット、故障保証、自動車部品の流通などは全て「中古自動車」に関連したビジネスであり、元々、循環型社会の形成に繋がっているものです。
ですので、この「中古自動車」をキーワードに、関連したビジネスを徹底的に追求していくことが、脱炭素、温室効果ガス削減など環境問題の解決、すなわち、ミッションに掲げる豊かな社会構築に貢献することになるのだと考えています。
また2つ目のミッションである、重要なステークホルダーである従業員に育成の場を提供すること、これはまさに「S」への貢献です。

 

このように、当社のミッション、事業内容は「ESG」のうち、「E」および「S」への取り組みそのものです。
2つのミッションは当社創業時から掲げているもので、当社の企業文化としてしっかりと根付いており、スタート時点から「ESG」要素を取り込んだ企業経営を行ってきたとも言えるでしょう。
これからもこのミッションの下で事業活動を推進することが、環境問題や社会問題を解決すると同時に、企業価値の向上に繋がっていくものと考えています。

 

●ビジネスモデル・特徴・強み・競争優位性

Q.御社のビジネスモデルおよび特徴や強み、競争優位性はどんな点でしょうか。

 

当社では、「独立系ならではの複合的な製品・サービスラインナップ」「オート・ファイナンスに関する高度な専門性」を強みとしています。
それぞれ当社成長の源泉となっていますが、最も強力な武器は、オート・ファイナンスに関する高度な専門性、中でもコンシューマー・ファイナンス(個人のお客様の与信から債権回収まで一貫して行うビジネス)におけるノウハウであると私は考えています。

 

コンシューマー・ファイナンスは手間がかかりますし、特別なノウハウも必要で、銀行が行っている法人を対象としたファイナンスとは別物です。入口(与信)から出口(回収)までしっかりとやり切れる企業は当社を含め極めて少ない。
加えて我々は、独立系ならではの故障保証を始めとした様々な付加価値の高いサービスを、自動車販売店や整備工場などのお客様に提供することができます。
ファイナンスと高付加価値サービス、この両方を提供できる企業は日本では当社のみです。

 

当社の組織風土も強力な優位性です。
創業以来「チャレンジする人財を育成する」というミッションを追求してきましたので、その過程で培われた組織風土は現在の競争力のベースになっています。

 

●主要マテリアリティにおける取り組み

Q.今回御社では初めて9のマテリアリティを選定しました。(「3.課題・マテリアリティと取り組み」参照)
このうち、御社の持続的成長にとって特に重要なマテリアリティについて社長のお考えを伺いたいと思います。

 

まず最初は、「人的資本」についてです。先程伺ったミッションに「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」とあるように、御社は人的資本を極めて重要な経営資源と位置づけています。
改めて、「人的資本強化」が御社企業価値向上にいかに重要か、またそのためにどのような取り組みを進めているかをお聞かせください。

 

当社が今後とも持続的に成長していくためにはミッションに示したような人財を育成していくことが欠かせません。
また経営の一番の役割は、そうした人財が成長できる場、人財が活性化し常に高いモチベーションを維持できる場を作ってあげることだと思います。

(同社提供)

 

そこで、そのためのキーワードを、「Well-being」つまり、従業員幸福度の最大化を目指していこうと考えています。
以前から「従業員満足度」という言葉がありますが、私としてはどうもしっくりこなかった。
従業員の満足度は従業員それぞれで異なります。もっと成果報酬部分を強めてほしいと思う従業員もいれば、もっと稼ぎたいので転職を選択する従業員もいるでしょう。大抵の場合給料が上がればみんな嬉しい。それはそれで当たり前だと思いますが、でもそれだけで中長期的に会社に魅力を感じさせ、必要な人財を引き付けることができるかというとそんなことはない。
この会社で仕事をしていてよかったなと思う従業員が増えれば増えるほど会社は発展していくのですから、満足度ではなく幸福度を追求していくこととしました。

 

「Well-being」を根付かせるためには様々な施策を打っていくことになりますが、そのためには既成概念を大きく崩していく必要があります。
つまり、今まで当たり前としていた働き方や仕組み、規則なども徹底的にゼロベースで見直し、在宅勤務、スーパーフレックス制度など、住みたいところに住み、働きたいところで働くということを着実に実現していきたいと思います。
その一つとしてこの4月1日付で、女性や若手従業員の管理職への登用、単身赴任の削減に向けた物理的な営業オフィスを設けない「ビジネスサイト」増設など組織改革を行いました。
「Well-being」の最大化に向けて、あらゆる施策を進めていく考えです。

 

Q:ここ数年で人的資本強化が顕著に表れているのはどんな点でしょうか?

 

1つは女性従業員の成長ですね。
先程申し上げた組織改革では、初めて女性執行役員が誕生しました。また今回管理職へ昇進した従業員のうち女性の比率は71.4%で、管理職全体の三分の一が女性となりました。
女性だから昇進させるということではなく、力のある従業員を昇進させることを意識した結果、女性が多くなってきたというフェーズに入ったのだと感じています。

 

また、プレミア(株)では新卒5年目の従業員が最年少拠点長に就任するなど、若手従業員の管理職への登用も積極的に進めています。

 

 

Q.続いて御社の競争力強化に向けた取り組み・イノベーションについてお聞かせください。

 

競争力強化に向けた現状の課題をピックアップし、専任もアサインして動き始めています。
最も重要な取り組みはDXの推進です。

 

当社グループにおけるDX推進のポイントは3つです。
1つは業務プロセスを変更してイノベーションを起こすことです。
現時点では従業員に負担をかけている部分をAI、RPAなどを導入し、取扱件数が増えても人員を増やす必要がない、むしろ先々は逆に必要な人員が減っていくような体制がDXによって可能にしていきたいと考えています。

 

2つ目は取引先である自動車販売会社や整備工場の経営効率をいかに上げていくかです。
取引先に大きなメリットを与えて差し上げることで、更なるシェアアップが図れますし、それは当社の業績向上にもつながります。

 

3つめはDXによるイノベーションを通じた新たなビジネスモデルの創出です。
自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えています。CASE、MaaSなど、自動車自体の進化に加え、自動車の所有の仕方や利用の仕方、インフラも大きく変化する中で、新しいビジネスモデルを生み出していきます。

 

DXに関しては、戦略はもちろん、具体的にどんなAIを導入してシステム化するかという設計図も既に確立できました。今期はこれを粛々と進めていきます。

 

Q:新しいビジネスモデルに入っていくと、従来とは異なった競合が生まれることも考えられますが、その点はいかがですか?

