ブリッジレポート
(3486) 株式会社グローバル・リンク・マネジメント

プライム

ブリッジレポート:(3486)グローバル・リンク・マネジメント 2021年12月期第2四半期決算

ブリッジレポートPDF

 

 

金 大仲 社長

株式会社グローバル・リンク・マネジメント(3486)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

不動産業

代表者

金 大仲

所在地

東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号 渋谷マークシティウエスト21階

決算月

12月

HP

https://www.global-link-m.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

974円

7,859,840株

7,655百万円

16.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

35.00円

3.6%

180.99円

5.4倍

579.01

1.7倍

*株価は9/14終値。発行済株式数、DPS、EPSは2021年12月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年12月(実)

17,167

1,108

1,092

696

108.17

45.00

2018年12月(実)

22,644

1,209

1,132

755

101.79

12.50

2019年12月(実)

25,086

1,564

1,364

867

114.78

12.50

2020年12月(実)

26,840

1,365

1,028

686

90.24

35.00

2021年12月(予)

34,000

1,770

1,500

1,400

180.99

35.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2017年10月、1株を100株に分割。2018年6月及び10月、1株を2株に分割(EPSのみ遡及修正)。2021年12月期より非連結決算。

 

(株)グローバル・リンク・マネジメントの2021年12月期第2四半期決算概要などについてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年12月期第2四半期決算概要
3.2021年12月期業績予想
4.今後の成長方針
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 21年12期第2四半期の売上高は前年同期比53.1%増の152億67百万円。新築1棟販売の竣工・決済が順調に進捗した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、区分販売戸数および海外販売戸数は低調。営業利益は同259.9%増の13億65百万円。売上総利益率は、1棟販売のうち最も利益率の低い案件が第1四半期に集中した影響で同2.1ポイント低下したが、増収効果で売上総利益は同35.4%増加し、販管費増を吸収して大幅な増益となった。四半期純利益は7億83百万円。子会社吸収に伴う抱合せ株式消滅差益4億42百万円を特別利益に計上した。

     

  • 21年12月期の業績予想に変更は無い。売上高は前期比26.7%増の340億円、営業利益は同29.6%増加の17億70百万円の予想。コロナ禍の下での仕入・販売環境の継続を想定しているが、オンライン販売の推進による区分販売の効率的な販売拡大、セールスミックスの変化により、営業利益率ベースで収益性の向上を見込んでいる。第1四半期の子会社吸収による特別利益計上(4.4億円)を含み、最終利益14億円の達成を目指している。配当は前期と同じ35円/株を予定。予想配当性向は19.3%。

     

  • 不動産ソリューション事業において、レジデンス1棟販売市場の活性化を背景に区分販売予定分を1棟販売に振替え、期初計画を15棟(601戸)から16棟(641戸)へ引き上げた。1棟販売の売上高計画を198億円に上方修正。年内竣工案件の契約は完了している。

     

  • 成長方針に基本的な変化はないが、区分販売は「自社ブランドマンションの新築販売」から「自社ブランドを問わない中古販売」を中心とした販売方針に転換した。加えて、2020年9月に組成した私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」に組み入れたレジデンシャル 8 物件のアセットマネジメント業務を受託し、第4のビジネスチャネルの収益化がスタートするなど、不透明な環境でも自社の優位性を活かした収益機会拡大に取り組んでいる。

     

  • 特に私募ファンド組成は「販売力の強化」「仕入力強化」「安定収益基盤の拡大・加速」「収益性の維持・改善」の4点を通じて、事業基盤を一段と強化することに繋がると同社では考えており、事業の進捗が大いに注目される。

     

1.会社概要

東京23区内を中心に「アルテシモ」ブランドの投資用マンションを開発・販売しており、事業用地の仕入れから、企画、設計、販売、更には販売後の賃貸管理・建物管理までをワンストップで手掛けている。「アルテシモ」は、転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の「3チカ」を特徴としており、高い入居率を誇る。尚、「アルテシモ」とは、「ARTESSIMO(ART[芸術]+issimo[最上級])」という成り立ちの、現代イタリア語を基に同社が考えた造語。現代的で心地良い空間を提供するという想いが込められている。

 

【経営理念・企業ビジョン】

経営理念 : 不動産を通じて豊かな社会を実現する
設立以来、経営理念として掲げてきた、「お客様の豊かさに貢献する」想いと合わせて、社会課題を解決緩和し、持続的な企業価値向上と豊かな社会の実現を目指していく。

