ブリッジレポート
(2708) 株式会社久世

スタンダード

ブリッジレポート:(2708)久世 2022年3月期上期決算

ブリッジレポートPDF

 

久世 真也 社長

株式会社久世(2708)

 

 

企業情報

市場

JASDAQ

業種

卸売業(商業)

代表者

久世 真也

所在地

東京都豊島区東池袋2-29-7

決算月

3月

HP

https://www.kuze.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

672円

3,701,382株

2,487百万円

-

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-

-

-

-

944.79円

0.7倍

*株価は11/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

62,865

429

545

415

112.20

12.00

2019年3月(実)

66,006

223

372

209

56.67

12.00

2020年3月(実)

64,356

-55

69

-290

-78.55

6.00

2021年3月(実)

37,854

-2,336

-2,076

-1,861

-502.79

0.00

2022年3月(予)

未定

未定

未定

未定

未定

未定

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

 

(株)久世の2022年3月期上期決算の概要と2022年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期上期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/3期上期は、前年同期比18.9%の増収、9.6億円の営業損失(前年同期は16.6億円の損失)。コロナ禍の中、引き続き物流費を中心とした経費の圧縮や、一部社員の外部出向も実施して損益分岐点の低減に取り組んだ。また、既存顧客へのサービス維持・継続に努め、同時に中食・惣菜関連、給食・ヘルスケア関連等の新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への営業活動に全社一丸で注力した。21/3期4Qをボトムに1Q、2Qと徐々に改善している。

     

  • 22/3期予想については引き続き未定とした。新型コロナウイルス感染症の収束時期や影響について、現段階において適正かつ合理的に算定することが困難であると判断した。なお、今後の新型コロナウイルス感染症の状況や影響を注視しながら、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する方針。株主優待制度として、株式保有数に応じて同社PB商品の特選無洗米(山形天童産)の新米を進呈しており、10月に発送した。尚、配当については未定としている。

     

  • 上期は引き続き厳しい環境となった。しかし、10月からは19都道府県の緊急事態宣言及び8県のまん延防止等重点措置の全てが解除された。また、新型コロナウイルス感染症の新規感染者や重症者が急速に減少している。移動は既に本格的に始まっており、下期の急回復は間違いないだろう。さらに年明けにはGoToキャンペーンの復活も予想される。4Q(1-3月)は3Q(10-12月)との比較でも回復が見込めそうだ。期初には第5次中期計画を発表した。効率化を進めるとともに販路の拡大も進める考え。DX化やEC戦略も進めながら、収益体質は強靭化されるだろう。営業利益ではコロナ禍前を上回る水準を目指しているが、株価はコロナ禍前の水準には至らない。また中期計画の達成を前提とすれば、EPSは130円程度が想定される。PBRは1倍を大きく割り込んでおり、中期計画に掲げる利益水準も加味すると株価の割安感は強い。

     

1.会社概要

外食産業や中食産業向けの食材卸を中心に、グループで食材の製造・販売を手掛けている。取扱品目は約40,000アイテムに上り、冷凍・常温品はもちろん生鮮品から消耗品等のノンフードまで幅広い。グループは、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、ニュージーランドでソース類の製造を手掛けるキスコフーズ・インターナショナル・リミテッド、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン、豊洲市場に基盤を持つ水産物仲卸大手の旭水産(株)、海外子会社・関連会社向け金融と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司、及び中国で業務用食材卸を手掛ける上海日生食品物流有限公司の連結子会社6社、水産物売買業の豊洲フーズ(株)及び中国で業務用食材卸売事業を手掛ける久華世(成都)商貿有限公司の非連結子会社2社。また、中京地区強化の一環として同地区に6,000店の取引先を有する酒類販売大手(株)サカツコーポレーションと、首都圏で病院・老人福祉施設向けの食材販売に強みを持つ東京中央食品(株)と、それぞれ業務提携をしている。さらに、2019年4月に業務用卸売協業体である日本外食流通サービス協会(JFSA)に加盟し、全国各地域の同業者と購買等で協業体制を構築していくこととした。

 