 

もちろん様々な競合状況が生まれることは想定しています。
ただ、最初に申しましたように、我々には「コンシューマー・ファイナンス(個人のお客様の与信から債権回収まで一貫して行うビジネス)」のノウハウという、強力な武器があります。また、故障保証などの商材もあり、バリューチェーンを形成する自動車販売店や整備工場に対して仕事を提供できる点も他社には真似のできない大きな強みです。
新たなビジネスを展開する際も、こうした強力な競争優位性を発揮できるモデルを構築していきます。

 

 

Q.環境課題についてはどうですか。特にどのように事業機会の創出につなげていこうとお考えでしょうか?

 

先程も申し上げたように、「中古自動車」をキーワードにしてビジネスを徹底的に追求していくことが、環境問題の解決に貢献することになります。
ですので、リサイクルパーツビジネス(Recycle)、リユースビジネス(Reuse)、リペアビジネス(Repair)、故障保証ビジネス(Reduce)の4つをより深堀りしていきます。

 

加えて、EV(電気自動車)普及に向けた対応も進めていく必要があります。
EVの取扱いや充電設備の増設についてもビジネスチャンスが生まれてくるかと思います。また、現在の整備工場は内燃機関用の整備が中心ですが、これからは機械のみでなく電気についての知識や技術が不可欠になるでしょう。
ですので、全国に広がる我々のネットワークに対して高度な整備技能の共有や底上げの支援も行っていくことは、EVの本格的な普及に向けた我々の重要な責務であると認識しています。一般財団法人日本技能研修機構(JATTO)に加盟し、当社グループの執行役員が理事にもなっていますし、普及・支援のための仕組みも構築中です。

 

 

Q:コーポレートガバナンスについてのお考え、取り組みをお聞かせください。

 

上場企業として、ミッション達成のためには株主をはじめ、お客様、取引先、従業員、社会等の全てのステークホルダーの期待に応えるように見える化を進め、透明性と健全性の高い経営を行ってまいります。また様々な意見が吸収できるガバナンス体制でなければならないと考えています。
そのために、女性取締役は1名から2名に増員しました。今後は海外事業の拡大に伴い、外国人従業員の登用拡大も検討していこうと思います。

 

●中期経営計画「VALUE UP 2023」について

Q.次に、現在進行中の中期経営計画「VALUE UP 2023」について伺います。社長が特に重要と考えているのはどの点でしょうか?

 

当社は、これまでのオートクレジット、故障保証の提供を中心とした「オートクレジット企業」から、自動車販売店・整備工場・ユーザーのネットワークを構築し、ファイナンス・故障保証・オートモビリティのシナジーを創出する「オートモビリティ企業」への進化を目指しています。
そのために必要な「最高のファイナンス」と「最高のサービス」を提供できる体制構築の基盤づくりを進めるのが、中期経営計画「VALUE UP 2023」です。
オートクレジットでは営業力の強化、故障保証では市場の拡大など主要施策を進めていきますが、先程申し上げたDXの推進が最も要になると考えています。

 

●ROEについて

Q. 「VALUE UP 2023」では、2023年3月期の数値目標として「ROE 31.7%」(2021年5月公表時、2020年3月期のROEは27.4%)を掲げています。現在でも十分にROEは高水準ですが、どのような道筋で目標を実現させるお考えですか?

 

高水準のROEを実現しているベースはしっかりとキープしていきたいと思います。
ただ今後取り組む新規事業が既存事業ほど高い収益性となるかは難しい所もあるかもしれませんので、最適な事業ポートフォリオとDX推進による効率化を追求しつつ、ROEは20%以上を堅持していきたいと考えています。

 

●その他のリスク、課題

Q. 「VALUE UP 2023」で掲げている目指すべき将来像を実現するうえで現状では不足しているリソース、課題も当然おありだと思います。どんな点を課題と認識されていますか?またリスクともなるそれらの課題をどのようにして克服していきますか。加えてESGについてもこれから必要な取り組みはどんな点でしょうか?

 

若い企業ということもあり、まだまだ経験値が少ないという点は課題かと思います。
そのために、様々なチャレンジをしてもらうなど社内での人財育成を進めつつ、DXやオートモビリティ事業に関しては経験値のある人財が必要と考え、積極的にキャリア採用を進めています。

 

ESGに関しては、CO2削減量など環境課題におけるデータの取得・整備が不十分ですので、課題として認識しています。またガバナンスに関しては、私自身の後継者を含めた経営層の育成も大事な課題であると考えています。

 

●ステークホルダーへのメッセージ

Q.様々なお考えをお聞かせいただきありがとうございました。最後にステークホルダーへのメッセージをお願いいたします。

 

繰り返しになりますが、私たちが取り扱っている「中古自動車」に関連した、ファイナンスビジネス、リサイクルパーツビジネス(Recycle)、リユースビジネス(Reuse)、リペアビジネス(Repair)、故障保証ビジネス(Reduce)は循環型社会の形成に繋がっているものであり、「E」への貢献です。
またミッションでもある従業員に育成の場を提供すること、これはまさに「S」への貢献です。
このように、当社のミッション、事業内容は「ESG」のうち、「E」および」「S」への取り組みそのものであり、これからもこのミッションの下で事業活動を推進することが、環境問題や社会問題を解決すると同時に、企業価値の向上に繋がっていくものと考えています。この点を皆様に是非ご理解いただきたいと思います。

 

このところ、当社の時価総額が大きくなるのに伴い、環境問題を中心に、ESG投資家から要求される水準が日に日に高くなってきたと感じています。
これは我々の社会的な存在意義や価値がこれまで以上により大きくなってきているということであり、こうしたご期待にしっかりとお応えしなければならないと決意を新たにしています。

 

ただ、一方で、ESGに関する具体的な取り組みやデータの開示に関しては、網羅性の観点からは決して十分とは考えておらず、社内体制の整備を中心に、重要な課題として取り組んでまいります。

 

社会的な課題解決と収益及び企業価値向上を通じて全てのステークホルダーの皆様とWIN-WINの関係を構築して参りますので、引き続き温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

3.課題・マテリアリティと取り組み

プレミアグループが現状認識している課題・マテリアリティは以下のとおりである。
マテリアリティの選定に際しては、社外へのヒアリングも行っている。

 

課題

マテリアリティ

環境

循環型社会形成への貢献

社会資本

お客様のプライバシーおよびデータ保護

適切な取引・販売プロセス

人的資本

従業員の働き甲斐醸成、教育・育成制度

従業員の健康と安全

ビジネスモデル&イノベーション

競争力強化に向けた取り組み・イノベーション

サプライチェーンマネジメント

リスク管理・ガバナンス

コーポレートガバナンス体制の拡充

コンプライアンス、リスク管理(事故、法令)

 

*SASB Materiality Mapなどを参考に作成。

 

