ブリッジレポート
(8130) 株式会社サンゲツ

プライム

ブリッジレポート:(8130)サンゲツ 2022年3月期第2四半期決算

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安田 正介 社長

株式会社サンゲツ(8130)

 

 

企業情報

市場

東証1部・名証1部

業種

卸売業(商業)

代表取締役社長執行役員

安田 正介

所在地

愛知県名古屋市西区幅下1-4-1

決算月

3月

HP

https://www.sangetsu.co.jp/

 

株式情報

株価

期末発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,607円

60,400,000株

97,062百万円

5.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

70.00円

4.4%

75.75円

21.2倍

1,547.92円

1.0倍

*株価は12/13終値。発行済株式数、DPS、EPSは22年3月期第2四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

156,390

5,033

5,698

4,514

68.97

55.50

2019年3月(実)

160,422

5,895

6,699

3,579

57.28

56.50

2020年3月(実)

161,265

9,268

9,844

1,432

23.56

57.50

2021年3月(実)

145,316

6,701

7,042

4,780

78.97

58.00

2022年3月(予)

146,500

7,600

7,850

4,500

75.75

70.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、同様)。2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。

 

 

株式会社サンゲツの2022年3月期第2半期決算概要などをご紹介致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期第2半期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4. 中期経営計画(2020-2022)【 D.C.2022 】の進捗
5.今後の注目点
<参考1:長期ビジョン【DESIGN 2030】と中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】>
<参考2:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22年3月期より「収益認識に関する会計基準」を適用している。売上高は699億円、営業利益は27億円。収益認識に関する会計基準適用無しのケースではそれぞれ744億円(前年同期比7.1%増)、27億円(同7.0%増)。以降の増収及び増益に関する記述は、収益認識基準適用なしのケース。

     

  • 売上高では、子会社化したウェーブロックインテリアが寄与したほか、インテリア事業はシェアを伸ばし健闘。エクステリア、スペースクリエーションも増収。一方、海外セグメントにおいて米国、東南アジアとも回復が遅れている。

     

  • 増収に伴い売上総利益も増加し、インテリアセグメントにおける見本帳の拡充、新関西ロジスティクスセンター稼働、ウェーブロックインテリアの連結など販管費増を吸収した。米国 Koroseal社関連での繰延税金資産の取崩しおよび前期 Goodrich社・今期ウェーブロックインテリアの非支配株主分除外の影響により四半期純利益は減益となった。売上高はほぼ期初予想通り、販管費が計画を若干上回り、利益は期初予想を下回った。

     

  • 業績予想を上方修正した。22年3月期の売上高は1,465億円(収益認識基準適用なしでは前期比7.4%増の1,560億円)、営業利益は前期比13.4%増の76億円を予想。全セグメント増収を計画している。増収により粗利も増加。値上げ効果で粗利率も上昇する。仕入れコストの上昇、営業活動の回復に伴う人件費、物流費に加え、新関西ロジスティクスセンター稼働や見本帳発刊に伴う費用なども増加するが吸収し、営業利益は2ケタ増の予想。配当予想も修正した。前期比12.00円/株増配の70.00円/株を予定。予想配当性向は91.6%。

     

  • 上期実績の進捗率は、売上高で47.8%(適用有り)・47.7%(適用無し)、営業利益で36.0%(適用有り)・35.8%(適用無し)。売上高はほぼ例年並み、営業利益はやや低水準である。10月以降の原材料価格上昇による仕入れコスト増および追加値上げは修正予想には織り込んでいないということだが、第3四半期以降で、どれだけ売上・利益を積み上げていけるか注目したい。

     

  • 中期経営計画の進捗の中では、量産壁紙のシェア拡大が計画通り進んでいる点が目を引く。ウェーブロックインテリア子会社化も着実に効果を生んでいるようで、こちらの収益貢献にも期待したい。

     

1.会社概要

壁紙、床材、カーテンなどインテリア商品の専門商社最大手。商社ではあるがデザインや機能など製品の企画・開発から手掛ける「ファブレス企業」。安定した業績を生み出すビジネスモデル、主要商品の高いシェア等が強み。
2021年3月末現在、グループ企業に、沖縄地区でのインテリア商品の販売を担う「株式会社サンゲツ沖縄」、カーテン専門の販売会社「株式会社サンゲツヴォーヌ」、エクステリア商品の専門卸「株式会社サングリーン」、中国での事業展開の拠点「山月堂(上海)装飾有限公司」、米国の非住宅向けを中心とした壁装材製造販売会社「Koroseal Interior Products Holdings,Inc.」、東南アジアにおける内装材料販売会社である「Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.」、施工能力の強化を通じて更なる受注獲得を目指す「フェアトーン株式会社」、国内最大手のビニル壁紙製造メーカーである「株式会社ウェーブロックインテリア」の8社を有する。

 

【1-1沿革】

1849年(嘉永2年)、表具(布や紙などを張って仕立てられた巻物、掛軸、屏風、襖、衝立、額、画帖など)を商う「山月堂」創業。1953年、創業家により株式会社山月堂商店として株式会社化。1970年代後半以降、東京、福岡、大阪を始め全国で事業展開。1980年、名古屋証券取引所市場第2部に上場。1996年、東京証券取引所市場第1部上場。海外にも進出し、トータルインテリアを供給するブランドメーカーとしての地位を確立する。
2014年4月、安田正介氏が初めて創業家以外から代表取締役社長に就任。第1期(創業)、第2期(株式会社化)に次ぐ、第3期(第3の創業)として位置づけ、新たなステージに臨む。

 

【1-2 企業理念】

新たなステージに臨む同社では、変革のチャレンジを進める上で、2016年2月、新ブランド理念を含めた企業理念を再構築した。以下の、「社是」、「企業使命」に新しい「ブランド理念」を合わせ、企業理念としている。
加えて、2020年に策定した「Sangetsu Group 長期ビジョン 【DESIGN 2030】」において、目指す姿を「スペースクリエーション企業」とした。(詳細は「参考1:長期ビジョン【DESIGN 2030】と中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】」を参照)

 

<社是>
誠実

 

<企業使命>
インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与します。

 

<ブランド理念>
ブランドステートメント「Joy of Design」を掲げ、ブランドパーパスとして「私たちは、新しい空間を創りだす人々にデザインするよろこびを提供します。」と謳っている。

 

インテリア商品の作り手と使い手、同社に関連する全てのステークホルダーとともに、新しい価値創造のよろこびを分かち合うことを目指す考えだ。

 

【1-3市場環境】

◎概観
同社の主力商品である壁紙や床材の出荷状況は国内建設市場の動向に影響される。人口減少や家族構成の変化による新設住宅着工戸数の減少やデフレ経済における販売の低下で国内インテリア市場は下のグラフの様に、縮小傾向にある。

 

(同社資料より)

 

一方、下のグラフは、同社売上高、国内インテリア市場、新設住宅着工戸数(国土交通省発表)の推移を比較したもの。同社の売上高及び国内インテリア市場の動向は、新設住宅着工戸数にほぼリンクしてきたが、リーマンショック後の動きを見ると、市場全体及び新設住宅着工件数は低水準で推移しているのに対し、同社売上高は2020年3月までは過去最高を連続して更新してきた。21年3月期は新型コロナウイルスの影響もあり11期ぶりの減収となったが、市場全体の落ち込みほどではなく、主要製品ではシェアを向上させている。

 

 

これは、M&Aに加え、民間住宅以外に非住宅市場の開拓に注力してきたことによるものである。

 


 

国土交通省発表の「令和2年度 建設投資見通し」によれば、民間住宅建築投資、民間非住宅建築投資ともにリーマンショック後は回復途上にあったが、民間住宅建築投資は2017年度以降頭打ち、2000年レベルを上回っていた民間非住宅建築投資も新型コロナウイルスの影響もあり、直近では減少に転じた。
また、事務所及び店舗(新設)の床面積合計は、上下はあるものの減少傾向にあり、市場の縮小は構造的なものと考えられる。
また、一般財団法人 建設経済研究所が発表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2021年11月16日発表)によれば、名目民間非住宅建築投資の対前年度伸び率は、2017年度11.8%増、2018年度0.6%増、2019年度(見込み)0.6%増の後、2020年度(見込み)9.2%減とコロナ禍で大きく減少するも、2021年度(見通し)3.6%増、2022年度(見通し)3.8%増と回復に転じる見通し。

 

着工床面積は、事務所が16年度の10.3%増から17年度は一転して4.6%減となり、18年度も3.9%の減。19年度2.3%増と回復したが、2020年度は7.3%減と再びマイナスに転じる。ただ、2021年度、2022年度はともにプラスの見通しだが、「2020年度に見送られた投資が回復してきていると見られ、上半期の着工床面積は、前年度比28.7%増となった。一方で、全国的な空室率の上昇、東京での平均賃料の下落が続いており、年度後半は増勢の鈍化が見込まれる」とのことである。

 

店舗も19年度20.5%減、20年度2.0%減とマイナスが続くが、2021年度、2022年度はプラスが続く見通し。「2014年度以来、前年度比減少が続いてきたが、2021年3月以降7か月連続で前年同月比を上回っており、2019年度程度の水準まで回復すると見込まれる」と述べている。

 

このように、足元は新型コロナウイルスの影響の反動もあり、非住宅市場はやや持ち直しの兆しがあるが、住宅市場、非住宅市場ともに厳しい事業環境であるのには変わりはない。
ただ、非住宅市場においては、リニューアル需要は堅調に推移しているため、サンゲツでは市場開拓部およびコントラクト営業部を中心に需要取り込みを図っている。加えて海外事業の育成にも取り組み、他社にはない強みを強化、更なる成長を追求している。

 

◎同業他社
インテリア、内装材を扱う主な同業他社としては以下の8社が挙げられる。

 