【経営理念とC&G活動の取組み】

「フードサービス・ソリューション・カンパニー」として「頼れる食のパートナー」を目指し、次の経営理念を掲げている。
私達は、明るい信頼される会社にします。
私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。
私達は、絶えず革新に挑戦し、たくましい会社にします。
私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。
私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。

 

1-1 事業内容

事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、21/3期の売上構成比(連結調整前)は、それぞれ、89.2%、10.4%、0.4%。

 

食材卸売事業
業務用食材全般に加え、割りばし、テイクアウト容器、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約40,000アイテムを数える。近年、プライベートブランド(PB)商品や生鮮三品の取扱いにも力を入れている。

 

食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っており、その子会社(久世の孫会社)キスコフーズ インターナショナル リミテッド(KISCO FOODS INTERNATIONAL LIMITED)が、ニュージーランド・クライストチャーチ市において、オリジナルのフォンドヴォー(仔牛骨、牛肉、野菜等を原料としたソース)やベシャメルソース(バターと小麦粉を原料としたホワイトソース)の製造を行っている。

 

1-2 フードサービスソリューションカンパニーを標榜-システムで 運ぶ、つくる、考える 頼れる食のパートナー-

同社は 「頼れる食のパートナー」 として、顧客へ様々な情報を提供し、顧客と共に、納品の方法、店舗経営、商品開発等について考え、問題の解決に取り組んでいる。目指すところは、「運ぶ」、「つくる」、「考える」それぞれの機能を総合的に組み合わせ、より高い付加価値を生み出す提案営業重視の「フードサービス・ソリューション・カンパニー」である。

 

運ぶ多様な要望に応える事の難しさ
同社においては「個店向け配送」と「チェーン店向け配送」の2通りがあり、「個店向け配送」は、幅広い品揃えで様々な業態(洋食、和食、中華、ホテル、居酒屋、バル、カフェ、病院、商業施設等)に対応し、自社の物流センターから配送。一方、「チェーン店向け配送」はチェーン店独自の品揃えに対応し、自社の物流センターと外部倉庫を利用した久世全国ネットワーク(KZN)の併用で、北海道から九州まで全国にチェーン展開している顧客に食材を届けている。

 

 

個店向け配送

 

チェーン店向け配送

 

 

 

「運ぶ」(配送)は食材専門商社としての根幹に関わる業務だが、時間指定、配送頻度、納品場所等、多様な要望に応えつつ、しっかりと収益管理していく事は実に難しい。昨今の店舗運営は生産性の向上を迫られる一方、労務管理に対する指導が強化されているため、店着時間がピンポイントで指定される事が多く、これに対応しようとすると物流コストが跳ね上がる。このため、納入価格、物流フィー、店着時間を総合的に勘案して取引条件を決める必要があり、オペレーションの難易度が上がっている。

 

つくる食材専門商社の枠を超えた事業展開で収益力の強化と顧客満足度の向上を両立
厨房での手間やコスト削減を念頭に新しいメニューやプライベート(PB)商品を開発し、顧客のニーズに合った商品提供を行っている。

 

考える情報提供で顧客のビジネスを側面から支援
「顧客ニーズ」、「メニュートレンド」、「メニューの差別化」等を基本にオリジナルメニューの開発やムリ・ムダのない調理オペレーションの提案、更には同社の商品を使用したメニューレシピやトレンド情報の提供等、日々の顧客支援に加え、プロ向け展示会「FOODSERVICE SOLUTION」の定期開催で「食のヒントとなる情報」の発信も行っている。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、初めてWEB展示会を開催したが、2021年には新型コロナウイルス感染症対策を十分に行ったうえで、より訴求力を強めるためリアル型の「FOODSERVICE SOLUTION」を開催した(詳細は、「トピックス」で後述)。

 