【3‐1 「環境」課題におけるマテリアリティ】

(1)循環型社会形成への貢献(有限の資源の活用)
同社では以下のように、ファイナンス事業において中古車の利用を促進し、自動車に関するリデュース、リサイクル、リユース、リペアを主要事業として展開しており、本業の拡大自体が循環型社会の形成に貢献している。

 

故障保証ビジネス(Reduce)

故障保証により自動車の破棄を削減

リサイクルパーツビジネス(Recycle)

自動車解体工場を保有するグループ会社から回収した部品を、同じくグループ会社で部品商を営む会社を通じて中古車販売店や整備工場に提供

リユースビジネス(Reuse)

引き上げた中古車をネットワーク先の中古車販売店・整備工場に提供

リペアビジネス(Repair)

自社グループおよびネットワーク加盟の自動車整備工場などで故障した中古車を修理

 

①リサイクルパーツビジネス(Recycle)におけるCO2削減
一般社団法人 日本自動車リサイクル部品協議会のHPによれば、自動車の各パーツをリサイクルして使用すると、新品使用時と比較して以下のようにCO2を削減することができるという。

 

*エンジン、ミッションの1台当たりCO2削減量

 

リユース品

リビルド品

エンジンASSY

681.3kg

647.7kg

オートマチックミッション

516.3kg

368.4kg

 

参照:一般社団法人 日本自動車リサイクル部品協議会HP

 

このデータを使い、リサイクルパーツの販売を行っている子会社(SAEリマックス(株))におけるエンジンとミッションの販売個数を基にCO2削減量を試算したのが以下の表である。

 

2018年

2019年

2020年

累計

リユース

 

エンジン

67,449

88,569

237,774

393,792

ミッション

81,517

83,641

139,917

305,075

リビルド

 

エンジン

42,352

39,785

259,247

341,384

ミッション

29,840

29,104

123,046

181,990

合計

221.158

241,099

759,984

1,222,241

*単位:kg

 

SAEリマックス(株)ではエンジンおよびミッションのリサイクル・リビルドにより3年間で約1,200トン、年平均で約400トンのCO2を削減したことになる。
林野庁のHPによると、36~40年生のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素の量は、約8.8トンと推定されるとのことなので、SAEリマックス(株)のCo2削減効果は、3年間で約139ヘクタール、年平均で約46ヘクタール。
これは東京ドーム約10個分に相当する。

 

参照:林野庁HP
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html

 

②その他の定量情報

ファイナンス事業(Reuse)

・創業以来2021年2月までのクレジット利用者数は累計で、789,447件。

・太陽光発電システム等の購入に伴うクレジット(エコロジークレジット)の累計件数は2021年2月末現在で11,786件

故障保証ビジネス(Reduce)

2020年12月末時点での故障保証修理件数(累計)は100万台を超えた。

 

現時点では、リサイクルパーツビジネス(Recycle)以外のリユースビジネス(Reuse)、リペアビジネス(Repair)、故障保証ビジネス(Reduce)における定量的なCO2削減量を把握できておらず、今後の課題であると認識している。

 

(2)その他
その他、環境課題に対し以下のような取り組みを実施している。

再生エネルギーの普及

「太陽光発電システム(個人用・事業用)等の購入に伴うクレジット(エコロジークレジット)」の販売を2017年から行っている。

累計件数は2021年2月末現在で11,786件。

エネルギー管理

子会社セントパーツ(株)ではリアルタイムで電気使用量と需給状況が確認できる設備を使用している。

水及び排水管理

セントパーツ(株)では自動車リサイクル法に従い、油水分離槽を複数配置し、工場から出る排水は全て油分を除去している。自社整備工場「FIXMAN」(所在地:札幌)でも同様の取り組みを行っている。

廃棄物及び有害物質管理

同社グループが保有する直営の整備工場では水性塗料を使用している。整備工場の会員制組織「FIXMAN club」にも広めていく。

セントパーツ(株)ではリサイクル活動を通じて適切な自動車冷媒用フロンの回収を行っている。

廃棄物の削減

オフィスペーパーの削減のほか、一般取引先や加盟店契約などを電子契約に移行している。取引先への請求業務においても紙を廃止している。

 

温暖化ガス削減のための世界的な中心施策である「エンジン自動車からEV(電気自動車)への完全移行」に向けては、EV普及を後押しする以下のような各種施策を検討中である。
*充電用のインフラ設備を加盟店の会員制組織内で整備
*蓄電池などのパーツ販売
*EV修理ノウハウの取得と加盟店における共有

 

【3‐2 「社会資本」課題におけるマテリアリティ】

(1)お客様のプライバシーおよびデータ保護
◎個人情報保護
事業の性格上、個人信用情報を中心とした大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用している。このため主要な子会社であるプレミア(株)は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会によりプライバシーマークの認定(登録番号10670054(04)、更新日2019年9月4日)を受けている。また、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」等を定め、各社・各部門で取り扱う個人情報を特定し、取得や利用、保管する時のリスクを明らかにした上で、そのリスクを軽減する策を決定し、漏えい等の事故を防ぐ体制を構築している。その他にもネットワークセキュリティの強化、個人情報を取り扱う委託先の確認及び評価、従業員教育、プライバシーマーク内部監査員資格を取得した内部監査部門の従業員による監査の実施等により、実効性の確保に努めている。

 

◎データ保護
各種業務を行うにあたり、個人情報保護法や関連法令を遵守するだけでなく、関係省庁のガイドラインやその他規範を遵守し、お客様や従業員等の個人情報の適切な保護と利用に努めている。また、お客様データの保護に万全を期すため、システムセキュリティの強化、システムの安定稼動の維持、システムの冗長化、データセンターの二重化、通信ネットワークの複数キャリアの利用などの施策を講じている。
現在さらに情報セキュリティ体制を強化するためにISMS(※)認証の取得を検討している。

 

※ISMS(Information Security Management System)
情報セキュリティマネジメントシステム。組織の情報セキュリティを管理するための仕組み。ISO(国際標準化機構)のISO 27001が標準規格。

 

(2)適切な取引・販売プロセス
クレジット取扱に際しては「割賦販売法」により「個別信用購入あっせん業者」の事業登録が必要とされており、3年ごとに更新を受けている。また一般社団法人クレジット協会が定めるモデル規程に準拠し、各種社内規程を制定。

 

実際のクレジット利用申込窓口となる販売店や整備工場の管理にも十分な取り組みを行っている。
営業担当は、訪問・連絡等を通じて日々販売店・整備工場の状況を把握している。不芳情報があった場合、加盟店を管理する部署が取引停止等を検討する。会員制組織については一定の入会条件を定めており、これをクリアする高水準の販売店・整備工場で構成されている。
対消費者の直接窓口である消費者相談窓口も設置し、消費者苦情センターへの情報収集も行っている。