コード

企業名

売上高

増収率

営業利益

営業増益率

営業利益率

時価総額

PER

PBR

ROE

3501

住江織物

83,900

+5.3%

402

-61.7%

0.5%

11,338

17.8

0.3

1.5%

4206

アイカ工業

200,000

+14.5%

21,000

+16.7%

10.5%

238,595

17.7

1.7

8.1%

4215

タキロンシーアイ

140,000

+4.1%

8,000

-6.0%

5.7%

53,625

9.7

0.6

6.4%

4224

ロンシール工業

18,500

+7.8%

1,250

+9.6%

6.8%

6,910

7.7

0.4

5.2%

5956

トーソー

21,700

-

720

-

3.3%

5,410

10.3

0.4

6.2%

7971

東リ

89,000

+3.6%

1,250

-21.6%

1.4%

15,036

13.8

0.4

3.8%

7989

立川ブラインド工業

42,040

+5.2%

4,800

+5.8%

11.4%

24,770

7.6

0.6

7.5%

8130

サンゲツ

146,500

-

7,600

+13.4%

5.2%

97,062

21.2

1.0

5.1%

9827

リリカラ

34,100

+4.1%

500

+464.2%

1.5%

2,279

12.3

0.3

0.9%

*単位:百万円、倍。業績は今期会社予想。時価総額、PER、PBRは2021年12月13日終値ベース。ROEは前期実績。
サンゲツ、トーソーは今期首より「収益認識に関する会計基準」を適用するため増収率は記載していない。トーソーは増益率も非記載。

 

【1-4 事業内容】

壁紙、床材、カーテン、椅子生地などインテリア商品の企画開発及び販売が中心事業。生産設備を持たない「ファブレス経営」が特色だが、単なる商社ではなく、扱う商品はすべて自社で企画・デザイン・開発を行っている。子会社を通じてエクステリア事業も展開している。米国、中国、シンガポールの子会社3社により海外事業も展開している。

 

事業セグメントは、インテリアセグメント、エクステリアセグメント、海外セグメント、スペースクリエーションセグメントの4セグメント。

 

 

①「インテリアセグメント」
(2021年3月期 売上高 110,462百万円、営業利益 7,082百万円)
◎主な取扱商品

壁紙

同社の主力商品。住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装材。近年では汚れ防止や消臭、キズが付きにくいなどの性能を持つ機能性壁紙も人気。抗ウイルス壁紙などもラインアップ。また、部屋の一面あるいは一部だけ色やデザインの異なる壁紙を使う「アクセントクロス」は住空間の魅力を高め、一般住宅、賃貸住宅でも採用が進んでいる。

クッションフロア

住宅用と店舗用のタイプがあり、アパートやマンションなどでも多く利用されているシート系床材。木目・石目など豊富なデザインとクッション性が特長の幅広い用途を持つアイテム。

長尺塩ビシート

 

医療・福祉施設や商業スペース、教育施設などに多く利用されるシート系床材。安全、衛生面に配慮した機能のほか、ワックスがけ不要などの優れたメンテナンス性による管理維持コストの削減、環境負荷の低減にも繋がる性能を持つアイテムなどがある。

フロアタイル

商業施設や教育施設、また戸建やアパート、マンションにも利用される幅広い用途をもつ、タイル状の塩ビ床材。ウッドやストーンなどモチーフとなる素材を高い印刷技術と精緻なエンボス加工で表現した意匠性の高さも特長。

カーペット

 

住宅から商業施設、ホテル、旅館まで幅広い用途で利用される繊維系床材。多彩なデザインと高い機能性を備える。物件に応じたオリジナルデザインの提案も行う。

カーペットタイル

主に、オフィス、ホテル、商業施設、教育施設などに使用される50センチ角のタイル状カーペット。貼り替えも手軽な上、メンテナンス性にも優れている。

カーテン

同社が取扱うのはすべてオーダーカーテン。好みや部屋の条件に合ったデザイン、サイズで窓まわりを装飾できるのが特長。デザイン性豊かな厚手のカーテンのほか、外から室内が見えにくいミラー調レースや遮熱などの機能性アイテムも人気。

 

商品数は約12,000点と他に類を見ない多彩なラインアップを誇っている。
主力の壁紙で商品数は約4,300点。2年毎に見本帳の更新を行っているが(カーテンは3年毎)、旧い商品を見本帳から外し、新しい商品に入れ替える所謂「改廃率」は壁紙で30~40%程度。廃止されたデザインの商品は破棄しなければならないため無駄が発生してしまうが、見本帳の鮮度もユーザー満足度を高める重要な要素であり、同社の体力や長年に亘るノウハウの蓄積により効率と鮮度のバランスを取っている。
◎営業体制
名古屋の本社の他、全国に8か所の支社、50か所の支店・営業所・事務所を持ち、重要な営業拠点として8か所のショールームを有している。

 

 

(同社資料より)

 

最終的に商品を納入し、売上を立て、代金が入金されるのは上図右の川下の内装仕上げ段階で、主な相手先は代理店を通じた内装工事業者やインテリアショップ、建材店となるが、その前工程での商品PRも重要だ。
住宅やビルが竣工するまでには、発注者(施主)、設計事務所、デザイン事務所、ゼネコン、サブコン、ハウスメーカーなど、数多くのプレーヤーがかかわっており、インテリアをデザインや機能から最終的に選択する意思決定は川上から始まっているケースも多数ある。
そのため、同社では見本帳、ショールームなど様々な機会を通じて商品のPRを行っている。もちろん「待ち」のみでなく、市場開拓部およびコントラクト営業部(全国的に法人顧客をカバー)をはじめとした全国の営業員約850~890名が、各担当先に足を運び情報提供・収集、提案を行っている。主として代理店を経由した販売スタイルをとっているが(一部では直接販売)、顧客数は中部地域だけで約6,000社。代理店を通しているので正確な数字は把握できていないが、全国の顧客数は数万社にのぼる。

 

◎物流体制・配送体制
全国10か所に物流センターを含めた物流施設を保有している。
東・名・阪・福はほぼ全商品が常に在庫されており、出荷点数は一日6万点に上るが、欠品率は1日平均で約0.9%となっている。周辺の物流センターから即座にカバーする事で、納期待ちを依頼する事はほぼない。内装の工期に合わせた「Just in Time」を全国物流ネットワークによって実現している。仕入先は約100社と広範囲に亘っている。
物流効率化を目指し、ロジスティクスセンターの建設を進めており、2021年1月5日には、西日本全体の物流体制強化と、物流業務の自動化・省人化を目指した関西LCを新設・稼働開始。首都圏をはじめとした他のLCでも同設備の導入を検討する。

 

配送については、物流コストが増加するのに対応し、自社配送体制の拡充を進めている。
東北において地域配送体制を整備したのに続き、他地域でも地域配送体制を構築すると同時に、重量物の配送も大都市圏を中心に整備していく。

 

②「エクステリアセグメント」
(2021年3月期 売上高 14,624百万円、営業利益 417百万円)
2005年に子会社化した株式会社サングリーンが門扉、フェンス、テラスなどのエクステリア商品を国内で販売している。新中期経営計画では、首都圏を中心とした景観ビジネスにも注力する。
③「海外セグメント」
(2021年3月期 売上高 15,034百万円、営業利益 -985百万円)
2016年11月に買収したKoroseal Interior Products Holdings,Inc.、2016年4月に設立した山月堂(上海)装飾有限公司および2017年12月に買収したGoodrich Global Holdings Pte. Ltd.の3社で構成される。
東南アジア・中国では収益性改善に向け、現在事業体制の再編に取り組んでいる。

 

④「スペースクリエーションセグメント」
(2021年3月期 売上高 5,195百万円、営業利益 201百万円)
2021年3月期より追加されたセグメント。
サンゲツのスペースクリエーション事業部および子会社であるフェアトーン株式会社で構成される。
サンゲツのデザイン力およびフェアトーンの内装仕上げに関する施工能力をベースに、新たに、スペースデザイン力・発想力・構想力・提案力・コンサル力などのソフトパワー、木工・照明・電気なども対象とした総合的な施工力を付加、施工管理力を強化し、顧客にとって最適な空間を創造・提供する。

 

【1-5 ROE分析】

 

13/3期

14/3期

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE (%)

4.1

4.6

3.7

5.6

6.0

4.2

3.5

1.5

5.1

 売上高当期純利益率(%)

3.90

4.14

3.33

4.77

4.84

2.89

2.23

0.89

3.29

 総資産回転率(回)

0.88

0.93

0.91

0.95

0.88

0.91

0.94

0.96

0.90

 レバレッジ(倍)

1.19

1.20

1.21

1.24

1.41

1.60

1.67

1.74

1.73

 

中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】では2023年3月期の目標を9%としている。
収益性向上のための取り組みが必須である。

 

【1-6 特徴と強み】

①安定した収益を生み出すビジネスモデル
同社は製造部門を持たない「ファブレス経営」の先駆けとも言うべき存在で、一部を除き製造部門を持たないため固定費負担が小さい。また、商品数12,000点、仕入先100社以上、顧客数万件と、多くの面で分散が効いており、建設市場動向に連動する景気敏感型企業でありながら業績変動は決して大きくなく、設立以来、連結決算で赤字を計上したことが無い。

 

②「創る」・「提案する」・「届ける」
「創る」
同社は商品の製造をほとんど行ってはいないが企画・デザイン・開発は自社で行っている。1965年に初のオリジナル壁紙を発売。1973年に制定以降、「創造的デザイン」に力を入れており、積極的な投資を行っている。
同社で様々なデザインをベースに約25名の企画担当者が、デザインを練り上げ、同社オリジナルデザインを開発している。担当者育成は海外の展示会への参加、営業の意見のヒアリング、デザイン顧問とのディスカッションなど、OJTで行っている。若い感覚をより積極的に採用していく方針だ。商品ラインアップは他社には例を見ない約12,000点。また2~3年ごとに定期的に改訂する約30種類の見本帳も他社にはない同社の大きな特徴。