品質管理商品はもちろん、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務で品質向上を推進
1981年に社内に品質管理部門を設け、取引先の品質に関する要望や問い合わせに対し、迅速に対応できる体制を構築しており、細菌検査、生産委託先工場の製造管理、商品規格書の作成・提供、物流センター、各営業拠点の衛生管理チェック等を実施している。また、2010年に「久世グループ品質方針」及びISO22000に基づいた久世グループの品質保証の仕組みである「久世クオス(久世QUALITY SYSTEM)」を策定し、新しい品質への取組みをスタート。13年4月には、キスコフーズ(株)が、同年8月には同社と久世フレッシュ・ワンが、それぞれISO22000の認証を取得した。また、2019年10月には(株)旭水産がFSSC22000の認証を取得している。商品の品質だけでなく、営業、物流、受発注等のサポート部門を含め、全ての業務の品質の向上を推進し、「お客様満足度No.1」を目指している。

 

1-3 食産業のマーケット

食産業のマーケットは約70兆円とされおり、内訳は、内食が約35兆円、中食が約10兆円、外食が約25兆円。このうち、同社が関与するのは、中食及び外食だが、女性の社会進出や単身世帯の増加等の社会環境の変化に伴い、人口が減少する中でも、外食市場は堅調に推移しており、中食市場は軽減税率導入の影響もあり、2017年に10兆円を超えるなど、成長が続いている。

 

外食産業市場規模と食の外部化率
1997年に外食市場は約29兆円とピークを迎え、2011年には23兆円を下回ったが、2015年には再び25兆円を超えた。2019年まで、この水準を維持していたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で市場の縮小は避けられない見通し。ただ、中食需要拡大を追い風に、「食の外部化」は進んでおり、2019年は43.1%に達している。

 

(公益財団法人 食の安心・安全財団データを元にインベストメントブリッジ作成)

 

2.2022年3月期上期決算概要

2-1 連結業績

 

21/3期 上期

構成比

22/3期 上期

構成比

前年同期比

売上高

16,159

100.0%

19,219

100.0%

+18.9%

売上総利益

3,315

20.5%

4,129

21.5%

+24.6%

販管費

4,976

30.8%

5,091

26.5%

+2.3%

営業利益

-1,661

-

-961

-

-

経常利益

-1,510

-

-831

-

-

親会社株主帰属利益

-1,521

-

-797

-

-

* 単位:百万円

 

前年同期比18.9%の増収、9.6億円の営業損失(前年同期は16.6億円の損失)
国内経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、全期間を通じ緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が首都圏を中心に広域に発出され、経済に大きな影響を及ぼした。7月23日に無観客ながらオリンピックが開催され一時的な需要増加があったものの、その後の感染拡大により影響は長期間に及んだ。外食・中食市場についても、引き続き外食店舗に対し営業時間の短縮や休業、酒類の販売自粛等の要請が出され、これらが長期間にわたり発出され続けたため、同社の業績にも大きな影響が生じた。

 

こうした状況下、引き続き物流費を中心とした経費の圧縮や、一部社員の外部出向も実施して損益分岐点の低減に取り組んだ。また、既存顧客へのサービス維持・継続に努め、同時に中食・惣菜関連、給食・ヘルスケア関連等の新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への営業活動に全社一丸で注力した。さらに、今期から事業化したECの物流受託事業も堅調に推移している。財務面では9月に株式会社日本政策投資銀行から劣後ローン20億円を調達して資金繰りの安定化と資本面の補完に努めた。

 

四半期毎には売上高が57.2(21/3期1Q)→104.3(2Q)→125.6(3Q)→91.2(4Q)→92.5(22/3期1Q)→99.6(2Q)億円、同期間の営業損益は-12.5-4.0-0.3-6.4-5.2-4.3億円。最初に緊急事態宣言が発出された21.3期1Qが最も厳しく、2Q、3Qと改善したものの、4Qは再び緊急事態宣言が発出されて再び厳しい状況になり、22/3期に入り1Q、2Qと徐々に改善している。

 

2-2 セグメント別動向

 

21/3期 上期

構成比

22/3期 上期

構成比

前年同期比

食材卸売事業

14,575

89.8%

17,139

88.8%

+17.6%

食材製造事業

1,590

9.8%

2,055

10.6%

+29.2%

不動産賃貸事業他

69

0.4%

110

0.6%

+59.4%

調整額

-75

-

-85

-

-

連結売上高

16,159

100.0%

19,219

100.0%

+18.9%

食材卸売事業

-1,180

-

-611

-

-

食材製造事業

-43

-

13

-

-

不動産賃貸事業他

33

-

42

-

+27.3%

調整額

-471

-

-405

-

-

連結営業利益

-1,661

-

-961

-

-

* 単位:百万円

 

