ブリッジレポート
(6575) ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス株式会社

東証マザーズ

ブリッジレポート:(6575)ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス 2021年3月期決算

ブリッジレポートPDF

投資家向けIRセミナープレミアムブリッジサロン開催!

 

渡部 昭彦 社長

ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス株式会社(6575)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

サービス業

代表者

渡部 昭彦

所在地

東京都港区南青山1-3-3 青山一丁目タワー4階

決算月

3月

HP

https://www.humanassociates.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

705円

3,253,237株

2,293百万円

-9.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.00円

0.9%

20.03円

35.2倍

324.49円

2.2倍

*株価は6/14終値。各数値は21年3月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

1,948

255

257

176

64.32

19.29

2019年3月(実)

1,883

147

148

182

61.56

18.36

2020年3月(実)

2,643

20

18

-25

-7.97

10.00

2021年3月(実)

2,492

-59

-52

-106

-32.76

0.00

2022年3月(予)

2926

137

129

65

20.03

6.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年1月、1株を2株に分割(EPSを遡及修正)。

 

ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(株)の2021年3月期決算概要、22年3月期業績予想などについて、ご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21年3月期の売上高は前期比5.7%減の24億92百万円。人材育成が増収も、メンタルヘルスケア(EAP)※、人材紹介が減収。営業利益は59百万円の損失となった。売上の減少で売上総利益が減少する中、販管費の抑制に努めたが補えず損失を計上。上場来初の営業損失となった。配当は20年3月期の10円/株から無配に転じた。ただ、四半期ベースでは、第4四半期(21年1-3月)は対前年同期比増収で損失幅も縮小している。※メンタルヘルスケア事業は2022年3月期よりEAP事業に名称変更。 EAPとはEmployee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略称。

     

  • 22年3月期の売上高は前期比17.4%増の29億26百万円、営業利益以下、黒字転換を予想。コロナ禍の影響を抜け出し、コロナ前の業績に回復する。特に前年大きな影響を受けた人材育成と人材紹介については大幅増収を見込んでいる。業績回復に伴い配当は6円/株へ復配の予定。予想配当性向は30.0%。

     

  • 今期を初年度とする中期経営計画を発表した。グループのソリューションを提供することで、企業における人材の価値を高める「人と企業のパートナー」を目指し「各セグメントにおけるソリューション領域拡大」と「グループ全体でのDX推進」の2つの成長戦略を推進。最終24年3月期「売上高38億円、営業利益5億円、ROE20%超」を目指す。売上高では人材育成事業が牽引。20/3期から24/3期までの営業利益のCAGRは123%。

     

  • 21年3月期は下方修正を行い、上場後初の営業損失計上となってしまった。ただ、前第1四半期(2020年4-6月)をボトムに回復傾向にあると会社側は考えており、第四半期の売上・利益は前年同期を上回っている。この傾向が継続するか、四半期ごとの推移を見ていきたい。

     

  • また中期経営計画では、24年3月期に向け売上・利益とも大きく伸長し、収益性も大幅に改善する。渡部社長は「チャレンジングではあるが過年度の推移からも不可能な数字ではない」とコメントしており、人的資本強化が業種・業態問わず全ての企業の喫緊の課題として浮上している中、自社の強みを発揮して確実に需要を取り込んでいくことができるか、各事業の重点施策の進捗を注目していきたい。

1.会社概要

持株会社である同社の下、グループで、組織人材向けのカウンセリング、ストレスチェック、更にはその後のフォローアップサービスを行うメンタルヘルスケア(EAP)事業、研修やアセスメント、ICTを活用した人材育成ソリューションを提供する人材育成事業及びエグゼクティブやグローバル人材などミドルマネジメント以上の人材に特化した人材紹介事業を手掛けている。

 

グループは、持株会社であるヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(株)の他、組織人材のメンタルヘルスケアを行うヒューマン・フロンティア(株)、会社経営層や高度スペシャリストのエグゼクティブサーチを行うAIMSインターナショナルジャパン(株)、グローバル人材紹介やミドルマネジメント層を中心にした登録型人材紹介の(株)A・ヒューマン、人材育成(研修)事業を展開するサイコム・ブレインズ(株)の100%子会社4社、持分法適用非連結子会社2社及び持分法非適用非連結子会社1社。