 

反社会的勢力による被害を防止するため「反社会的勢力排除についての基本方針」を社内外に宣言し、当該基本方針を実現するための社内体制の整備(反社会的勢力への対応を統括する部署を定め、反社会的勢力に関する情報を一元的に管理・蓄積)を行い、その結果を経営陣に報告している。
また、外部専門機関である暴力追放運動推進センター等との連携も行っている。

 

(3)その他の取り組み

社会貢献

新型コロナウイルス感染症拡大に際して、全国23機関へ、20万枚以上の不織布マスクを寄贈。また、経済活動への中長期的な影響が懸念されるなか、売上の落ち込みが顕著である飲食店への支援として、東京、埼玉、大阪の14店舗から、約4千食のお弁当を購入した。

消費者への福利提供

クレジット審査において今後はAI審査の導入を決定しており、審査のスピードアップにより、購入者の審査申し込みから購入までの時間は短縮するものと考えている。

関連会社であるCIFUT(株)が提供する「エンジン始動制御装置」の提供を通じて、生活上自動車が必要であるが、クレジットが利用できないユーザーへ、自動車を使用できるような取り組みを進めている。提供実績は約1,500台。「エンジン始動制御装置」とは、一定の条件を満たした場合に自動車のエンジンが始動や停止を遠隔でコントロールできる仕組み。

 

【3‐3 「人的資本」課題におけるマテリアリティ】

(1)従業員の意識・働き甲斐醸成、
◎行動規定:VALUE
ミッションである「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」実現に向け、行動規範である「VALUE」を制定。全従業員の意識の共有を図っている。

 

<行動規定:VALUE>

強い  Toughness Mind

高い志を揚げ、何事にもチャレンジしていける企業・従業員であることを目指します。

明るい Positive Mind

常にプラス思考で取り組み、笑顔が絶えない企業・従業員であることを目指します。

優しい Gratitude

利他の精神、感謝の気持ちを持った、企業・従業員であることを目指します。

 

◎幸福感「Well-being」の向上を追求
従業員の満足度(ES:Employee Satisfaction) 向上にとどまらず、幸福感「Well-being」の向上を追求している。
そのために、ダイバーシティ経営や働き方改革を成長戦略の一環と位置付け、多様な人財が活躍できる人事諸制度の導入や、従業員全員が能力を十分に発揮し、働きがいを感じられる職場環境の創出に邁進してきた。

 

更なる価値の創出を目的に、2021年4月1日付で組織体制の改革を行った。
今回の組織改革により、既成概念に捉われない新たな視点を取り入れた組織体制を構築し、従業員の幸福感「Well-being」の向上を図ることで、持続的な企業成長を目指す。

 

【組織改革の概要】
①初の女性執行役員就任をはじめ、管理職の女性比率も上昇
2021年4月1日付けで同社初の女性執行役員が就任した。社外取締役には既に女性が就任済みである(2017年6月~)。また、同日付で管理職へ昇進する従業員のうち女性の比率は71.4%で、その結果、管理職全体における女性の比率は33.3%となった。

 

(同社提供)

 

②若手従業員を積極的に管理職へ登用
中核子会社であるプレミア(株)において、新卒5年目の従業員を最年少拠点長に登用した。同様にグループ全体で若手従業員を積極的に管理職へ登用した結果、同社及び中核子会社の管理職平均年齢は43.8歳から41.9歳に低下した。

 

③単身赴任の削減
プレミア(株)では、物理的な営業オフィスを設けない「ビジネスサイト」を4拠点から11拠点へ増設する。オフィスに出社することなく、直行直帰の営業活動が可能となるビジネスサイトの増設により、単身赴任することなく、「住みたい地域」に「家族とともに」居住する働き方が可能となる。プレミア(株)は営業部門以外にもこの方針を積極的に取り入れ、今回の組織改革により、単身赴任を50%以上解消する。

 

こうした取り組みに加え、DX推進は業務効率の改善を通じて職場環境の改善につなげる。
また、有給休暇の取得推進(年 2 回の長期休暇取得制度)、差別やハラスメントのない職場環境実現や事業活動推進のための階層別の各種研修やコンプライアンス研修を実施している。

 

(同社提供)

 

◎研修会社を設立
2020年1月、に同社グループ役職員を対象とした研修を企画・実施する会社として、(株)VALUEを設立した。
人財育成についてのミッション達成に向け、創業以来OJTだけではなく、様々な研修を積極的に実施してきた。これまで蓄積してきたノウハウを活かし、新しい社会を創造する心豊かな人財を育成することを目的としている。

 

同社がこれまで積み上げてきた研修実績・ノウハウを活かし、役職員へのより一層充実した研修を行うほか、役職員研修の実施を目的とした、宿泊にも対応可能な研修施設も設置し、当施設で研修を実施している。将来的には、グループ外の取引先にも研修サービスを提供し、人財・企業の成長を通じて、広く社会へ貢献していきたいと考えている。

 

(2)従業員の健康と安全
従業員の健康と安全にも十分な配慮を行っている。
安全衛生委員会を設置し、安全確保のためのガイドラインを制定・運用しているほか、事業所の人数に応じて衛生管理者を法定数設置している。

 

新型コロナウイルス感染症に対しては、リスクヘッジのためのガイドラインを制定したうえで、従業員の安全確保と感染被害抑止を最優先に、withコロナ施策を推進している。
具体的には、「在宅勤務、時差出勤、土日出勤、自宅から通いやすいオフィス(サテライトオフィス)の導入・推進」「ICT企画チームを組成し業務デジタル化の積極的推進」「Stay Home休暇の導入(全従業員に5日間の特別休暇を付与)」「従業員、家族へのマスクの配布」「空気清浄機、パーテーション、消毒液、体温計等各種対策グッズの設置」「PCR検査についての資金補助」「全従業員(一部管理職を除く)に対し最大9万円のコロナ特別手当の支給」などである。

 

使用済自動車の適正処理(自動車解体)および中古部品販売を手掛ける子会社のセントパーツ(株)では、安全な解体工事を実施するために従業員に対して安全研修を実施するほか、ヘルメット着用等の工場内ルールを整備している。また、関連資格取得および講習受講も推進している。

 

(3)その他
労働基準法を始めとして、各法令を遵守している。労働組合は結成されていないが、労使関係は安定している。
新卒や第二新卒など若年層を通年採用することで就業機会を提供している。

 

【3‐4 「ビジネスモデル&イノベーション」課題におけるマテリアリティ】

(1)競争力強化に向けた取り組み・イノベーション
競争力の更なる強化のため、以下3つの角度から最も重要な取り組みであるDXを推進する。

 