食材卸売事業
売上高171.3億円(前年同期比17.6%増)、セグメント損失(営業損失)6.1億円(前年同期は11.8億円の損失)。前年同期比では売上の水準は回復したものの、飲酒を主たる業務とする飲食店を中心に新型コロナウイルス感染症拡大抑止に協力する形でのアルコール提供や営業時間短縮などの営業制限が続いた為、新型コロナウイルス感染症がなかった前々期実績と比較すると未だ乖離している。このような状況に対応するため、経費削減による損益分岐点の低減を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくい業態への営業活動に注力した。
食材製造事業
売上高20.5億円(前年同期比29.3%増)、セグメント利益(営業利益)13百万円(前年同期は43百万円の損失)。当事業は主に連結子会社キスコフーズ(株)の事業領域である。外食や婚礼の市場などでは依然として営業制限の状況が続き厳しい環境となったものの、一部セントラルキッチンを保有する顧客や通信販売を伸ばしている顧客は引続き堅調に推移した。

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

21年3月

21年9月

 

21年3月

21年9月

現預金

4,381

4,173

仕入債務

5,456

5,567

売上債権

4,576

4,223

短期有利子負債

4,872

3,286

たな卸資産

2,382

2,551

流動負債

11,552

10,207

流動資産

11,873

11,383

長期有利子負債

2,056

3,501

有形固定資産

2,454

2,448

固定負債

2,895

4,400

無形固定資産

475

427

純資産

3,497

2,829

投資 その他

3,140

3,178

負債・純資産合計

17,944

17,436

固定資産

6,070

6,053

有利子負債合計

6,928

6,787

* 単位:百万円

 

22/3期上期末の総資産は前期末との比較で5.0億円減の174.3億円。これは主として、現預金が2.0億円減少し、受取手形及び売掛金が3.5億円減少したことによるもの。負債は、前期末との比較で1.6億円増加し、146.0億円となった。これは主として、短期借入金が13.7億円減少し、長期借入金が14.4億円増加したことによるもの。純資産は前期末との比較で6.6億円減少し、28.2億円となった。これは主として、利益剰余金が8.0億円減少したことによるもの。
自己資本比率は16.2%(前期末19.5%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

21/3期 上期

22/3期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-2,504

-143

+2,361

-

投資キャッシュ・フロー(B)

-165

-21

+144

-

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-2,669

-164

+2,505

-

財務キャッシュ・フロー

2,101

-137

-2,238

-

現金及び現金同等物期末残高

2,533

3,658

+1,125

+44.4%

* 単位:百万円

 

営業CFは1.4億円の支出(前年同期は25.0億円の支出)となった。これは、税金等調整前当期純損失が7.5億円、減価償却費が1.6億円、売上債権の減少額が3.6億円、棚卸資産の増加額が1.2億円であったことが主たる要因。
投資CFは0.2億円の支出(前年同期は1.6億円の支出)となった。これは、有形固定資産の取得による支出が0.6億円、無形固定資産の取得による支出が0.1億円、投資有価証券の売却による収入が0.8億円であったことが主たる要因。
財務CFは1.3億円の支出(前年同期は21.0億円の収入)となった。これは、短期借入金の返済による支出が13.7億円、長期借入による収入が20.0億円、長期借入金の返済による支出が7.3億円であったことが主たる要因。

 

2-4 トピックス

◎「FOODSERVICE SOLUTION 2021」をリアル型で開催
21年11月10日、「外食新時代 ~原点回帰+α」をテーマとして、「FOODSERVICE SOLUTION 2021」をリアル型で開催した。
昨年は初めてWEB展示会としたが、提案力・訴求力をより強化するため、感染対策を十分に行い、リアル型で開催することとした。

 

 

 

 

 

 

外食産業はコロナ禍での厳しい環境を乗り越えるために様々な「効率化」が求められているが、外食店舗運営の「原点」となるコスト低減やフード・ロスの削減を可能とする食材や、オペレーションの改善を図れる汎用性が高い商品・メニューの提案を行った。
また、ワクチン接種が進むことで外食産業の活性化が期待されており、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた「新しい外食の在り方」についてのサポート提案を行った。