 

 

【1-1 沿革 : 約30年間のサービス実績に基づく優良な顧客基盤が強み】

1996年9月にヒューマン・アソシエイツ(株)として設立され、ヘッドハンティング(サーチ型人材紹介)事業を開始した。2000年2月にメンタルヘルスケアサービスを提供するヒューマン・フロンティア(株)を、11月に登録型人材紹介を手掛ける(株)A・ヒューマンを、それぞれ設立。2007年9月に渡部昭彦氏(現代表取締役社長)がヒューマン・アソシエイツ(株)代表取締役社長に就任。業容拡大を踏まえて、2009年7月にHAグループ(株)を持株会社とする体制へ移行した。
2011年9月、グローバルサーチファームのAIMS Internationalと提携し、AIMSインターナショナルジャパン(株)を設立。2013年6月に持株会社HAグループ(株)がヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(株)に商号を変更した。2016年4月に(株)A・ヒューマンがヒューマン・アソシエイツ(株)を吸収合併し、同年11月に人材紹介会社Optia Partners(株)※の全株式を取得。2018年4月に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場した。
※Optia Partners(株)は2020年11月に(株)A・ヒューマンに吸収合併

 

2019年7月にサイコム・ブレインズ(株)を子会社化し、現在、メンタルヘルスケア(EAP)事業、人材育成事業及び人材紹介事業の3事業を展開しているが、いずれの事業も30年近くの実績を有し、この間に構築された大企業を中心とする優良な顧客基盤が同社グループの強みとなっている。

 

【1-2 グループ理念 : 未来をつくるのは、ひとの力だ 】

創業より「企業における人材価値の向上」をミッションとし、顧客企業をサポートしてきたが、同社グループ従業員も含めた全ての働く「ひと」に焦点を当て、「ひと」から選ばれるヒューマン・アソシエイツグループを目指し、2020年4月1日にグループ共通の理念「未来をつくるのは、ひとの力だ」を制定した。

 

未来をつくるのは、ひとの力だ

人と企業の架け橋として、はたらく幸せを、ともにつくる。

その先に、わたしたちの叶えたい未来があります。

 

ライフスタイルが多様化するこの時代に

わたしたちは、一人ひとりと向き合い

誰もがいい顔で、活躍できる社会に変えていきたい。

未来をつくるのは、ひとの力だと信じて。

 

また、以下のMISSION、VISION、VALUESを掲げている。

MISSION(使命)

人材の価値を高め、組織を活性化し、はたらく人の幸せと社会の未来を創造する

VISION(未来像)

世界でいちばん、はたらく人の幸せを考えるコンサルティンググループ

VALUES(価値観)

1.はたらく人の幸せを行動の原点にしよう。

2.すべての仕事に、誠実に向き合おう

3.互いに尊重し、チームとして協力しよう

4.人と組織におけるプロフェッショナルになろう

5.人の価値を高めて、社会を豊かにしよう

 

【1-3 事業概要】

事業は、メンタルヘルスケア(EAP)事業、人材育成事業、及び人材紹介事業に分かれる。

 

(1)メンタルヘルスケア(EAP)事業
事業会社ヒューマン・フロンティア(株)が、カウンセリング、ストレスチェック及びその後のフォローアップサービス、及び各種研修等のメンタルヘルスケアサービスをワンストップで提供している。導入実績は大企業を中心に約1,000社、全国約80名のカウンセラーが顧客企業の現場に赴いてEAPを提供しており、EAPカウンセリングを通して培ったノウハウを活かして、管理職向けメンタルヘルスケア研修、パワハラ研修、ワークライフバランス研修等の研修や、ストレスチェック・組織分析、休職者・復職者支援プログラム、CISM(Critical Incident Stress Management)、組織コンサルテーション等のサービスも提供している。
ストレスチェックについては、2015年12月の改正労働安全衛生法の施行に伴い、従業員50名以上の事業所で実施が義務化され需要が拡大した。顧客企業の従業員の回答を集計し、問題点等を整理・分析して企業に提出する。また、ストレスチェックを通して、組織上の問題が浮き彫りになれば、組織コンサルテーションを通じて様々なコンサル提案により問題の解決を支援する。

 