①業務プロセスの変更を通じたイノベーション
AI、RPAなどを導入し、業務プロセスの効率化を徹底的に進める。今後事業規模が拡大し取扱件数が増加する場合でも、人員増強することなく、従業員への負荷を軽減する。

 

②取引先である自動車販売会社や整備工場の経営効率向上
取引先に大きなメリットを提供し、更なるシェアアップを図る。

 

③DX化によるイノベーションを通じた新たなビジネスモデルの創出
100年に一度の大変革期を迎える自動車業界において、CASE、MaaSなど、自動車自体の進化に加え、自動車の所有の仕方や利用の仕方、インフラも大きく変化する中で、新しいビジネスモデルを創出する。

 

(2)バリューチェーンマネジメント
中古車に関連したプラットフォーマーとなることで、エンドユーザ、販売店・整備工場、各種サービスを提供する同社グループを繋ぎ合わせたバリューチェーンを構築する。
同社グループはサービスの提供を通じて販売店・整備工場の経営支援を行うとともに、エンドユーザに対して質の高いサービスが供給されるようアドバイスを行う。エンドユーザは、質の高いサービスを一気通貫で受けられる利便性を享受できる。
このバリューチェーンの価値向上のためにも、上記DXの推進は極めて重要な施策である。

 

【3‐5 「リスク管理・ガバナンス」課題におけるマテリアリティ】

(1)コーポレートガバナンス
ミッション達成のためには株主をはじめ、顧客、取引先、従業員、社会等の全てのステークホルダーと良好な関係を構築するとともに、その信頼を得ることが不可欠であり、そのためにはコーポレートガバナンスの充実が重要な経営課題の一つであるとの認識のもと、継続的な成長及び収益性の向上を図りつつ、透明性と健全性を確保した企業運営に努めている。

 

コーポレートガバナンス・コードについては、3原則をエクスプレインしている。
また、取締役会は7名中3名が社外取締役で、うち2名が女性と多様性も志向している。
取締役会の実効性評価は年1回、「課題に対するアクション・プランに関する事項」「取締役会の構成・運営・議案」などについて5段階評価及び自由記入のアンケート形式で回答することで実施している。2021年3月期のアクション・プランとして、以下の項目を選定し、取締役会において決定した。
(1)指名報酬委員会における、後継者育成に係る議論の開始
(2)取締役会に附議する議案の範囲の見直し及び内部体制強化の実施

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成(2021年3月末時点)

組織形態

監査役会設置会社

取締役

7名、うち社外3名

監査役

3名、うち社外2名

 

任意の指名報酬委員会を設置している。

 

◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2020年6月29日

 

<基本的な考え方>
1) 基本的な考え方
当社グループは、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションを掲げ、このミッションの達成に資するか否かという考え方を、経営における意思決定の判断軸と位置づけております。
当社グループのミッションの達成には、株主をはじめ、お客様、お取引先様、従業員、社会等の当社グループを取り巻く全てのステークホルダーと良好な関係を構築するとともに、その信頼を得ることが不可欠であり、そのためにはコーポレート・ガバナンスの充実が重要な経営課題の一つであるとの認識のもと、当社グループの継続的な成長及び収益性の向上を図りつつ、透明性と健全性を確保した企業運営に努めております。

 

2) 基本方針
(1) 株主の権利・平等性の確保
当社は、全ての株主に対して実質的な平等性を確保するため、積極的な情報開示や円滑な議決権行使ができる環境の整備等に努めております。
(2) 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社は、法令・定款の遵守をはじめとしたコンプライアンスの徹底を前提に、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、株主をはじめとする全てのステークホルダーとの協働が必要不可欠であると認識しております。
ステークホルダーとの協働を実践するため、当社グループのミッション及びビジョンを定めるほか、代表取締役社長をはじめとする経営陣が自らの言葉で全従業員に対し直接説明を行う機会である「経営方針発表」を毎年開催し、経営陣が先頭に立って、ステークホルダーの権利や立場、企業論理を尊重する企業風土の醸成に努めております。
(3) 適切な情報開示と透明性の確保
当社は、ディスクロージャーポリシーに基づき、市場からの信頼と適切な評価を獲得するため、当社の経営方針や事業戦略、業績及び財務に関わる情報を、公平に、正確に、迅速に、分かりやすく、かつ積極的に提供することを基本方針としております。法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報であっても、株主や投資家の理解の助けになると当社が判断した情報については積極的に開示することとしております。また、情報の開示に当たっては、非財務情報も含め、正確で平易化かつ具体的な記述を行い、利用者にとって有用性の高い記載となるよう努めております。
(4) 取締役会等の責務
当社は、代表取締役社長をはじめとする経営陣や取締役に対する実効性の高い監督を行うとともに、経営陣による適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、企業戦略等の大きな方向性を示し、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、収益力及び資本効率等の改善を図ってまいります。
(5) 株主との対話
当社は、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を果たすため、常日頃から株主と積極的な対話を行い、株主の意見や要望を適切に反映させ、株主とともに当社グループを成長させていくことが重要であると認識しております。このため当社では、代表取締役社長を中心とするIR体制を整備し、当社グループの経営戦略や経営計画に対する理解を得るため、株主や投資家との対話の場を設けることとしております。更に、株主や投資家からの意見が適宜取締役会に報告され、当社の経営にフィードバックされる体制を構築してまいります。

 

<実施しない主な原則とその理由>

原則

開示内容

【補充原則4-1③ 最高経営責任者の後継者計画の監督】(更新)

当社は、現在、最高経営責任者等の後継者計画の策定を行っておりませんが、企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上に向け、その中心的な役割を果たす社長・CEOの交代が、優れた後継者に対し、最適なタイミングでなされることを確保するための重要な取組であるとの認識のもと、2021年3月期以降、指名報酬委員会において後継者計画に係る議論を開始いたします。計画の策定にあたっては、充分な時間と資源をかけて後継者候補の育成が行われるよう努めるとともに、指名報酬委員会による計画策定の状況・進捗につき、取締役会において、適切に監督してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づいて開示している主な原則>

原則

開示内容

【原則1-4政策保有株式】

当社は、原則として政策保有株式としての上場株式を保有しない方針であり、現在も保有しておりません。政策保有が必要となる場合、当該株式に係る議決権の行使に関しては、取締役会においてその保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等、議案の内容を具体的に精査し、保有の適否を検証したうえで合理的に判断し、適切に開示してまいります。

【補充原則4-11① 取締役会全体のバランス、多様性、規模に関する考え方】(更新)

当社は、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、重要な意思決定と経営全般の監督に必要となる多様な視点、豊富な経験、高い見識及び専門性をもったメンバーで取締役会を構成いたします。