 

(同社資料より)

 

「提案する」
同社の営業スタッフ数は全従業員数のおよそ半分弱に当たる約700名で、業界最大である。
全国8支社、50拠点で前述のような、提案営業を展開している。8か所のショールームには約110名のショールームスタッフが在籍。また、各商品を組み合わせた室内空間を顧客にイメージしてもらうためのデザインボードを作成するコントラクトデザインスタッフが約70名おり、その提案力も業界最高水準となっている。

 

 

 

(同社資料より)

 

「届ける」
先述の様に、商品の全点常備在庫を行い、内装工期に合わせて「Just in Time」を実現する全国の物流ネットワークを有するのは同社の強みである。ただ、全点在庫は一方で過剰在庫や低効率につながりかねず、同社の様な注文に応じて正確に加工して出荷する加工物流において、ロス率を上げない正確な加工技術とスピードが重要な要素となる。
通常、壁紙は1ロール50m。30mの注文があった場合、同社の場合は正確に30mでカットして出荷し、加工後残った素材は次の注文に合わせ効率的にカットし、なるべく無駄が出ないように加工する。こうした加工技術は同社が長年蓄積してきた貴重なノウハウによるものである。

 

 

 

(同社資料より)

 

2.2022年3月期第2四半期決算概要

(1)業績概要

 

21/3期2Q

(適用無し)

22/3期2Q

(適用あり)

22/3期2Q

(適用無し)

前年同期比

(1)

前年同期比

(2)

予想比

(適用無し)

売上高

69,540

69,955

74,451

+0.6%

+7.1%

-1.4%

売上総利益

22,704

18,446

24,911

-18.8%

+9.7%

-0.4%

販管費

20,161

15,710

22,191

-22.1%

+10.1%

+0.6%

営業利益

2,543

2,736

2,720

+7.6%

+7.0%

-7.8%

経常利益

2,789

2,826

2,810

+1.3%

+0.8%

-7.8%

四半期純利益

1,975

1,628

1,612

-17.6%

-18.4%

-15.1%

*単位: 百万円。「収益認識に関する会計基準」等を22年3月期第1四半期の期首から適用。21年3月期2Qは適用無し。前年同期比(1)は22年3月期2Q(適用あり)の21年3月期2Qからの前年同期比で(株)インベストメントブリッジが計算。前年同期比(2)は22年3月期2Q(適用無し)の21年3月期2Qからの前年同期比。
収益認識に関する会計基準適用無しの比較では増収
売上高は699億円、営業利益は27億円。収益認識に関する会計基準適用無しのケースではそれぞれ744億円(前年同期比7.1%増)、27億円(同7.0%増)。
売上高では、子会社化したウェーブロックインテリアが寄与したほか、インテリア事業はシェアを伸ばし健闘。エクステリア、スペースクリエーションも増収。一方、海外セグメントにおいて米国、東南アジアとも回復が遅れている。
増収に伴い売上総利益も増加し、インテリアセグメントにおける見本帳の拡充、新関西ロジスティクスセンター稼働、ウェーブロックインテリアの連結など販管費増を吸収した。米国 Koroseal社関連での繰延税金資産の取崩しおよび前期 Goodrich社・今期ウェーブロックインテリアの非支配株主分除外の影響により四半期純利益は減益となった。
売上高はほぼ期初予想通り、販管費が計画を若干上回り、利益は期初予想を下回った。

 

 

 

(2)セグメント別動向

 

21/3期2Q

(適用無し)

22/3期2Q

(適用あり)

22/3期2Q

(適用無し)

前年同期比

(1)

前年同期比

(2)

予想比

(適用無し)

売上高

 

 

 

 

 

 

インテリアセグメント

52,873

57,857

57,650

+9.4%

+9.0%

-1.7%

  壁装材事業

26,757

29,764

-

+11.2%

-

-

  床材事業

19,252

21,428

-

+11.3%

-

-

  ファブリック事業

3,607

3,828

-

+6.1%

-

-

  その他

3,254

2,835

-

-12.9%

-

-

エクステリアセグメント

7,235

2,823

7,502

-61.0%

+3.7%

-1.3%

海外セグメント

7,799

7,391

7,391

-5.2%

-5.2%

+2.0%

スペースクリエーションセグメント

2,208

2,703

2,703

+22.4%

+22.4%

+0.1%

調整額

-576

-820

-795

-

-

-

合計

69,540

69,955

74,451

+0.6%

+7.1%

-1.4%

営業利益

 

 

 

 

 

 

インテリアセグメント

2,740

3,148

3,132

+14.9%

+14.3%

+2.4%

エクステリアセグメント

235

253

253

+7.7%

+7.5%

+15.2%

海外セグメント

-509

-624

-624

-

-

-

スペースクリエーションセグメント

83

-34

-34

-

-

-

調整額

-6

-7

-7

-

-

-

合計

2,543

2,736

2,720

+7.6%

+7.0%

-7.8%

*単位:百万円。ファブリック事業は、カーテンと椅子生地を合わせたもの。「収益認識に関する会計基準」等を22年3月期第1四半期の期首から適用。21年3月期2Qは適用無し。前年同期比(1)は22年3月期2Q(適用あり)の21年3月期2Qからの前年同期比で(株)インベストメントブリッジが計算。前年同期比(2)は22年3月期2Q(適用無し)の21年3月期2Qからの前年同期比。
➀インテリアセグメント
新築・リフォーム住宅市場が好調な一方、非住宅市場の回復が遅れる中、新見本帳を中心とした営業体制強化により、増収。壁紙・塩ビ系床材ではシェアが上昇した。
壁紙では中級品も回復基調ではあるものの、商品のデフレ化傾向が継続している中、廉価品である量産壁紙は大きく伸長した。

 

営業体制の強化は、大型物件について、従来は東京のコントラクト営業部が全国を担当していたのを、東京・中部・関西の各支社にコントラクト営業部を設置したほか、営業部隊をフォローする営業推進を各地域に密着した体制とするなど、より現場重視のきめ細かい対応ができるようになった。
また、ゼネコン、ビルダーなど同業界でいう、いわゆる「川上」の顧客へのアプローチを強化したことも効果が出始めている。

 

<壁装材>
緊急事態宣言の発出や感染者の急増等、新型コロナウイルス感染症の影響がある中、新築住宅市場では需要の回復が見られる一方、改修需要は停滞した。
6月に発刊した量産壁紙見本帳「SP」では、営業部門と商品開発部門が連携したマーケットインの商品開発が市場の評価を得て、売上を牽引。また、住宅向け壁紙見本帳「ファイン1000」では、社会的ニーズに応え、SIAA認証を取得した抗ウイルス壁紙を拡充した。さらに、非住宅リニューアル市場の回復を背景に、非住宅向け壁紙見本帳「FAITH」の売上が堅調に推移したほか、粘着剤付化粧フィルム「リアテック」では、専任の営業部門による活動も奏功し売上が伸長した。

 

<床材>
新築住宅市場の回復により、住宅向け商品の売上が伸長した。特に住宅・非住宅を問わず幅広く使用できる「フロアタイル」は高い意匠性が評価され、好調に推移した。
非住宅市場においては、各分野でのリニューアル工事の回復に伴い、医療・福祉施設分野では各種施設用フロア見本帳「Sフロア」が、オフィス分野ではカーペットタイル「NT-700Hシリーズ」が、マンション等の大規模修繕分野では防滑性ビニル床シート「ノンスキッド」が、それぞれ堅調に推移した。

 

<ファブリック>
新型コロナウイルス感染症の影響は依然続いているが、5月に発刊したカーテン見本帳「ストリングス」が売上を牽引した。また、非住宅市場の回復を背景に、各種施設向けカーテン見本帳「コントラクトカーテン」の売上が伸長したほか、椅子生地見本帳「UP」も、市場の回復に加え見本帳の市場浸透が進んだことから、堅調に推移した。さらに、ワンプライスによる選びやすさを追求したカーテン見本帳「シンプルオーダー」を9月に発刊し、商品ラインアップを拡充した。株式会社サンゲツヴォーヌにおけるEC事業では、取扱商品点数の拡充や継続的な集客施策を実施し、売上が拡大。

 

<その他>
施工代や接着剤を含むその他の売上を含んでいる。

 

➁エクステリアセグメント
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、新設住宅着工戸数の回復に伴う外構工事の増加に加え、巣ごもり需要が続いている。ホームセンターやEC販売店を通じたポストや物置、ウッドデッキ等の販売が堅調に推移したほか、カーポートやテラスの売上も伸長した。また、中期経営計画に基づく事業領域の拡大として、スペースクリエーション事業本部を中心に、内外空間の一体提案型の営業活動を強化し、新たな事業領域の開拓を進めた。さらに、既存事業においても、施工力の強化に注力し、収益性の向上に努めた。

 

③海外セグメント
海外セグメントでは2021年1月から6月までの各社実績を22年3月期第2四半期の業績に算入している。
北米市場では、建設市場に回復の兆しが見え、受注は回復傾向であるものの、原材料仕入価格の高騰、入荷の遅延や人材不足、それに伴う賃金の高騰といった「供給制約」の問題が拡大し、厳しい経営環境となった。主要マーケットであるホスピタリティ市場の低迷が続く中、回復基調にある教育施設や医療・福祉市場に向けた営業活動に注力した結果、ホワイトボード壁装材や吸音・遮音壁紙といった新たな戦略商品の売上が伸長した。また、デザイン力強化の施策として、著名デザイナーであるStacy Garciaとのコラボレーションによる商品開発に取り組み、10月1日より販売を開始した。
新設備の導入、デザイナー増員などで商品力・デザイン力は改善されてきていると会社側は考えており、今後は、営業・カスタマーサービスの改善・活性化にも取り組む。

 