強みは、他社では対応が難しい、メンタルヘルス対策の一次予防から三次予防までのワンストップ提供と「現場型」出張カウンセリング。メンタルヘルス対策に対するニーズは、企業規模に比例して多様化する傾向があるが、同社のように、多様化する企業ニーズに全国規模かつワンストップで、柔軟に対応できる企業は限られる。

 

(2)人材育成事業
2019年7月に完全子会社化したサイコム・ブレインズ(株)の事業領域である。同社は1996年に設立された人材開発・組織開発専門のコンサルティング会社であり、企業の人材育成、業績向上、組織変革のための気づき、学び、行動変容のプロセスを構築するために、アセスメント(評価)、研修、オンラインコンテンツ、効果測定等を組み合わせ、クライアント企業にとって最適なソリューションを提供している。また、国内だけでなく、上海、バンコク、ジャカルタに拠点を有し、東京を含めた各拠点と現地のネットワークを活かし、クライアント企業のアジア事業の中核を担う現地社員の育成も支援している。
コンサルティング機能を活かした企業研修、多言語対応の映像講座、短時間かつ持続的な受講を可能とするオンラインやモバイルツールを活用したサービス等、社員の能力向上と企業の業績向上につながる個別性の高い学習プログラムの提供を強みとしている。

 

(3)人材紹介事業
ミドルマネジメント以上の人材紹介に特化して、特色のある事業会社2社が人材サービスを展開している。2社とは、会社経営層や高度スペシャリストのエグゼクティブサーチを手掛けるAIMSインターナショナルジャパン(株)、ミドルマネジメント層を中心に紹介する登録型人材紹介とグローバル人材紹介を手掛ける(株)A・ヒューマンである。

 

各業界で勤務経験を持ち業界知識の豊富なコンサルタントを確保している事が強みであり、インターナショナル領域では、㈱AA・ヒューマン、Optia事業部の充実したコンサルタント陣に加え、AIMSインターナショナルジャパン(株)の提携先であるAIMS Internationalとの連携が強み。Optia事業部はコンサルタントの9割超が外国人のため外資系企業のトップ(外国人)へアプローチしやすく、的確にニーズをつかむ事ができる。AIMS Internationalとの連携では、世界50ヶ国、80ヶ所以上の拠点を構え、約270名のパートナー・コンサルタントを擁するエグゼクティブサーチネットワークを活用できる。

 

2.2021年3月期決算概要

【2-1 連結業績】

 

20/3期

売上比

21/3期

売上比

前期比

予想1

予想2

売上高

2,643

100.0%

2,492

100.0%

-5.7%

2,717

2,478

売上総利益

2,092

79.1%

1,989

79.8%

-4.9%

-

-

販管費

2,072

78.4%

2,049

82.2%

-1.1%

-

-

営業利益

20

0.8%

-59

-

-

50

-63

経常利益

18

0.7%

-52

-

-

66

-58

親会社株主帰属利益

-25

-

-106

-

-

32

-98

* 単位:百万円。予想1は20年8月発表、予想2は21年2月発表。

 

減収、営業損失
売上高は前期比5.7%減の24億92百万円。人材育成が増収も、メンタルヘルスケア(EAP)、人材紹介が減収。
営業利益は59百万円の損失となった。売上の減少で売上総利益が減少する中、販管費の抑制に努めたが補えず損失を計上。上場来初の営業損失となった。
配当は20年3月期の10円/株から無配に転じた。
四半期ベースでは、第4四半期(21年1-3月)は対前年同期比増収で損失幅も縮小している。

 

【2-2 新型コロナウイルスの影響及び対応】

各事業における影響及び対応は以下の通り。

 

(1)メンタルヘルスケア(EAP)事業
対面による集合研修の中止や延期が発生した。これを契機に、オンラインを活用した研修のニーズに対応するとともに、新たな研修メニューの開発にも積極的に取り組んでいる。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出の自粛など、生活スタイルが突然大きく変化したことによる個人の抱えるストレス軽減に寄与すべく、「新型コロナウイルス対応セルフケア特設サイト」を開設した。

 

(2)人材育成事業
対面による集合研修の中止や延期が発生した。リアルな集合研修からオンライン研修への移行を進める一方、自律学習とキャリアアップを支援する見放題動画など個人向けの商品を開発した。プロモーション活動や代理店開拓等販売活動を強化し、新たなビジネスモデルの確立を目指している。