 

企業ビジョン : 「不動産ソリューション」×「IT」により新しいサービスを創造し、世界都市東京からGlobal Companyを目指す

1-1 事業内容

事業は、同社が手掛ける不動産ソリューション事業とプロパティマネジメント事業に分かれる。

 

15/12

16/12

17/12

18/12

19/12

20/12

構成比

不動産ソリューション事業

7,085

9,723

15,035

20,281

22,611

24,212

90.2%

プロパティマネジメント事業

1,597

1,882

2,131

2,362

2,474

2,628

9.8%

連結売上高

8,682

11,605

17,167

22,644

25,086

26,840

100.0%

不動産ソリューション事業

246

555

1,040

1,065

1,377

1,153

4.8%

プロパティマネジメント事業

36

40

68

144

187

211

8.1%

連結営業利益

282

596

1,108

1,209

1,564

1,365

5.1%

* 単位:百万円

 

不動産ソリューション事業
投資用不動産であるコンパクトタイプ(25~50㎡)のマンションを自社ブランド「アルテシモ」として、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家に提供している。長期に渡り資産価値が継続する不動産を提供するため、20年連続で転入超過が続く東京都において「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」、「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」、「高い地価(チカ)」の3チカ物件に特化している。晩婚化や高齢化等による人口構造の変化に伴い、単身者や少人数世帯のコンパクトタイプのマンション需要は底堅く、同社はこうした社会の変化を捉え、「アルテシモ」の供給強化に取り組んでいる。

 

事業用地の仕入れについては、土地仲介会社からの土地情報を基に仕入れるケースや開発事業者から仕入れるケースに加え、税理士や弁護士等の士業との提携による不動産セミナー「相続・土地所有者共同開発セミナー」を開催し、土地所有者へ直接アプローチしてマンション経営のノウハウを提供する事で事業化につなげている。

 

マンションの設計及び建築については、コンパクトマンションを手掛けている設計事務所や建設会社に外注しているが、マンションの企画は「アルテシモ」仕様の基準を設け、同社自身が行っている。

 

販売先は、個人投資家、事業会社、不動産会社、私募ファンド、私募REIT、J-REIT、海外投資家。また、「アルテシモ」に適さない土地を仕入れ、戸建てやファミリーマンション業者へ売却するケースや、土地の企画売却を行う事もある。

 

販売後は、販売した物件のマンション管理組合から、マンション管理組合運営業務と物件管理サービスを受託する。
マンション管理組合運営業務はマンション管理組合に代わってマンション管理組合の運営を行うもの。現在は2021年2月に設立した合弁会社「株式会社G&GCommunity(ジーアンドジーコミュニティ)」に移管し、7月末に全ての物件が移管完了。
また、プロパティマネジメント事業(後述)として、賃貸管理サービスの提供も行っている。

 

プロパティマネジメント事業
オーナーからの委託を受けて不動産経営に関する様々な業務を代行している。具体的には、自社ブランド「アルテシモ」に対するマスターリース・サブリース(一括借り上げ・転貸)業務及び管理代行業務を行っており、マスターリース・サブリース業務では、「アルテシモ」のオーナーに対して一定期間賃貸物件を借り上げ、契約で定めた賃料を支払い、入居希望者に転貸する。一方、管理代行業務では、オーナーに代わり、家賃の集金や入居・退去に関わる各種契約管理業務を行っている。

 

マスターリース・サブリース契約は、オーナーが長期にわたり安定した家賃収入を確保できるよう最大限の配慮がなされている。具体的には、契約期間最大35年間、原則7年毎の賃料改定とし、賃料が下がる場合でも、下げ幅を最大5%に制限している。また、外部環境の変化や法制度・税制度の変更その他契約締結後の事情の変更が認められる場合、協議の上、マスターリース・サブリース賃料を改訂できる事としているが、この場合も、下げ幅を最大5%としている。解約については、6カ月の予告期間をもって双方からの解約が可能になっている。

 

2020年12月までは、連結子会社(株)グローバル・リンク・パートナーズが同事業を担ってきたが、グローバル・リンク・マネジメントが今後の成長のカギと位置付ける自社出資ファンド向け案件への販売による管理戸数の急拡大を見据え、2021年1月1
月に同子会社を吸収合併した。

2.2021年12月期第2四半期決算概要

2-1 連結業績

 