中国・香港市場では、中国経済及び建設市場全体の回復に伴い、営業活動も新型コロナウイルス感染症拡大前の状況に戻りつつある。従来進めてきた地域に根差した新規顧客の開拓と、きめ細かな営業活動が奏功し、売上が伸長した。また、中国市場における収益の拡大と事業の効率化を目指し、経営体制の整備やサンゲツ商品の販路拡大に向けた体制構築を図った。

 

東南アジア市場では、各国で状況が異なるものの、人的移動の制限により市場は厳しい状況が継続した。特に、観光業への大きな影響から、主要マーケットであるホスピタリティ市場が低迷し、建設工事の延期や中止が多く発生したことを受け、ヘルスケアやレジデンシャルといった、新たな戦略市場への営業力を強化した。また、マレーシアやタイ、ベトナムでサンゲツ商品の在庫を開始し、機能性壁紙を中心に、日本の高品質な商品を活かした販売体制構築を進めた。

 

④スペースクリエーションセグメント
フェアトーン株式会社においては、新型コロナウイルス感染症の影響やオリンピックによる首都圏での工事量減少といった懸念材料があったものの、市場全体の回復傾向を受け、売上は堅調に推移した。
一方で、工事受注金額の競争激化や販管費の増加により、利益面は厳しい状況となった。中部地区においては、サンゲツの商品力とフェアトーンの施工力を活かした営業活動が奏功し、売上を牽引した。また、北海道や東北エリアへの地理的拡大を進めたほか、全社的な営業基盤の強化や業務フローの改善に努めた。

 

サンゲツのスペースクリエーション事業部においては、これまでインテリア事業で培ってきた顧客基盤を活かした営業展開を進めた。これにより、主力のオフィス改修だけでなく、ホテル改修物件も獲得するなど、サンゲツの営業部門との顧客情報共有や営業連携による、グループ全体でのシナジー創出につながった。

 

デザイナーを増強するなど体制整備は進んでいるが、収益貢献に向けたよりスピーディーな規模拡大を目指していく。

 

(3)「収益認識に関する会計基準」等の適用による変更点

「収益認識に関する会計基準」等の適用による主な変更点は、以下のとおり。

 

収益認識

変更内容

配送サービスに係る収益認識

【インテリアセグメント】

・ロジスティクスセンターを含む物流関係諸費用(運賃を含む)を販管費から売上原価に変更。

 

・顧客から受け取る配送サービス費用を販管費の控除から売上高の計上に変更。

代理人取引に係る収益認識

【インテリアセグメント】

自社で在庫を保有しない取次品に関しては、総額から仕入先に対する支払額等を差し引いた純額で売上高を計上。

 

【エクステリアセグメント】

サングリーンは、取引高のうち多くを占める在庫リスクを有しない卸売に関して、総額から仕入先に対する支払額等を差し引いた純額で売上高を計上。

販売手数料等の顧客に支払われる対価

【インテリアセグメント】

販売店に対し支払う販売奨励金を、

従来の販管費処理より取引価格(売上高)からの減額に変更。

 

金額的に最も大きなものは、エクステリアセグメントにおける代理店取引の差し引き計上分46.8億円の売上高におけるマイナス影響。

 

 

 

 

(4)財務状態など

◎主要BS

 

21/3月末

21/9月末

増減

 

21/3月末

21/9月末

増減

流動資産

89,469

86,587

-2,882

流動負債

43,790

41,956

-1,834

現預金

25,719

23,778

-1,941

仕入債務

26,626

24,890

-1,736

売上債権

44,983

42,949

-2,034

短期借入金

7,261

7,536

+275

有価証券

300

300

0

固定負債

21,375

20,843

-532

棚卸資産

17,109

18,586

+1,477

長期借入金

8,660

8,007

-653

固定資産

69,356

69,568

+212

負債合計

65,165

62,799

-2,366

有形固定資産

40,516

40,286

-230

純資産

93,660

93,356

-304

無形固定資産

10,122

10,107

-15

利益剰余金

61,387

59,953

-1,434

投資その他の資産

18,717

19,174

+457

自己株式

-1,579

-1,689

-110

資産合計

158,826

156,156

-2,670

負債純資産合計

158,826

156,156

-2,670

 

 

 

 

自己資本比率

58.8%

59.5%

+0.7pt

*単位:百万円。

 

現預金、売上債権の減少等により、資産合計は前期末に比べ26億円減少。
仕入債務、借入金が減少し、負債合計は同23億円減少。
利益剰余金の減少で純資産は同3億円減少。これらの結果、自己資本比率は前期末から0.7ポイント上昇し59.5%となった。長短借入金残高は同3億円減少し155億円となった。

 

◎CCC
仕入債務回転期間の上昇でCCCは低下。着実な改善が続いている。

 

 

3.2022年3月期業績予想

(1)業績予想

 

21/3期

(適用無)

22/3期

(期初予)

(適用有)

22/3期

(期初予)

(適用無)

22/3期

(修予)

(適用有)

22/3期

(修予)

(適用無)

前期比

(1)

 

前期比

(2)

修正比率

(適用無)

売上高

145,316

146,000

155,500

146,500

156,000

+0.8%

+7.4%

+0.3%

売上総利益

47,640

38,600

51,800

40,100

53,300

-15.8%

+11.9%

+2.9%

販管費

40,938

32,000

45,200

32,500

45,700

-20.6%

+11.6%

+1.1%

営業利益

6,701

6,600

6,600

7,600

7,600

+13.4%

+13.4%

+15.2%

経常利益

7,042

6,800

6,800

7,850

7,850

+11.5%

+11.5%

+15.4%

当期純利益

4,780

4,300

4,300

4,500

4,500

-5.9%

-5.9%

+4.7%

*単位: 百万円。「収益認識に関する会計基準」等を22年3月期第1四半期の期首から適用。21年3月期は適用無し。前期比(1)は22年3月期(適用あり)の21年3月期との前期比で(株)インベストメントブリッジが計算。前期比(2)は22年3月期(適用無し)の21年3月期との前期比。21年7月の監査法人による収益認識基準の適用範囲の見直し及び科目の変更により、期初予想を一部訂正している。

 

業績予想、配当予想を上方修正
業績予想を上方修正した。売上高は1,465億円(収益認識基準適用なしでは前期比7.4%増の1,560億円)、営業利益は前期比13.4%増の76億円を予想。全セグメント増収を計画している。
増収により粗利も増加。値上げ効果で粗利率も上昇する。仕入れコストの上昇、営業活動の回復に伴う人件費、物流費に加え、新関西ロジスティクスセンター稼働や見本帳発刊に伴う費用なども増加するが吸収し、営業利益は2ケタ増の予想。配当予想も修正した。前期比12.00円/株増配の70.00円/株を予定。予想配当性向は91.6%。

 

(2)セグメント別動向

 

21/3期

(適用無し)

22/3期(修予)

(適用有)

22/3期(修予)

(適用無)

前期比

(1)

前期比

(2)

売上高

 

 

 

 

 

インテリアセグメント

111,794

120,900

120,950

+8.1%

+8.2%

エクステリアセグメント

14,626

5,600

15,050

-61.7%

+2.9%

海外セグメント

15,034

15,450

15,450

+2.8%

+2.8%

スペースクリエーションセグメント

5,239

6,100

6,100

+16.4%

+16.4%

調整額

-1,378

-1,550

-1,550

-

-

合計

145,316

146,500

156,000

+0.8%

+7.4%

営業利益

 

 

 

 

 

インテリアセグメント

7,082

8,350

8,350

+17.9%

+17.9%

エクステリアセグメント

417

470

470

+12.7%

+12.7%

海外セグメント

-985

-1,280

-1,280

-

-

スペースクリエーションセグメント

201

70

70

-65.3%

-65.3%

調整額

-13

-10

-10

-

-

合計

6,701

7,600

7,600

+13.4%

+13.4%

*単位: 百万円。「収益認識に関する会計基準」等を22年3月期第1四半期の期首から適用。21年3月期は適用無し。前期比(1)は22年3月期(適用あり)の21年3月期との前期比で(株)インベストメントブリッジが計算。前期比(2)は22年3月期(適用無し)の21年3月期との前期比。

 

*インテリアセグメント
日本市場は、期初、2019年度比4%減までの回復を見込んだが、5.5―6.0%減に留まる。
9月迄の原材料価格上昇による壁装材・床材の仕入コストアップを見込んでいる。
9月21日受注分より実施の値上げは、一部商品において遅れが見られ、浸透に更に時間がかかると見ている。
10月以降の原材料価格上昇による仕入れコスト増および追加値上げは修正予想には織り込んでいないが、外部環境を考慮して、再値上げの検討も開始している。

 

*エクステリアセグメント、スペースクリエーションセグメント
エクステリア市場全体はインテリア市場全体と同様の見通し。
スペースクリエーションセグメントは今期も事業拡大を見込んでいる。

 

*海外セグメント
米国建設市場は、受注は回復傾向・受注残は過去最高レベルであるものの、供給制約により7-9月の収益厳しく、売上増・収益改善には時間を要す見通し。
東南アジア市場は、7-8月のロックダウンの影響が大きい。10-12月期での回復を予想している。
中国・香港市場は、10-12月中に黒字化する予想。ドバイ撤退による特損を見込んでいる。

 

4.中期経営計画(2020-2022)【 D.C.2022 】の進捗

長期ビジョン【DESIGN 2030】の最初のステップである3年間の役割を担う中期経営計画【D.C. 2022】では、スペースクリエーション企業への転換を目指し、「基幹事業の質的成長による収益の拡大」「基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化」「経営・事業基盤の強化」「社会的価値の実現」の4つを基本方針とし、「基幹事業の収益拡大」と「次世代事業の収益化」による成長を目指している。

 

基本方針のうち、「基幹事業の質的成長による収益の拡大」「基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化」「社会的価値の実現」の主な進捗は以下の通りである。