 

(3)人材紹介事業
顧客企業の採用活動の中断や遅延が広範に発生し、新規顧客開拓活動に影響が出た。オンライン面談を積極的に活用したほか、外部環境変化への迅速な対応に向け、HPや業務システム等を見直し、デジタル化の時代に対応しAI人材等、付加価値の高い人材紹介により差別化を図る考えだ。

 

21年3月期は各事業とも大きく影響を受けたが、オンラインサービスの強化推進により、今後の影響は軽微であると会社側は見ている。

 

【2-3 セグメント別動向】

 

20/3期

構成比:利益率

21/3期

構成比・利益率

前期比

メンタルヘルスケア(EAP)事業

864

32.7%

829

33.3%

-4.1%

人材育成事業

641

24.3%

718

28.8%

+11.9%

人材紹介事業

1,137

43.0%

944

37.9%

-16.9%

連結売上高

2,643

100.0%

2,492

100.0%

-5.7%

メンタルヘルスケア(EAP)事業

192

22.3%

205

24.8%

+6.8%

人材育成事業

6

1.0%

-1

-

-

人材紹介事業

139

12.2%

38

4.1%

-72.7%

調整額

-317

-

-302

-

-

連結営業利益

20

0.8%

-59

-

-

* 単位:百万円
メンタルヘルスケア(EAP)事業
減収増益。
集合研修の受注減少の影響により減収であったものの、一部コスト圧縮により増益となった。

 

人材育成事業
増収、損失計上
オンラインを活用したバーチャル研修導入により回復傾向にあったものの、延期やキャンセル分を補うには至らず営業損失を計上した。

 

人材紹介事業
減収減益。
採用活動の中断や遅延が広範に発生し、大幅な減収減益となった。

 

 

【2-4 財政状態及びキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

20年3月

21年3月

増減

 

20年3月

21年3月

増減

流動資産

1,159

1,318

+159

流動負債

543

818

+274

現預金

789

1,031

+241

仕入債務

7

24

+16

売上債権

215

236

+21

短期有利子負債

74

324

+250

固定資産

1,232

1,163

-68

固定負債

657

596

-61

有形固定資産

234

211

-23

長期有利子負債

352

277

-74

無形固定資産

753

712

-41

負債合計

1201

1,414

+213

投資その他の資産

243

239

-3

純資産

1190

1,067

-123

資産合計

2,391

2,481

+90

利益剰余金

647

512

-135

 

 

 

 

負債純資産合計

2391

2,481

+90

* 単位:百万円

 

先行不透明な経営環境のため、経営安定化に備え手元資金を確保するため短期借入金を前期末比2億50百万円増額。
自己資本比率は前期末7.1ポイント低下し42.5%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

20/3期 

21/3期 

増減

営業キャッシュ・フロー

182

154

-28

投資キャッシュ・フロー

-505

-60

+444

フリー・キャッシュ・フロー

-322

93

+416

財務キャッシュ・フロー

303

148

-155

現金及び現金同等物期末残高

789

1,031

+241

* 単位:百万円

 

営業CFがほぼ変わらない中、M&A関連の支出がなくなり、フリーCFはプラスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。

 

3.2022年3月期業績予想

【3-1 連結業績予想】

 

21/3期 

構成比

22/3期(予) 

構成比

前期比

売上高

2,492

100.0%

2,926

100.0%

+17.4%

営業利益

-59

-

137

4.7%

-

経常利益

-52

-

129

4.4%

-

親会社株主帰属利益

-106

-

65

2.2%

-

* 単位:百万円。

 

増収、黒字転換の予想
売上高は前期比17.4%増の29億26百万円、営業利益以下、黒字転換の予想。
コロナ禍の影響を抜け出し、コロナ前の業績に回復する。特に前年大きな影響を受けた人材育成と人材紹介については大幅増収を見込んでいる。
業績回復に伴い配当は6円/株へ復配の予定。予想配当性向は30.0%。

【3-2 セグメント別動向】

 

21/3期

構成比:利益率

22/3期(予)