当社は、現在、当社グループにおける主力事業の経験者を中心に各分野に精通した取締役4名と、弁護士や公認会計士、企業経営等の経験者であり、客観性及び高い専門性を備えた視点に基づいた意見が期待できる社外取締役3名(うち女性取締役2名)により、取締役会を構成しております。なお、当社は、定款が定める10名を上限として、取締役会が取締役候補者を指名しております。

【補充原則4-11③ 取締役会全体の実効性の分析・評価】(更新)

当社は、取締役会評価に関する規程に基づき、取締役会全体に対する実効性評価・分析を定期的に行っております。2020年3月期については、以下の要領で実施いたしました。

(1)評価対象期間

自 2019年4月1日 至 2020年3月31日

(2)評価対象

評価期間内における当社取締役会の活動状況

(3)評価者

すべての取締役及び監査役(計9名)

(4)実施期間

自 2020年4月27日 至 2020年5月15日

(5)実施方法

以下の5つの大項目に係る個別の設問に対し、5段階評価及び自由記入のアンケート形式で回答

A.課題に対するアクション・プランに関する事項

B.取締役会の構成に関する事項

C.取締役会の運営に関する事項

D.取締役会の議案に関する事項

E.取締役会を支える体制に関する事項

また、2021年3月期のアクション・プランとして、以下の項目を選定し、取締役会においてその決定をいたしました。

(1)指名報酬委員会における、後継者育成に係る議論の開始

(2)取締役会に附議する議案の範囲の見直し及び内部体制強化の実施

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、株主との建設的な対話には合理的な範囲で前向きに対応してまいります。

当社の株主との対話全般は、代表取締役社長が中心となり、面談を行う株主の所有株式数、規模等に応じ、主に代表取締役社長や取締役が対応しております。

また、当社は実効性あるIR活動を実施するため、担当取締役が統括する広報・IR部門において実務を行っております。株主との対話を補助すべく、広報・IR部門と経営統括、コーポレート統括、総務、経理及び法務コンプライアンスの各部門が適宜連携する体制を整備しております。

株主との対話に関する取組としては、決算説明会や当社ホームページにおける情報開示の実践等のほか、株主が当社グループの現状等に関する理解を深められるよう積極的にIR活動を展開しております。具体的には、機関投資家やアナリストとの対話について、状況に応じて機関投資家向け個別ミーティングやアナリスト説明会等を開催し、主に代表取締役社長又は取締役が直接対話を実施しております。また、個人投資家との対話の場として、証券会社等が主催する個人投資家向け会社説明会やオンラインセミナーに積極的に参加し、個人投資家の前で、代表取締役社長及び取締役が自らの言葉で当社グループの現状等について説明を行う機会を設けております。なお、個人投資家向けのIRイベントは、当社ホームページにおいてそのスケジュールを開示しております。

   http://ir.premium-group.co.jp/ja/calendar.html

加えて、日本株市場で一定の取引量を持つ海外投資家に対しても、電話での個別ミーティングや英語翻訳資料の作成、英語版のホームページを通じた情報発信などを実施しております。

また、当社は、株主との対話を通じて把握できた意見等について、広報・IR部門が取り纏め、必要に応じて取締役会に報告し、情報共有及び経営改善を図ることとしております。

この他、対話に際してのインサイダー情報の管理について、インサイダー取引防止規程に基づき、未公開情報の厳格な管理を実施しております。

 

 

(2)コンプライアンス、リスク管理(事故、法令)
コンプライアンスに関しては、行動規範に基づいた自発的な行動を促すため、個人情報保護やインサイダー取引防止など各種研修を実施しているほか、反社会的勢力排除についての基本方針を策定し、厳格に運用している。

 

各種リスクに対してはグループリスク管理委員会を設置し、海外子会社も含むグループ各社の事業リスクを分析・把握の上、適切に管理している。
気候変動に伴う物理的な影響も含めた重大なインシデントリスク管理に関する事業継続計画(BCP)を定め、非常事態時の損害の最小化と中核事業の継続又は早期復旧を可能とする業務手順の整備、訓練、見直しを適時実施している。

 

中古車の故障保証における第三者保証での同社シェアは約75%となっているが、故障保証の市場全体においては、第三者保証が占める割合が小さいため、現状独占に該当しない状況。今後の事業拡大を通じた市場の拡大を見込み、独占禁止法に関するコンプライアンス・プログラムの制定や独占禁止法遵守の宣言も検討している。

 

4.中期経営計画「VALUE UP 2023」概要

同社では今期をスタートとし、2023年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「VALUE UP 2023」が進行中であり、2021年5月13日に見直し・再公表を行っている。

 

(1)ここまでの軌跡

2007年の創業以来クレジット事業、故障保証事業の主要事業を拡大させ、2018年には東証1部上場となるなど、順調な成長を遂げてきた。業績面でも、売上、利益は大きく拡大した、ROE、ROAも着実に上昇してきた。

 

(2)中期ビジョンについて

(事業環境についての認識)
新型コロナウイルスの影響を踏まえて、事業環境について以下のように認識している。

 

対象

状況

認識

必要な対応

個人のお客様

2020年4月月の緊急事態宣言中、中古車購買は落込んだものの、年度後半は回復

生活必需品である中古車の底堅い需要を再認識した。

ファイナンス事業、故障保証事業の伸長が会社の成長に重要

中古車市場(販売店・整備工場)

新車流通量の減少により、中古車の流通量も減少し、仕入れ価格が上昇

資本力の小さな販売店・整備工場が苦戦している。

また、販売量とお客様接点が減少している。

中小の販売店・整備工場の経営サポートが必要

社会トレンド

既存の思考・手法が通用しない、ニューノーマル時代

持続的な成長に向けた競争優位性の確立が

必要である。

新しいビジネスモデルへのシフトや業務イノベーションの推進が重要。

特にDXの必要性。

 

(中期ビジョン:目指すべき将来像)

上記の事業環境認識の結果、既存事業の伸長に加え、直接の顧客である中古車販売店・自動車整備工場の経営支援を通じて、中古車市場の活性化が必要と考え、これまでのオートクレジット、故障保証の提供を中心とした「オートクレジット企業」から、自動車販売店・整備工場・お客様のネットワークを構築し、ファイナンス・故障保証・オートモビリティのシナジーを創出する「オートモビリティ企業」への進化を中期ビジョンとして掲げている。

 

(同社資料より)

 

(中期ビジョンに基づくマテリアリティ)
事業環境認識から、以下の4つをマテリアリティと設定した。

事業環境認識

マテリアリティ

既存事業のファイナンス事業、故障保証事業の伸長が会社の成長にとって重要

①強みであるファイナンス事業を増強

②故障保証の市場拡大

中小の販売店・整備工場の経営サポートが必要

③オートモビリティサービス事業の拡充

DX化により、新しいビジネスモデルの確立や業務イノベーションの推進が重要

④中古車市場、整備市場のプラットフォーマーを目指す

 