 

【4-1 基本方針の進捗】

(1)基幹事業の質的成長による収益の拡大

①デザイン力の発展的強化と戦略的調達の推進
◎市場のデフレ指向への対応
商品に関しては、市場のデフレ化に対しての対応と、一方で、良質なデザインによる徹底した差別化を推進している。

 

6月の量産壁紙見本帳「SP」発売の後、 9月にはワンプライスのカーテン見本帳「シンプルオーダー」を発売。11 月には、粘着剤付化粧シート「リアテック」において、6,000 円以上の上代価格に加え、新たに 4,900 円上代の商品を追加した。建築コスト低減ニーズに合致した商品と好評である。

 

◎商品・デザインの高度化
11月に、表面のパイルにリサイクルナイロンを使用し、裏面のバッキング材にもリサイクルのバッキング材を使った脱炭素対応カーペットタイル「NT double eco」の販売を開始した。生産過程で発生するGHG(グリーンハウスガス)を約6割削減でき、販売に際してサンゲツは証明書も発行する。環境対応ニーズの大きなビルダー、事業主からの反響は過去に例を見ないほど大きく、採用が増加している。カーペットタイルの販売促進の大きな力になるものと期待している。
ロールスクリーンに関しても、子どもの安全性に対応した「CSロールスクリーン」を発売した。

 

デザイン面では、イギリスの有力なデザイン会社「Sanderson Design Group」 とデザイン契約を結び、歴史的にも評価の高い William Morris のデザインを使った商品を共同開発し、日本を含む東アジア・東南アジアで発売予定。
現在、壁紙・床材・ファブリック全ての分野で商品開発しており、来年から一部の商品を発売する。
塩ビの粘着剤付化粧シート「リアテック」、また「ガラスフィルム」において、グッドデザイン賞を受賞した。前述のチャイルドセーフティ機能付きのロールスクリーン「CS ロールスクリーン」は、キッズデザイン賞を受賞した。

 

◎ウェーブロックインテリア買収後の取組み
現在、ホテル向けを中心に、さまざまなデザインを表現することができるデジタルプリントの需要が拡大している。
21年3月に子会社化したウェーブロックインテリアでは、22年 1月にインクジェットプリンター2 台を導入予定。合わせて、インクジェットの発売に向けてデザイナーも強化している。
また、海外向けのフリース壁紙、不織布壁紙を試作し、海外市場での発売に向け準備を進めている。

 

②サービス機能の拡充と高度化
◎フェアトーンによる株式会社壁装の子会社化
フェアトーンが、東北地区での最有力の施工会社、株式会社壁装(宮城県)を子会社化した。もともとサンゲツが 25%の株式を保有していたが、残り 75%の株式を取得し、フェアトーンの 100%子会社とした。
施工を通じたゼネコンとの関係強化、東北地区での施工ネットワーク拡大等、さまざまな取り組みを拡大していく。
また、東北以外でも同様なリソース獲得を検討していく。

 

(2)基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化

①環太平洋地域での事業強化
◎各国での強固な組織・経営基盤の整備
従来やや複雑だった経営体制を、2021年1年間かけて再編し、簡素化・効率化を図った。
サンゲツの直下に100%子会社でシンガポールに本社のある Goodrich Global Holdingsを置き、この下で東南アジア事業を行う。
また、同じくサンゲツの100%子会社Goodrich Global 香港の下で香港と中国で事業を展開。中国に関しては、山月堂上海と Goodrich Chinaを統合した。ドバイに関しては、年内に撤退を完了する予定である。

 

◎海外事業 商品デザイン強化
Koroseal 社では、米国で建築関係およびファブリック関係で人気の高いデザイナーStacy Garcia とのコラボレーションによる商品開発を、約 2 年前から進めてきた。
21年10月、「STACY GARCIA NEW YORK By Koroseal」という新たなコレクションで、壁紙コレクション 6柄、82点の発売を開始した。

 

◎Goodrich社
2021年11月、シンガポールショールームをリニューアルオープンした。
350㎡のギャラリースペースに、壁装材・床材・ファブリックス等の商品10万点以上を展示している。

 

②専門能力拡充によるスペースクリエーション事業の展開
サンゲツの関西支社移転に際し、サンゲツのスペースクリエーション事業部が、エクステリアを扱う株式会社サングリーンとともに、関西支社の新たなデザインを行った。
事務所内に十分な緑を配置することで、インテリアとエクステリアが融合したデザインを実現している。オフィス内には、社外の関係者を迎えるコミュニケーションエリアを設置している。
関西支社センターオフィスを、スペースクリエーション企業としてのデザイン力を発信する場として活用する。

 

(3)社会的価値の実現

①地球環境
サンゲツ単体でのGHG(グリーンハウスガス)の排出量及び連結ベースでの排出量は、それぞれ6,233 t-CO2(20年度)、84,595 t-CO2(16年度)。
また、GHGの排出量だけではなく、環境に影響を与えるさまざまなリサイクルが必要な商品、特に見本帳をリサイクルする取り組みを行っている。

 

サプライチェーン含めたサンゲツの事業におけるGHG排出量の総量は2020 年度実績で38 万 9,295 トン。
仕入れ先と共に削減していく計画を、現在立案中。単体に関しては、6,000 トン強のGHG排出を 2030 年ゼロという目標を立てており、こちらも計画を立て推進中である。

 

②ESG外部評価
外部評価機関のレーティングに関しては、MSCI のレーティングが 5.3、FTSE のレーティングが3.1。年々着実にレーティングは向上している。

 

【4-2 資本政策】

中期経営計画では、「自己資本を 900〜950 億円の範囲で維持」「3 年間の総還元性向をほぼ 100%」「自己株式取得および配当に関して安定増配を念頭に、一方でコロナ感染症の業績に与える影響を見極めて、都度決定する」との資本政策を掲げている。
これに基づき、資金配分は、「成長投資200-260億円」「株主還元170-190億円」「23年3月期期末現金 250-300億円」との計画である。

 

今期の配当は前述の通り、前期比12.00円/株増配(期初予想から11.5円/株増配)の70.00円/株を予定。予想配当性向は91.6%。
増配の背景は以下3つ。
①2014 年度から継続的に自社株を取得してきたが、現在、自社株を除く発行済株式総数は 6,000 万株を下回る水準となっている。安田社長が社長就任時には 8,000 万株強だったが、6,000 万株以下に減少している。
②個人株主を中心に、自社株取得よりも配当重視の要請が強い。
③安定的増配の継続という要請もある。

 

この 3 点から、この3カ年において総還元性向ほぼ 100%という目標自体は変更しないが、総還元性向100%の内訳を、配当の比重を安定的増配が行える程度に高め、一方で、機動的な自社株取得は継続するという内容に変更した。
中間配当を 35 円/株に増配したことも含めて、上期での株主還元総額は35 億 6,000 万円。現在、22年1 月初めまでの自社株買いも継続して進めている。

 

5.今後の注目点

上期実績の進捗率は、売上高で47.8%(適用有り)・47.7%(適用無し)、営業利益で36.0%(適用有り)・35.8%(適用無し)。売上高はほぼ例年並み、営業利益はやや低水準である。
10月以降の原材料価格上昇による仕入れコスト増および追加値上げは修正予想には織り込んでいないということだが、第3四半期以降で、どれだけ売上・利益を積み上げていけるか注目したい。

 

中期経営計画の進捗の中では、量産壁紙のシェア拡大が計画通り進んでいる点が目を引く。ウェーブロックインテリア子会社化も着実に効果を生んでいるようで、こちらの収益貢献にも期待したい。

 

 

<参考1:長期ビジョン【DESIGN 2030】と中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】>

<Sangetsu Group 長期ビジョン【DESIGN 2030】>
安田社長が創業家以外初の経営トップに就任した2014年以降、経営体制、ガバナンス体制、仕事のやり方、社外とのかかわり方など、様々な変革に取り組み、同社は大きく変化・変容してきた。
しかし、事業そのものは、内装材料の販売という事業モデルから変化しておらず、この事業モデルそのものの変革が必要であると認識している。
そのためには、目指すビジョンを明確にし、未来の目標を明確に意識しながら、確実に諸施策を実行していく必要があると考え、「Sangetsu Group長期ビジョン【DESIGN 2030】」を設定した。

 

【DESIGN 2030】は2030年のありたい姿をデザインするという意味。
DESIGNのそれぞれのアルファベットが、目指すべき仕事の内容を表している。

 

(同社資料より)

 

 

(1)目指す姿:「スペースクリエーション企業」
現在有するモノや商品のデザイン力、営業力、物流力をベースに、新たにスペースや空間を構想・デザインし、提案する能力を獲得して、新たなスペースや空間を創造する企業を目指していく。

 

(2)長期ビジョン達成に向けて
長期ビジョンの達成に向けては、経営の基本を「デザイン経営」とし、デザインによるブランド価値の向上と事業転換を目指す。また、経営・事業の基盤に、「多様性のある専門人材」と「事業関連データの連携と活用」を位置付け、「現場力と多様性ある専門人材が活躍する組織」、「DATAによる事業の効率化と転換」を実現させる。
主要機能としては、従来のモノを売る機能から、サービスを売る機能への完全な転換を目指す。
また、事業のエリアは、北米、日本、中国、東南アジアを中心とした環太平洋地域とする。
こうしたアプローチにより、「スペースクリエーション企業」へ転換し、同時に社会的価値の実現にも取り組んでいく。

 

(同社資料より)

 

(3)デザイン経営
デザイン経営の考え方は以下の通り。

 

『サンゲツグループは、デザインによる提供価値の拡大・向上を実現し、事業を転換することを目指します。

 

商品・空間自体の美しさや機能、コーディネーションを追求するだけでなく、さまざまな空間での人々の過ごし方、生活・体験・行動を考え、人と空間とのかかわりを構想し、デザインし、提案します。