(同社資料より)

 

3.2022年3月期業績予想

3-1 通期連結業績

 

21/3期 実績

構成比

22/3期 予想

構成比

前期比

売上高

37,854

100.0%

未定

-

-

営業利益

-2,336

-

未定

-

-

経常利益

-2,076

-

未定

-

-

親会社株主帰属利益

-1,861

-

未定

-

-

* 単位:百万円

 

22/3期予想は未定
22/3期予想については引き続き未定とした。新型コロナウイルス感染症の収束時期や影響について、現段階において適正かつ合理的に算定することが困難であると判断した。なお、今後の新型コロナウイルス感染症の状況や影響を注視しながら、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する方針。

 

3-2 株主還元

株主優待制度として、株式保有数に応じて同社PB商品の特選無洗米(山形天童産)の新米を進呈しており、22/3期も10月に発送した。この特選無洗米は、山形県天童市の契約農家が栽培している。
尚、22/3期の配当についても引き続き未定としている。

 

4.中期経営計画

前中期計画総括

21/3期を最終年度とした第4次中期経営計画では、オリンピック開催に向け、首都圏を中心にエリアを強化し、観光・レジャー業態の拡大を推進。同時に、オリンピック後の変化を見据え、5つの機能強化を推進した。

 

5つの機能

①物流

②情報システム

③マーケティング

④海外

⑤グループシナジー

➢ エリア強化と、観光・レジャー業態の営業強化・主要顧客の物流を外部委託化

➢ 安定性と戦略強化に向け基幹システムの入替、価格改定システム開発

➢ JFSA加盟による商品力強化

➢ スマホアプリ開発、久世通信などを活用したマーケティング強化

➢ キスコフーズ、旭水産における輸出事業の拡大

➢ 中国での卸売事業の拡大

➢ 老健施設向けの食材卸会社である東京中央食品との業務提携

 

しかし、20年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大に対応し、急激な業績改善と機能強化のスピードアップが急務となった。2年目20/3期には2月以降2ヶ月、21/3期は年を通じて新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた。

 

長期ビジョン・あるべき姿

『頼れる食のパートナー』
第5次3ヶ年中期経営計画テーマ

~事業構造改革への挑戦~

100周年へ向けて

(同社資料より)

 

第5次3ヶ年中期経営計画

改善施策

➢ 収益改善損益分岐点低減に向け、庫内業務の内製化、配送センターの統廃合、配送の効率化を推進

➢ 業務改善あらゆる業務の効率化と環境改善

 

プラスオン戦略
➢ 新型コロナウイルス感染症に影響を受けにくい業態開拓(5つの業態強化)テイクアウト・デリバリー/中食・惣菜/ヘルスケア/セントラルキッチン/リージョナルチェーン
➢ 定番品の商品力強化と配荷件数増加魅力ある品揃えによるインストアシェアの拡大
➢ 売れる仕組みの構築商品政策と販売政策の連携による素材・汎用品を強化

 

成長戦略
➢ EC戦略「ECで売るECに売る」をテーマに物流受託業務の拡大、国内・越境EC事業の推進
➢ DX化推進ウェブ展示会やスマホ対応型受注システムなどを活用したDX化の推進
➢ 海外事業輸出事業、中国事業、製造事業の強化
➢ グループシナジー卸売事業、製造事業、生鮮事業、海外事業の連携強化による独自性の発揮

 

第5次3ヶ年中期経営計画 【数値目標】

➢ 最終年度24/3期に売上高610億円、営業利益8.4億円を目指す

 

(同社資料より)

 

SDGsの取り組み

➢ 【食品ロス削減】【教育・福祉】【環境への対応】での取り組みを実施
➢ 本社所在地の豊島区は「自治体SDGsモデル事業」に選定されており、ともに地域貢献へ

 

(同社資料より)

 