中でも、持続的な成長と競争力強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進が最重要課題であると認識しており、DX戦略を公表した。

 

(2)事業別の取り組み

目指すべき将来像を実現するためには「最高のファイナンス」と「最高のサービス」を提供できる体制の構築が必要である。
中期ビジョン「VALUE UP 2023」においては各分野で以下のような取り組みに注力する。

 

①ファイナンス事業
◎オートクレジット・個人向けオートリース
重点施策は「営業拡大」と「業務イノベーションの推進」。

 

営業拡大においては、BIZサイト形式(BIZサイト形式とは、各地域に支店を設ける形ではなく、本拠は主要都市に置き、必要に応じて営業エリアに赴く営業展開方式)で営業エリアを拡大とするとともに、営業人員も50名増員し130名とする。
また、アウトバウンド型のコンタクトセンターを拡充し、未稼働加盟店の稼働、未開拓エリアの開拓にも取り組むとともに、加盟店の会員制組織化を推進し、トップラインの高成長を実現する。

 

「業務イノベーションの推進」においては、AIを導入した自動審査体制を構築するほか、バックヤードの無人化やペーパーレス推進により、業務効率を上昇させ、利益率を高める。

 

◎サービサー
重点施策は「グループ共同での債権回収」と「デポカー(※)の販売」。

 

「グループ共同での債権回収」においては20年4月に子会社化したサービサー会社である中央債権回収(株)と共同で債権回収を実施し、シナジーの創出によりさらなる収益貢献を図る。

 

「デポカー(※)の販売」においては、債権回収における引揚車両を会員制組織内の加盟店に販売することで新しい収益機会を創出する。

 

※デポカー:オートクレジットの債権回収時に引揚げた車両のこと。

 

②故障保証事業
市場自体の拡大が命題と考えている。
そのために、以下のような施策に取り組み、市場を拡大させ、中古車を保守することで廃車を減らすリデュース(Reduce)を推進する。

 

施策

概要

延長保証の商品開発

延長保証によりお客様との接点を増加させることで事業機会を拡大する。

収益性の向上

会員制組織内の整備工場への入庫や、グループ内で調達するリサイクル部品を使用することによる修理費用の低減及び販売価格への還元を図る。

認知度向上のための広告施策実施

TV、ネットなどの広告を通じて故障保証の認知度および有用性を浸透させる。

 

③オートモビリティサービス事業
中古車部品の流通を行う「リサイクル(Recycle)パーツビジネス」、引揚げ車両の流通や同社グループ内での活用を行う「リユース(Reuse)ビジネス」、自動車の検査及び故障修理を行う「整備」サービスと自動車の傷や凹み等の修繕を行う「鈑金」サービス等を提供する「リペア(Repair)ビジネス」という、いずれも環境に配慮した取り組みである「新3R」ビジネスの拡大に注力する。現状、M&Aをした子会社を通じて、リサイクルパーツの販売や引揚げ車両の販売、整備工場等が利用する業務管理ソフトウェアの販売など幅広いサービス提供を行っている。

 

重点施策は、「サービスラインナップの拡充」「加盟店である中古車販売店、整備工場の会員制組織化の推進」「プラットフォーム構想の推進」。収益源を多様化し、グループの持続的な成長を図る。

 

会員制組織化については、これまで構築した加盟店ネットワーク(自動車販売店30,000社以上、整備工場3,000社以上)の中から、特に取引関係を深める加盟店を自動車販売店については「PFS Premium Club」、整備工場については「FIXMAN Club」として会員制組織を形成していく。
こうして構築した会員制組織とお客様をつなぎ、多様なサービスを提供するプラットフォーマーを目指している。

 

(同社資料より)

 

④海外戦略
ミッションにあるように、「世界中の人々」を対象とし、日本の優秀な製品・サービスを提供する。
新型コロナウイルスの収束状況等を鑑みながら、中期ビジョンPhase-1は種まき期と位置付け、出展国の増加に努める。現地資本などとのJoint Venture設立により進出し、同社単独(100%資本)での進出は行わない。
続く中期ビジョンPhase-2を刈取り期とし、連結子会社化も視野に入れ、海外事業を本格的に展開する。

 

(5)数値目標

「VALUE UP 2023」では、2023年3月期「営業収益258億円、当期利益33億円」、次期中期ビジョン最終年度2025年3月期は「営業収益419億円、当期利益65億円、時価総額1,750~2,000億円」を目標として掲げている。

 

 

21/3期

実績

22/3期

計画

23/3期

計画

24/3期

計画

25/3期

計画

CAGR

営業収益

178

214

258

329

419

+23.9%

税引前利益

35

35

49

65

100

+30.0%

当期利益

24

24

33

43

65

+28.3%

ROE

38.3%

-

31.7%

-

37.0%

-

時価総額

322

-

900~1,000

-

1,750~2,000

-

*単位:億円。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。時価総額は2021年3月31日終値。CAGRは21/3期から25/3期まで4年間の年平均成長率。同社計画を基に(株)インベストメントブリッジが計算。

 

(6)ESG・SDGsに対する取り組み

社会的存在意義、社会的責任を強く意識し、当レポートで定めたマテリアリティに注力していく。

 

5.財務:非財務データ

(1)財務データ

◎BS/PL

 

2016/3期

2017/3期

2018/3期

2019/3期

2020/3期

2021/3期

営業収益

5,297

7,900

9,065

10,759

14,016

17,825

税引前利益

580

1,297

1,979

2,097

2,604

3,463

当期利益

331

847

1,293

1,388

1,466

2,383

EPS(円)

27.55

70.56

107.44

113.08

112.33

186.74

ROE(%)

9.92

22.25

25.88

24.8

27.4

38.3

資産合計

28,111

29,517

35,932

43,540

58,203

68,156

純資産合計

3,332

4,280

5,710

5,464

5,242

7,211

自己資本比率(%)

11.85

14.50

15.89

12.55

9.01

10.6

*単位:百万円。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。純資産は親会社の所有者に帰属する持分。

 

◎CF

 

2016/3期

2017/3期

2018/3期

2019/3期

2020/3期

2021/3期

営業CF

2,712

2,769

1,043

-1,015

-1,246

1,321

投資CF

-4,860

-1,393

-852

-706

-1,618

-1,172

フリーCF

-2,149

1,376

191

-1,721

-2,864

149

財務CF

7,489

-2,223

1,790

1,563

2,967

1,617

現金・現金同等物

5,340

4,494

6,475

6,186

6,286

8,054

*単位:百万円

 

 

(2)非財務データ

①社会資本関連

 