 

モノのデザイン、空間のデザインに加え、コトのデザインを考え、提案することにより、ブランド価値を向上し、従来のモノを売る会社から、空間を創造しコトを提案・実現する会社へ転換することを目指します。』

 

(4)実現を目指す社会的価値
実現を目指す社会的価値を「Inclusive(みんなで)、Sustainable(いつまでも)、Enjoyable(楽しさあふれる)社会の実現に貢献します」としており、Inclusive、Sustainable、EnjoyableのそれぞれにおいてSDGsの目標を掲げている。

 

平等で健康的なインクルーシブな社会の実現

 

サンゲツグループは、健康で快適な空間の創造を通じ、ジェンダーの多様性が尊重される、格差のない平等で健康的でインクルーシブな社会の実現に貢献します。

 

地球環境を守るサステイナブルな社会の実現

 

サンゲツグループは、サプライチェーン全体の環境負荷を低減し、長く使い続けられる空間の創造を通じ、ストック建築物の有効活用と共に、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現に貢献します。

 

より豊かでエンジョイアブルな社会の実現

 

サンゲツグループは、公平・安全・安心・効率的で人権を尊重する働き方により、さまざまな文化・生活に応じた空間の創造を通じ、よりエンジョイアブルな社会の実現に貢献します。

 

 

3つ目のEnjoyable については、SDGsの基本的な理念「誰も取り残さない」を踏まえ、自社の事業を考慮し、一歩進んで、より豊かでエンジョイアブルな社会の実現を社会的価値の一つとして挙げることとした。

 

(5)数値目標
10年後の2030年3月期「売上高2,250億円、営業利益185億円」を目指す。

 

中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】
この長期ビジョン達成に向けたファーストステップが3ヵ年の中期経営計画「Design & Creation D.C. 2022」である。
(1)前中期経営計画「PLG 2019」のレビュー

最終2020年3月期は、売上高1,612億円と過去最高を更新し、営業利益は前期比57.2%増92.6億円と大幅増益であった。一方で、海外事業での減損損失計上により連結純利益は同6割減の14.3億円。営業利益増、CCC改善によりROICは改善したがROEは低迷した。

前中期経営計画で定めた諸施策である「商品調達・営業・ロジスティクス等の強化」「海外事業展開」「人材関連施策」「ESG施策」等は着実に実行した。

セグメント毎の振り返りは以下の通り。

*インテリアセグメント

壁紙、住宅・店舗用床材、廉価版カーテンは、見本帳改善、代理店協業、受注・出荷・配送サービス強化によりシェアアップ。非住宅用床材、リアテック、ガラスフィルムは地域・市場・商品営業組織によるスペック営業の実行が不十分でシェアは横這い・縮小。要改善。市場・顧客・商品・出荷・配送に関する膨大なDATAを活用できていない。

 

*エクステリアセグメント

17/3期から13億円の増収となったが、施工力と配送力の質・量両面での不足、事業領域の限定、首都圏におけるプレゼンスが課題である。

 

*海外セグメント

Koroseal社の不振を中心に、各国・個別市場での経営体制、ビジネスモデル、ブランディングが脆弱である。

海外事業の収益化、事業拡大は重要課題である。

 

*スペースクリエーションセグメント

2021年3月期の新設セグメント。2017年1月に買収したフェアトーンでは、関西・東京事業の拡大、中部地域におけるサンゲツの施工部門との連携、デザイナー採用、総合工事力の強化に取り組んだ。2019年4月にサンゲツスペースクリエーション事業部を設立した。緒に就いたばかりであり、専門能力の強化や規模の拡大が課題。

事業基盤、事業能力、機能は整備、強化、拡充されたが、前中期経営計画中の営業利益増はほぼ日本市場での価格改定によるもので、量的拡大は限定的であった。施策効果は道半ば。

従来の施策を更に徹底実行することに加えてデータの活用や、より広い業態での事業の拡大が課題である。

GHGガス排出削減率の目標(35%)達成、離職率(入社3年以内)の低下、女性管理職比率向上およびワーキングマザー数増加、健康経営のための施策実行、ESG評価レーティング向上、障がい者雇用の推進など、ESG関連のKPIは着実に向上している。

減損損失計上により期末自己資本は目標金額を割込んだ。一方、3年間の総還元額は248億円で、総還元性向は260.5%であった。期中に600万株以上の自己株式の取得を行い、全株消却した。

 

 

 

 

*定量目標の達成状況

 

2019年度中計目標

2019年度実績

概要

売上高

1,650億円

1,612.6億円

若干未達も過去最高を更新

当期純利益

80~100億円

14.3億円

米国Koroseal社関連の減損損失計上

ROE

8~10%

1.5%

財務レバレッジ、総資産回転率は改善も、純利益低迷

CCC

75~60日

72.4日

売上債権回転期間短縮、仕入債務回転期間長期化、棚卸資産回転期間は長期化

ROIC

-

7.9%

16年度の7.2%を上回る。

EBITDA

-

134.9億円

16年度の112.0億円を上回る。

資本政策

 

 

 

自己資本

1,050~1,000億円

932.4億円

17/3期末の1,103.7億円からの削減

成長投資

100~250億円

62億円

未達。M&A案件未成立。

株主還元

250~330億円

248億円

ほぼ計画通り

期末現金

250~300億円

368億円

成長投資未達により計画を上回る。

 

(2)中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】の概要
①位置付け・基本方針
【D.C. 2022】は、長期ビジョン【DESIGN 2030】の最初のステップである3年間の役割を担う中期経営計画。
スペースクリエーション企業への転換を目指す3年間であり、「基幹事業の質的成長による収益の拡大」「基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化」「経営・事業基盤の強化」「社会的価値の実現」の4つを基本方針とし、「基幹事業の収益拡大」と「次世代事業の収益化」による成長を目指す。

 

(同社資料より)

 

②売上・利益の数値目標
「2023年3月期 売上高1,720億円、営業利益120億円」としている。
セグメント別には、量的には引続きインテリアセグメントが中心となるが、海外セグメントの底入れ・回復、新セグメントであるスペースクリエーションセグメントの立ち上がりがカギとなる。

 

 

2020/3期

2023/3期

CAGR

売上高

1,612.6

1,720.0

+2.2%

  インテリア

1,220.9

1,270.0

+1.3%

  エクステリア

160.8

170.0

+1.9%

  海外

198.0

210.0

+2.0%

  スペースクリエーション

41.6

70.0

+19.0%

営業利益

92.6

120.0

+9.0%

  インテリア

93.2

105.0

+4.3%

  エクステリア

6.4

8.0

+7.7%

  海外

-9.3

4.0

黒字転換

  スペースクリエーション

1.8

3.0

+4.9%

*単位:億円。CAGR(年平均成長率)はインベストメントブリッジが計算

 

③各基本方針の概要
③-1 基幹事業の質的成長による収益の拡大
◎インテリアセグメント
*市場環境
住宅市場(新築、リフォーム)、非住宅市場(新築)とも、ほぼ横ばい状態にあり今後も量的な拡大は大きく望めないが、非住宅のリニューアル市場はストック物件増加に伴い工事は拡大すると見込んでいる。

 

*4市場における基本戦略

市場

基本戦略

重点施策

住宅:新築

量の縮小の中、利益率改善による総利益額の拡大を目指す。

代理店協業深化、売れる見本帳開発、受注・出荷・配送サービスの拡充・高度化、商品デザイン力強化、戦略的調達強化

住宅:リニューアル

シェア向上、利益率改善を目指す。

代理店協業深化、スペースデザイン力の強化、受注・出荷・配送サービスの拡充・高度化

非住宅:新築

シェア向上、利益拡大を目指す。

経営資源の重点配分、戦略的調達強化、デザイン力の発展的強化

非住宅:リニューアル

数量増を目指すと同時に、高価格商品投入により、利益率も改善させる。

経営資源の重点配分、コトのデザイン力強化

 

*3つの施策
(1)デザイン力の発展的強化と戦略的調達の推進
◎デザイン力の発展的強化
従来の商品デザイン力の強化に加え空間デザイン力の強化とコトのデザイン力強化を進める。
3つのデザイン力の相互作用を通じて、総合的なデザイン力を発展的に強化させる。

 

デザインに関してはこれまでも、各事業部の商品開発課の商品デザイン、コントラクトデザイン室の非住宅関係の空間デザインの提案、ショールームにおける住宅関連を中心としたコーディネーション提案を行っているが、加えてスペースクリエーション事業部では様々な形でスペースのデザイン提案を行っている。またフェアトーンでも、デザイナーを採用し、デザイン力を持った施工工事の拡大に努めている。
営業組織においても、設計会社、デザイナー、インテリアコーディネーターとデザインに関する議論を行っており、情報も収集されている。このように社内の各部署で、デザインを重要な課題として捉え、デザイン力の強化に複合的に取り組んでいくが、そのベースとして全社のデザイン戦略を明確にし、市場の求めるデザイン・機能・コストも含めてデザイン戦略を立てた上で、デザイン力全体を発展的に強化していく。

 

◎戦略的調達
同社の商品は、商品数・デザイン数の多少、取引ロットの大小など多様な商品から構成されている。
このうち、商品デザインの数の多い商品、取引ロットの小さい商品は、デザインの多様性を重視し、仕入れ先の分散を進め、多様な仕入れ先からデザイン提案等を受けることが重要である。
一方、デザイン数・商品数が少なく、取引ロットの大きい商品は、コスト競争力を強化していくこと、特定のメーカーや仕入先とのアライアンスをさらに強化していくことが重要であると考えており、商品の特性・状況に応じて調達の方針を明確にし、戦略的調達を推進する。

 

(2)サービス機能の拡充と高度化
同社での受注・出荷・発送の流れは
受注(内装施工業者から代理店を経由) → 出荷(代理店向け) → 配送(代理店から施工現場、もしくは同社が直接配送)