20/12期2Q

構成比

21/12期2Q

構成比

前年同期比

売上高

9,972

100.0%

15,267

100.0%

+53.1%

売上総利益

1,560

15.7%

2,113

13.8%

+35.4%

販管費

1,383

13.9%

1,410

9.2%

+2.0%

営業利益

177

1.8%

702

4.6%

+295.9%

経常利益

23

0.2%

548

3.6%

-

四半期純利益

3

0.0%

783

5.1%

-

* 単位:百万円。20/12期2Qは連結、21/12期2Qは非連結。

 

大幅な増収増益
売上高は前年同期比53.1%増の152億67百万円。新築1棟販売の竣工・決済が順調に進捗した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、区分販売戸数および海外販売戸数は低調。
営業利益は同295.9%増の7億2百万円。売上総利益率は、1棟販売のうち最も利益率の低い案件が第1四半期に集中した影響で同2.1ポイント低下したが、増収効果で売上総利益は同35.4%増加し、販管費増を吸収して大幅な増益となった。
四半期純利益は7億83百万円。子会社吸収に伴う抱合せ株式消滅差益4億42百万円を特別利益に計上した。

 

 

2-2 セグメント別動向

 

20/12期2Q

構成比・利益率

21/12期2Q

構成比・利益率

前年同期比

不動産ソリューション事業

8,673

87.0%

13,955

91.4%

+60.9%

プロパティマネジメント事業

1,299

13.0%

1,312

8.6%

+1.0%

連結売上高

9,972

100.0%

15,267

100.0%

+53.1%

不動産ソリューション事業

58

0.7%

594

4.3%

+923.8%

プロパティマネジメント事業

119

9.2%

108

8.3%

-9.3%

連結営業利益

177

1.8%

702

4.6%

+295.9%

販売戸数

234

-

402

-

+71.8%

期末管理戸数

2,381

-

2,478

-

+4.1%

* 単位:百万円。20/12期2Qは連結、21/12期2Qは非連結。

 

◎不動産ソリューション事業
大幅な増収増益。
1棟販売による販売戸数の大幅な増加に加え、1棟販売を中心とした販売活動により販管費が抑制された。
事業環境
国内外金利差による国内不動産の投資魅力向上に加え、新型コロナウイルスの蔓延によるオフィス・商業施設への投資リスク上昇を追い風にレジデンス賃貸需要は底堅い。機関投資家向けのレジデンス1棟販売市場の活性化は第1四半期から継続している。
そうした中、国内投資用マンション市場では、区分販売中心やパイプラインが少ない不動産会社はレッドオーシャンでの競争を余儀なくされているが、数多くのパイプラインを保有し、1棟をバルクで外部に販売可能な体制を構築している数少ないプレーヤーである自社のプレゼンスは上昇していると、同社では考えている。

 

販売の状況
第2四半期累計期間の1棟販売は前年同期比196戸増の8棟・312戸。
一方、区分販売および海外販売は新型コロナウイルスの影響で90戸の販売に留まったが、オンラインセミナー・中古販売を促進し、計画達成を目指している。

 

(販売戸数の状況)

 

20/12期2Q

21/12期2Q

前年同期比

1棟販売(戸)

116

312

+196

同 棟数(棟)

3

8

+5

区分販売(戸)

114

84

-30

うち中古販売(戸)

42

49

+7

海外販売(戸)

4

6

+2

合計(戸)

234

402

+168

 

*竣工計画・契約の状況
販売計画(1棟・区分)995戸のうち731戸が契約済み。
1棟販売計画は、現時点で年内の竣工予定案件の契約を完了した。

 

区分販売は、市況環境を鑑みつつ、1棟販売への変更など機動的な販売を行う予定である。
区分販売は、第1四半期に投資用マンション市場の市場動向を踏まえ、「自社ブランドマンションの新築販売」から「自社ブランドを問わない中古販売」を中心とした販売方針に転換し、第2四半期も継続している。これまで培った販売力を背景に流通市場からの仕入れを開始している。オンラインセミナーでは毎四半期ごと着実に集客を行っており、新規投資家(顕在投資家)数は急速に拡大。区分中古物件を積極的に販売していく。

 

 

*非レジデンスの状況
前年の新型コロナウイルスの蔓延に伴い、新規開発を停止中で、既存以下3件のパイプラインの販売を進める。
ホテル案件の日本橋箱崎町PJはレジデンスへのコンバージョン計画を取りやめ、ホテルのまま販売する方針。
2020年8月に竣工済の西麻布PJは今期中の早期売却を目標に販売を継続している。
また、商業テナントビルの円山町PJ(土地)はレジデンスの開発に転換する予定である。