構成比・利益率

前期比

メンタルヘルスケア(EAP)事業

829

33.3%

838

28.6%

+1.1%

人材育成事業

718

28.8%

899

30.7%

+25.7%

人材紹介事業

944

37.9%

1,187

40.6%

+25.3%

連結売上高

2,492

100.0%

2,926

100.0%

+17.4%

メンタルヘルスケア(EAP)事業

205

24.8%

164

19.6%

-19.7%

人材育成事業

-1

-

34

3.8%

-

人材紹介事業

38

4.1%

239

20.1%

+523.4%

調整額

-302

-

-301

 

-

連結営業利益

-59

-

137

4.7%

-

* 単位:百万円。

 

メンタルヘルスケア(EAP)事業
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインを活用したサービスの提供も引き続き行うが、顧客要望に応えるための人員を含めた先行投資の影響もあり、増収ながらも減益となる見通し。

 

(主な施策)
引き続き当社の主要なサービスであるEAP契約企業の維持・拡大、労働安全衛生法に基づくストレスチェック実施ニーズの取り込み及び実施後の組織分析を踏まえたフォローアップサービスの拡販に注力する。
また、「健康経営」及び「働き方改革」を目指す各企業の取り組みを支援するとともに、パワーハラスメント防止に関する法律が2020年6月に施行されたことを受け、従来のハラスメント防止研修に加え、ハラスメント相談(通報)窓口サービスの提供により、企業の働きやすい職場作りを支援する。
さらに、マーケティングを強化することで新規顧客の獲得を図る他、ストレスチェック結果を中心に企業保有データも活用した分析を行うことで、メンタルヘルスケア強化や職場環境改善に向けてのサービス展開を行う。
全国をカバーするとともに質の高いカウンセリングサービスで培ってきたノウハウを基盤として、キャリア開発支援を含めた個人と職場の健康を支援し、サービスの充実及び売上の確保を図る。

 

人材育成事業
コロナ禍の影響を抜け出して増収、黒字転換となる見通し。

 

(主な施策)
新型コロナウイルス感染症の拡大により、主要な顧客である大手企業においてリモートワークが進展し、社員のITリテラシーが高まる中で、オンラインで効率的に学び、成果を上げることを目的としたソリューションに対する需要が、極めて高いと認識している。これを受けて、前期に提供を開始し、法人を中心に会員数を伸ばしている研修動画見放題のライブラリーサービス「ビジネスマスターズ®」の機能を拡充し、自己学習とオンライン集合研修、ワークショップ、成果のチェック、フォローアップまでを行える研修管理・運営プラットフォームを構築した。さらに今期からは、企業研修の内製化支援の施策として、講師用のマニュアル、指導要領、受講者管理ツールをパッケージ化したサービスの提供を開始する。
また、コロナ禍において進行している人々の意識の変化、行動変容により、個人のスキルアップやキャリアゴールに合わせた自律学習のツールに対する需要が増加し、企業もこうした動きを支援する傾向が高まっていると認識している。現在2,100本を超える「ビジネスマスターズ®」の研修動画のさらなる拡充を進めるとともに、様々な分野におけるリテラシーの定着度合いを測定するための診断プログラムについても、ラインアップを拡充する。
自社の強みは、企業の多様なニーズを的確に把握し、人材育成や組織変革に対する施策を助言し、ソリューションを企画・提供するコンサルタントおよびコーディネーターのクオリティであると認識しており、今後も顧客のDX、ダイバーシティ推進、グローバル経営、キャリア開発支援など、様々な領域で質の高いソリューションを提供し、顧客のロイヤリティをさらに高めていく。

 

人材紹介事業
新型コロナウイルス感染症収束のタイミング等流動的な要因はあるが、産業構造の変化や働く人の意識・行動変容が続く中、「適材適所」を実現する人材紹介サービスへのニーズは堅調な推移が見込まれるため、そうしたニーズを迅速かつ適切に取り込むことにより収益改善を図り大幅な増収増益となる見通し。

 