 

となっており、受注から出荷までの時間差は、一般的に2時間から4時間で、この間に10センチメーターもしくは枚数単位で商品を用意して出荷している。この出荷に基づいて、内装施工業者や顧客が発注してから、当日中ないし翌日までに商品を届けるクイックデリバリーを実行している。
一方、同社が仕入先(メーカー)に発注して、メーカーが生産を仕上げるまでには、数週間から数カ月かかる。

 

このような状況の下で、素早く受注し、素早く出荷・配送するというサービスが重要な機能となっているが、一方で施工において、顧客である内装施工業者の施工仕事量は、季節における変動が大きく、施工力の過不足も発生する。
施工がタイトな時期には、施工応援の要請があり、これに応じて代理店、また同社が直接、施工の支援を行うことも多く、これも重要な機能と位置づけている。
こうした受注、在庫・出荷、配送、施工、全体のサービスを、人手不足の中でも拡充・強化することが同社サービスの強化、事業の強化につながると位置づけ、今回の中計期間中も、各種施策の実行が必要である。

 

(受注)
受注における社員関与率は前中期経営計画中にBPO導入によって78.7%から大幅に低下し、その後もEDIでの受注比率の拡大、オンライン受注の拡大に伴って、社員関与率は13.3%へと、BPO比率も46.4%まで低下している。
今中期経営計画中にオンラインの比率を40.3%から62%まで引き上げると同時に、BPO比率を32%まで、社員関与率を6%まで低下させる。AIの活用も検討している。

 

(出荷)
前中期経営計画中には全国の出荷設備の更新、新設・統合を行った。
2021年1月、新関西LC(ロジスティクスセンター)が稼働を開始した。同社にとってはいままでにはない無人化・省人化設備を導入した。在庫・出荷に関しての持続性を確保するために、今後さらに首都圏および中部圏においても省人化設備を導入する計画である。

 

(配送)
前中期経営計画中には、東北を中心として配送体制の整備を進めた。
今後も、北関東、静岡、北陸、関西、九州などで地域配送体制を拡充すると同時に、重量物の配送も、大都市圏を中心に整備していく。

 

(施工)
フェアトーン社で、約650人の施工技能者が施工に従事。この他、サンゲツ単体で依頼している施工技能者、パートナーの施工事業者等を合わせると、現在、約1,000人の内装施工技能者を有している。
今中計中にさらに内装施工力を強化・拡充すると同時に、総合施工力の向上、施工ネットワークの拡充にも努める。

 

(3)代理店との協業深化と営業体制の強化
代理店経由の販売比率が、16年3月期の57.7%から21年3月期には67.2.%へと上昇している。
代理店との協業強化は、効率化および量的拡大の上で重要であり、代理店との協業を量的・質的に強化し、最終23年3月期までに代理店経由の販売数量を70%とする計画だ。
また、情報・DATAの共有・活用による効率化と分業もさらに推進していく。

 

課題と認識している営業体制については、営業人員数を850~890名とほぼ現在の人員数を維持したまま、非住宅市場でのスペック活動に社員を重点的に投入し、非住宅市場でのスペック力強化を図る。
デザイン力を活用した営業強化にも取り組む。
非住宅顧客へのデザイン営業の拠点であるコントラクトデザイン室が、非住宅を中心としたスペースデザイン及び特注デザインを提案するほか、ビルダー・ハウスメーカー・リフォーム事業者へのデザイン営業の拠点であるショールームは、住宅を中心としたデザインコーディネーション提案に注力する。

 

 

◎エクステリアセグメント
川下市場の営業展開を強化し、首都圏での事業拡大を行うと同時に、景観工事へ進出する。
また、既存事業の機能として、重量物を中心とした配送体制、また施工の強化にも取り組む。

 

③-2 基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化
*海外セグメント
各国において、強固な経営基盤の構築を行うと同時に、最適モデルの追求と徹底した現地化、ブランディングとプロダクトポートフォリオの強化を図る。

 

◎強固な経営基盤の構築
前期減損を計上したKoroseal社、巨大な東南アジア市場攻略の拠点となるGoodrich社中心に新経営陣の招請、人員強化、新拠点設立を進める。

 

(同社資料より)

 

◎最適モデルの追求と徹底した現地化、ブランディングとプロダクトポートフォリオの強化
最適モデルを追求すると同時に、内装材料ビジネスにはローカルの力が重要なため、徹底した現地化を進める。
また、プロダクトポートフォリオ強化については、各国市場の要求する商品を強化すると同時に、ブランディングもさらに強化する。
ブランディングに関しては、米国においてはKoroseal、カナダにおいてはMetro、中国においてはサンゲツとGoodrichの2ブランド、香港においてはGoodrich、ベトナム、タイにおいてはGoodrichとサンゲツ、マレーシア、シンガポールにおいてはGoodrichブランドを強化する。

 

(同社資料より)
*スペースクリエーションセグメント
スペースクリエーション企業を目指すにあたり、スペースクリエーションセグメントが先鋒となるが、同セグメントに限らず全社を挙げて、スペースクリエーション企業を目指す。
サンゲツには顧客基盤(ホテル・宿泊・オフィス・商業・福祉など)、非住宅の空間デザインを提案するコントラクトデザイン室の約60名のスタッフおよび社外インテリアデザイナーとの連携によるデザイン力、フェアトーンの内装仕上げ施工力など、既存の基幹事業において豊富な知見と強みを有している。
これに、スペースデザイン力・発想力・構想力・提案力・コンサル力、木工・照明・電気を対象とする総合的な施工力、施工管理力の強化といった専門能力の獲得・強化を進め、顧客にとって最適な空間を創造・提供し、スペースクリエーション事業を拡大していくのが、スペースクリエーションセグメントの役割である。

 

③-3 経営・事業基盤の強化
◎業務執行の能力強化と効率化
教育研修の拡充、高度専門人材の採用拡大、現場力と専門能力の強化、多様性に富んだ雇用推進などで業務執行の能力強化を図るとともに、業務改革・テレワークの常時実施・社内での定期的かつ密接な意思疎通による業務執行の効率化も進める。
これら現場力と専門能力強化のために職責内容を重視した人事制度・給与制度への変更にも着手する。
また、引き続き健康経営の推進、エンゲージメントの向上、インクルージョンある雇用促進にも取り組む。

 

◎DATAの高度活用体制の整備
同社では、多数・多様な顧客から多数・多様な商品の発注を受け、大量の出荷を行っており、多様かつ膨大なDATAが日常的に発生している。
これらは「受注関連DATA」「出荷・配送関連DATA」「営業関連DATA」に分けられるが、このうち、「受注関連DATA」「出荷・配送関連DATA」は、現在、代理店などとの連携により入手しているが、代理店の出荷・配送関連DATAは未入手である。また、営業関連のDATAに関しても構造化されていない。
そこで、将来的にDATAを活用した業務の可視化や効率化、効果的なマーケティングの展開、各事業における事業転換を可能にするためには、未入手DATAをさまざまな努力を通じて入手して構造化DATAとすることおよび、非構造化DATAである営業DATAを質的DATA・定性DATAとすることによって、DATAを連携・分析することが必須である。
今回の中期経営計画期間中に少しずつでも着実にDATAの高度活用体制整備を進めていくことを目標としている。

 

 

③-4 社会的価値の実現
ESG課題として、地球環境、人的資本、社会資本、ガバナンスの4グループに分けて課題を抽出し、マテリアリティを明確にした上で諸施策を立て、実行していく。
ESGの諸課題抽出、諸施策の実行にあたっては、長期ビジョンで定めた「社会的価値の実現」「Inclusive、Sustainable、Enjoyable」「みんなでいつまでも楽しさあふれる」という3つの価値の実現とリンクさせた上で、実行する。

 

地球環境

「地球環境への負荷低減」

①事業活動における環境負荷の低減

・GHG排出量の削減

・エネルギー使用量の削減

・廃棄物総廃棄量の削減

・リサイクル率向上

 

②サプライチェーンにおける環境負荷の把握と低減

・サプライヤーごとのGHG原単位の把握と、調達活動での考慮

 

③ロングライフ商品の拡充

・高耐久性商品の開発

・長期継続品の拡充

 

④見本帳の回収・リサイクルの拡大

・回収リサイクル体制の構築と拡大

人的資本

「多様な人材が活躍する組織」

①社員の健康と能力開発

・社員の健康・安心・安全の確保

・業務変革による働き方改善の推進

・きめ細やかな人事マネジメントに基づく能力開発

・社員エンゲージメントの向上

 

②ダイバーシティ&インクルージョンの推進

・女性活躍推進

・障がい者雇用の拡大

・グループ内での人材交流を含む外国籍人材の増員

社会資本

「サプライチェーンの安心・安全・魅力の向上」

「コミュニティ参画」

①商品安全性の向上

・原料の見直し

 

②品質安定性の向上

・商品クレームの削減

 

③環境・人権・労働安全衛生を考慮した調達活動の推進

・調達先との長期安定的な取引関係の構築

 

④取引先と一体となった働き方の改善

・バリューチェーンを通じての業務体制の変革・改善

 

⑤コミュニティへの積極的な参画

・児童養護施設リフォームでのスペースクリエーション

・発展途上国の子どもたちに向けた支援活動

・社員の積極的な参加

 

⑥インテリア文化の向上と芸術支援

・サンゲツ壁紙デザインアワードの継続開催

・各種芸術イベント支援

ガバナンス

「コーポレートガバナンスの強化」

①取締役会の実効性強化

・取締役会の多様性推進

・取締役会の独立性確保

 

②指名・報酬委員会の実効性強化

・時間軸かつ明示された資格要件に基づく指名の検討

・報酬決定プロセスの客観性確保と内容開示

 

③コンプライアンスの徹底

 

④ステークホルダーとの責任ある対話の実施

 