 

*パイプラインの状況
今期のパイプラインは前期比69戸増の785戸を計画している。
来期2022/12期は翌期に3つのPJ(112戸)を繰り越す。2023/12期のパイプラインは順調に積み上がり、481戸まで増加している。

 

◎プロパティマネジメント事業
微増収減益。
賃貸管理戸数は、四半期比26戸純増の2,478戸。2020年12月に大口のリース契約が解消となった影響で、入居率は一時的に低下しているが回復途上にある。

 

(同社資料より)

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

◎財政状態

 

20年12月

21年6月

 

20年12月

21年6月

流動資産

17,282

18,903

流動負債

9,124

10,565

現預金

1,441

1,846

短期有利子負債

7,396

8,997

販売用不動産

4,415

5,678

未払金

1,151

882

仕掛販売用不動産

10,711

10,483

固定負債

5,069

4,710

固定資産

949

941

長期有利子負債

5,068

4,597

有形固定資産

257

247

負債合計

14,194

15,276

投資その他の資産

577

579

純資産合計

4,038

4,568

資産合計

18,232

19,845

負債純資産合計

18,232

19,845

 

 

 

有利子負債残高

12,464

13,594

* 単位:百万円

 

パイプラインの積み上げによる販売用不動産の増加などで資産合計は前期末比16億12百万円増加し198億45百万円。仕入拡大のための有利子負債増加などで負債は同10億82百万円増加し152億76百万円。
利益剰余金の増加などで純資産は同5億30百万円増加し、45億68百万円。
自己資本比率は前期末より0.9ポイント上昇し23.0%となった。

 

◎キャッシュ・フロー(CF)

 

20/12期2Q

21/12期2Q

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-7,529

-1,272

+6,256

投資キャッシュ・フロー(B)

-224

0

+223

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-7,753

-1,273

+6,480

財務キャッシュ・フロー

7,139

870

-6,269

現金及び現金同等物期末残高

1,205

1,631

+426

* 単位:百万円。20/12期2Qは連結、21/12期2Qは非連結。

 

3.2021年12月期業績予想

3-1 業績(非連結)

 

20/12期 実績

構成比

21/12期 予想

構成比

前期比

進捗率

売上高

26,840

100.0%

34,000

100.0%

+26.7%

44.9%

売上総利益

3,909

14.6%

4,964

14.6%

+27.0%

42.6%

販管費

2,543

9.5%

3,194

9.4%

+25.6%

44.2%

営業利益

1,365

5.1%

1,770

5.2%

+29.6%

39.7%

経常利益

1,028

3.8%

1,500

4.4%

+45.9%

36.6%

当期純利益

686

2.6%

1,400

4.1%

+104.0%

56.0%

* 単位:百万円。販管費は同社資料を基にインベストメントブリッジが計算。21/12期より非連結決算に移行。20/12期の数値は連結決算。

 

業績予想に変更無し。大幅な増収増益予想。
業績予想に変更は無い。売上高は前期比26.7%増の340億円、営業利益は同29.6%増加の17億70百万円の予想。
コロナ禍の下での仕入・販売環境の継続を想定しているが、オンライン販売の推進による区分販売の効率的な販売拡大、セールスミックスの変化により、営業利益率ベースで収益性の向上を見込んでいる。
第1四半期の子会社吸収による特別利益計上(4.4億円)を含み、最終利益14億円の達成を目指している。
配当は前期と同じ35円/株を予定。予想配当性向は19.3%。

 

3-2 セグメント別動向

 

20/12期

構成比・利益率

21/12期(予)

構成比・利益率

前期比

進捗率

不動産ソリューション事業

24,212

90.2%

31,300

92.1%

+29.3%

44.6%

プロパティマネジメント事業

2,628

9.8%

2,700

7.9%

+2.7%

48.6%

連結売上高

26,840

100.0%

34,000

100.0%

+26.7%

44.9%

不動産ソリューション事業

1,153

4.8%

1,540

4.9%

+33.5%

38.6%

プロパティマネジメント事業

211

8.1%

230

8.5%

+8.7%

47.1%

連結営業利益

1,365

5.1%

1,770

5.2%

+29.6%

39.7%

* 単位:百万円

 

◎不動産ソリューション事業
(売上高の推移)

 