(主な施策)
事業会社3社から2社への整理統合による業務効率の改善、それに伴う組織・人員体制の見直しによる各産業・業種への専門性並びにコンサルティング機能の強化等の成果を着実に実現させることにより、一層の付加価値の高いサービスの提供を実現し競合他社との差別化を図る。
具体的には、ジョブ型雇用の増大等企業ニーズの変化を踏まえDX・AI技術者等のプロ人材の紹介を強化するとともに、社外役員・経営スタッフ等のガバナンス人材を始めとする比較優位にあるエグゼクティブ人材の紹介に引き続き注力し、ブランド力の向上と収益性の維持拡大を図る。
また、アドテクノロジーの活用等マーケティングの強化により優良な顧客基盤の拡充を図っているが、DXの導入により、一層その進捗を図ると共に、業務システムの見直しによる効率の改善を併せて行うことにより、デジタル化時代に対応した人材紹介サービスを提供する。

 

 

4.中期経営計画

今期をスタートとする3か年の中期経営計画を策定した。

 

【4-1 目指す姿と各年の目標】

企業理念、MISSION、VISIONにあるように、グループのソリューションを提供することで、企業における人材の価値を高める「人と企業のパートナー」を目指している。

 

目指す姿実現に向けたこの3年間の目標は以下の通り。
実現の軸は「ソリューションの領域拡大」と「DXの推進」と考えている。

 

2022年3月期

23年3月期

24年3月期

コロナ前の業績水準への回復

過去最高の営業利益実現

ROE20%超の実現

 

【4-2 環境認識と同社の強み】

従前からの流れであるデジタルシフトの継続とコロナによる人々の行動変容と意識の変化が進む中で、企業にとって、「人的資本投資の積極化による企業価値の向上」と「健康経営の推進によるウェルビーイングの実現」は持続的成長を実現するための必須課題である。

 

具体的には、前者においては、「価値創造型のイノベーション人材の育成・獲得」「事業構造変化に対応した人材教育・能力開発」「多様な人材を包摂できる人事システムの構築」、後者においては「仕事でのやりがいや達成感を通じたエンゲージメントの向上」「自己実現を支える自律的キャリア構築のサポート」「時間や場所に拘束されない多様な働き方の実現」などである。

 

こうした環境下、大企業を中心とした優良な営業基盤、創業来の高品質なサービス提供、3事業からなるユニークな事業ポートフォリオといった要素に支えらえた「人に直接関わるソリューションの企画実行力」を強みとする同社は、活躍の場がこれまで以上に大きく広がるものと考えている。

 

【4-3 経営戦略】

顧客の人事戦略に対して、ソリューションを提供することで経営目標達成に貢献する「戦略人事の総合サポーター」として、以下2つの成長戦略を推進する。

 

成長戦略① 各セグメントにおけるソリューション領域拡大

メンタルヘルスケア(EAP)

人と組織の「いきいき」をサポートする。豊富な経験とデータに基づくEAPを実施

 

人材育成

人材・組織開発をサポートする。プラットフォーマーとしての展開を目指す。

 

人材紹介

人材ポートフォリオ構築のアドバイスを行う。プロ人材の採用企画・実行を手掛ける。

成長戦略② グループ全体でのDX推進

統合データ分析による新商品開発および新規事業を推進する。

 

各ソリューションを活用したコンサルティング機能を強化する。

 

成長戦略① ソリューション領域拡大

 

メンタルヘルスケア(EAP)においては、ストレスチェック等データの分析に基づく職場環境改善や健康経営の提案を行う。
人材育成においては、法人研修動画見放題のライブラリーサービス「ビジネスマスターズ®」のプラットフォーム機能拡充による多様な学び方を提案する。
人材紹介では、人材ポートフォリオ構築の企画立案・採用実行を提案する。

 

各事業のソリューション領域拡大とともに、キャリア開発支援、エンプロイアビリティ向上サポート、人事制度コンサルティングなどによる「タレントマネジメント」についてのソリューションを強化する。

 

成長戦略② グループ全体でのDXの推進
自社が保有する蓄積データをベースに、顧客が保有する人材データも加えることで新商品開発および新規事業を推進し、多面的な戦略人事の総合サポーターとして事業を展開する。

 

【4-4 事業戦略】

2つの成長戦略をベースとした各事業における基本方針、重点施策は以下の通りである。

 

事業

基本方針

重点施策

メンタルヘルスケア(EAP)事業

*ウェルビーイングと企業の生産性向上を支援

*健康で充実した人生のために個人をサポート

*いきいきと働くことのできる職場作りに貢献

*メンタルヘルスの改善と予防

カウンセリングのデータベース化によるナレッジ共有強化

 