③-5 定量目標
経済的価値、社会的価値、資本政策の3点について定量目標(KPI)を掲げている。
(1)経済的価値:2023年3月期目標

連結売上高

1,720億円

連結営業利益

120億円

連結純利益

85億円

ROE

9.0%

ROIC

9.0%

CCC

65日

(2)社会的価値:2023年3月期目標

1.地球環境

事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減

①GHG排出量

 

SBT:WB 2度水準達成(※)

30.0%削減(2018年度比)

*2031年3月期目標

②エネルギー使用量

4.0%削減(2018年度比)

③廃棄物総廃棄量

4.0%削減(2018年度比)

④リサイクル率

83.0%以上

2.人的資本

(1)社員の健康と能力開発

①特定保健指導実施率、がん検診受診率、有所見率、メタボ率の改善

②非喫煙率80.0%以上

(2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

①女性管理職比率

20.0%以上

②障がい者雇用率

4.0%以上

3.社会資本

コミュニティへの参画

①児童養護施設リフォームでのスペースクリエーション

年間30件

②社員の積極的な参加

マッチングギフト:7,000 S-mile

※:世界の気温上昇を産業革命前より2°Cを十分に下回る水準(Well Below 2°C:WB2°C)に抑え、また1.5°Cに抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年〜15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標。

 

(3)資本政策
◎資本政策

1.自己資本を900〜950億円の範囲で維持する。

2.3年間の総額で総還元性向を、ほぼ100%とする。

3.自己株式取得および配当に関しては、安定増配を念頭に、新型コロナウイルス感染症の業績に与える影響を見極め都度決定する。

 

◎資本配分政策・未定としていた資本配分に関して、3年間の業績見通しが明確になり、2021年5月に決定。

 

中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]期間中の資本配分政策

資金創出・調達

資金配分

2020年3月末 保有現金同等物 ※

368億円

成長投資 ※

200~260億円

3年間の営業キャッシュ・フロー

280~300億円

株主還元

170~190億円

3年間の借入金

△50~100億円

2023年3月末 期末現金

250~300億円

※現預金と株式以外の有価証券

※M&A、マイナー投資(アライアンス強化)、設備投資(物流・DXなど)

 

<参考2:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

7名、うち社外4名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月6日

 

<基本的な考え方>
当社は、「誠実」を社是とし、企業価値の向上を図るため全てのステークホルダーとの良好な関係を築き、持続的に発展していくことを目指しています。
その実現のため、経営の透明性、迅速性、効率性を基盤としたコーポレートガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
当社は、社外取締役の経営参加による取締役会の監査・監督機能を強化することをねらいとして、監査等委員会設置会社へ移行しています。
このガバナンス体制のもと、更なる企業価値の向上に努めております。

 

<実施しない主な原則とその理由>
2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コード(プライム市場向けの内容を含む)に基づいて記載しています。
当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しております。

 

<各原則に基づく主な開示>

原則

開示内容

【原則1-4. いわゆる政策保有株式】

1.政策保有に関する方針

事業戦略上、新たに関係を強化すべき企業、また、取引先として継続して関係を強化すべき企業などの観点から総合的に判断して中長期的に保有する政策保有株式を決めております。保有株式については毎年、保有にかかるコストとリターンを確認し、中長期的にも保有意義がなくなったと判断した場合には株式の売却を行う方針であり、それに基づいた運用をしております。取締役会における検証の結果、保有継続を決定した銘柄については、有価証券報告書の「株式の保有状況」欄で開示します。

2.議決権行使の考え方

投資先企業の経営方針を尊重した上で、様々なチャンネルを通じた対話やコミュニケーションを行い、その企業の中長期的な企業価値の向上、株主還元姿勢、コーポレートガバナンスやCSRへの取組みなどを総合的に判断するとともに、議案の内容が当社の保有目的に適合するか、又、当該企業の価値向上につながるかを個別に精査した上で賛否の判断をしています。

【原則2-4 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】

補充原則2-4① 中核人材の登用等における多様性の確保

(1)多様性の確保についての考え方

サンゲツグループ人権方針、サンゲツグループダイバーシティ基本方針を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認および性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進しています。

 

(2)多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標、及び多様性の確保の状況

・女性の管理職への登用

当社の正社員の女性社員比率は37.2%で、両立支援制度の拡充など性差問わず働き易い環境を整備してきたことにより年々増加しています。また、リーダー層(係長クラス)での女性比率は35%、管理職での女性比率は17.2%です。当社では2022年までに女性管理職比率を20%とする目標を掲げており、2017年度からの女性管理職比率の推移を当社ウェブサイトで開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/divercity_policy.html

 

女性活躍を支援するために、女性社員及び上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修、女性活躍支援健康セミナー等も実施しています。

・中途採用者の管理職への登用

経営人材、情報システム、デザイナー等の専門人材を確保するため、2016年より中途採用者の採用を積極的に行っております。執行役員については7名のうち中途採用者は3名で、その割合は4割を超えています。執行役員以外の管理職比率は、2021年4月1日時点で4.7%です。中途採用者の定着を図り活躍を支援するために、入社後の研修等も実施しています。

・外国籍人材の管理職への登用

サンゲツ単体は主として国内市場をターゲットにしていますが、グループでの海外事業展開を始めた2015年より外国籍人材の採用を行っております。これらの人材は今後国籍の区分なく能力と業務パフォーマンスを基準に平等に管理職へ登用していきます。なお、グループの海外事業会社では、事業の中核を担う役員ポストのうち45%が外国籍人材です。

 

(3)多様性の確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況

背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・マネジメント」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。ダイバーシティ&インクルージョン目標として、外国籍人材の積極採用、障がい者雇用の拡大、及び女性管理職登用支援を掲げています。この他にも、有給休暇取得率の向上、長時間労働の是正、及びLGBTQに関する取組み等を行っています。

補充原則3-1③

・サステナビリティについての取組み

長期ビジョン【DESIGN 2030】において、SDGsで示される17の目標の内、10を当社グループ目標内に入れています。また中期経営計画【D.C.2022】において、基本方針の一つに「社会的価値の実現」を掲げています。具体的な施策としては、①環境負荷の低減について具体的な数値目標の設定、②サプライチェーンにおける環境負荷の把握を促進(将来的には調達活動の判断基準の一つとする予定です)、③高耐久性のあるロングライフ商品の開発、環境対応商品の開発、④見本帳リサイクルがあります。④については、sangetsu 見本帳リサイクルセンターを2021年3月に開設、業務を開始しております。

・人的資本への投資

当社は、社員の多様性、人格、個性を尊重し、一人ひとりが経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の運営を目指しており、これらの制度については、当社ウェブサイトで開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/divercity_policy.html

さらに、当社では健康経営方針『健康に働き、人生を送る「従業員が生き生きと働くために」』を掲げており、従業員が生き生きと働くために、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り健康の保持・増進活動に取組んでおり、これらの活動についても、当社ウェブサイトで開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html

・知的財産への投資

長期ビジョン【DESIGN 2030】における経営の基本であるデザイン経営の一環として、商標、意匠、特許の積極的な出願等、知的財産への投資を積極的に行っています。なお、社員の職務発明に対しては、職務発明取扱いに関する社内規定に従い報奨金を支払っています。

・気候変動が事業活動に与える影響

2021年6月発刊の有価証券報告書より気候変動リスクを新たに追加し、統合報告書42~43ページにも、地球環境保全について、事業活動における環境負荷の状況をまとめました。当社ウェブサイトでも、「気候変動に関する考え方、重要課題」について、グラフや表を多用して説明しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html

さらに、「気候変動によるリスクと機会」についても、表を用いて説明しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/risk.html

なお、当社はTCFDに賛同するとともに、TCFD開示項目4要素(戦略、ガバナンス、リスク管理、指標と目標)を概ね開示していますが、今後、更なる質と量の充実を進めてまいります。

【原則5-1. 株主との建設的な対話に関する方針】

 

・IR活動に関しては社長自らが統括し、IR面談、決算説明会も対応しています。海外投資家にも直接説明するなど投資家との積極的な対応を行っています。また、定期的に全社外取締役を含む監査等委員と機関投資家のミーティングを実施しています。  

・株主との対話を合理的に推進し且つ機動的なIR活動を実践するために、総務部広報IR課を設置しています。

・国内・海外機関投資家、アナリストとの対話は要望に応じて社長執行役員、担当役員、総務部広報IR課が面談しています。

・IR活動は広報IR課を専門部局としますが、各事業本部、財務経理部、社長室経営企画課などの各部門が連携し、より実効性の高い情報提供に努めています。

・決算発表のほか、機関投資家向けには、決算説明会、経営戦略説明会、ロジセンター見学会等のイベントを開催、個人投資家向けには、証券取引所主催の個人投資家向けIRイベントへの参画のほか、株式情報誌への出稿やウェブサイトの拡充など積極的な情報開示を実施しています。

・2017年より当社品川ショールームにおいて株主向け会社説明会を実施し、主に関東地区の個人株主様への会社説明の機会を設けています。本説明会には取締役全員が出席し、社長執行役員が会社説明を行っています。

・各イベント等で使用した説明用資料や対話の様子をウェブサイトで開示しており、必要に応じて英語版も開示しています。

・各年度において統合報告書を作成し、当社ウェブサイトで日本語版と英語版を開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/report.html

・直接的な対話、ウェブサイト上の資料、決算説明会の動画、及び株主総会の動画の公開を通じて、株主に対し当社の経営戦略、事業環境、事業進捗、財務情報などに関して理解を深めて戴ける活動を実践しています。

・株主や投資家との対話を通じて得られたご意見は広報IR課を通じて経営の改善に役立てています。

・インサイダー情報の管理の取扱いについては、内部者取引等管理規定(インサイダー取引防止規定)に基づき、未公表の重要事実の管理を徹底し、適切に対応しています。

 

 

 

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