5.今後の注目点

上期は引き続き厳しい環境となった。しかし、10月からは19都道府県の緊急事態宣言及び8県のまん延防止等重点措置の全てが解除された。また、新型コロナウイルス感染症の新規感染者や重症者が急速に減少している。移動は既に本格的に始まっており、下期の急回復は間違いないだろう。さらに年明けにはGoToキャンペーンの復活も予想される。4Q(1-3月)は3Q(10-12月)との比較でも回復が見込めそうだ。
期初には第5次中期計画を発表した。効率化を進めるとともに販路の拡大も進める考え。DX化やEC戦略も進めながら、収益体質は強靭化されるだろう。営業利益ではコロナ禍前を上回る水準を目指しているが、株価はコロナ禍前の水準には至らない。また中期計画の達成を前提とすれば、EPSは130円程度が想定される。PBRは1倍を大きく割り込んでおり、中期計画に掲げる利益水準も加味すると株価の割安感は強い。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役会設置会社

取締役

6名、うち社外1名

監査役

3名、うち社外2名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年6月28日)

 

基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスの考え方は、経営理念を基本としております。

経営理念

私達は、明るい信頼される会社にします。

私達は、お客様の立場に立ち、最高の商品とサービスを提供します。

私達は、絶えず革新に挑戦し、たくましい会社にします。

私達は、お客様、お取引先の繁栄と株主、社員の幸福に貢献します。

私達は、そのために会社の成長と発展を果たします。

 

これらの考え方に基づき、当社は企業目的を達成し、企業価値を向上させるために経営の有効性と効率化を高め、変化する経営環境に対して迅速な意思決定や、意思決定に基づく機動性の向上を図っていく必要があると考えております。また、経営の健全性を高めるために、経営の監視機能として、内部統制システム構築による自主点検と内部監査による法令遵守(コンプライアンス)チェックがますます重要性を増してきていると認識しております。その上で、安定的な企業活動を継続していくために、コーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。

 

<実施しない原則とその理由>
【基本原則1 株主の権利の平等性の確保】
当社は常に株主の権利が実質的に確保されるように適切に対応していくとともに、株主総会の集中日を避けての実施や、情報の適宜開示により株主がその権利を適切に行使できる環境作りに努めております。今後もこの考え方に則り、株主総会招集通知の早期発送やWEB開示の検討を進めるとともに、少数株主にも配慮して株主の実質的な平等性の確保を図ってまいります。

 

【基本原則2 株主以外のステークホルダーとの適切な協働】
当社には「経営理念」、社員の行動基準である「KUZE WAY」、「食品安全方針」とグループの品質保証の仕組み「久世クオス」があり、これらの考え方をベースに様々なステークホルダーの要望に応えるべく活動しております。当社取締役会は、当社の活動が経営理念をはじめとするこれらの考え方に合致しているかを監督し、それが実践されるような企業文化を形成するよう代表取締役を中心に対応しております。

 

【基本原則3 適切な情報開示と透明性の確保】
当社は情報開示担当役員責任の下、経営企画室が中心となって決算情報・経営戦略・経営課題あるいはリスクやガバナンスの状況、報告のための決算説明会や個人投資家説明会を実施しており、非財務情報については当社WEBサイトを通じて積極的に提供するよう努めております。当社取締役会は、こうした情報提供が受け手であるステークホルダーの皆様にとって有益・有用であるよう監督・指導にあたります。
【基本原則4 取締役会等の責務】
当社では取締役会は株主の為に諸施策を示し実行していく最高機関と考えております。当社は業務執行の意思決定の妥当性および適正性を確保し、取締役会が有効に機能するよう独立性を有する社外取締役が取締役会に出席しております。さらに経営監視機能の強化を図るため、社内監査役1名と社外監査役2名の計3名体制で監査役会を組織して監査役相互の情報交換を緊密にするとともに、監査役も取締役会に出席し適宜、意見の表明を行っており、健全性かつ透明性の高い経営を維持する体制になっております。

 

【基本原則5 株主との対話】
当社では株主総会の場以外でも株主との対話の場は必要と考えております。そこで、個人投資家説明会や個別ミーティング等を通じ投資家とのコミュニケーションづくりにも取り組んでおりますが、特定のステークホルダーとの対話については、その都度状況に応じて合理的な配慮の中で対応してまいります。

 

 

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