*職場活性化による生産性向上と企業の成長支援

分析力強化による職場環境改善ソリューションの拡大

 

*データ活用によるメンタルヘルスケア強化サポート

ストレスチェックを核に人材関連データに基づく健康経営運用サポート

 

*自律的キャリア開発支援

個人のキャリア開発支援と企業のキャリア支援体制構築・運用サポート

人材育成事業

*高いソリューション力で顧客ロイヤリティを高める

*テクノロジーの積極活用により研修モデルを変革

*オンライン展開により顧客セグメントを拡大

*「エンゲージメント・キャリア意識の高い自律型人材」育成へのシフト

大企業向けにビジネスマインドを鍛えるソリューションを提供

 

*「ビジネスマスターズ」のプラットフォーム機能の拡充

顧客の研修管理・運営を支援するインフラを提供→企業研修の内製化を支援するプログラムをパッケージ化

 

*オンとオフを組み合わせたラーニング手法の開発デジタル世代を想定し、新興成長企業市場を開拓

全国および海外への対象者拡大

人材紹介事業

*安定的収益を実現するビジネスモデルの構築

*プロ人材に特化した仲介機能の強化

*人材マネジメントサービスの本格スタート

*人材紹介におけるプロ人材案件取り組み強化

堅調なニーズが見込まれる経営人材・グローバル人材へのシフト

 

*アウトソースニーズの取り込み

専門職種に係る一括採用等の企画・実行受託による安定収益確保

 

*人材マネジメントのサポート

キャリアサポート等人事制度コンサルティングの領域拡大

 

【4-5 数値目標】

数値目標は以下の通り。
最終24年3月期「売上高38億円、営業利益5億円、ROE20%超」を目指す。
売上高では人材育成事業が牽引。20/3期から24/3期までの営業利益のCAGRは123%。

 

【4-6 その他の項目】

(1)配当政策
成長機会をとらえた投資と資本効率のバランスを意識しつつ、配当性向30%以上を目指し、機動的な株主還元を実施する。

 

(2)コーポレート・ガバナンス
グループの持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図る観点から、コーポレート・ガバナンス体制を引き続き強化する。
今後の取り組みは以下の通り。

 

*任意の指名・報酬諮問委員会の設置
*スピーディーな意思決定と監督機能の更なる強化
*ステークホルダーとの接点強化のためのIR専門部署強化
*グループ会社ガバナンスの更なる強化
*ダイバーシティ推進のため、女性・外国人の登用

 

(3)SDGsへの取り組み
以下のような実行項目を挙げている。
自社事業の展開そのものが、SDGsに繋がっている。

(同社資料より)

 

5.今後の注目点

21年3月期は下方修正を行い、上場後初の営業損失計上となってしまった。ただ、前第1四半期(2020年4-6月)をボトムに回復傾向にあると会社側は考えており、第四半期の売上・利益は前年同期を上回っている。この傾向が継続するか、四半期ごとの推移を見ていきたい。
また中期経営計画では、24年3月期に向け売上・利益とも大きく伸長し、収益性も大幅に改善する。渡部社長は「チャレンジングではあるが過年度の推移からも不可能な数字ではない」とコメントしており、人的資本強化が業種・業態問わず全ての企業の喫緊の課題として浮上している中、自社の強みを発揮して確実に需要を取り込んでいくことができるか、各事業の重点施策の進捗を注目していきたい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年06月26日)
基本的な考え方
・コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
 当社は、事業環境が刻々と変化する人材サービス業界において企業価値の持続的な向上を図るには、経営の効率化を図ると同時に、経営の健全性、透明性及びコンプライアンスを高めて社会的信頼に応えていくことが不可欠であるとの認識のもと、ガバナンス体制の強化・充実を重要課題と位置づけています。
 こうした認識のもと、業務分掌の実施や規程の整備等により内部統制を強化するとともに、随時体制の見直しを実施し、企業価値の向上を図ることで、株主や債権者、従業員など企業を取り巻くさまざまなステークホルダーへの利益還元に努めてまいります。
 当社は、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るために、2019年6月27日開催の第30回定時株主総会において監査等委員会設置会社に移行いたしました。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

 

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