19/12期

20/12期

21/12期(予)

前期比

修正率

1棟販売

6,847

14,634

19,800

+35.3%

+5.3%

区分販売・海外販売合計

14,300

7,424

10,200

+37.4%

-8.9%

その他

1,463

2,153

1,300

-39.6%

0.0%

売上高合計

22,611

24,212

31,300

+29.3%

0.0%

*単位:百万円

 

 

 

(販売戸数の推移)

 

19/12期

20/12期

21/12期(予)

前期比

修正戸数

1棟販売(戸)

229

455

641

+186

+40

同 棟数(棟)

5

13

16

+3

+1

区分・海外販売(戸)

473

248

354

+106

-40

販売戸数合計(戸)

702

703

995

+292

+0

 

1棟販売の安定拡大に加え、区分・海外販売の大幅リバウンドおよび非レジデンス分野のパイプライン売却を進め、29.3%の大幅増収を計画している。

 

レジデンス1棟販売市場の活性化を背景に区分販売予定分を1棟販売に振替え、期初計画を15棟(601戸)から16棟(641戸)へ引き上げた。1棟販売の売上高計画を198億円に上方修正。年内竣工案件の契約は完了している。
主要KPIである、レジデンス販売戸数は995戸(前年差292戸増)を計画。
区分販売・海外販売は102億円の計画に下方修正。販売戸数は区分・海外のミックスで合計354戸(前年差106戸増)を計画
している。

 

4.今後の成長方針

4-1  販売区分別の成長方針

投資用マンション市場の変化をビジネス機会と捉え、飛躍的な成長を遂げるため、1棟販売に注力する。当面は機関投資家向けに1棟販売を引き続き拡大する。また、機関投資家の需要後退時に備えたリスクヘッジとして私募ファンドの育成にも継続的に取り組む。

 

区分販売に関しては、オンラインセミナーを活用しつつ、既存営業リソースを活かした効率的な販売体制へ転換するとともに、中古マンション販売を中心とする。
海外販売は、海外投資家からのインバウンド需要を中心に販売を継続する。
非レジデンスに関しては、新型コロナウイルスの終息後にニューノーマルに適した開発の再開を予定している。

 

このように、1棟販売の拡大を主軸に、効率的な区分販売体制の構築も進め、高収益体制へと転換を進めていく。

 

4-2 私募ファンド組成によるビジネスチャネルの確立

2021年6月、独立系投資運用グループであるスターアジアグループと共同で不動産ファンドのアセットマネジメント業務を手掛ける合弁会社「SAGLアドバイザーズ」が金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を完了し、8月には一般社団法人日本投資顧問業協会に入会した。
2020年9月に組成した私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」に組み入れたレジデンシャル 8 物件のアセットマネジメント業務を受託し、第4のビジネスチャネルの収益化を開始する予定だ。

 

私募ファンドの組成により従来の1棟販売体制を強化するとともに、完成物件や中古物件の仲介ビジネスも視野に入れており収益機会の拡大を並行して進めていく。
また、自社出資私募ファンドへの販売を通して、販売物件のプロパティマネジメント業務の積極的な受託を進めていく。

 

私募ファンド組成による成長加速のポイントは「販売力の強化」「仕入力強化」「安定収益基盤の拡大・加速」「収益性の維持・改善」の4点である。

 

(1)販売力の強化
自社出資の私募ファンドの組成により、エンドユーザーを抱える同社の強みに加え、1棟販売での自社出口を確立し、1棟販売における計画達成の可能性が向上する。また、出口戦略の多様化により、販売価格の最適化や事業リスク低減にも寄与すると考えている。

 

 

(2)仕入力強化
販売力強化によりバイイングパワーを確保するとともに、従来のルート以外、同業他社も含め案件獲得機会の拡大にもつながる。

 

(3)安定収益基盤の拡大・加速
一棟販売でのプロパティマネジメント受託スキームを確立することで、アセットマネジメントフィーによる安定収益基盤の多層化も含めた安定収益基盤を確立・拡大する。

 

(4)収益性の維持・改善
1棟販売に注力することで生産性の向上を図る。また、バイイングパワーによる仕入単価の抑制も期待できる。

 

4-3 中長期の成長イメージ

*新築投資用不動産供給戸数No1を目指し、投資用不動産リーディングカンパニーの基盤構築を図る。
*中長期での安定的な収益基盤の確立および成長加速を目指し、将来的にはグローバル展開による事業拡大を見据える。