2019/3期

2020/3期

2021/3期

株主数

4,170

4,313

3,851

クレジット事業

加盟店社数

20,417

22,549

23,907

 

②人的資本関連

 

2019/3月末

2020/3月末

2021/3月末

従業員数

336

391

423

うち、女性従業員数

101

130

140

同比率

30.1%

33.2%

33.1%

外国人従業員数

40

58

62

管理職数

103

117

150

 うち、女性管理職数

8

15

28

 同比率

7.8%

12.8%

18.7%

取締役数

6

6

7

 うち、女性取締役数

1

1

2

有休取得率

71.0%

69.6%

66.8%

離職率

3.3%

7.4%

7.4%

 

 

*従業員数はプレミアグループ(株)及び中核子会社3社の合計値。同数値を基に女性従業員数比率や管理職比率を算出。外国人従業員数は現地採用のスタッフ数で、「従業員数」には含まれない。
*管理職は課長相当以上。離職率は年度。離職率(%)=当期間内の離職者数÷当期首の在籍者数×100

 

 

<参考>

ESG Bridge Reportの発行に際しては、柳 良平氏(京都大学経済学博士、エーザイ株式会社専務執行役CFO、早稲田大学大学院会計研究科客員教授)に多大なご協力を頂いた。
この「参考」のパートでは、ESG Bridge Report発行の趣旨についても述べさせていただくとともに、同氏の提唱する「ROESGモデル」の概要を同氏の著作「CFOポリシー」から引用する形で紹介する。

 

(1)ESG Bridge Reportについて

ESG投資がメインストリーム化する中で、投資家からは日本企業に対し積極的なESG情報開示が求められ、これに呼応する形で統合報告書作成企業数は増加傾向にあります。
ただ、統合報告書の作成にあたっては経営トップの理解・関与が不可欠であることに加え、人的リソースおよび予算負担から多くの企業が踏み出すことができていないのが現状です。
また、統合報告書の作成にあたっては各種データの整理、マテリアリティの特定、指標や目標値の設定など多くのステップが必要ですが、現状の準備不足のために二の足を踏んでいるケースも多いようです。

 

しかし、柳氏が「CFOポリシー」で、「日本企業が潜在的なESGの価値を顕在化すれば、少なくとも英国並みのPBR2倍の国になれるのではないだろうか」「ROESGの実現により日本企業の企業価値は倍増でき、それは投資や雇用、年金リターンの改善を経由して国富の最大化に資する蓋然性が高い」と述べているように、日本企業のESG情報提供は、日本全体にとっても有意で積極的に推進すべき事項であると株式会社インベストメントブリッジは考えています。

 

そこで、一気には統合報告書作成には踏み出せないものの、ESG情報開示の必要性を強く認識している企業向けに、現時点で保有するデータやリソースをベースに、投資家が必要とするESG情報開示に少しでも近づけるべく、弊社がご協力して作成しているのが「ESG Bridge Report」です。
日本企業のESG情報開示を積極的に後押ししている日本取引所グループが発行している「ESG情報開示実践ハンドブック」のP6には「ここで紹介している要素が全て完璧にできていないと情報開示ができないということでもない。自社の状況を踏まえてできるところから着手し、ESG情報の開示を始めることで、投資家との対話が始まり、そこから更なる取り組みを進めていく際に、本ハンドブックが手がかりになることを期待している」とありますが、「ESG Bridge Report」は、まさに「できるところから着手し、ESG情報の開示を始める」ためのツールであると考えています。

 

柳氏によれば「ROESG」の本格的な展開のためには、ESGと企業価値の正の相関を示唆する実証研究の積み上げ、企業の社会的貢献が長期的な経済価値に貢献する具体的事例の開示などが必要とあり、実際のハードルは高いのですが、各企業のESGへの取り組みがいかにして企業価値向上に繋がっているかをわかりやすくお伝えしたいと考えています。

 

お読みいただいた多くの投資家からのフィードバックを基に、よりクオリティの高いレポートへと改善してまいりますので、是非忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。

 

株式会社インベストメントブリッジ
代表取締役会長 保阪 薫
k-hosaka@cyber-ir.co.jp

 

 

(2)「ROESGモデル」について

(拡大する非財務資本の価値、ESG投資の急増、ESGと企業価値をつなぐ概念フレーム策定)
近年、多数の実証研究において企業価値評価における非財務情報の重要性拡大が証明されており、今や、企業価値の約8割は見えない価値(無形資産)、非財務資本の価値と推察される。
加えて、非財務情報と企業価値の関係を調べた多数の実証研究の結果から、ESGと企業価値は正の相関を持つ蓋然性があると考えられる。
一方、グローバルにESG投資のメインストリーム化が進む中、潜在的なESGの価値にもかかわらず多くのケースでPBRが1倍割れもしくは低位に留まる日本企業は、PBR上昇のために「ROESGモデル」により、非財務資本を将来の財務資本へと転換すること、つまりESGと企業価値をつなぐ概念フレームを策定して開示する必要がある。

 

(「ROESGモデル」の概要)
株主価値のうち、「PBR1倍相当の部分」にあたる株主資本簿価は現在の財務資本・財務価値により構成される。
一方、株主価値のうち「PBR1倍超の部分」にあたる市場付加価値は、(将来の財務資本ともいえる)非財務資本により構成されると同時に、残余利益モデルにおいてはエクイティス・プレッド(ROE-株主資本コスト)の金額流列の現在価値の総和でもある。
このことから柳氏は、非財務戦略の結論として「非財務資本とエクイティ・スプレッドの同期化モデル」=「ROESGモデル」を、ESGと企業価値を同期化する概念フレームワークとして提案している。

 


 

「ROESGモデル」においては、「市場価値(MVA)」を通じて残余利益の現在価値の総和としてのエクイティ・スプレッドと非財務資本が相互補完的である、つまり、エクイティ・スプレッドによる価値創造はESGを始めとする非財務資本の価値と市場付加価値創造を経由し、遅延して長期的には整合性を持つ。
そのため、ESG経営は資本効率を求める長期投資家とは市場付加価値を経由して同期化でき、協働が可能であろう。
これを傍証するように、柳氏が実施した投資家サーベイにおいては、世界の投資家の大多数が「ESGとROEの価値関連性を説明してほしい」と要望していると同時に、「ESGの価値の100%あるいは相当部分をPBRに織り込む」と回答しており、「ROESGモデル」は間接的にも長期投資家の大半から支持されていると解釈できよう。
(同氏の「ROESGモデル」の詳細については、柳良平著「CFOポリシー」中央経済社(2020)
をご参照されたい。

 

 

 

 

 

本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解はインベストメントブリッジが公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、インベストメントブリッジが信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

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