 

(同社資料より)

 

中期経営計画においては「首都圏においての投資用不動産業界のリーディングカンパニーへ」を目標としている。
同計画の達成目標は継続するが、足元の事業環境を踏まえ、当面はレジデンスへの経営資源集中を行うため、事業進捗を踏まえ、影響精査の上、影響額を公表する予定だ。

 

5.今後の注目点

成長方針に基本的な変化はないが、区分販売は「自社ブランドマンションの新築販売」から「自社ブランドを問わない中古販売」を中心とした販売方針に転換した。加えて、2020年9月に組成した私募ファンド「SA アルテシモレジデンシャル1投資事業有限責任組合」に組み入れたレジデンシャル 8 物件のアセットマネジメント業務を受託し、第4のビジネスチャネルの収益化がスタートするなど、不透明な環境でも自社の優位性を活かした収益機会拡大に取り組んでいる。
特に私募ファンド組成は「販売力の強化」「仕入力強化」「安定収益基盤の拡大・加速」「収益性の維持・改善」の4点を通じて、事業基盤を一段と強化することに繋がると同社では考えており、事業の進捗が大いに注目される。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成(2021年6月末日時点)

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

8名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年3月26日)
基本的な考え方
当社は経営の効率化、経営環境の変化に対する柔軟な対応を図り、迅速に意思決定をすることにより企業価値を向上させることがステークホルダーとの協働につながると考えております。そのためには、経営の健全性と透明性を高めることが必要であり、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
<補充原則4-1-3 最高経営責任者(CEO)等の後継者育成計画>
 後継者計画は重要な経営課題と認識しておりますが、具体的な計画の策定について十分な議論がされているとは言えないため、取締役会において引き続き議論を重ねてまいります。

 

<開示している主な原則>
<原則1-7 関連当事者取引に関する方針>
当社は、株主の利益を保護するために、取締役、従業員などの当社関係者がその立場を利用して当社や株主の利益に反する取引を行うことを防止することに努めております。
取締役が利益相反取引又は競業取引を行う場合には、会社法及び社内規程に従い、取締役会の承認を得るものとしております。なお、取引をした取締役は、取引後、遅滞なく重要な事実を取締役会に報告するものとしております。
取締役が実質的に支配する法人並びに主要株主等(関連当事者)との間で取引を行う場合についても、当該取引が当社グループ及び株主共同の利益等を害することが無いよう、取引条件が一般の取引と同様であること及び取引金額が少額で当社グループへの影響が軽微であることが明白な場合を除き、当該取引についてあらかじめ取締役会に付議し、その承認を得るものとしております。

 

<原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準及び資質>
社外取締役候補者の指名にあたっては、その独立性については、東京証券取引所の定める独立役員の要件に則り判断することとしております。また、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与していただけるよう、率直・活発で建設的な議論への貢献が期待できる人物であることを、社外取締役に必要な資質と考えております。

 

<原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針>
当社は、法令や上場規則上の開示にとどまらず、株主や投資家にとって有益と判断する情報の積極的開示に努めるとともに、株主・投資家との健全な関係の維持と企業価値の持続的向上のために、株主総会の場やその他の機会を通じてコミュニケーションを十分に図り、建設的な対話を行うことに努めております。かかる対話を行うに際しては、株主・投資家間において実質的な情報格差が生じないように十分留意するものとしております。

 

当社が株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制整備及び取り組みに関する方針は、次のとおりとしております。
1)株主との対話全般について、代表取締役社長が統括し、IR担当部門を中心として実施しております。
2)IR担当部門は、建設的な対話が行われるべく、経理・財務、総務、法務等の関連部署と相互に連携しております。また当該関連部署は、それぞれの専門的見地に基づき、必要な資料の作成、運営準備等の支援を行っております。
3)投資家説明会等の実施を通じて、個別面談以外の対話の手段の充実に努めております。
4)株主、投資家との対話等により把握された関心・意見・懸念等については、IR担当部門が集約した上で、取締役会に対して報告を行うとともに、適切かつ効果的なフィードバックを得て対話等に反映しております。
5)株主、投資家との対話等に際しての内部情報の管理に関しては、ディスクロージャー・ポリシーのもと、対応者が細心の注意を払って適切に管理するために、情報共有・意見調整等の場において又は個々の対話の前段階において、インサイダー情報に該当するか否かの確認を行うなど、内部情報管理及びインサイダー取引防止の徹底を図っております。

 

 

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